361 / 367
獣人王国編
第359話 ガオとガームの逃走
しおりを挟む
「待て、落ち着け!!落ち着くのだ!!」
「……ガーム将軍、これが落ち着いていられるか!!」
「その通りです!!どうして……どうして国王様の遺体にガオ王子が作り出した騎士団の剣が刺さっていたのですか!?」
「し、知らない!!僕は何も知らないんだ!?」
ガオとガームの元に兵士達は集まり、武器に手を伸ばす。それを見たガームはこのままでは自分の甥が国王を殺した犯人に勘違いされると考え、まずは兵士達に冷静になるように促す。
「落ち着け、お前たちの気持ちはよく分かる!!だが、まずは冷静になるのだ!!」
「冷静になれだと……そういうガーム将軍はどうしてそこまで落ち着いていられるのですか!?国王様が、国王様がお亡くなりになられたのですぞ!!」
「それは……」
「た、隊長!!ここに倒れているのはユダン様です!!国王様の専属治癒魔導士のユダン様で間違いありません!!」
「何だと!?」
近衛隊長の男はガームに怒鳴りつけると、すぐに彼の配下の兵士が倒れているユダンに気づき、慌てて様子を確認すると既に死亡している事に気づく。しかも死に方が普通ではなく、毒物の類であると一目で分かる。
どうして国王の治療を行っているはずのユダンがこんな場所で死んでいるのか、しかも死に方が毒殺という事に兵士たちも戸惑う。だが、ここで近衛隊長はガームが手にしている武器に気づいた。
「ガーム将軍、それはなんですか?何を持っておられるのですか?」
「何?こ、これは……」
「見た事もない武器ですな……そもそも、どうしてここに貴方と王子がいるのですか?王子は謹慎を言い付けられていたはずですが……」
「そ、それは父上が危篤と聞いてやってきたんだ!!父上が僕を呼んでいると使者が訪れて……」
「そんな話は我々は聞いていない!!我々は国王様から王子を呼び出すなどと言う連絡は受けていませんぞ!!」
「何だと!?」
近衛隊長の言葉にガームは驚き、彼のガオが国王の危篤である事を使者から伝えられ、呼び出されたと話を聞いていた。ガームも王都にて勇者が訪れたという情報を聞き、ガオが王位継承権を剥奪されたという話を聞いて駆けつけてきたのだが、ガオから国王が危篤状態に陥ったという話を聞く。
どうしてそんな重要な情報が自分の元に届かなかったのかとガームは戸惑うが、急いで謹慎中のガオを連れ出して彼は王城へ乗り込んだ。だが、近衛兵はそのような使者を王子に派遣したなど聞いておらず、そもそもガームが訪れている事も怪しむ。
「ガーム将軍もどうして今日、この場所にいるのか答えてもらえますか!?将軍が訪れるなど我々も聞いておりません!!」
「落ち着け、私も国王が危篤状態であると聞いてここへ訪れたのだ!!」
「では、その武器は何なのですか!?答えてもらいましょうか!!」
「これは……」
ガームはここで未だに自分が襲撃者が所持していた「クナイ」を持っている事に気づき、倒れているユダンと彼が倒れている通路に存在した自分とガオに疑いを掛けられている事を知る。
状況的に考えれば近衛隊長が本来はここへ立ち入る事が禁じられている王子と、事前に連絡もなしに王城へ乗り込んできたガーム、更には得体のしれない武器に倒れているユダンを見れば怪しむなという方が無理な話であった。
「ガーム将軍、貴方の事は尊敬しておりますが、今この状況では我々は貴方達を疑わざるを得ません!!どうか抵抗せず、ご同行を願えますか!!」
「ぬうっ……!!」
「な、何だと!?まさか、お前たち……この僕が、父上を殺したというのか!?」
近衛隊長の言葉にガオは顔を真っ赤にさせて怒りを抱くが、そんな彼に対して兵士達も尋常ならざぬ怒気を纏い、この状況下ではガオが何と言おうと逆効果でしかない。つい先日に国王から王位継承権を奪われ、謹慎を言い渡されているガオだからこそ信用できなかった。
彼が今回の処罰の剣で逆恨みし、自分の配下を利用して国王を暗殺したという可能性もある。黒狼騎士団は解散され、その武器の類は没収されたが、彼が特別に制作した武器が国王の遺体に刺さっていたというだけで疑うには十分な証拠である。
(いかん、このままではガオの身が危ない……我々は嵌められた!!)
国王の危篤を伝える使者の存在が近衛隊長が知らされていないという時点でガームは何者かに嵌められたと判断した。
冷静に考えればユダンの急死、彼が生前に告げたた国王の死因が病であるのに対し、兵士の報告が胸元に剣を突き刺されて死んでいたという時点でガームは何者かの手によって自分たちが犯人に仕立て上げられようとしている事を悟り、唇を噛み占める。
(まずい、ここで捕まえればガオは殺されてしまう!!どうにかしなければ……!!)
忠誠を誓った国王が殺され、更に何者かの陰謀によってガオが無実の罪を被せられようとしている事にガームは怒りを抱き、まずは彼を救い出すために彼は強行突破を行う。
「……ガーム将軍、これが落ち着いていられるか!!」
「その通りです!!どうして……どうして国王様の遺体にガオ王子が作り出した騎士団の剣が刺さっていたのですか!?」
「し、知らない!!僕は何も知らないんだ!?」
ガオとガームの元に兵士達は集まり、武器に手を伸ばす。それを見たガームはこのままでは自分の甥が国王を殺した犯人に勘違いされると考え、まずは兵士達に冷静になるように促す。
「落ち着け、お前たちの気持ちはよく分かる!!だが、まずは冷静になるのだ!!」
「冷静になれだと……そういうガーム将軍はどうしてそこまで落ち着いていられるのですか!?国王様が、国王様がお亡くなりになられたのですぞ!!」
「それは……」
「た、隊長!!ここに倒れているのはユダン様です!!国王様の専属治癒魔導士のユダン様で間違いありません!!」
「何だと!?」
近衛隊長の男はガームに怒鳴りつけると、すぐに彼の配下の兵士が倒れているユダンに気づき、慌てて様子を確認すると既に死亡している事に気づく。しかも死に方が普通ではなく、毒物の類であると一目で分かる。
どうして国王の治療を行っているはずのユダンがこんな場所で死んでいるのか、しかも死に方が毒殺という事に兵士たちも戸惑う。だが、ここで近衛隊長はガームが手にしている武器に気づいた。
「ガーム将軍、それはなんですか?何を持っておられるのですか?」
「何?こ、これは……」
「見た事もない武器ですな……そもそも、どうしてここに貴方と王子がいるのですか?王子は謹慎を言い付けられていたはずですが……」
「そ、それは父上が危篤と聞いてやってきたんだ!!父上が僕を呼んでいると使者が訪れて……」
「そんな話は我々は聞いていない!!我々は国王様から王子を呼び出すなどと言う連絡は受けていませんぞ!!」
「何だと!?」
近衛隊長の言葉にガームは驚き、彼のガオが国王の危篤である事を使者から伝えられ、呼び出されたと話を聞いていた。ガームも王都にて勇者が訪れたという情報を聞き、ガオが王位継承権を剥奪されたという話を聞いて駆けつけてきたのだが、ガオから国王が危篤状態に陥ったという話を聞く。
どうしてそんな重要な情報が自分の元に届かなかったのかとガームは戸惑うが、急いで謹慎中のガオを連れ出して彼は王城へ乗り込んだ。だが、近衛兵はそのような使者を王子に派遣したなど聞いておらず、そもそもガームが訪れている事も怪しむ。
「ガーム将軍もどうして今日、この場所にいるのか答えてもらえますか!?将軍が訪れるなど我々も聞いておりません!!」
「落ち着け、私も国王が危篤状態であると聞いてここへ訪れたのだ!!」
「では、その武器は何なのですか!?答えてもらいましょうか!!」
「これは……」
ガームはここで未だに自分が襲撃者が所持していた「クナイ」を持っている事に気づき、倒れているユダンと彼が倒れている通路に存在した自分とガオに疑いを掛けられている事を知る。
状況的に考えれば近衛隊長が本来はここへ立ち入る事が禁じられている王子と、事前に連絡もなしに王城へ乗り込んできたガーム、更には得体のしれない武器に倒れているユダンを見れば怪しむなという方が無理な話であった。
「ガーム将軍、貴方の事は尊敬しておりますが、今この状況では我々は貴方達を疑わざるを得ません!!どうか抵抗せず、ご同行を願えますか!!」
「ぬうっ……!!」
「な、何だと!?まさか、お前たち……この僕が、父上を殺したというのか!?」
近衛隊長の言葉にガオは顔を真っ赤にさせて怒りを抱くが、そんな彼に対して兵士達も尋常ならざぬ怒気を纏い、この状況下ではガオが何と言おうと逆効果でしかない。つい先日に国王から王位継承権を奪われ、謹慎を言い渡されているガオだからこそ信用できなかった。
彼が今回の処罰の剣で逆恨みし、自分の配下を利用して国王を暗殺したという可能性もある。黒狼騎士団は解散され、その武器の類は没収されたが、彼が特別に制作した武器が国王の遺体に刺さっていたというだけで疑うには十分な証拠である。
(いかん、このままではガオの身が危ない……我々は嵌められた!!)
国王の危篤を伝える使者の存在が近衛隊長が知らされていないという時点でガームは何者かに嵌められたと判断した。
冷静に考えればユダンの急死、彼が生前に告げたた国王の死因が病であるのに対し、兵士の報告が胸元に剣を突き刺されて死んでいたという時点でガームは何者かの手によって自分たちが犯人に仕立て上げられようとしている事を悟り、唇を噛み占める。
(まずい、ここで捕まえればガオは殺されてしまう!!どうにかしなければ……!!)
忠誠を誓った国王が殺され、更に何者かの陰謀によってガオが無実の罪を被せられようとしている事にガームは怒りを抱き、まずは彼を救い出すために彼は強行突破を行う。
0
お気に入りに追加
975
あなたにおすすめの小説

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~
カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。
気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。
だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう――
――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

5歳で前世の記憶が混入してきた --スキルや知識を手に入れましたが、なんで中身入ってるんですか?--
ばふぉりん
ファンタジー
「啞"?!@#&〆々☆¥$€%????」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
五歳の誕生日を迎えた男の子は家族から捨てられた。理由は
「お前は我が家の恥だ!占星の儀で訳の分からないスキルを貰って、しかも使い方がわからない?これ以上お前を育てる義務も義理もないわ!」
この世界では五歳の誕生日に教会で『占星の儀』というスキルを授かることができ、そのスキルによってその後の人生が決まるといっても過言では無い。
剣聖 聖女 影朧といった上位スキルから、剣士 闘士 弓手といった一般的なスキル、そして家事 農耕 牧畜といったもうそれスキルじゃないよね?といったものまで。
そんな中、この五歳児が得たスキルは
□□□□
もはや文字ですら無かった
~~~~~~~~~~~~~~~~~
本文中に顔文字を使用しますので、できれば横読み推奨します。
本作中のいかなる個人・団体名は実在するものとは一切関係ありません。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します
あけちともあき
ファンタジー
異世界召喚されたコトマエ・マナビ。
異世界パルメディアは、大魔法文明時代。
だが、その時代は崩壊寸前だった。
なのに人類同志は争いをやめず、異世界召喚した特殊能力を持つ人間同士を戦わせて覇を競っている。
マナビは魔力も闘気もゼロということで無能と断じられ、彼を召喚したハーフエルフ巫女のルミイとともに追放される。
追放先は、魔法文明人の娯楽にして公開処刑装置、滅びの塔。
ここで命運尽きるかと思われたが、マナビの能力、ヘルプ機能とチュートリアルシステムが発動する。
世界のすべてを事前に調べ、起こる出来事を予習する。
無理ゲーだって軽々くぐり抜け、デスゲームもヌルゲーに変わる。
化け物だって天変地異だって、事前の予習でサクサククリア。
そして自分を舐めてきた相手を、さんざん煽り倒す。
当座の目的は、ハーフエルフ巫女のルミイを実家に帰すこと。
ディストピアから、ポストアポカリプスへと崩壊していくこの世界で、マナビとルミイのどこか呑気な旅が続く。
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる