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獣人王国編
第343話 起きない仲間達
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「ど、どうやらそれは普通の人間では扱えなさそうですね……全く、余計な体力を使いましたよ」
「これはどうしたらいいんだろう?」
「とりあえずは回収しておきましょう。それよりも他の皆さんを起こさないと……ほら、起きてくださいミケ!!」
「いや、それネコミンだよ」
「うにゃっ……」
リリスはとりあえずは他の人間達を起こそうとするが、何故か起こそうとしても全員が目を覚まさず、声で呼び掛けても身体を揺すっても目を覚まそうとしない。一応は反応はあるので全員生きていると思われるが、何故か一向に目を覚ます様子がない。
「おかしいですね、どうして起きないんでしょうか?」
「う~ん、みんな熟睡しているみたいだけど……仕方ない、クロミンお願い」
「ぷるんっ(起きろやっ)」
「あぐぅっ!?」
クロミンがリリスを起こしたときのように近くにいたオウソウに平手打ちを行うが、彼は痛がる素振りを見せても瞼は開かず、起きる様子がない。先ほどはリリスを起こす事に成功したのだが、何故か他の人間は起きない。
レイナもここに来た時は眠っていたが、自力で目を覚ます事が出来た。クロミンを起こしたときは普通に起きたのだが、何故か他の人間は起きる様子がない。この事にリリスは疑問を抱き、どうして自分達だけが起きたのかを考える。
「おかしいですね、私達以外の人たちが目を覚まさないなんて……」
「どうしよう……あ、そうだ!!こういう時こそ解析を使えば……」
眠ったまま動かないネコミンを抱えていたレイナは解析を発動させると、まずは詳細画面を開いて彼女の様子を伺う。その結果、状態の項目が「休眠」と表示されている事に気づく。
「あれ、状態が休眠だって表示されてるけど……」
「休眠?動物の冬眠みたいな感じなんですかね?」
「じゃあ、皆が眠っているのは気絶しているわけじゃないの?」
休眠という文字から察するに倒れている者たちは単純に意識を失っているわけではなく、眠ったまま目を覚まさない。動物の冬眠のように眠った状態に等しく、この様子では目を覚ますとは思えない。
だが、どうしてレイナは自分とリリスとクロミンだけが目を覚ます事が出来たのかを不思議に思い、とりあえずは眠っている人間とそうでない人間の共通点を探す。
「獣人族だけが眠っちゃう細工が施されていたのかな?」
「いやいや、それだとサンやハンゾウが起きない理由が説明できません」
「仮に薬物の類で皆さんが眠らされていたとした場合、私は薬剤師なのでありとあらゆる毒物の耐性を持っていたから目を覚ました……という考え方もできますけど、レイナさんはどうですか?」
「う~ん……色々と技能は覚えたけど、そういった技能は覚えてないかな」
色々と考えたがやはり自分たちだけが目を覚まさなかった理由は思いつかず、そもそもどうしてリル達だけが意識を失ったままなのか不明である。しかし、ここでリリスはあるものを発見した。
「おや、あれは……」
「どうかしたの?」
「ほら、あそこに何か落ちてませんか?」
リリスが指差す方向には確かに床に何かが落ちている事が判明し、試しにレイナ達は近づくと、落ちている物体の正体が衣服である事が判明した。
どうしてこんな場所に衣服が放置されているのかと驚くが、落ちていたのは衣服だけではなく、傍には鞄も存在し、それを拾い上げたリリスは中身を確認すると驚いた表情を浮かべる。
「これは……」
「どうしたの?何が入っていたの?」
「この国の冒険者ギルドが発行している冒険者の証です。どうやらこの衣服の主は冒険者だったようですね」
「ぷるんっ!?(何だって!?)」
リリスは鞄からバッジを取り出すと、前にレイナがヒトノ帝国に居た時に冒険者が身に付けていたバッジだと気づく。しかも色合いから冒険者の最高階級である「黄金級冒険者」である事が判明し、動揺を隠せない。
どうやら状況的に考えてここまで誰かが訪れ、この場所で死に絶えたのか死体は大迷宮に吸収されてしまったらしい。リリスがバッジに刻まれている発行日を確認すると、どうやら100年以上前の冒険者だと判明する。
「どうやらこの冒険者はここまで辿り着いたようですが、死んでしまったようですね。でも、火竜の住処である火山に忍び込んでこの場所まで辿り着いた当たり、流石は黄金級冒険者だというべきでしょうか……」
「でも、どうして死んじゃったの?」
「そこまでは分かりません、それよりも私が気になるのはこの冒険者の装備品です。100年も放置されていたのに妙に綺麗だとは思いませんか?」
「言われてみれば……」
レイナは床に落ちている衣服と鞄を確認すると、リリスの言葉が正しければ100年近くも放置され続けていたのにどちらもそれほど汚れてはおらず、むしろ綺麗な状態で放置されていた。
衣服を拾い上げ、鞄の中身を確認したが埃一つも存在せず、それでいながら衣服の持ち主だけが消えた事からここが大迷宮である事は間違いない。
「これはどうしたらいいんだろう?」
「とりあえずは回収しておきましょう。それよりも他の皆さんを起こさないと……ほら、起きてくださいミケ!!」
「いや、それネコミンだよ」
「うにゃっ……」
リリスはとりあえずは他の人間達を起こそうとするが、何故か起こそうとしても全員が目を覚まさず、声で呼び掛けても身体を揺すっても目を覚まそうとしない。一応は反応はあるので全員生きていると思われるが、何故か一向に目を覚ます様子がない。
「おかしいですね、どうして起きないんでしょうか?」
「う~ん、みんな熟睡しているみたいだけど……仕方ない、クロミンお願い」
「ぷるんっ(起きろやっ)」
「あぐぅっ!?」
クロミンがリリスを起こしたときのように近くにいたオウソウに平手打ちを行うが、彼は痛がる素振りを見せても瞼は開かず、起きる様子がない。先ほどはリリスを起こす事に成功したのだが、何故か他の人間は起きない。
レイナもここに来た時は眠っていたが、自力で目を覚ます事が出来た。クロミンを起こしたときは普通に起きたのだが、何故か他の人間は起きる様子がない。この事にリリスは疑問を抱き、どうして自分達だけが起きたのかを考える。
「おかしいですね、私達以外の人たちが目を覚まさないなんて……」
「どうしよう……あ、そうだ!!こういう時こそ解析を使えば……」
眠ったまま動かないネコミンを抱えていたレイナは解析を発動させると、まずは詳細画面を開いて彼女の様子を伺う。その結果、状態の項目が「休眠」と表示されている事に気づく。
「あれ、状態が休眠だって表示されてるけど……」
「休眠?動物の冬眠みたいな感じなんですかね?」
「じゃあ、皆が眠っているのは気絶しているわけじゃないの?」
休眠という文字から察するに倒れている者たちは単純に意識を失っているわけではなく、眠ったまま目を覚まさない。動物の冬眠のように眠った状態に等しく、この様子では目を覚ますとは思えない。
だが、どうしてレイナは自分とリリスとクロミンだけが目を覚ます事が出来たのかを不思議に思い、とりあえずは眠っている人間とそうでない人間の共通点を探す。
「獣人族だけが眠っちゃう細工が施されていたのかな?」
「いやいや、それだとサンやハンゾウが起きない理由が説明できません」
「仮に薬物の類で皆さんが眠らされていたとした場合、私は薬剤師なのでありとあらゆる毒物の耐性を持っていたから目を覚ました……という考え方もできますけど、レイナさんはどうですか?」
「う~ん……色々と技能は覚えたけど、そういった技能は覚えてないかな」
色々と考えたがやはり自分たちだけが目を覚まさなかった理由は思いつかず、そもそもどうしてリル達だけが意識を失ったままなのか不明である。しかし、ここでリリスはあるものを発見した。
「おや、あれは……」
「どうかしたの?」
「ほら、あそこに何か落ちてませんか?」
リリスが指差す方向には確かに床に何かが落ちている事が判明し、試しにレイナ達は近づくと、落ちている物体の正体が衣服である事が判明した。
どうしてこんな場所に衣服が放置されているのかと驚くが、落ちていたのは衣服だけではなく、傍には鞄も存在し、それを拾い上げたリリスは中身を確認すると驚いた表情を浮かべる。
「これは……」
「どうしたの?何が入っていたの?」
「この国の冒険者ギルドが発行している冒険者の証です。どうやらこの衣服の主は冒険者だったようですね」
「ぷるんっ!?(何だって!?)」
リリスは鞄からバッジを取り出すと、前にレイナがヒトノ帝国に居た時に冒険者が身に付けていたバッジだと気づく。しかも色合いから冒険者の最高階級である「黄金級冒険者」である事が判明し、動揺を隠せない。
どうやら状況的に考えてここまで誰かが訪れ、この場所で死に絶えたのか死体は大迷宮に吸収されてしまったらしい。リリスがバッジに刻まれている発行日を確認すると、どうやら100年以上前の冒険者だと判明する。
「どうやらこの冒険者はここまで辿り着いたようですが、死んでしまったようですね。でも、火竜の住処である火山に忍び込んでこの場所まで辿り着いた当たり、流石は黄金級冒険者だというべきでしょうか……」
「でも、どうして死んじゃったの?」
「そこまでは分かりません、それよりも私が気になるのはこの冒険者の装備品です。100年も放置されていたのに妙に綺麗だとは思いませんか?」
「言われてみれば……」
レイナは床に落ちている衣服と鞄を確認すると、リリスの言葉が正しければ100年近くも放置され続けていたのにどちらもそれほど汚れてはおらず、むしろ綺麗な状態で放置されていた。
衣服を拾い上げ、鞄の中身を確認したが埃一つも存在せず、それでいながら衣服の持ち主だけが消えた事からここが大迷宮である事は間違いない。
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