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第51話 絶滅危惧種「黒狼種」
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「絶滅危惧種の黒狼種が橋の上を占拠したせいで、今は橋が渡れなくてあんなに人だかりができてるんですよ。ただの魔物ならともかく、兵士も絶滅危惧種の魔物だと手を出す事もできないの一点張りで……」
「おいおい、それなら何時になったら橋を渡れるんだよ!?」
「し、知りませんよ!!俺達に怒鳴られても困りますって!!」
橋を渡れないのは絶滅危惧種の魔物が橋の上を陣取っているせいだと判明し、兵士が手出しできないのは絶滅危惧種の魔物を不用意に手を出すわけにはいかなかった。かつては目の仇にされていた黒狼種だが、現在は保護の対象となっている。
いくら魔物と言えども絶滅危惧種を殺すわけにはいかず、許可もなく黒狼種を殺せば兵士の責任となる。だが、橋の上に黒狼種がいる状態では渡る事もできず、兵士は橋を封鎖して誰も通れないようにしていた。
「くそっ……坊ちゃん、お嬢様、悪いんですがしばらくはここで足止めになりそうです。黒狼種の奴が退くまでここで大人しくしておきましょう」
「え~!?」
「他に川を渡る道はないんですか?」
「そんなのあったらもう向かってますよ……この川は水棲の魔物が住み着いてるで船で渡る事もできないんです。だからこの橋を渡る以外にニノへ向かう方法なんてないんですよ」
兵士によればここ以外に橋は架けられておらず、また船などに乗って川を渡る事も不可能だと告げる。そうなると橋に現れた黒狼種を何とかしなければ渡る事はできないらしい。
「リン君、どうしよう……狼さんが橋を離れるまで待つしかないのかな?」
「う~ん……でも、封鎖なんてしてたら黒狼種も出て行けないんじゃないかな」
「そうはいいますけどね、あの人だかりを見てくださいよ?あれだけ人が集まってたら兵士だって何もしないわけにはいかないんですよ」
橋が封じられた状態では黒狼種も離れる事もできないのではないかと思われるが、橋のこちら側も反対側にも大勢の人が集まっており、彼等を通さないように兵士は封鎖するしかなかった。
「おい、あんたら何してんだ!!早くあの魔物を何とかしろよ!?」
「ですから、あの魔物に我々は手出しできないんです!!だから自然に離れるまで待つしか……」
「ふざけるな!!こっちは急いでるんだぞ!!」
「明日までにイチノに辿り着けなかったら商品が傷んじまうんだぞ!!」
「さっさと追い払えっ!!」
橋を渡りたい人間達は封鎖する兵士達に文句を告げ、その対応のために兵士は必死に宥めていた。様子を見る限りでは確かに封鎖を解けば集まった人間達が何を仕出かすか分からず、これではいつ橋を渡れるか分からない。
「この様子だとしばらくは通れそうになりませんね……どうします?ここはイチノに戻るという手もありますよ」
「リン君、どうするの?」
「えっ!?僕に聞かれても……」
「スンスンッ……ウォンッ!!」
進むべきか留まるべきか判断を委ねられたリンは困り果てるが、そんな彼にウルが急に鳴き声を上げる。何事かとリンはウルに振り返ると、彼は橋がある方向に歩いて行く。
「ウル?急にどうしたの?」
「クゥ~ンッ」
「……付いて来いって?」
「ちょ、ちょっと坊ちゃん!!橋を渡るのは勘弁して下さいよ!?」
ウルはリンに付いてくるように促し、彼の行動が気になったリンは後に続く。その後ろ姿を見て団長は注意するが、とりあえずはリンはウルの後ろに付いていく。
橋の前に人だかりができており、ウルはそれを見て困った風にリンに振り返る。どうやら彼は橋の方に向かいたいらしく、仕方なくリンは人込みを掻き分けながら先に進む。
「すいません、ちょっと通してください」
「うわっ!?な、何だよ……狼!?」
「わあっ!?」
「お、おい!?何のつもりだ!?」
狼を連れた少年が急に現れて橋の前に集まっていた人たちは驚いて道を開くと、リンは橋を封鎖する兵士達の元へ辿り着く。兵士達は狼を連れた少年が現れて驚くが、慌てて槍を構えた。
「そ、そこの少年、止まりなさい!!」
「ここから先は通す事はできない!!大人しく下がるんだ!!」
「すいません、でもこの子がそっちに行きたいみたいで……」
「スンスンッ……」
ウルは鼻を鳴らして兵士の元へ向かい、彼は兵士達が塞ぐ橋の方に向かいたい様子だった。しかし、それを黙って通すはずがない。
「君!!これ以上にそこの狼を近づけるのは止めなさい!!」
「そういわれても……あ、ウル!?」
「ウォオンッ!!」
「うわっ!?」
雄叫びを上げながらウルは跳躍すると、兵士達の頭上を跳び越えて橋に着地する。彼はそのまま橋の向こう側へ向けて駆け出し、それを見たリンは慌てて後を追う。
「すいません!!そこを通してください!!」
「だ、駄目だ!!おい、止めるんだ!!」
「こら!!早く離れるんだ!!」
「ここを通すわけにはいかない!!」
ウルの後を追いかけようとしたリンだったが、槍を持った兵士達に遮られてしまう。しかし、橋を駆け抜けているウルを見てリンは放っては置けず、彼は仕方なく身体強化を発動させて跳躍を行う。
「本当にすいません!!後でちゃんと謝りますから!!」
「なっ!?」
「ば、馬鹿なっ!?」
身体強化を発揮したリンは先ほどのウルのように兵士達の頭上を跳び越え、橋に降り立つと全速力で駆け出す。この時にリンは森を出たばかりの頃と比べ、身体強化を発動した時の跳躍力が伸びているように感じた。
(もしかしてこれも修行の成果かな?)
ハルカと行った魔法の練習のお陰でリンは以前よりも魔力操作の技術が磨かれ、そのお陰なのか身体強化を発動した時の身体能力の上昇率が高まっていた。先日に悪党に襲われたハルカを助ける時も長時間の身体強化を発動していたが、どうやら効果時間も伸びていたらしい。
修行のお陰でリンは以前以上の身体能力を発揮し、今までは追いつけなかったウルの全速力にもついて行けるようになった。あまりの彼の足の速さに彼を止めようとした兵士達は追いつかず、呆気に取られた。
「な、何て速さだ!?」
「まさか獣人族か!?」
「いや、そんなはずは……」
後ろから聞こえてくる声を耳にしてリンは後で兵士にどのように謝罪するべきか悩むが、今はウルの後を追いかける事に集中する。やがてウルとリンの視界に橋の上に寝そべる巨大な狼の姿を発見した。
(大きい!?なんてデカさだ……ハクぐらいはあるぞ!?)
橋の上に寝そべる狼の正体はハクとほとんど変わりないほどの大きさを誇る黒狼であり、外見もハクやウルと瓜二つだった。違いがあるとすれば全身が黒色の毛皮で覆われており、それ以外は白狼種と全く同じ姿形だった。
黒狼種は眠っているのかリンとハクが近付いても目を開く様子もなく、それを見たリンは冷や汗を流す。ハクやウルを見慣れているリンでさえも圧倒されるほど威圧感を放ち、眠っていても危険性が十分に伝わる。
「これが黒狼種なのか……」
「クゥ~ンッ」
黒狼種を前にしてリンは緊張するが、ウルの方は寝ている黒狼種の元に近付いて鳴き声を上げる。するとウルの鳴き声を耳にした黒狼種は目を開き、リンとウルの姿を確認すると鳴き声を放つ。
――ウォオオオオンッ!!
それは鳴き声というにはあまりにも荒々しく、威嚇の雄叫びにも捉えかねない。あまりの声量にリンは両耳を塞ぎ、ウルは身体を伏せて身体を震わせる。やがて黒狼種はゆっくりと立ち上がると、リンとウルに顔を近づけた。
「おいおい、それなら何時になったら橋を渡れるんだよ!?」
「し、知りませんよ!!俺達に怒鳴られても困りますって!!」
橋を渡れないのは絶滅危惧種の魔物が橋の上を陣取っているせいだと判明し、兵士が手出しできないのは絶滅危惧種の魔物を不用意に手を出すわけにはいかなかった。かつては目の仇にされていた黒狼種だが、現在は保護の対象となっている。
いくら魔物と言えども絶滅危惧種を殺すわけにはいかず、許可もなく黒狼種を殺せば兵士の責任となる。だが、橋の上に黒狼種がいる状態では渡る事もできず、兵士は橋を封鎖して誰も通れないようにしていた。
「くそっ……坊ちゃん、お嬢様、悪いんですがしばらくはここで足止めになりそうです。黒狼種の奴が退くまでここで大人しくしておきましょう」
「え~!?」
「他に川を渡る道はないんですか?」
「そんなのあったらもう向かってますよ……この川は水棲の魔物が住み着いてるで船で渡る事もできないんです。だからこの橋を渡る以外にニノへ向かう方法なんてないんですよ」
兵士によればここ以外に橋は架けられておらず、また船などに乗って川を渡る事も不可能だと告げる。そうなると橋に現れた黒狼種を何とかしなければ渡る事はできないらしい。
「リン君、どうしよう……狼さんが橋を離れるまで待つしかないのかな?」
「う~ん……でも、封鎖なんてしてたら黒狼種も出て行けないんじゃないかな」
「そうはいいますけどね、あの人だかりを見てくださいよ?あれだけ人が集まってたら兵士だって何もしないわけにはいかないんですよ」
橋が封じられた状態では黒狼種も離れる事もできないのではないかと思われるが、橋のこちら側も反対側にも大勢の人が集まっており、彼等を通さないように兵士は封鎖するしかなかった。
「おい、あんたら何してんだ!!早くあの魔物を何とかしろよ!?」
「ですから、あの魔物に我々は手出しできないんです!!だから自然に離れるまで待つしか……」
「ふざけるな!!こっちは急いでるんだぞ!!」
「明日までにイチノに辿り着けなかったら商品が傷んじまうんだぞ!!」
「さっさと追い払えっ!!」
橋を渡りたい人間達は封鎖する兵士達に文句を告げ、その対応のために兵士は必死に宥めていた。様子を見る限りでは確かに封鎖を解けば集まった人間達が何を仕出かすか分からず、これではいつ橋を渡れるか分からない。
「この様子だとしばらくは通れそうになりませんね……どうします?ここはイチノに戻るという手もありますよ」
「リン君、どうするの?」
「えっ!?僕に聞かれても……」
「スンスンッ……ウォンッ!!」
進むべきか留まるべきか判断を委ねられたリンは困り果てるが、そんな彼にウルが急に鳴き声を上げる。何事かとリンはウルに振り返ると、彼は橋がある方向に歩いて行く。
「ウル?急にどうしたの?」
「クゥ~ンッ」
「……付いて来いって?」
「ちょ、ちょっと坊ちゃん!!橋を渡るのは勘弁して下さいよ!?」
ウルはリンに付いてくるように促し、彼の行動が気になったリンは後に続く。その後ろ姿を見て団長は注意するが、とりあえずはリンはウルの後ろに付いていく。
橋の前に人だかりができており、ウルはそれを見て困った風にリンに振り返る。どうやら彼は橋の方に向かいたいらしく、仕方なくリンは人込みを掻き分けながら先に進む。
「すいません、ちょっと通してください」
「うわっ!?な、何だよ……狼!?」
「わあっ!?」
「お、おい!?何のつもりだ!?」
狼を連れた少年が急に現れて橋の前に集まっていた人たちは驚いて道を開くと、リンは橋を封鎖する兵士達の元へ辿り着く。兵士達は狼を連れた少年が現れて驚くが、慌てて槍を構えた。
「そ、そこの少年、止まりなさい!!」
「ここから先は通す事はできない!!大人しく下がるんだ!!」
「すいません、でもこの子がそっちに行きたいみたいで……」
「スンスンッ……」
ウルは鼻を鳴らして兵士の元へ向かい、彼は兵士達が塞ぐ橋の方に向かいたい様子だった。しかし、それを黙って通すはずがない。
「君!!これ以上にそこの狼を近づけるのは止めなさい!!」
「そういわれても……あ、ウル!?」
「ウォオンッ!!」
「うわっ!?」
雄叫びを上げながらウルは跳躍すると、兵士達の頭上を跳び越えて橋に着地する。彼はそのまま橋の向こう側へ向けて駆け出し、それを見たリンは慌てて後を追う。
「すいません!!そこを通してください!!」
「だ、駄目だ!!おい、止めるんだ!!」
「こら!!早く離れるんだ!!」
「ここを通すわけにはいかない!!」
ウルの後を追いかけようとしたリンだったが、槍を持った兵士達に遮られてしまう。しかし、橋を駆け抜けているウルを見てリンは放っては置けず、彼は仕方なく身体強化を発動させて跳躍を行う。
「本当にすいません!!後でちゃんと謝りますから!!」
「なっ!?」
「ば、馬鹿なっ!?」
身体強化を発揮したリンは先ほどのウルのように兵士達の頭上を跳び越え、橋に降り立つと全速力で駆け出す。この時にリンは森を出たばかりの頃と比べ、身体強化を発動した時の跳躍力が伸びているように感じた。
(もしかしてこれも修行の成果かな?)
ハルカと行った魔法の練習のお陰でリンは以前よりも魔力操作の技術が磨かれ、そのお陰なのか身体強化を発動した時の身体能力の上昇率が高まっていた。先日に悪党に襲われたハルカを助ける時も長時間の身体強化を発動していたが、どうやら効果時間も伸びていたらしい。
修行のお陰でリンは以前以上の身体能力を発揮し、今までは追いつけなかったウルの全速力にもついて行けるようになった。あまりの彼の足の速さに彼を止めようとした兵士達は追いつかず、呆気に取られた。
「な、何て速さだ!?」
「まさか獣人族か!?」
「いや、そんなはずは……」
後ろから聞こえてくる声を耳にしてリンは後で兵士にどのように謝罪するべきか悩むが、今はウルの後を追いかける事に集中する。やがてウルとリンの視界に橋の上に寝そべる巨大な狼の姿を発見した。
(大きい!?なんてデカさだ……ハクぐらいはあるぞ!?)
橋の上に寝そべる狼の正体はハクとほとんど変わりないほどの大きさを誇る黒狼であり、外見もハクやウルと瓜二つだった。違いがあるとすれば全身が黒色の毛皮で覆われており、それ以外は白狼種と全く同じ姿形だった。
黒狼種は眠っているのかリンとハクが近付いても目を開く様子もなく、それを見たリンは冷や汗を流す。ハクやウルを見慣れているリンでさえも圧倒されるほど威圧感を放ち、眠っていても危険性が十分に伝わる。
「これが黒狼種なのか……」
「クゥ~ンッ」
黒狼種を前にしてリンは緊張するが、ウルの方は寝ている黒狼種の元に近付いて鳴き声を上げる。するとウルの鳴き声を耳にした黒狼種は目を開き、リンとウルの姿を確認すると鳴き声を放つ。
――ウォオオオオンッ!!
それは鳴き声というにはあまりにも荒々しく、威嚇の雄叫びにも捉えかねない。あまりの声量にリンは両耳を塞ぎ、ウルは身体を伏せて身体を震わせる。やがて黒狼種はゆっくりと立ち上がると、リンとウルに顔を近づけた。
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