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獣人王国編
第333話 聖剣の効果
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「はああっ!!」
「リル様!?危険です!!」
「溶かされちゃうっ……!!」
「きゅろろっ!?」
フラガラッハを腰に装着したリルは特攻を仕掛けるかの様にマグマゴーレムに突っ込むと、マグマゴーレムは拳を振りかざしてリルに攻撃を加えようとした。しかし、その動きを予測してリルは体勢を低くすると攻撃を躱し、足元をムラマサで切り裂く。
わざわざ借りたフラガラッハではなく、ムラマサを使用してリルはマグマゴーレムを切りつけた瞬間、マグマゴーレムの肉体が氷結化を引き起こす。先ほどは凍らせてもすぐに溶けてしまったが、今回は氷結化の範囲が広く、体内の奥まで凍り付く。その結果、マグマゴーレムの片足が砕けて地面に倒れ込む。
「ゴガァッ!?」
「うわっ!?た、倒れた!?」
「攻撃が通じたのか!!」
「でも、いったいどうして!?」
リルの攻撃が通じた事に他の者たちも動揺を隠せず、下手に触れれば溶かされてしまうマグマゴーレムに損傷を与えた事に戸惑う。一方でリルの方も攻撃が成功した事に安堵すると、借り受けたフラガラッハに視線を向けた。
(予想通り、仮に装備できなくてもフラガラッハの恩恵は受けられたか……)
――フラガラッハの所有者が別の人間である以上、リルはフラガラッハを使用する事は出来ない。しかし、所有者から許可を得て身に付けた状態ならば武器として使えずとも、聖剣が持っている能力の恩恵を受けられることが出来る。
今回の場合はフラガラッハの所有する「攻撃力3倍増」の効果がリルの肉体に付与され、結果的には彼女が扱うムラマサの能力も強化されていた。この攻撃力3倍というのは威力だけを強化するのではなく、武器が所有する能力自体も強化される事は事前にレイナが扱うデュランダルやエクスカリバーで確認済みだった。
フラガラッハの真の力は自身の強化だけではなく、他の聖剣や武器の効果を高める力を持つ。だからこそフラガラッハだけでは敵わない相手だろうと、フラガラッハ以外の武器を装備すれば十分に戦える力を手に入れられる。
「皆、怖気づくな!!あと少しだ、ここは私がこいつらを凍り付かせる!!」
「だ、団長!!」
「俺も手伝います!!」
ここでレイナも動き出し、マグマゴーレムに向けてデュランダルを構えた。聖剣や妖刀ならばマグマゴーレムに触れても簡単に溶かされる事はない事はリルの攻撃で確認されたため、少しでも彼女を援護するためにレイナも動く。
デュランダルを構えた状態でレイナはマグマゴーレムの様子を伺い、どのように倒すのかを考えた。いくら全身がマグマのように熱くなっているといっても弱点が体内の核である事は間違いなく、デュランダルが攻撃を与えれば衝撃波を通して体内の核を破壊する事は出来る。
(恐れるな!!リルさんのように立ち向かえっ!!)
全身からマグマの熱気を放つゴーレムに対してレイナは怯えずに踏み込み、デュランダルの刃を振動させながら下から振り上げる形で吹き飛ばす。
「はああああっ!!」
『ゴォオオオッ!?』
数体のマグマゴーレムに対してレイナは強烈な衝撃波を放つと、一気にマグマゴーレムの巨体を空中まで吹き飛ばす。空中に飛ばされたマグマゴーレムの全身に亀裂が走ると、まるで花火の如く砕け散ってしまう。
落ちてくる残骸に気を付けながらもレイナはデュランダルの破壊力に驚き、レベルが上昇した事で本気で振り抜けば凄まじい衝撃波を生み出す事を知る。一方でリリスの方も青色の液体が詰められた瓶を取り出して矢に取り付けると、彼女は少し残念そうな表情を浮かべてボーガンを構える。
「仕方ありませんね、まだ試作品なんですが……凍矢!!」
「ゴガァッ!?」
リリスが打ち込んだ矢がレイナの背後に接近しようとしたマグマゴーレムに触れた瞬間、瓶が砕けた途端に冷気があふれ出して全身を覆いこむ。するとマグマゴーレムの肉体が急速的に凍り付き、それを見たレイナは驚いた声を上げる。
「これってまさか……」
「ええ、私が水属性の魔石の粉末で作り出した試薬品です!!でも、まだ未完成品なので爆矢と比べると威力も範囲も弱いので今のうちに止めを刺してください!!」
「分かった!!」
マグマゴーレムを凍り付かせば通常の攻撃でも十分のため、レイナはデュランダルを振り下ろしてマグマゴーレムを一刀両断する。凍結化した身体が破壊されると、マグマゴーレムの体内から核が出現する。
核を摘出する事に成功すると、マグマゴーレムの肉体は動かぬ人形となり、それを確認したレイナは額の汗を拭う。これで後はリルが相手をしている最後の1体を倒せば勝利なのだが、ここでリルの方で異変が起きていた。
「リル様!?危険です!!」
「溶かされちゃうっ……!!」
「きゅろろっ!?」
フラガラッハを腰に装着したリルは特攻を仕掛けるかの様にマグマゴーレムに突っ込むと、マグマゴーレムは拳を振りかざしてリルに攻撃を加えようとした。しかし、その動きを予測してリルは体勢を低くすると攻撃を躱し、足元をムラマサで切り裂く。
わざわざ借りたフラガラッハではなく、ムラマサを使用してリルはマグマゴーレムを切りつけた瞬間、マグマゴーレムの肉体が氷結化を引き起こす。先ほどは凍らせてもすぐに溶けてしまったが、今回は氷結化の範囲が広く、体内の奥まで凍り付く。その結果、マグマゴーレムの片足が砕けて地面に倒れ込む。
「ゴガァッ!?」
「うわっ!?た、倒れた!?」
「攻撃が通じたのか!!」
「でも、いったいどうして!?」
リルの攻撃が通じた事に他の者たちも動揺を隠せず、下手に触れれば溶かされてしまうマグマゴーレムに損傷を与えた事に戸惑う。一方でリルの方も攻撃が成功した事に安堵すると、借り受けたフラガラッハに視線を向けた。
(予想通り、仮に装備できなくてもフラガラッハの恩恵は受けられたか……)
――フラガラッハの所有者が別の人間である以上、リルはフラガラッハを使用する事は出来ない。しかし、所有者から許可を得て身に付けた状態ならば武器として使えずとも、聖剣が持っている能力の恩恵を受けられることが出来る。
今回の場合はフラガラッハの所有する「攻撃力3倍増」の効果がリルの肉体に付与され、結果的には彼女が扱うムラマサの能力も強化されていた。この攻撃力3倍というのは威力だけを強化するのではなく、武器が所有する能力自体も強化される事は事前にレイナが扱うデュランダルやエクスカリバーで確認済みだった。
フラガラッハの真の力は自身の強化だけではなく、他の聖剣や武器の効果を高める力を持つ。だからこそフラガラッハだけでは敵わない相手だろうと、フラガラッハ以外の武器を装備すれば十分に戦える力を手に入れられる。
「皆、怖気づくな!!あと少しだ、ここは私がこいつらを凍り付かせる!!」
「だ、団長!!」
「俺も手伝います!!」
ここでレイナも動き出し、マグマゴーレムに向けてデュランダルを構えた。聖剣や妖刀ならばマグマゴーレムに触れても簡単に溶かされる事はない事はリルの攻撃で確認されたため、少しでも彼女を援護するためにレイナも動く。
デュランダルを構えた状態でレイナはマグマゴーレムの様子を伺い、どのように倒すのかを考えた。いくら全身がマグマのように熱くなっているといっても弱点が体内の核である事は間違いなく、デュランダルが攻撃を与えれば衝撃波を通して体内の核を破壊する事は出来る。
(恐れるな!!リルさんのように立ち向かえっ!!)
全身からマグマの熱気を放つゴーレムに対してレイナは怯えずに踏み込み、デュランダルの刃を振動させながら下から振り上げる形で吹き飛ばす。
「はああああっ!!」
『ゴォオオオッ!?』
数体のマグマゴーレムに対してレイナは強烈な衝撃波を放つと、一気にマグマゴーレムの巨体を空中まで吹き飛ばす。空中に飛ばされたマグマゴーレムの全身に亀裂が走ると、まるで花火の如く砕け散ってしまう。
落ちてくる残骸に気を付けながらもレイナはデュランダルの破壊力に驚き、レベルが上昇した事で本気で振り抜けば凄まじい衝撃波を生み出す事を知る。一方でリリスの方も青色の液体が詰められた瓶を取り出して矢に取り付けると、彼女は少し残念そうな表情を浮かべてボーガンを構える。
「仕方ありませんね、まだ試作品なんですが……凍矢!!」
「ゴガァッ!?」
リリスが打ち込んだ矢がレイナの背後に接近しようとしたマグマゴーレムに触れた瞬間、瓶が砕けた途端に冷気があふれ出して全身を覆いこむ。するとマグマゴーレムの肉体が急速的に凍り付き、それを見たレイナは驚いた声を上げる。
「これってまさか……」
「ええ、私が水属性の魔石の粉末で作り出した試薬品です!!でも、まだ未完成品なので爆矢と比べると威力も範囲も弱いので今のうちに止めを刺してください!!」
「分かった!!」
マグマゴーレムを凍り付かせば通常の攻撃でも十分のため、レイナはデュランダルを振り下ろしてマグマゴーレムを一刀両断する。凍結化した身体が破壊されると、マグマゴーレムの体内から核が出現する。
核を摘出する事に成功すると、マグマゴーレムの肉体は動かぬ人形となり、それを確認したレイナは額の汗を拭う。これで後はリルが相手をしている最後の1体を倒せば勝利なのだが、ここでリルの方で異変が起きていた。
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