伝説の魔術師の弟子になれたけど、収納魔法だけで満足です

カタナヅキ

文字の大きさ
上 下
24 / 68
魔法の契約

第24話 弱点

しおりを挟む
「きゃあぁぁ~~///」

 リンが大声で悲鳴を上げる!

「スズヤ!///」
「ドホラミン!!///」

「死なないで!!//////(泣)」

『キラーン☆』

『ガツッ!』

 リンはパニック状態に成りながらも、俺に『ドホラミン』を掛けてくれるが、俺が回復する中、フウゴルは俺の頭を掴み上げる!
 そして、呆れた表情と疲れた口調で言い始める。

「お前……本当にうっとしいな!」
「これで死んだと思ったら、また回復ですか……正義のおっさんよ!!」

「面倒くさいからよ。もうお前の首をねるわ!!」
「首を刎ねれば、あの白魔法使い女の魔法も効かないだろう……」

 その言葉の後。
 フウゴルは急に笑みを含ませながら、俺に言葉を続ける。

「しかし。お前のお陰で、とても良い収穫に成りそうだわ!」
「黒魔法使いと成ったアスと再会出来るわ、瀕死状態でも全快させる白魔法使い女!!」

「あの蛇は後で、皮をいで丸焼きにして喰うわ!♪」
「あの大きさだから、食い出が有りそうだ!♪♪」

「あっ、後、当然。お前の死亡確認後! 二人の女ははらますまで犯すからよ!!」
「てめえは地獄から指を咥えて、羨ましやがっていろ♪」

 フウゴルは言い終えると、俺の首を切り落とす体勢を作る……コハルもフウゴルの言葉を聞いていた筈なのに行動を起こさない!?
 俺の体はリンの魔法で回復したが、この状態ではどうする事も出来ない……

 フウゴルは表情で俺に言い始める。

「じゃあな、正義のおっさんよ!」
「来世は、変な正義感は捨てて産まれて来いよ……!!」

「その方が長生き出来るし、何も考えなくて良いからな!」

「…………」

(あぁ、俺もう死ぬんだな……)
(異世界は無能でもヒーローに為れて、地位や名誉が待っているのでは無かったの!///)

(……でも、俺の本来は異世界で、子ども食堂を開きたかっただけのに……)

 俺は死を覚悟した直後……遠くから、何かの音が聞こえてきた?

『ゴオォォォーーー』

「!?///」←フウゴルの驚き

『ゴオォォォーーー、ドカーン!』

「わあぁぁーー」←スズヤの悲鳴

 何かの音が聞こえた直後。
 フウゴルに大火球が当り、大火球が爆発を起こして……フウゴルが大火へ一気に包まれる!

 アスが魔法を唱えたのは分かるが、これは『ブランド』では無く『ストッレアエルツ』で有った……その時に俺は、爆発の衝撃で吹き飛ばされる!!

『バタン!』

「もぅ!///」
「ドホラミン///(汗)」

『キラーン☆』

 俺はフウゴルに頭を掴まれていたので、火球の貰い火してを吹き飛んで、そのまま地面に強く叩き付けられるが、リンが呆れ表情で直ぐに『ドホラミン』を掛けてくれる!←リンの魔力は案外有るが、スズヤが馬鹿すぎて……で有る///
 俺の体は燃えているが『ドホラミン』が効き始めると、勝手に火が鎮火して火傷や骨折等を回復させて行く。

「…………//////(大泣)」

 俺は魔法で回復していく中。アスの方向に体を向けると……アスは涙ぐちゃぐちゃの泣き顔で有った。
 魔王に魂を売った人間とはいえ、アスはフウゴルを殺したくは無かったのだろう……

「ぐああぁぁあーーー」
「クソヤロウ~~(怒)」

 フウゴルはわめきながら、アスの魔法攻撃に耐えているが……プレートアーマーの隙間から炎が入り込んで、フウゴルを蒸し焼き始める。
『ストッレアエルツ』は『ブランド』より大火力の上、燃焼温度が高いからプレートアーマーが赤みを帯び始める……

 幾らフウゴルが強靱でも、所詮は人間だ。
 フウゴルは苦痛の表情で、アスの方を見ながら言い始める。

「……あっ、アス……まさか、この俺に魔法を放つとは……」
「お前は……優しいだけが取り柄なのに……ぐおぉぉーーー」

 燃えさかるフウゴルを見ながら、泣き顔のアスは悲痛の口調で言い始める。

「……フウゴル。私だって……こうしたく無かった///(泣)」
「でもっ、でもっ……こうしないとスズヤさんが死んでしまう!!///(泣)」

「私はフウゴルとスズヤさん!///」
「どちらが大事かと言われれば、私はスズヤさんが大事です!///」

「だから許して!///(泣)」
「フウゴル~~!!//////(大泣)」

 最後二桁の文章は、アスは号泣でフウゴルに言っていた……
 俺は立ち上がるが、大火に包まれたフウゴルを……ジッと見る事しか出来なかった。

「…………」←フウゴルの亡骸

 アスの言葉に、フウゴルは何も反応せずに焼死した……ご丁寧に、直立不動のまま絶命した。
 有る意味、悪役らしい死に方だ。

 最後は絶望を感じて、フウゴル燃え死んだのだろうか?
 それとも、フウゴルの中では『アスは絶対に俺を殺さない!』と、思いながら燃え死んだのだろうか??

 今までは魔物を退治してきたが、俺たち三人で人間を退治したのは、これが初めてで有った。
 タングステン鉱石はで採取出来るが……今の俺たちはとても複雑な気分で有った。

 ……

「~~~///」
「~~~///」

「…………///(泣)」

 リンは、アスの側に付いて心のケアをしている。
 リンとアスから俺は距離が離れているので、何を言っているかは聞き取れない。

 アスは敵とは言え、身近な人物を殺したのだから、罪悪感に苦しめられているのだろう。
 俺の衣類はボロボロで有ったが、コハルの不思議な力で衣類は新品同様に修復されている。

 俺は手で拾える、タングステン鉱石を拾って、有る場所に集めている。
 手で拾える分は全て拾って、後はコハルの力でタングステン鉱石を王国城に瞬間移動させる。

「…………」

 コハルの方は、焼け死んだフウゴルの現場検証をしている。
 立っていたフウゴルを尻尾ではじき倒してから、コハルは現場検証を始めていた。

 蛇らしく舌を出して、澄ました表情でフウゴルの亡骸を見たり、尻尾で触ったりしている。

「ちょっと、スズヤ~~!」
「こっち来てくれる~~」

 コハルが俺を呼ぶので、俺は鉱石採取を中断してコハルの方に向う。
 フウゴルの亡骸から、何かお宝でも出て来たのかな?
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

収納大魔導士と呼ばれたい少年

カタナヅキ
ファンタジー
収納魔術師は異空間に繋がる出入口を作り出し、あらゆる物体を取り込むことができる。但し、他の魔術師と違って彼等が扱える魔法は一つに限られ、戦闘面での活躍は期待できない――それが一般常識だった。だが、一人の少年が収納魔法を極めた事で常識は覆される。 「収納魔術師だって戦えるんだよ」 戦闘には不向きと思われていた収納魔法を利用し、少年は世間の収納魔術師の常識を一変させる伝説を次々と作り出す――

[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~

k33
ファンタジー
初めての小説です..! ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~

さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。 全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。 ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。 これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

転生したらただの女の子、かと思ったら最強の魔物使いだったらしいです〜しゃべるうさぎと始める異世界魔物使いファンタジー〜

上村 俊貴
ファンタジー
【あらすじ】  普通に事務職で働いていた成人男性の如月真也(きさらぎしんや)は、ある朝目覚めたら異世界だった上に女になっていた。一緒に牢屋に閉じ込められていた謎のしゃべるうさぎと協力して脱出した真也改めマヤは、冒険者となって異世界を暮らしていくこととなる。帰る方法もわからないし特別帰りたいわけでもないマヤは、しゃべるうさぎ改めマッシュのさらわれた家族を救出すること当面の目標に、冒険を始めるのだった。 (しばらく本人も周りも気が付きませんが、実は最強の魔物使い(本人の戦闘力自体はほぼゼロ)だったことに気がついて、魔物たちと一緒に色々無双していきます) 【キャラクター】 マヤ ・主人公(元は如月真也という名前の男) ・銀髪翠眼の少女 ・魔物使い マッシュ ・しゃべるうさぎ ・もふもふ ・高位の魔物らしい オリガ ・ダークエルフ ・黒髪金眼で褐色肌 ・魔力と魔法がすごい 【作者から】 毎日投稿を目指してがんばります。 わかりやすく面白くを心がけるのでぼーっと読みたい人にはおすすめかも? それでは気が向いた時にでもお付き合いください〜。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!

仁徳
ファンタジー
あらすじ リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。 彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。 ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。 途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。 ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。 彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。 リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。 一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。 そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。 これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!

処理中です...