64 / 71
第64話 鬼人化
しおりを挟む
「そういえば試合は!?試合はどうなったんですか!?」
「……何だい、まだそのお嬢ちゃんに聞いてなかったのかい?」
「え?」
「あ、そうだった!!ごめんね、本当はリン君が選びたかったと思うけど……」
リンの反応を見てバルルはハルカに顔を向けると、彼女はある方向に指差す。ハルカの指差した方向に視線を向けると、そこには豪華賞品の馬車が置かれていた。
「これって……もしかして!?」
「そうさ、あんたは気絶する直前にあたしを負かしてたんだよ。まさか本当に負けるとは思わなかったけどね……」
「うん!!私達が勝ったんだよ!!」
「ウォンッ!!」
試合はリンが気絶する寸前に勝っていたらしく、ハルカは気絶したリンの代わりに豪華賞品を受け取っていた。彼女はリンが馬車を欲しがっている話を聞いており、だから彼女は豪華賞品の中から馬車を選んだ。
馬車を前にしてリンは戸惑い、この馬車がもう自分の物だという事に驚きを隠せない。まさかこんな形で目的の代物を手に入れるとは思わなかったが、本当に受け取っていいのか尋ねる。
「い、いいんですか!?本当にこれ、貰ってもいいんですか!?」
「ああ、問題ないよ。あたしに勝ったんだからね、当然の権利さ」
「ちなみに私はこれを貰ったよ~」
ハルカは馬車とは別に自分が欲しかった豪華商品を受け取っていたらしく、彼女が手に入れたのは香水だった。他国から取り寄せた滅多に手に入らない高級品らしく、嬉しそうに香水が入った瓶を抱きしめる。
「この香水、お母さんも気に入ってたんだけど他の国にしか売ってないから滅多に手に入らないんだ。すっごく嬉しいよ~」
「へえ、そうなんだ……あれ?どうしたのウル?」
「クゥ~ンッ……」
香水を嬉しそうに抱きしめるハルカに対し、何故かウルは距離を取っていた。どうやら香水の匂いが苦手らしく、彼はリンの後ろに隠れてしまう。
「あらら……ウルは香水の匂いが嫌いみたい」
「え~!?そんな~……こんなに良い匂いなのに」
「クゥ~ンッ(←首を振る)」
折角手に入れたというのに香水を嫌がるウルを見てハルカは残念に思い、仕方なく彼女は鞄の中に戻す。その一方でバルルはリンが受け取った馬車の前に立ち、言いにくそうに彼に告げた。
「この馬車はあんたの物だ。だけど、うちの依頼主が馬車をやるのはいいけど、馬車を引く馬は別だと言い出してね……馬は商品に含まれないから買い取って欲しいと言ってるんだけど、どうする?」
「え~!?」
「そういえばこの馬車、馬がいないや……」
リンは言われてみて馬車を確認すると、車を引くはずの馬がいない事に気が付く。これでは乗り物としては使えず、馬が居なければ馬車を動かせるはずがない。
豪華賞品の中でも馬車は一番の価値を誇り、開催した人間側からすれば元手を少しでも回収するために馬は商品の対象外としたらしい。しかし、車だけを渡されても困るため、リンはどうするべきか悩む。
「そんなのないよ~!!馬がないのに馬車を商品にするなんておかしいよ!!」
「まあ、それはそうなんだけどね……」
「……ちなみに馬はいくらぐらいですか?」
「そうだね、だいたいこれぐらいの値段かね」
バルルはリンに馬の値段を耳元に告げると、リンは今の手持ちの金を確認し、思っていたよりも高いが買えない額ではない。元々彼はこの街で馬を買う予定だったため、馬を買えるだけのお金は最初から貯めていた。
「分かりました。それじゃあ、馬も一緒に買い取らせていただきます」
「本当にいいのかい?文句があるならあたしの依頼主の所まで連れて行くよ」
「いえ、大丈夫です。元々ここで馬を買うつもりだったので……」
「そうかい、それならあたしの方から伝えておくよ」
「う~……なんか納得いかない」
「ウォンッ!!」
ハルカはリンが馬を買う事に難色を示し、彼女も商人の娘であるためこんな客を騙す様なやり方で馬を売りつける方法は気に入らない様子だった。その一方でバルルの方もリン達に対して子供を騙したような気分になるため、彼女なりに気を遣う。
「そうだね、馬代の代わりと言ってはなんだけど……あたしからあんたに助言してやるよ」
「え、助言ですか?」
「さっきの試合の時、あんた凄い力を発揮しただろう?だけど、あの力は控えた方がいいよ」
「うっ……」
試合の際にリンが新たに編み出した身体強化を越えた「限界強化」は他人の目から見ても危険な技だと分かった。現にリンは限界強化を発動した後に気絶し、ハルカの回復魔法を受けてもすぐに治らなかった。
もしも今の状態で限界強化を何度も繰り返せばいずれ取り返しのつかない事態に陥り、バルルはそれを危惧してリンに注意を行う。
「さっきの力、ありゃ火事場の馬鹿力って奴かい?実を言えばあれと似たような技を使える奴をあたしも知ってるよ」
「えっ!?本当ですか!?」
「ああ、そいつはまだガキだけどね。この国で冒険者をやってるよ」
「冒険者?」
「何だ知らないのかい?魔物専門の退治屋みたいな職業だよ」
冒険者と言う事にリンは不思議に思い、バルルによれば魔物退治を行う職業らしい。そして彼女の知り合いの巨人族の子供は冒険者を勤めているらしく、先ほどのリンの「限界強化」と似た力を扱うらしい。
「名前はゴンゾウといってね、そいつは鬼人化という能力を扱えるんだよ」
「鬼人化?」
「巨人族の中でも特別な家系の巨人にしか使えない能力さ。鬼人化を発動させると名前の通りに鬼の様な力を発揮できる凄い技なんだけどね、だけど反動も強くて一度使うとしばらくの間はまともに動けなくなる。さっきまでのあんたのようにね」
「そ、そんな技があるんですか……」
巨人族の中にはリンの「限界強化」と似たような技を扱う者もいるらしく、一時的に鬼の様な強さを得る事から巨人族の間では「鬼人化」と呼ばれている。そしてバルルによれば彼女の知り合いの子供は鬼人化を扱う際に注意している点を話す。
「鬼人化は凄い能力だけど、扱う人間の身体が未熟だと大した力は引き出せない。だからゴンゾウの奴は身体を毎日鍛えているんだ。鍛えれば鍛える程に肉体も頑丈になって簡単に壊れないし、それに鬼人化を発動した時により力を発揮できるからね」
「肉体を鍛える……」
「今のあんたじゃさっきの技は負担が大き過ぎる。だけど、身体を鍛え続ければ何時かはその技を使いこなせる日が来るかもしれないよ」
「……ありがとうございます」
バルルの言葉にリンは胸を打たれ、自分自身の肉体を確認した。これまでリンは魔力操作の技術を磨く事だけに専念してきたが、バルルの言う通りにこれからも限界強化などを扱う際は自分自身の肉体も鍛えなければならない事に気が付く。
これからは魔力の技術を磨くだけではなく、肉体を鍛えていく事で身体強化や限界強化といった技を完璧に使いこなせるようにならなければならないと考える。
(きっと師匠は気付いていたんだ……魔力だけじゃなく、肉体も鍛えないといけないって)
今から考えれば森で暮らしていた時にリンはマリアから指導されていた時も岩を割る訓練をしており、あれも身体を鍛えていたといっても過言ではない。その事をマリアは敢えて伝えなかったのはリン自身が気付かないと意味はないと思っていたかもしれない。
「……何だい、まだそのお嬢ちゃんに聞いてなかったのかい?」
「え?」
「あ、そうだった!!ごめんね、本当はリン君が選びたかったと思うけど……」
リンの反応を見てバルルはハルカに顔を向けると、彼女はある方向に指差す。ハルカの指差した方向に視線を向けると、そこには豪華賞品の馬車が置かれていた。
「これって……もしかして!?」
「そうさ、あんたは気絶する直前にあたしを負かしてたんだよ。まさか本当に負けるとは思わなかったけどね……」
「うん!!私達が勝ったんだよ!!」
「ウォンッ!!」
試合はリンが気絶する寸前に勝っていたらしく、ハルカは気絶したリンの代わりに豪華賞品を受け取っていた。彼女はリンが馬車を欲しがっている話を聞いており、だから彼女は豪華賞品の中から馬車を選んだ。
馬車を前にしてリンは戸惑い、この馬車がもう自分の物だという事に驚きを隠せない。まさかこんな形で目的の代物を手に入れるとは思わなかったが、本当に受け取っていいのか尋ねる。
「い、いいんですか!?本当にこれ、貰ってもいいんですか!?」
「ああ、問題ないよ。あたしに勝ったんだからね、当然の権利さ」
「ちなみに私はこれを貰ったよ~」
ハルカは馬車とは別に自分が欲しかった豪華商品を受け取っていたらしく、彼女が手に入れたのは香水だった。他国から取り寄せた滅多に手に入らない高級品らしく、嬉しそうに香水が入った瓶を抱きしめる。
「この香水、お母さんも気に入ってたんだけど他の国にしか売ってないから滅多に手に入らないんだ。すっごく嬉しいよ~」
「へえ、そうなんだ……あれ?どうしたのウル?」
「クゥ~ンッ……」
香水を嬉しそうに抱きしめるハルカに対し、何故かウルは距離を取っていた。どうやら香水の匂いが苦手らしく、彼はリンの後ろに隠れてしまう。
「あらら……ウルは香水の匂いが嫌いみたい」
「え~!?そんな~……こんなに良い匂いなのに」
「クゥ~ンッ(←首を振る)」
折角手に入れたというのに香水を嫌がるウルを見てハルカは残念に思い、仕方なく彼女は鞄の中に戻す。その一方でバルルはリンが受け取った馬車の前に立ち、言いにくそうに彼に告げた。
「この馬車はあんたの物だ。だけど、うちの依頼主が馬車をやるのはいいけど、馬車を引く馬は別だと言い出してね……馬は商品に含まれないから買い取って欲しいと言ってるんだけど、どうする?」
「え~!?」
「そういえばこの馬車、馬がいないや……」
リンは言われてみて馬車を確認すると、車を引くはずの馬がいない事に気が付く。これでは乗り物としては使えず、馬が居なければ馬車を動かせるはずがない。
豪華賞品の中でも馬車は一番の価値を誇り、開催した人間側からすれば元手を少しでも回収するために馬は商品の対象外としたらしい。しかし、車だけを渡されても困るため、リンはどうするべきか悩む。
「そんなのないよ~!!馬がないのに馬車を商品にするなんておかしいよ!!」
「まあ、それはそうなんだけどね……」
「……ちなみに馬はいくらぐらいですか?」
「そうだね、だいたいこれぐらいの値段かね」
バルルはリンに馬の値段を耳元に告げると、リンは今の手持ちの金を確認し、思っていたよりも高いが買えない額ではない。元々彼はこの街で馬を買う予定だったため、馬を買えるだけのお金は最初から貯めていた。
「分かりました。それじゃあ、馬も一緒に買い取らせていただきます」
「本当にいいのかい?文句があるならあたしの依頼主の所まで連れて行くよ」
「いえ、大丈夫です。元々ここで馬を買うつもりだったので……」
「そうかい、それならあたしの方から伝えておくよ」
「う~……なんか納得いかない」
「ウォンッ!!」
ハルカはリンが馬を買う事に難色を示し、彼女も商人の娘であるためこんな客を騙す様なやり方で馬を売りつける方法は気に入らない様子だった。その一方でバルルの方もリン達に対して子供を騙したような気分になるため、彼女なりに気を遣う。
「そうだね、馬代の代わりと言ってはなんだけど……あたしからあんたに助言してやるよ」
「え、助言ですか?」
「さっきの試合の時、あんた凄い力を発揮しただろう?だけど、あの力は控えた方がいいよ」
「うっ……」
試合の際にリンが新たに編み出した身体強化を越えた「限界強化」は他人の目から見ても危険な技だと分かった。現にリンは限界強化を発動した後に気絶し、ハルカの回復魔法を受けてもすぐに治らなかった。
もしも今の状態で限界強化を何度も繰り返せばいずれ取り返しのつかない事態に陥り、バルルはそれを危惧してリンに注意を行う。
「さっきの力、ありゃ火事場の馬鹿力って奴かい?実を言えばあれと似たような技を使える奴をあたしも知ってるよ」
「えっ!?本当ですか!?」
「ああ、そいつはまだガキだけどね。この国で冒険者をやってるよ」
「冒険者?」
「何だ知らないのかい?魔物専門の退治屋みたいな職業だよ」
冒険者と言う事にリンは不思議に思い、バルルによれば魔物退治を行う職業らしい。そして彼女の知り合いの巨人族の子供は冒険者を勤めているらしく、先ほどのリンの「限界強化」と似た力を扱うらしい。
「名前はゴンゾウといってね、そいつは鬼人化という能力を扱えるんだよ」
「鬼人化?」
「巨人族の中でも特別な家系の巨人にしか使えない能力さ。鬼人化を発動させると名前の通りに鬼の様な力を発揮できる凄い技なんだけどね、だけど反動も強くて一度使うとしばらくの間はまともに動けなくなる。さっきまでのあんたのようにね」
「そ、そんな技があるんですか……」
巨人族の中にはリンの「限界強化」と似たような技を扱う者もいるらしく、一時的に鬼の様な強さを得る事から巨人族の間では「鬼人化」と呼ばれている。そしてバルルによれば彼女の知り合いの子供は鬼人化を扱う際に注意している点を話す。
「鬼人化は凄い能力だけど、扱う人間の身体が未熟だと大した力は引き出せない。だからゴンゾウの奴は身体を毎日鍛えているんだ。鍛えれば鍛える程に肉体も頑丈になって簡単に壊れないし、それに鬼人化を発動した時により力を発揮できるからね」
「肉体を鍛える……」
「今のあんたじゃさっきの技は負担が大き過ぎる。だけど、身体を鍛え続ければ何時かはその技を使いこなせる日が来るかもしれないよ」
「……ありがとうございます」
バルルの言葉にリンは胸を打たれ、自分自身の肉体を確認した。これまでリンは魔力操作の技術を磨く事だけに専念してきたが、バルルの言う通りにこれからも限界強化などを扱う際は自分自身の肉体も鍛えなければならない事に気が付く。
これからは魔力の技術を磨くだけではなく、肉体を鍛えていく事で身体強化や限界強化といった技を完璧に使いこなせるようにならなければならないと考える。
(きっと師匠は気付いていたんだ……魔力だけじゃなく、肉体も鍛えないといけないって)
今から考えれば森で暮らしていた時にリンはマリアから指導されていた時も岩を割る訓練をしており、あれも身体を鍛えていたといっても過言ではない。その事をマリアは敢えて伝えなかったのはリン自身が気付かないと意味はないと思っていたかもしれない。
0
お気に入りに追加
393
あなたにおすすめの小説
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
一人暮らしのおばさん薬師を黒髪の青年は崇めたてる
朝山みどり
ファンタジー
冤罪で辺境に追放された元聖女。のんびりまったり平和に暮らしていたが、過去が彼女の生活を壊そうとしてきた。
彼女を慕う青年はこっそり彼女を守り続ける。
幼い公女様は愛されたいと願うのやめました。~態度を変えた途端、家族が溺愛してくるのはなぜですか?~
朱色の谷
ファンタジー
公爵家の末娘として生まれた6歳のティアナ
お屋敷で働いている使用人に虐げられ『公爵家の汚点』と呼ばれる始末。
お父様やお兄様は私に関心がないみたい。愛されたいと願い、愛想よく振る舞っていたが一向に興味を示してくれない…
そんな中、夢の中の本を読むと、、、
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
とある元令嬢の選択
こうじ
ファンタジー
アメリアは1年前まで公爵令嬢であり王太子の婚約者だった。しかし、ある日を境に一変した。今の彼女は小さな村で暮らすただの平民だ。そして、それは彼女が自ら下した選択であり結果だった。彼女は言う『今が1番幸せ』だ、と。何故貴族としての幸せよりも平民としての暮らしを決断したのか。そこには彼女しかわからない悩みがあった……。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる