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第62話 挑戦します!!
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「さあ、次の挑戦者は誰か居ませんか!?そろそろバルル選手も限界のようです!!あと一歩です!!」
「ちょっと肩を痛めたかもね……次は本気を出せないかもしれない」
「さっきから同じような事ばっかり言ってるな……」
「本当に疲れてるのか?」
「俺はもういい……どうせ巨人族に勝てるはずないんだ」
バルルが疲れたふりをしても集まった観客も流石に怪しく思い、誰も挑戦を名乗り上げない。このままではまずいと思った司会者は豪華賞品を指差す。
「そ、それではこれからの試合では勝利した人数に合わせて豪華賞品を渡しましょう!!ここまでの試合では勝てば豪華賞品を一つだけ受け取れましたが、ここからは勝った人数に合わせて豪華賞品を渡しましょう!!」
「な、なんだって!?」
「と言う事は……もしも五人で挑んで勝てば豪華賞品を五個貰えるわけか!?」
「くそっ、どうする!?誰か挑む奴はいないのか!?」
これまでの試合では挑戦者側が勝ったとしても受け取れる豪華賞品は一つに限られていたが、ここからは勝った人間の数に合わせて豪華賞品が受け取れる事が決まった。
しかし、いくら豪華賞品が貰えると言ってもバルルに勝てなければ意味はなく、あまりにも勝ち続ける彼女に誰も挑もうとしない。そうなるとバルルとしても困り、わざと負ける事を決めたのに誰も挑んでこないのでは作戦が破綻する。
(参ったね、ちょっと勝過ぎたかね……このままだと終わっちまうよ)
このまま誰も挑戦しなかったら作戦が台無しであり、バルルとしても受け取れる報酬が減ってしまう。司会者も困り果てて挑戦者を募ろうとした時、誰かが手を上げた。
「はい!!はい!!私達、挑戦します!!」
「えっ!?ハルカ!?」
「ウォンッ?」
「お、おっと!?挑戦者が現れました!!しかもまだ若い少年と少女です!!」
片手を上げながら大声で挑戦を申し込んだのはハルカであり、隣に立っているリンは驚愕する。二人の傍に居たウルは首を傾げ、バルルはハルカを見て驚く。
(何だい、あの嬢ちゃん……私に勝てると思ってるのかい?)
ハルカの外見を見てバルルが抱いた印象は「お嬢様」であり、見るからにどこぞ金持ちの娘としか思えなかった。傍に立っている少年の方も強そうには見えず、恐らくは少女の恋人だと思われた。
気になる事があるとすれば二人の傍に付いている狼《ウル》であり、雪のように綺麗な白い毛並みをしているのでただの狼ではない事は分かる。しかし、珍しい動物という印象しか抱けない。
(どう見ても観光に訪れたお嬢様とお坊ちゃんといった感じだね……)
バルルは自分が戦う相手が子供だという事に落胆し、一応は司会者に顔を向けた。次の挑戦者が現れたらわざと負けるつもりだったが、相手がどうみても子供にしか見えず、しかも二人だけで挑戦するらしい。
「リン君、行こう!!」
「ちょ、ちょっと待って!?本当にやるの?」
「大丈夫だよ、一緒に頑張れば勝てるよ」
「こ、これはこれは可愛らしい挑戦者が二名現れました!!」
「おいおい、マジかよ……」
「止めた方がいいんじゃないか?」
「ほっとけ、どうせすぐに終わるだろ」
ハルカはリンの腕を掴んで壇上に上がると、他の観客も困惑した表情を浮かべていた。どう見てもハルカとリンは子供にしか見えず、バルルと比べても二人合わせても身長も体重も敵わない。
「こりゃ参ったね……御二人さん、本当に大丈夫かい?」
「勝てば本当に豪華賞品が貰えるの?」
「え、ええ……まあ、そうなんですけど」
「ハルカ……本当にやるの?」
心配するバルルをよそにハルカはやる気であり、彼女は用意された豪華賞品に目線を向ける。ハルカの家はイチノで一番の金持ちなので大抵欲しい物は手に入るはずだが、どうしても彼女は豪華賞品の中に欲しい物を発見した。
「リン君!!一緒に頑張ろうね!!」
「はあっ……分かったよ」
「あの、本当に挑戦するつもりかい?挑戦料も払わないといけないんだけど……」
「大丈夫です、お願いします」
司会者が心配した様子で話しかけるとリンは二人分の挑戦料をあっさりと支払い、それを見たバルルはため息を吐き出す。
(毎年いるんだよね、興味本位で綱引きを挑む奴が……仕方ない、軽く相手してやるかい)
子供相手に本気で戦うのも馬鹿らしく、彼女は片腕だけで綱を掴む。念のために司会者に目配せを行うと、彼は首を横に振った。
次の試合ではわざと負ける様にバルルは指示されていたが、流石に子供二人に負けるわけにはいかない。子供相手に負けたとなれば流石に他の観客から怪しまれるため、この試合までは手加減しながら勝つ事にした。
「それでは試合を始めます!!観客の皆様、この勇気ある二人の若者に応援を!!」
「お~せいぜい頑張れよ!!」
「負けても泣くんじゃないぞ!!」
「やれやれ~」
観客はリン達が勝てるとは微塵も思わず、一応は声援を送るが試合はすぐに終わると思っていた。リンは綱を掴むとその後ろにハルカも立ち、彼女は始める前にリンに告げる。
「よ~し、絶対に勝とうね!!」
「う、うん……頑張るよ」
「やれやれ……まあ、お手柔らかにね」
「それでは試合を始めます!!皆さん、準備はいいですね!?」
ため息を吐きながらバルルは綱を持ち上げると、試合開始の合図を待つ。司会者は右手を上げると、大声を上げながら振り下ろす。
「試合開始!!」
「え~いっ!!」
試合が開始された途端、綱を掴んでいたハルカは全力で引き寄せる。すると綱が凄い勢いで引き寄せられ、リンとバルルは驚きの声を上げる。
「うわっ!?」
「なぁっ!?」
『えっ!?』
リンは後ろに引っ張られ、バルルは自分の身体ごと引き寄せられた。何が起きたのか観客は理解が追いつかず、その一方でハルカは可愛らしい掛け声を上げながら全力で綱を引っ張る。
「たああっ!!」
「そ、そんな馬鹿な……何だい、この力は!?」
「お、おいバルル!!何をしている!?」
「ふざけている場合か!?」
「ハ、ハルカ!?」
片腕だけで綱を引いていたバルルだったが、あまりにも凄い力で引き寄せられた事で焦りを抱き、彼女は慌てて両腕で綱を掴む。それでも彼女は引きずられてしまい、その姿を見た他の巨人族三人が戸惑う。
リンも綱を引っ張ってはいるが殆どハルカだけの力でバルルを引き寄せており、あと少しで勝てる所まできた。しかし、バルルも巨人族の意地を発揮して全力で引き寄せる。
「うおらぁっ!!」
「わわっ!?」
「くぅっ!?」
『おおっ!?』
今度はバルルの方に繋が引き寄せられ、逆にリンとハルカは引き寄せられていく。これまでの試合と違ってバルルは迫真の表情を浮かべ、全力で戦っていた。それを見た観客は今までの試合の中でも一番の緊張感を抱く。
演技ではなく、本気でバルルは力を込めて綱を引っ張って行く。しかし、リンとハルカも負けずに綱を掴んで引き寄せようと抗う。
「ぐぎぎっ!!」
「ううっ……も、もうちょっとだよ!!」
「くぅっ……このぉっ!!」
『お、おぉおおおっ!?』
リンも全力で綱を引き寄せるために身体強化を発動させると、徐々にだがバルルを引き寄せていく。彼女は全力で綱を引っ張っているにも関わらず、徐々に引き寄せられていく事に戸惑う。
(な、何だいこのガキ共……本当に人間なのか!?)
まるで自分と同じく巨人族のような怪力を誇るハルカとリンにバルルは焦り、このままでは彼女は負けてしまうと思った。別に試合に負けたとしても大した問題ではなく、実際に先ほどまではわざと負けてやろうと思っていた。だが、今のバルルは本気で戦っている。
「ちょっと肩を痛めたかもね……次は本気を出せないかもしれない」
「さっきから同じような事ばっかり言ってるな……」
「本当に疲れてるのか?」
「俺はもういい……どうせ巨人族に勝てるはずないんだ」
バルルが疲れたふりをしても集まった観客も流石に怪しく思い、誰も挑戦を名乗り上げない。このままではまずいと思った司会者は豪華賞品を指差す。
「そ、それではこれからの試合では勝利した人数に合わせて豪華賞品を渡しましょう!!ここまでの試合では勝てば豪華賞品を一つだけ受け取れましたが、ここからは勝った人数に合わせて豪華賞品を渡しましょう!!」
「な、なんだって!?」
「と言う事は……もしも五人で挑んで勝てば豪華賞品を五個貰えるわけか!?」
「くそっ、どうする!?誰か挑む奴はいないのか!?」
これまでの試合では挑戦者側が勝ったとしても受け取れる豪華賞品は一つに限られていたが、ここからは勝った人間の数に合わせて豪華賞品が受け取れる事が決まった。
しかし、いくら豪華賞品が貰えると言ってもバルルに勝てなければ意味はなく、あまりにも勝ち続ける彼女に誰も挑もうとしない。そうなるとバルルとしても困り、わざと負ける事を決めたのに誰も挑んでこないのでは作戦が破綻する。
(参ったね、ちょっと勝過ぎたかね……このままだと終わっちまうよ)
このまま誰も挑戦しなかったら作戦が台無しであり、バルルとしても受け取れる報酬が減ってしまう。司会者も困り果てて挑戦者を募ろうとした時、誰かが手を上げた。
「はい!!はい!!私達、挑戦します!!」
「えっ!?ハルカ!?」
「ウォンッ?」
「お、おっと!?挑戦者が現れました!!しかもまだ若い少年と少女です!!」
片手を上げながら大声で挑戦を申し込んだのはハルカであり、隣に立っているリンは驚愕する。二人の傍に居たウルは首を傾げ、バルルはハルカを見て驚く。
(何だい、あの嬢ちゃん……私に勝てると思ってるのかい?)
ハルカの外見を見てバルルが抱いた印象は「お嬢様」であり、見るからにどこぞ金持ちの娘としか思えなかった。傍に立っている少年の方も強そうには見えず、恐らくは少女の恋人だと思われた。
気になる事があるとすれば二人の傍に付いている狼《ウル》であり、雪のように綺麗な白い毛並みをしているのでただの狼ではない事は分かる。しかし、珍しい動物という印象しか抱けない。
(どう見ても観光に訪れたお嬢様とお坊ちゃんといった感じだね……)
バルルは自分が戦う相手が子供だという事に落胆し、一応は司会者に顔を向けた。次の挑戦者が現れたらわざと負けるつもりだったが、相手がどうみても子供にしか見えず、しかも二人だけで挑戦するらしい。
「リン君、行こう!!」
「ちょ、ちょっと待って!?本当にやるの?」
「大丈夫だよ、一緒に頑張れば勝てるよ」
「こ、これはこれは可愛らしい挑戦者が二名現れました!!」
「おいおい、マジかよ……」
「止めた方がいいんじゃないか?」
「ほっとけ、どうせすぐに終わるだろ」
ハルカはリンの腕を掴んで壇上に上がると、他の観客も困惑した表情を浮かべていた。どう見てもハルカとリンは子供にしか見えず、バルルと比べても二人合わせても身長も体重も敵わない。
「こりゃ参ったね……御二人さん、本当に大丈夫かい?」
「勝てば本当に豪華賞品が貰えるの?」
「え、ええ……まあ、そうなんですけど」
「ハルカ……本当にやるの?」
心配するバルルをよそにハルカはやる気であり、彼女は用意された豪華賞品に目線を向ける。ハルカの家はイチノで一番の金持ちなので大抵欲しい物は手に入るはずだが、どうしても彼女は豪華賞品の中に欲しい物を発見した。
「リン君!!一緒に頑張ろうね!!」
「はあっ……分かったよ」
「あの、本当に挑戦するつもりかい?挑戦料も払わないといけないんだけど……」
「大丈夫です、お願いします」
司会者が心配した様子で話しかけるとリンは二人分の挑戦料をあっさりと支払い、それを見たバルルはため息を吐き出す。
(毎年いるんだよね、興味本位で綱引きを挑む奴が……仕方ない、軽く相手してやるかい)
子供相手に本気で戦うのも馬鹿らしく、彼女は片腕だけで綱を掴む。念のために司会者に目配せを行うと、彼は首を横に振った。
次の試合ではわざと負ける様にバルルは指示されていたが、流石に子供二人に負けるわけにはいかない。子供相手に負けたとなれば流石に他の観客から怪しまれるため、この試合までは手加減しながら勝つ事にした。
「それでは試合を始めます!!観客の皆様、この勇気ある二人の若者に応援を!!」
「お~せいぜい頑張れよ!!」
「負けても泣くんじゃないぞ!!」
「やれやれ~」
観客はリン達が勝てるとは微塵も思わず、一応は声援を送るが試合はすぐに終わると思っていた。リンは綱を掴むとその後ろにハルカも立ち、彼女は始める前にリンに告げる。
「よ~し、絶対に勝とうね!!」
「う、うん……頑張るよ」
「やれやれ……まあ、お手柔らかにね」
「それでは試合を始めます!!皆さん、準備はいいですね!?」
ため息を吐きながらバルルは綱を持ち上げると、試合開始の合図を待つ。司会者は右手を上げると、大声を上げながら振り下ろす。
「試合開始!!」
「え~いっ!!」
試合が開始された途端、綱を掴んでいたハルカは全力で引き寄せる。すると綱が凄い勢いで引き寄せられ、リンとバルルは驚きの声を上げる。
「うわっ!?」
「なぁっ!?」
『えっ!?』
リンは後ろに引っ張られ、バルルは自分の身体ごと引き寄せられた。何が起きたのか観客は理解が追いつかず、その一方でハルカは可愛らしい掛け声を上げながら全力で綱を引っ張る。
「たああっ!!」
「そ、そんな馬鹿な……何だい、この力は!?」
「お、おいバルル!!何をしている!?」
「ふざけている場合か!?」
「ハ、ハルカ!?」
片腕だけで綱を引いていたバルルだったが、あまりにも凄い力で引き寄せられた事で焦りを抱き、彼女は慌てて両腕で綱を掴む。それでも彼女は引きずられてしまい、その姿を見た他の巨人族三人が戸惑う。
リンも綱を引っ張ってはいるが殆どハルカだけの力でバルルを引き寄せており、あと少しで勝てる所まできた。しかし、バルルも巨人族の意地を発揮して全力で引き寄せる。
「うおらぁっ!!」
「わわっ!?」
「くぅっ!?」
『おおっ!?』
今度はバルルの方に繋が引き寄せられ、逆にリンとハルカは引き寄せられていく。これまでの試合と違ってバルルは迫真の表情を浮かべ、全力で戦っていた。それを見た観客は今までの試合の中でも一番の緊張感を抱く。
演技ではなく、本気でバルルは力を込めて綱を引っ張って行く。しかし、リンとハルカも負けずに綱を掴んで引き寄せようと抗う。
「ぐぎぎっ!!」
「ううっ……も、もうちょっとだよ!!」
「くぅっ……このぉっ!!」
『お、おぉおおおっ!?』
リンも全力で綱を引き寄せるために身体強化を発動させると、徐々にだがバルルを引き寄せていく。彼女は全力で綱を引っ張っているにも関わらず、徐々に引き寄せられていく事に戸惑う。
(な、何だいこのガキ共……本当に人間なのか!?)
まるで自分と同じく巨人族のような怪力を誇るハルカとリンにバルルは焦り、このままでは彼女は負けてしまうと思った。別に試合に負けたとしても大した問題ではなく、実際に先ほどまではわざと負けてやろうと思っていた。だが、今のバルルは本気で戦っている。
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