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王都での日常
第11話 通り魔
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――リオンが立ち去った後、コオリは宿屋の女主人の元に訪れると宿泊の延長を申し込む。しかし、王都に訪れるまでに立ち寄ったどんな宿屋よりも割高な値段を要求された。
「えっ!?そんなに高いんですか!?」
「当り前さ。うちは王都の中でも一番の宿屋なんだよ?普通ならあんたみたいな子供が一人で泊まれる場所じゃないんだ。坊ちゃんに感謝するんだね」
「坊ちゃん?もしかしてリオンの事ですか?」
宿屋の主人は女性であり、年齢は30代前半ぐらいの赤髪が特徴的な女性だった。美人ではあるが身長は180センチ近くはあり、彼女に見下ろされるだけでコオリは女性の迫力に気圧される。
女主人の名前は「バルル」というらしく、宿屋を経営する前は料理人だったらしい。彼女はコオリが宿屋に泊まるまでの経緯を説明してくれた。
「あの坊ちゃんが頼むから特別に部屋を借したんだよ。あんたが坊ちゃんとどういう関係なのか知らないけど感謝するんだね」
「そ、そうだったんですか……」
コオリはバルルの言葉を聞いてリオンにちゃんとお礼を言うのを忘れていた事を思い出す。宿代まで支払ってもらったのに感謝を伝える事もせずにあのような形で別れた事を心苦しく思う。
(今度会ったら謝らないとな……)
リオンと再会したら命を助けてもらった事と宿代を支払ってくれた礼をする事を誓う。その一方で女主人に気になっていた事を質問する。
「あの、魔法学園はどこにあるのか分かりますか?」
「魔法学園?あんた、魔法学園に何の用だい?」
「えっと、入学する予定なんですけど……」
「何だって!?じゃあ、あんたは魔術師なのかい!?」
「い、一応……」
バルルはコオリが魔法学園に入学するために来た事を知って驚き、彼女は考えた末に受付に移動して羊皮紙を取り出す。彼女が取り出したのはこの王都の地図だった。
「ほら、これを持って行きな。観光客用に販売している王都の地図だよ」
「え、いくらですか?」
「金はいいよ。どうせ売れ残りの品だからね」
「わ、分かりました。なら遠慮なく……」
バルルから羊皮紙を渡されたコオリは有難く受け取り、まずは魔法学園に入学して魔術師を目指す必要があった。
(地図によると……魔法学園はここか)
地図を確認した所、王都は想像以上に広くてコオリが暮らしていた街とは比べ物にならない規模を誇る。
(さ、流石は王都だな……話は聞いてたけど、とんでもない広さだ)
王都の広さに圧倒されながらもコオリは外に出向こうとした時、バルルが思い出したように彼の背中に声をかけた。
「あんた外に出るのなら気を付けるんだよ。魔術師ならちゃんと杖は持って行きな」
「え?」
「最近この王都で通り魔が現れるようになってね。特にあんたのような子供が狙われるらしいよ。遅くなる前に早く帰ってくる事だね」
「あ、はい……」
出かける前に通り魔の話を聞かされたコオリは背筋が震え、最近死にかけたばかりだというのに通り魔に襲われるなど冗談ではなかった。忠告通りにコオリは杖を背負い、外に出向く事にした――
――王都の街並みはコオリの想像以上に大きくて立派な建物が並んでおり、祭りでもあるのかと思う程に大勢の人間が行き交っていた。しかも人間ではない異種族の姿も見られた。
「うわぁっ……やっぱり、都会は人が多いな。うわっ!?」
「おっと、悪いな坊主」
街道を渡り歩く人々の姿にコオリは圧倒されていると、後ろから何者かとぶつかる。慌ててコオリは振り返ると、そこには身長が三メートルを超える巨大な男性が立っていた。
男性の姿を見てコオリは一目で「巨人族」だと見抜き、男性は倒れたコオリに手を伸ばすと彼を立たせる。コオリは巨人族を見るのは初めてというわけではないが、間近で見るのは初めてだった。巨人族の男性はコオリに謝ると立ち去っていく。
王都には巨人族の他にも人間と動物の特徴を併せ持つ「獣人族」大人でも背丈が一メートル弱しかない「ドワーフ」などもよく見かけた。
(やっぱり、王都は凄い所なんだな……いや、それよりも魔法学園に移動して入学の手続きをしないと!!)
コオリは地図を確認して魔法学園の位置を確かめると、まずは魔法学園の入学手続きを行うために向かう。魔法学園に入れば寮で暮らせるため、衣食住は保証される。本音を言えば入学前に無詠唱魔法を覚えておきたかったが、宿代の値段を知った以上はあまり長居はできず、早々に魔法学園に入学する必要があった。
街道を移動する途中、コオリは女主人に言われた通り魔の話を思い出す。なんでも子供を狙った通り魔が王都に現れたらしく、コオリは自分も襲われないように気を付けようと考える。
(まあ、子供といってもいっぱいいるし、俺が狙われる事なんてないよな)
王都にはたくさんの子供が住んでいるはずなので自分が狙われる可能性は低いと思いながらコオリは街道を歩いていると、不意に彼は路地裏を発見する。別に路地裏など珍しく思ないが、奥の方から誰かの声が聞こえたような気がした。
(何だ?今、誰か叫んだような……)
路地裏の奥が気になったコオリは立ち止まり、考えた末に様子を伺う事にした。路地裏の奥に向けてコオリは移動すると、建物に取り囲まれた空き地に繋がっていたらしく、そこには異様な光景が広がっていた。
「ひ、ひひっ……ひひひっ……」
「かはっ……!?」
「……えっ?」
――空き地には黒色のローブを身に着けた男性が存在し、その手には血塗れの短剣が握りしめられていた。そして男性の足元にはコオリと同じぐらいの年齢の男の子が倒れており、その光景を見たコオリは呆気に取られる。
男の子は腹部から血を流しており、まだ辛うじて生きているのか身体を痙攣させていた。一方で男性の方は短剣にこびりついた血を舐め取り、子供を見下ろしたまま笑みを浮かべていた。
(と、通り魔……!?)
状況的に考えて男性が子供を襲ったのは間違いなく、コオリは偶然にも通り魔を発見してしまった。恐らく彼が路地裏から聞こえてきた声は倒れている子供の悲鳴であり、コオリは男性が子供を襲う現場を目撃してしまう。
(た、助けないと!!)
幸運な事に男性はローブで顔を覆い隠しているせいで視界が悪いのか、まだコオリに気づいた様子はない。だが、このままコオリが何もしなければ倒れている子供は確実に男性に殺されてしまう。
(ど、どうやって助ければいいんだ!?)
コオリは必死に考えるが、男性は彼が考えている間に短剣を両手で掴み、今度は倒れている子供に突き刺そうとしてきた。その光景を見てコオリは反射的に杖を構えて叫び声をあげる。
「止めろぉっ!!」
「っ……!?」
「うあっ……!?」
男性はコオリに声を掛けられて振り返ると、そこには自分に向けて杖を構える少年が立っている事に気付く。しかし、男性はコオリの姿を見ても取り乱した様子はなく、むしろ怒りの表情を抱く。
「じゃ、邪魔するなっ……ガ、ガキが!!」
「くっ……」
呂律がおかしい男性を見てコオリは冷や汗を流し、ローブで隠されていた男性の顔には「蛇」のような入れ墨が刻まれていた。明らかに普通の人間ではなく、コオリは恐怖のあまりに身体が震えてしまう。
しかし、杖をしっかりと掴んだままコオリは男性に狙いを定め、魔法を放つ準備は整っていた。人を相手に魔法を放つ事は初めてではないが、今のコオリの魔法は冗談抜きで人を殺せるだけの威力はある。
(た、戦うしかない!!やるんだ……やれ!!)
子供を救うため、そして自分自身を守るためにコオリは恐怖を抱きながらも魔法を発動させるために呪文を叫ぶ。
「アイス!!」
「なっ……!?」
コオリが呪文を唱えた瞬間、杖先から青色の光が灯る。その光景を見て男性はコオリが魔法を使おうとしている事に気付き、慌てて両腕を交差して顔面を覆う。
「喰らえっ!!」
「ぐぅっ……!?」
杖先から氷の欠片が誕生すると、男性の元に目掛けて放たれる。それを見た男性は身構えるが、氷の欠片は男性の腕に衝突すると粉々に砕け散ってしまう。
「えっ!?そんなに高いんですか!?」
「当り前さ。うちは王都の中でも一番の宿屋なんだよ?普通ならあんたみたいな子供が一人で泊まれる場所じゃないんだ。坊ちゃんに感謝するんだね」
「坊ちゃん?もしかしてリオンの事ですか?」
宿屋の主人は女性であり、年齢は30代前半ぐらいの赤髪が特徴的な女性だった。美人ではあるが身長は180センチ近くはあり、彼女に見下ろされるだけでコオリは女性の迫力に気圧される。
女主人の名前は「バルル」というらしく、宿屋を経営する前は料理人だったらしい。彼女はコオリが宿屋に泊まるまでの経緯を説明してくれた。
「あの坊ちゃんが頼むから特別に部屋を借したんだよ。あんたが坊ちゃんとどういう関係なのか知らないけど感謝するんだね」
「そ、そうだったんですか……」
コオリはバルルの言葉を聞いてリオンにちゃんとお礼を言うのを忘れていた事を思い出す。宿代まで支払ってもらったのに感謝を伝える事もせずにあのような形で別れた事を心苦しく思う。
(今度会ったら謝らないとな……)
リオンと再会したら命を助けてもらった事と宿代を支払ってくれた礼をする事を誓う。その一方で女主人に気になっていた事を質問する。
「あの、魔法学園はどこにあるのか分かりますか?」
「魔法学園?あんた、魔法学園に何の用だい?」
「えっと、入学する予定なんですけど……」
「何だって!?じゃあ、あんたは魔術師なのかい!?」
「い、一応……」
バルルはコオリが魔法学園に入学するために来た事を知って驚き、彼女は考えた末に受付に移動して羊皮紙を取り出す。彼女が取り出したのはこの王都の地図だった。
「ほら、これを持って行きな。観光客用に販売している王都の地図だよ」
「え、いくらですか?」
「金はいいよ。どうせ売れ残りの品だからね」
「わ、分かりました。なら遠慮なく……」
バルルから羊皮紙を渡されたコオリは有難く受け取り、まずは魔法学園に入学して魔術師を目指す必要があった。
(地図によると……魔法学園はここか)
地図を確認した所、王都は想像以上に広くてコオリが暮らしていた街とは比べ物にならない規模を誇る。
(さ、流石は王都だな……話は聞いてたけど、とんでもない広さだ)
王都の広さに圧倒されながらもコオリは外に出向こうとした時、バルルが思い出したように彼の背中に声をかけた。
「あんた外に出るのなら気を付けるんだよ。魔術師ならちゃんと杖は持って行きな」
「え?」
「最近この王都で通り魔が現れるようになってね。特にあんたのような子供が狙われるらしいよ。遅くなる前に早く帰ってくる事だね」
「あ、はい……」
出かける前に通り魔の話を聞かされたコオリは背筋が震え、最近死にかけたばかりだというのに通り魔に襲われるなど冗談ではなかった。忠告通りにコオリは杖を背負い、外に出向く事にした――
――王都の街並みはコオリの想像以上に大きくて立派な建物が並んでおり、祭りでもあるのかと思う程に大勢の人間が行き交っていた。しかも人間ではない異種族の姿も見られた。
「うわぁっ……やっぱり、都会は人が多いな。うわっ!?」
「おっと、悪いな坊主」
街道を渡り歩く人々の姿にコオリは圧倒されていると、後ろから何者かとぶつかる。慌ててコオリは振り返ると、そこには身長が三メートルを超える巨大な男性が立っていた。
男性の姿を見てコオリは一目で「巨人族」だと見抜き、男性は倒れたコオリに手を伸ばすと彼を立たせる。コオリは巨人族を見るのは初めてというわけではないが、間近で見るのは初めてだった。巨人族の男性はコオリに謝ると立ち去っていく。
王都には巨人族の他にも人間と動物の特徴を併せ持つ「獣人族」大人でも背丈が一メートル弱しかない「ドワーフ」などもよく見かけた。
(やっぱり、王都は凄い所なんだな……いや、それよりも魔法学園に移動して入学の手続きをしないと!!)
コオリは地図を確認して魔法学園の位置を確かめると、まずは魔法学園の入学手続きを行うために向かう。魔法学園に入れば寮で暮らせるため、衣食住は保証される。本音を言えば入学前に無詠唱魔法を覚えておきたかったが、宿代の値段を知った以上はあまり長居はできず、早々に魔法学園に入学する必要があった。
街道を移動する途中、コオリは女主人に言われた通り魔の話を思い出す。なんでも子供を狙った通り魔が王都に現れたらしく、コオリは自分も襲われないように気を付けようと考える。
(まあ、子供といってもいっぱいいるし、俺が狙われる事なんてないよな)
王都にはたくさんの子供が住んでいるはずなので自分が狙われる可能性は低いと思いながらコオリは街道を歩いていると、不意に彼は路地裏を発見する。別に路地裏など珍しく思ないが、奥の方から誰かの声が聞こえたような気がした。
(何だ?今、誰か叫んだような……)
路地裏の奥が気になったコオリは立ち止まり、考えた末に様子を伺う事にした。路地裏の奥に向けてコオリは移動すると、建物に取り囲まれた空き地に繋がっていたらしく、そこには異様な光景が広がっていた。
「ひ、ひひっ……ひひひっ……」
「かはっ……!?」
「……えっ?」
――空き地には黒色のローブを身に着けた男性が存在し、その手には血塗れの短剣が握りしめられていた。そして男性の足元にはコオリと同じぐらいの年齢の男の子が倒れており、その光景を見たコオリは呆気に取られる。
男の子は腹部から血を流しており、まだ辛うじて生きているのか身体を痙攣させていた。一方で男性の方は短剣にこびりついた血を舐め取り、子供を見下ろしたまま笑みを浮かべていた。
(と、通り魔……!?)
状況的に考えて男性が子供を襲ったのは間違いなく、コオリは偶然にも通り魔を発見してしまった。恐らく彼が路地裏から聞こえてきた声は倒れている子供の悲鳴であり、コオリは男性が子供を襲う現場を目撃してしまう。
(た、助けないと!!)
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「止めろぉっ!!」
「っ……!?」
「うあっ……!?」
男性はコオリに声を掛けられて振り返ると、そこには自分に向けて杖を構える少年が立っている事に気付く。しかし、男性はコオリの姿を見ても取り乱した様子はなく、むしろ怒りの表情を抱く。
「じゃ、邪魔するなっ……ガ、ガキが!!」
「くっ……」
呂律がおかしい男性を見てコオリは冷や汗を流し、ローブで隠されていた男性の顔には「蛇」のような入れ墨が刻まれていた。明らかに普通の人間ではなく、コオリは恐怖のあまりに身体が震えてしまう。
しかし、杖をしっかりと掴んだままコオリは男性に狙いを定め、魔法を放つ準備は整っていた。人を相手に魔法を放つ事は初めてではないが、今のコオリの魔法は冗談抜きで人を殺せるだけの威力はある。
(た、戦うしかない!!やるんだ……やれ!!)
子供を救うため、そして自分自身を守るためにコオリは恐怖を抱きながらも魔法を発動させるために呪文を叫ぶ。
「アイス!!」
「なっ……!?」
コオリが呪文を唱えた瞬間、杖先から青色の光が灯る。その光景を見て男性はコオリが魔法を使おうとしている事に気付き、慌てて両腕を交差して顔面を覆う。
「喰らえっ!!」
「ぐぅっ……!?」
杖先から氷の欠片が誕生すると、男性の元に目掛けて放たれる。それを見た男性は身構えるが、氷の欠片は男性の腕に衝突すると粉々に砕け散ってしまう。
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