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王都での日常
第71話 後輩の面倒
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――翌日、目を覚ましたバルトは学校に向かおうとすると、学生寮の前に思いもよらぬ人物が二人も待ち構えていた。それを見た途端、彼は驚きのあまりに大声を上げた。
「あ、あんたら……」
「よう、元気そうだね」
「ど、どうも……」
彼を待ち構えていたのはバルルとコオリであり、どうしてこの二人が学生寮の前に立っているのかとバルトは驚く。学生寮で暮らすコオリはともかく、教員であるバルトがここにいる事に彼は戸惑う。
「……何をしてるんすか?」
「見ての通り、あんたを待っていたのさ」
「俺を?どうして……言っておきますけど、もうそいつに絡むつもりはありませんよ」
「ふんっ……前に会った時より、すっきりした顔を浮かべているね」
「えっ?」
バルルの言葉にバルトは呆気に取られると、そんな彼にバルルはコオリの背中に手を差し伸べて頼みごとを行う。その頼み事というのが彼にとっては信じられない内容だった。
「あんたに頼みがあるんだ。聞いてくれるかい?」
「た、頼み?俺にですか?」
「そうだよ。さあ、自分から話しな」
「あ、あの……僕、魔法をもっと上手く扱えるようになりたいんです。だから、先輩に魔法の使い方を教えてほしいんです」
「お、俺に!?」
先日に試合を行ったばかりの相手に魔法の扱い方を教わりたいと頼まれた事にバルトは愕然とするが、バルトは頭を掻きながら事情を話す。
「あたしはこいつの師匠なんだけどね、正直に言って指導が行き詰ってるんだよ。あたしは元々魔拳士だからね、魔力の操作ぐらいなら教えられるけど……魔術師としての戦法はあたしには教える事ができないんだよ」
「だ、だからってなんで俺に……」
「あんた、聞いたところによると三年生の中では一番優秀な生徒なんだろ?それにコオリの奴も知らない奴に教わるより、自分が知っている奴に教わった方が気が楽だと思ってね」
「いや、気が楽って……俺達、この間に試合したばかりですよ?」
「嫌なら別に断っても良いよ。これはあくまでも頼み事だからね、だけどコオリはあんたに教わりたいみたいだよ」
「先輩、お願いします!!」
コオリは頭を下げるとバルトは増々混乱し、どうして先日に試合をして戦ったばかりの相手にわざわざ頼むのかと戸惑う。この数日の間にバルトはコオリに絡んでいたので勝手に自分が嫌われていると思っていたが、コオリは特に気にした様子もない。
確かにバルトは三年生の魔術師の中では一番の腕前を誇り、先日の試合では引き分けたがコオリよりも魔法の経験は長く、それに彼のスライサーはコオリが氷刃を作り出す切っ掛けとなった。その事もあってコオリはバルトに嫌な印象は抱いておらず、彼に指導を受けたいと考えていた。
「先輩、魔法を教えてください!!」
「お前……本当に俺でいいのか?」
「あんたしか頼める奴がいないんだよ。あたしはほら、ここへ来たばかりで他の教師ともあんまり仲が良くないからね。だからあんたに力を貸して貰えると助かるんだよ」
「なんすかそれ……」
バルルは優れた魔拳士ではあるが魔術師ではなく、これ以上にコオリの指導を行うのは難しい。魔力に関する操作の術は教える事ができても本格的な魔術師の戦闘方法は教える事ができず、どうしてもコオリの指導には本物の魔術師の協力が必要だった。
一年生の担当教師であるセマカに頼む事も考えたが、先日の一件でバルルはタンと完全に対立してしまい、他の教師とは溝ができてしまった。タンは性格はともかく、この学園で一番長く教師を勤めているので他の教師に対して影響力が強い。そのためにセマカもタンには逆らえず、残念ながらバルルの協力はできない事を告げる。
「それでどうだい?あんたがもしもコオリの指導を引き受けてくれるというのならこっちもそれなりの礼はするよ」
「礼?」
「あんた、月の徽章が欲しいんだろう?あたしの方から学園長に掛け合ってやろうか?」
「っ……!?」
月の徽章の話題を出されてバルトは驚き、今までの彼ならば真っ先に条件を受け入れていた。しかし、コオリとの戦闘を通してバルトは月の徽章を求める本当の理由を思い出すと、彼は苦笑いを浮かべて首を振った。
「いや、いいっすよ……そんな事をしなくても指導ぐらい受けます」
「え、いいんですか!?」
「本当にいいのかい?あんた、相当に月の徽章を欲しがっていたそうじゃないかい」
「別に月の徽章を諦めたつもりはありませんよ。ただ……本当に欲しい物は自分の力で手に入れなきゃ意味ないんですよ」
バルトは笑みを浮かべて自分の杖を取り出し、もうこれからは誰も馬鹿になどせず、自分自身を磨き上げて月の徽章を持つのに相応しい実力を身に着ける事を誓う。どれだけ時間が掛かろうと構わず、これから先もバルトは魔法の腕を磨いて何時の日か誰もが認める魔術師になる事を誓う。
過ちを犯した自分を正してくれたコオリに対して彼は恩義を感じ、その彼の恩に報いるためにバルトはコオリに魔術師の先輩として指導する事を約束した――
――月日は流れ、コオリが学園に訪れてから三か月近くの時が流れた。放課後を迎えると彼はバルトと共に魔術師の戦い方を教わり、屋上の訓練場にて指導を受ける。
「いいか、何度も言わせてもらうが魔術師の基本は相手との距離を保つ事だ。魔術師の長所は遠距離から攻撃や支援を行える事だという事を忘れるな。近付こうとする相手を見逃さず、時には動いて相手に距離を詰められないように気をつけろ!!」
「は、はい!!」
「杖を構えたまま動く事に慣れろ!!相手から目を反らさずに動け、但し周囲の状況を把握しておかないと痛い目を見るぞ!!」
お互いに杖を構えたままッコオリとバルトは移動を行い、相手が近付こうとしたらその分だけ距離を取り、逆に相手が離れようとしたら自分も近づく。
魔術師の長所は遠く離れた相手でも魔法の射程圏内であれば攻撃を仕掛けられる事だったが、高過ぎる威力の魔法は逆に危険性を伴い、もしも相手に近付けられれば魔法を放とうとしても威力が大き過ぎて自分も巻き込まれる危険性もある。
「敵に近付かれた場合、威力と規模が大きい魔法は絶対に使うな!!自分も巻き込まれる可能性もあるからな……といってもお前の場合は別にそんなに心配する必要ないか」
「え?そうなんですか?」
「お前の扱う魔法はどれも接近戦でも十分に利用できるからな。言い方は悪いがそもそもお前の魔力だけじゃ攻撃範囲の広い魔法なんて使えないだろ?」
「うぐっ……」
コオリの魔法はバルトは全て把握しており、特に「氷弾」は優れた魔法だと認めていた。先の勝負でコオリがバルトの身を案じずに氷弾を連発していたら早々に勝負は決着していた。
氷弾の利点は発現までの時間の短さと攻撃速度であり、獣人でもなければ避ける事は難しい。魔法を撃ち込む前に行動に移さなければ普通の人間では避けるのは不可能であり、対人戦においてはこれ以上に厄介な魔法はない。
「お前は優しすぎるんだよ。相手をできる限り傷つけないように戦おうとするから実力を発揮できないんだよ」
「でも……相手が悪党だとしてもできれば人を殺したくはないので」
「まあ、気持ちは分かるがな……そうだ。お前は防御魔法は使えないのか?」
「防御魔法?」
バルトの言葉にコオリはかつてリオンが風の障壁を作り出し、自分を守った事を思い出す。バルトも決闘の際に同じような魔法を使っていたので尋ねてみる
「先輩との勝負の時に使ったのは防御魔法ですか?」
「ああ、あれは周囲からの攻撃を防ぐ事はできるが、防御力自体は別に大した事ないんだよ」
「え、そうなんですか!?」
「あの魔法は自分の周囲に風の魔力で障壁を作り出すけど、これがきついんだよ。俺の魔力量だとせいぜい普通の魔術師の下級魔法を受けれるぐらいだな……最もお前には破られちまったがな」
魔法の効果は使用者の魔力量によって大きく変化するらしく、魔力が大きい人間程に効果が高くなり、逆に魔力量が少ない場合は簡単に破られてしまうという。
バルトの魔力量は三年生の中ではトップクラスだが、それでもリオンには及ばない。本人もその事は自覚しており、彼は悔し気な表情を浮かべた。
「俺が前に敗れたリオンという奴……悔しいが、あいつは俺よりも魔術師としての才能は上だ」
「リオン……」
「そういえばお前、あいつの友達だったな?あいつとは連絡は取っていないのか?」
「いや、友達という程じゃ……」
コオリはリオンに命を救われたが決して親しい間柄とは言えない。リオンが魔法学園に通っていた事も知ったのは最近の話であり、しかもバルトにとって因縁の相手だと知ったのも彼から指導を受けた後に聞いた話である。
「たくっ……一年生の癖に休学なんて何を考えてんだ」
「先輩はリオンの事を知ってるんですか?」
「いいや、何度か調べようとしたが結局は分からずじまいだ」
バルトはリオンに敗れた後に彼の正体を確かめようとしたが、結局は分からずじまいだった。教員に話を聞こうとしても教えて貰えず、それどころか調べようとする事を禁じられた。
「くそっ……あいつ、本当に何処に消えたんだ」
「あの……リオンはどれくらい学校にいたんですか?」
「俺が謹慎を受けている時に出て行ったそうだからな……まあ、入学式から最初の一か月ぐらいは通ってたんじゃないか?」
「そうですか……」
「ちっ、あいつの話をしているとむかむかしてきた……よし、練習を再開するぞ!!」
「あ、はい」
バルトはリオンの事を考えているだけで苛立ち、それを紛らわすために次の練習を開始する――
「あ、あんたら……」
「よう、元気そうだね」
「ど、どうも……」
彼を待ち構えていたのはバルルとコオリであり、どうしてこの二人が学生寮の前に立っているのかとバルトは驚く。学生寮で暮らすコオリはともかく、教員であるバルトがここにいる事に彼は戸惑う。
「……何をしてるんすか?」
「見ての通り、あんたを待っていたのさ」
「俺を?どうして……言っておきますけど、もうそいつに絡むつもりはありませんよ」
「ふんっ……前に会った時より、すっきりした顔を浮かべているね」
「えっ?」
バルルの言葉にバルトは呆気に取られると、そんな彼にバルルはコオリの背中に手を差し伸べて頼みごとを行う。その頼み事というのが彼にとっては信じられない内容だった。
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「た、頼み?俺にですか?」
「そうだよ。さあ、自分から話しな」
「あ、あの……僕、魔法をもっと上手く扱えるようになりたいんです。だから、先輩に魔法の使い方を教えてほしいんです」
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「あたしはこいつの師匠なんだけどね、正直に言って指導が行き詰ってるんだよ。あたしは元々魔拳士だからね、魔力の操作ぐらいなら教えられるけど……魔術師としての戦法はあたしには教える事ができないんだよ」
「だ、だからってなんで俺に……」
「あんた、聞いたところによると三年生の中では一番優秀な生徒なんだろ?それにコオリの奴も知らない奴に教わるより、自分が知っている奴に教わった方が気が楽だと思ってね」
「いや、気が楽って……俺達、この間に試合したばかりですよ?」
「嫌なら別に断っても良いよ。これはあくまでも頼み事だからね、だけどコオリはあんたに教わりたいみたいだよ」
「先輩、お願いします!!」
コオリは頭を下げるとバルトは増々混乱し、どうして先日に試合をして戦ったばかりの相手にわざわざ頼むのかと戸惑う。この数日の間にバルトはコオリに絡んでいたので勝手に自分が嫌われていると思っていたが、コオリは特に気にした様子もない。
確かにバルトは三年生の魔術師の中では一番の腕前を誇り、先日の試合では引き分けたがコオリよりも魔法の経験は長く、それに彼のスライサーはコオリが氷刃を作り出す切っ掛けとなった。その事もあってコオリはバルトに嫌な印象は抱いておらず、彼に指導を受けたいと考えていた。
「先輩、魔法を教えてください!!」
「お前……本当に俺でいいのか?」
「あんたしか頼める奴がいないんだよ。あたしはほら、ここへ来たばかりで他の教師ともあんまり仲が良くないからね。だからあんたに力を貸して貰えると助かるんだよ」
「なんすかそれ……」
バルルは優れた魔拳士ではあるが魔術師ではなく、これ以上にコオリの指導を行うのは難しい。魔力に関する操作の術は教える事ができても本格的な魔術師の戦闘方法は教える事ができず、どうしてもコオリの指導には本物の魔術師の協力が必要だった。
一年生の担当教師であるセマカに頼む事も考えたが、先日の一件でバルルはタンと完全に対立してしまい、他の教師とは溝ができてしまった。タンは性格はともかく、この学園で一番長く教師を勤めているので他の教師に対して影響力が強い。そのためにセマカもタンには逆らえず、残念ながらバルルの協力はできない事を告げる。
「それでどうだい?あんたがもしもコオリの指導を引き受けてくれるというのならこっちもそれなりの礼はするよ」
「礼?」
「あんた、月の徽章が欲しいんだろう?あたしの方から学園長に掛け合ってやろうか?」
「っ……!?」
月の徽章の話題を出されてバルトは驚き、今までの彼ならば真っ先に条件を受け入れていた。しかし、コオリとの戦闘を通してバルトは月の徽章を求める本当の理由を思い出すと、彼は苦笑いを浮かべて首を振った。
「いや、いいっすよ……そんな事をしなくても指導ぐらい受けます」
「え、いいんですか!?」
「本当にいいのかい?あんた、相当に月の徽章を欲しがっていたそうじゃないかい」
「別に月の徽章を諦めたつもりはありませんよ。ただ……本当に欲しい物は自分の力で手に入れなきゃ意味ないんですよ」
バルトは笑みを浮かべて自分の杖を取り出し、もうこれからは誰も馬鹿になどせず、自分自身を磨き上げて月の徽章を持つのに相応しい実力を身に着ける事を誓う。どれだけ時間が掛かろうと構わず、これから先もバルトは魔法の腕を磨いて何時の日か誰もが認める魔術師になる事を誓う。
過ちを犯した自分を正してくれたコオリに対して彼は恩義を感じ、その彼の恩に報いるためにバルトはコオリに魔術師の先輩として指導する事を約束した――
――月日は流れ、コオリが学園に訪れてから三か月近くの時が流れた。放課後を迎えると彼はバルトと共に魔術師の戦い方を教わり、屋上の訓練場にて指導を受ける。
「いいか、何度も言わせてもらうが魔術師の基本は相手との距離を保つ事だ。魔術師の長所は遠距離から攻撃や支援を行える事だという事を忘れるな。近付こうとする相手を見逃さず、時には動いて相手に距離を詰められないように気をつけろ!!」
「は、はい!!」
「杖を構えたまま動く事に慣れろ!!相手から目を反らさずに動け、但し周囲の状況を把握しておかないと痛い目を見るぞ!!」
お互いに杖を構えたままッコオリとバルトは移動を行い、相手が近付こうとしたらその分だけ距離を取り、逆に相手が離れようとしたら自分も近づく。
魔術師の長所は遠く離れた相手でも魔法の射程圏内であれば攻撃を仕掛けられる事だったが、高過ぎる威力の魔法は逆に危険性を伴い、もしも相手に近付けられれば魔法を放とうとしても威力が大き過ぎて自分も巻き込まれる危険性もある。
「敵に近付かれた場合、威力と規模が大きい魔法は絶対に使うな!!自分も巻き込まれる可能性もあるからな……といってもお前の場合は別にそんなに心配する必要ないか」
「え?そうなんですか?」
「お前の扱う魔法はどれも接近戦でも十分に利用できるからな。言い方は悪いがそもそもお前の魔力だけじゃ攻撃範囲の広い魔法なんて使えないだろ?」
「うぐっ……」
コオリの魔法はバルトは全て把握しており、特に「氷弾」は優れた魔法だと認めていた。先の勝負でコオリがバルトの身を案じずに氷弾を連発していたら早々に勝負は決着していた。
氷弾の利点は発現までの時間の短さと攻撃速度であり、獣人でもなければ避ける事は難しい。魔法を撃ち込む前に行動に移さなければ普通の人間では避けるのは不可能であり、対人戦においてはこれ以上に厄介な魔法はない。
「お前は優しすぎるんだよ。相手をできる限り傷つけないように戦おうとするから実力を発揮できないんだよ」
「でも……相手が悪党だとしてもできれば人を殺したくはないので」
「まあ、気持ちは分かるがな……そうだ。お前は防御魔法は使えないのか?」
「防御魔法?」
バルトの言葉にコオリはかつてリオンが風の障壁を作り出し、自分を守った事を思い出す。バルトも決闘の際に同じような魔法を使っていたので尋ねてみる
「先輩との勝負の時に使ったのは防御魔法ですか?」
「ああ、あれは周囲からの攻撃を防ぐ事はできるが、防御力自体は別に大した事ないんだよ」
「え、そうなんですか!?」
「あの魔法は自分の周囲に風の魔力で障壁を作り出すけど、これがきついんだよ。俺の魔力量だとせいぜい普通の魔術師の下級魔法を受けれるぐらいだな……最もお前には破られちまったがな」
魔法の効果は使用者の魔力量によって大きく変化するらしく、魔力が大きい人間程に効果が高くなり、逆に魔力量が少ない場合は簡単に破られてしまうという。
バルトの魔力量は三年生の中ではトップクラスだが、それでもリオンには及ばない。本人もその事は自覚しており、彼は悔し気な表情を浮かべた。
「俺が前に敗れたリオンという奴……悔しいが、あいつは俺よりも魔術師としての才能は上だ」
「リオン……」
「そういえばお前、あいつの友達だったな?あいつとは連絡は取っていないのか?」
「いや、友達という程じゃ……」
コオリはリオンに命を救われたが決して親しい間柄とは言えない。リオンが魔法学園に通っていた事も知ったのは最近の話であり、しかもバルトにとって因縁の相手だと知ったのも彼から指導を受けた後に聞いた話である。
「たくっ……一年生の癖に休学なんて何を考えてんだ」
「先輩はリオンの事を知ってるんですか?」
「いいや、何度か調べようとしたが結局は分からずじまいだ」
バルトはリオンに敗れた後に彼の正体を確かめようとしたが、結局は分からずじまいだった。教員に話を聞こうとしても教えて貰えず、それどころか調べようとする事を禁じられた。
「くそっ……あいつ、本当に何処に消えたんだ」
「あの……リオンはどれくらい学校にいたんですか?」
「俺が謹慎を受けている時に出て行ったそうだからな……まあ、入学式から最初の一か月ぐらいは通ってたんじゃないか?」
「そうですか……」
「ちっ、あいつの話をしているとむかむかしてきた……よし、練習を再開するぞ!!」
「あ、はい」
バルトはリオンの事を考えているだけで苛立ち、それを紛らわすために次の練習を開始する――
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