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修行の旅
第62話 敵の狙い
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「そういえば先ほどハルナと親し気に話していたが、彼女とは知り合いなのか?」
「あ、幼馴染です。小さい頃から仲が良かったんです」
「あれ?兄貴の幼馴染は男の子だって言ってませんでした?」
「いや、それは……勘違いしていたというか」
「ふむ、何やら事情があるようだな。しかし、ハルナがあんな風に男と接するのを見たのは初めてだな」
「儂が話しかけてもエロ爺呼ばわりしてまともに話を聞いてくれんというのに……最初に会った時に胸を触ろうとしたのはまずかったか」
「……ラオ、若者にちょっかいをかける癖は直せと言ってるだろう」
ギガンもラオもハルナの事は目にかけているらしく、彼女はたった一年で「銀級」にまで昇格を果たした有望株だった。
「ギルドマスターさんはハルナと仲がいいんですか?」
「暇がある時は稽古を付けている。彼女は人間だが恵まれた筋肉を持っているからな」
「筋肉?」
「お主も魔術師ならば肉体強化ぐらいは扱えるだろう?一流の格闘家は自然と肉体を強化する力を身に着ける。あのハルナという娘も同じじゃ」
「えっ!?ハルナも肉体強化が使えるんですか!?」
ラオの言葉にナイは驚き、魔力で身体能力を強化する術は魔術師だけしか扱えないと思い込んでいたが、ラオによれば冒険者の大半がそれらの技術を自然と習得しているらしい。
「魔力を扱えるのは決して魔術師だけではない。人間以外にも動物や植物や魔物も魔力を産まれた時から身に着けておる。魔術師とは魔力を魔法の力に変換する事に特化した存在に過ぎん」
「そ、そうなんだ……勉強になります」
「さて……話を戻そうか」
ナイはラオの話を聞いて魔力に対する価値観が変わった気がするが、ギガンが話を本題に戻す。彼がナイ達を呼び出したのは「イチノ」の現状を詳しく把握するためだった。
「ラオから事前に報告は受けているが、イチノでゴブリンとホブゴブリンに襲われたという話は本当か?」
「は、はいっ!!」
「ホブゴブリンがボアを従えていた姿を見た時は驚きましたね。まあ、そのボアのお陰であたし達は無事に脱出できたわけですけど……」
イチノで起きた出来事を思い返しながらナイとエリナはギガンに語ると、彼は難しい表情を浮かべてラオに振り返る。ラオも二人の話を聞いてどうにも納得がいかない表情を浮かべていた。
「お主らが見かけたホブゴブリンの数は把握しておるか?」
「えっと……倒したのを含めると、20匹ぐらいかな?」
「ゴブリンはその倍ぐらいの数はいましたね」
ナイ達がイチノで遭遇した魔物の数を聞いてギガンもラオも腕を組んで考え込む。その二人の反応にナイ達は不思議に思う。
「何か気になるんですか?」
「……数が少なすぎる」
「少ない?」
「前にこの街に襲い掛かってきた時は数百匹のホブゴブリンが押し寄せてきた。しかし、お主らの話を聞くようでは街にはそれほどホブゴブリンは滞在しておらんのが気になる」
「す、数百匹!?」
一か月前までニノの街は数百匹のホブゴブリンの軍勢に襲撃を仕掛けられ、撃退には成功したが今も相当な数のホブゴブリンが生き延びているはずだった。しかし、イチノにナイ達が訪れた時にはせいぜい数十匹のホブゴブリンとしか出くわしていない。
ナイ達が他のホブゴブリンと遭遇する前に街から逃げ伸びれた可能性もあるが、それにしては都合が良すぎる。もしかしたらニノから退散したホブゴブリンの軍勢はイチノ以外の場所に潜伏している可能性もあった。
「奴等の動向を探るためにイチノに偵察隊を派遣するつもりだったが、君達のお陰でその必要もなくなった。予想通りに奴等はイチノから離れたと考えるべきだろう」
「離れたって……」
「じゃあ、他の地域に逃げちゃったんですかね?」
「いや、それはない。ゴブリンは狡猾で執念深い生き物じゃ。だが、力技では我々に敵わないと悟って別の方法に切り替えたのだろう」
「別の方法?」
「……イチノを奪還するために我々が出向くのを待ち構えている可能性が高い」
もしもギガンやラオがホブゴブリンの立場だった場合、力尽くでニノの街を落とせないのであれば別の方法を考える。そして一番有効的な手段は街の外に誘き寄せる作戦を立てる事だった。
イチノの場合は碌な戦力がいなかったので落とす事ができたが、ニノには警備兵だけではなく腕利きの冒険者が揃っており、彼等が街に居る限りは正攻法で落とすのは難しい。それならば街の外に冒険者を誘き寄せて罠に嵌めるのが一番効率的な方法である。
「この街に襲い掛かったゴブリン共は普通ではない。人間の装備を身に着けるだけではなく、他の魔物を従えている時点でおかしいとは思った。やはり、奴等の親玉はゴブリンキングと考える方がよかろう」
「ゴブリンキング……」
「ゴブリンキングはゴブリンキングの最上位種であり、ホブゴブリンよりも高い知能と優れた力を誇る。過去の記録では人語を理解する個体もいたという」
「人語を理解って……それってもう魔人族じゃないですか」
「実際にそれに近しい存在かもしれんな」
ゴブリンは進化するとホブゴブリンに変異するが、更に進化を果たすとゴブリンキングへと変異し、魔人族にも匹敵する知能と力を手に入れるらしい。街を襲撃したホブゴブリンの軍勢を統率しているのがゴブリンキングだとしたら非情に厄介だった。
「仮に敵がイチノを離れていた場合、何処かに潜伏している可能性が高い」
「南の森は魔樹の生息地じゃ。いくらゴブリンと言えども魔樹の生息地に足を踏み入れるような愚かな真似はせんだろう。それにあそこにはエルフも暮らしておるという噂もあるからな」
「あ、それは本当の話ですよ」
「昨日、俺達が森を通った時はゴブリンは見かけませんでしたけど……」
魔物の軍勢が魔樹の生息する森に潜伏するのは考えにくく、もしも森に足を踏み入れたならば必ずや魔樹が見逃すはずがない。それにナイ達が森に入り込んだ時はゴブリンを一匹も見かけていないので森の中に隠れている可能性は除外される。
ニノの街の周囲は草原が広がっており、多数のホブゴブリンが隠れられる場所は限られている。それなのに現在はゴブリンの軍勢の足取りを掴めておらず、イチノにもいないとなると何処に隠れているのか見当もつかなかった。
「南の森にいないとなると、いったい奴等は何処に隠れた?」
「他の街に攻め寄せに行ったんじゃないですか?」
「それは考えられんな。奴等が消えてから一カ月もたつが、他の街から何の報告もない。それに最近になって草原にいる動物や魔物の数が減った。これはゴブリン共が草原中の生き物を狩り尽くして自分達の餌にしている証拠じゃ」
「あ、だから前に来た時と比べて生き物の数が減っていたのか……」
魔物の軍勢がニノの周辺地域に滞在している事は間違いなく、その証拠として草原の生き物が数を減らしていた。このまま放置すれば生態系が壊される可能性があり、その前に魔物の軍勢の居場所を見つけ出す必要があった。
ギガンが用意した地図を机に広げると、確認した限りではニノの周辺地域に百を超える魔物の軍勢が隠れられそうな場所は見当たらない。イチノと南の森以外に魔物の軍勢が隠れられそうな地域は見当たらなかった。
(いったい何処に隠れてるんだ?何か見落としている気がする……ん?)
四人揃って地図を眺めて考え込んでいると、外が騒がしい事に気が付く。廊下の方から足音が鳴り響き、中に入ってきたのはビャクを抱えたハルナだった。
「あ、幼馴染です。小さい頃から仲が良かったんです」
「あれ?兄貴の幼馴染は男の子だって言ってませんでした?」
「いや、それは……勘違いしていたというか」
「ふむ、何やら事情があるようだな。しかし、ハルナがあんな風に男と接するのを見たのは初めてだな」
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「……ラオ、若者にちょっかいをかける癖は直せと言ってるだろう」
ギガンもラオもハルナの事は目にかけているらしく、彼女はたった一年で「銀級」にまで昇格を果たした有望株だった。
「ギルドマスターさんはハルナと仲がいいんですか?」
「暇がある時は稽古を付けている。彼女は人間だが恵まれた筋肉を持っているからな」
「筋肉?」
「お主も魔術師ならば肉体強化ぐらいは扱えるだろう?一流の格闘家は自然と肉体を強化する力を身に着ける。あのハルナという娘も同じじゃ」
「えっ!?ハルナも肉体強化が使えるんですか!?」
ラオの言葉にナイは驚き、魔力で身体能力を強化する術は魔術師だけしか扱えないと思い込んでいたが、ラオによれば冒険者の大半がそれらの技術を自然と習得しているらしい。
「魔力を扱えるのは決して魔術師だけではない。人間以外にも動物や植物や魔物も魔力を産まれた時から身に着けておる。魔術師とは魔力を魔法の力に変換する事に特化した存在に過ぎん」
「そ、そうなんだ……勉強になります」
「さて……話を戻そうか」
ナイはラオの話を聞いて魔力に対する価値観が変わった気がするが、ギガンが話を本題に戻す。彼がナイ達を呼び出したのは「イチノ」の現状を詳しく把握するためだった。
「ラオから事前に報告は受けているが、イチノでゴブリンとホブゴブリンに襲われたという話は本当か?」
「は、はいっ!!」
「ホブゴブリンがボアを従えていた姿を見た時は驚きましたね。まあ、そのボアのお陰であたし達は無事に脱出できたわけですけど……」
イチノで起きた出来事を思い返しながらナイとエリナはギガンに語ると、彼は難しい表情を浮かべてラオに振り返る。ラオも二人の話を聞いてどうにも納得がいかない表情を浮かべていた。
「お主らが見かけたホブゴブリンの数は把握しておるか?」
「えっと……倒したのを含めると、20匹ぐらいかな?」
「ゴブリンはその倍ぐらいの数はいましたね」
ナイ達がイチノで遭遇した魔物の数を聞いてギガンもラオも腕を組んで考え込む。その二人の反応にナイ達は不思議に思う。
「何か気になるんですか?」
「……数が少なすぎる」
「少ない?」
「前にこの街に襲い掛かってきた時は数百匹のホブゴブリンが押し寄せてきた。しかし、お主らの話を聞くようでは街にはそれほどホブゴブリンは滞在しておらんのが気になる」
「す、数百匹!?」
一か月前までニノの街は数百匹のホブゴブリンの軍勢に襲撃を仕掛けられ、撃退には成功したが今も相当な数のホブゴブリンが生き延びているはずだった。しかし、イチノにナイ達が訪れた時にはせいぜい数十匹のホブゴブリンとしか出くわしていない。
ナイ達が他のホブゴブリンと遭遇する前に街から逃げ伸びれた可能性もあるが、それにしては都合が良すぎる。もしかしたらニノから退散したホブゴブリンの軍勢はイチノ以外の場所に潜伏している可能性もあった。
「奴等の動向を探るためにイチノに偵察隊を派遣するつもりだったが、君達のお陰でその必要もなくなった。予想通りに奴等はイチノから離れたと考えるべきだろう」
「離れたって……」
「じゃあ、他の地域に逃げちゃったんですかね?」
「いや、それはない。ゴブリンは狡猾で執念深い生き物じゃ。だが、力技では我々に敵わないと悟って別の方法に切り替えたのだろう」
「別の方法?」
「……イチノを奪還するために我々が出向くのを待ち構えている可能性が高い」
もしもギガンやラオがホブゴブリンの立場だった場合、力尽くでニノの街を落とせないのであれば別の方法を考える。そして一番有効的な手段は街の外に誘き寄せる作戦を立てる事だった。
イチノの場合は碌な戦力がいなかったので落とす事ができたが、ニノには警備兵だけではなく腕利きの冒険者が揃っており、彼等が街に居る限りは正攻法で落とすのは難しい。それならば街の外に冒険者を誘き寄せて罠に嵌めるのが一番効率的な方法である。
「この街に襲い掛かったゴブリン共は普通ではない。人間の装備を身に着けるだけではなく、他の魔物を従えている時点でおかしいとは思った。やはり、奴等の親玉はゴブリンキングと考える方がよかろう」
「ゴブリンキング……」
「ゴブリンキングはゴブリンキングの最上位種であり、ホブゴブリンよりも高い知能と優れた力を誇る。過去の記録では人語を理解する個体もいたという」
「人語を理解って……それってもう魔人族じゃないですか」
「実際にそれに近しい存在かもしれんな」
ゴブリンは進化するとホブゴブリンに変異するが、更に進化を果たすとゴブリンキングへと変異し、魔人族にも匹敵する知能と力を手に入れるらしい。街を襲撃したホブゴブリンの軍勢を統率しているのがゴブリンキングだとしたら非情に厄介だった。
「仮に敵がイチノを離れていた場合、何処かに潜伏している可能性が高い」
「南の森は魔樹の生息地じゃ。いくらゴブリンと言えども魔樹の生息地に足を踏み入れるような愚かな真似はせんだろう。それにあそこにはエルフも暮らしておるという噂もあるからな」
「あ、それは本当の話ですよ」
「昨日、俺達が森を通った時はゴブリンは見かけませんでしたけど……」
魔物の軍勢が魔樹の生息する森に潜伏するのは考えにくく、もしも森に足を踏み入れたならば必ずや魔樹が見逃すはずがない。それにナイ達が森に入り込んだ時はゴブリンを一匹も見かけていないので森の中に隠れている可能性は除外される。
ニノの街の周囲は草原が広がっており、多数のホブゴブリンが隠れられる場所は限られている。それなのに現在はゴブリンの軍勢の足取りを掴めておらず、イチノにもいないとなると何処に隠れているのか見当もつかなかった。
「南の森にいないとなると、いったい奴等は何処に隠れた?」
「他の街に攻め寄せに行ったんじゃないですか?」
「それは考えられんな。奴等が消えてから一カ月もたつが、他の街から何の報告もない。それに最近になって草原にいる動物や魔物の数が減った。これはゴブリン共が草原中の生き物を狩り尽くして自分達の餌にしている証拠じゃ」
「あ、だから前に来た時と比べて生き物の数が減っていたのか……」
魔物の軍勢がニノの周辺地域に滞在している事は間違いなく、その証拠として草原の生き物が数を減らしていた。このまま放置すれば生態系が壊される可能性があり、その前に魔物の軍勢の居場所を見つけ出す必要があった。
ギガンが用意した地図を机に広げると、確認した限りではニノの周辺地域に百を超える魔物の軍勢が隠れられそうな場所は見当たらない。イチノと南の森以外に魔物の軍勢が隠れられそうな地域は見当たらなかった。
(いったい何処に隠れてるんだ?何か見落としている気がする……ん?)
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