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獣人王国編
第312話 火竜との戦闘
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「ギャギャッ!!ギャギャッ!!」
「にゃうっ……!?」
「くっ、なんて声を……!?」
奇声とも取れる鳴き声を放つ火竜の幼体に対してレイナとネコミンは耳を塞ぎ、シロも苦痛の表情を浮かべる。だが、問題なのは火竜が奇声を発した直後に出入口の方向に向けて駆け出し、そのまま逃げ出してしまう。
走り去っていく火竜の幼体を見てレイナ達は戸惑うが、その直後に洞穴に振動が走り、外の方角から凄まじい鳴き声が響く。それを聞いたレイナ達は先ほどの火竜の幼体の行動の意図を察する。
「まさか、今の鳴き声で親を呼んだ!?」
「レイナ、すぐに外に出る!!」
「ウォンッ!!」
シロは自分に乗り込めとばかりに体勢を低くすると、レイナとネコミンはその背中に乗り込み、シロは出入口に向けて駆け出す。その際に振動は徐々に強まっていき、洞穴の天井に亀裂が走った。
「まずい!?崩壊する!?」
「シロ、頑張って!!」
「ウォオオンッ!!」
全速力で洞穴の外へとシロは駆け出すが、その前に天井が崩壊して落盤が襲い掛かり、レイナ達の背後から無数の瓦礫が落ちていく。このままでは脱出する前に瓦礫に潰されると思ったレイナは鞄に手を伸ばすと、前方から落ちてきた巨大な瓦礫にデュランダルを振り抜く。
「砕けろっ!!」
「おおっ」
「ウォンッ!?」
前方の通路を塞ごうとした瓦礫をデュランダルの放つ衝撃波によって粉々に破壊すると、そのままシロは洞穴の外に飛び出して転倒してしまう。レイナとネコミンは地面に叩きつけられてしまうが、痛みに耐えながらも起き上がる。
シロの全力疾走のお陰でどうにか潰されずには済んだが、洞穴は崩壊してしまい、完全に瓦礫で塞がれてしまう。これではもう火属性の魔石の回収は出来なくなってしまったが、今はそんな事を構っている暇はなく、どうにか起き上がったレイナはネコミンに手を貸す。
「ネコミン、大丈夫?」
「ううっ……お尻を打った」
「シロ君も平気?」
「クゥンッ……」
ネコミンもシロも派手に転んだ割には大きな怪我はないらしく、どうにか起き上がるとレイナは周辺の様子を伺う。すると少し離れた場所に先ほど遭遇した火竜の幼体が存在し、こちらを警戒するように睨みつけていた。
「シャウッ……!!」
「グルルルッ……!!」
「火竜の子供……さっきの鳴き声、私達に対する威嚇というより、他の火竜に助けを求めていたように見えた」
「という事は……ここに火竜が来る?」
目の前に立つ火竜の幼体の行動を知ってレイナはここに留まるのは危険だと判断すると、すつに退散するためにシロに乗り込もうとした。しかし、時はすでに遅く、レイナ達の足元が大きな影に覆われ、上空から巨大な火竜が姿を現した。
「ガァアアアアッ!!」
「火竜……!?」
「まずい、こっちに来る!?」
「ウォンッ!?」
幼体の火竜の親が現れたのか、先ほどレイナ達が見かけた火竜と同一個体と思われる火竜が襲い掛かり、咄嗟にレイナ達はその場を飛んで回避する。結果としては上空から降りてきた火竜の鉤爪が地面をえぐり込み、派手に土煙が舞い上がる。
回避行動が間に合っていなければレイナ達は確実に死んでいたのは間違いなく、地面に倒れ込んだレイナはすぐに起き上がると、火竜と向かい合う。火竜は怒りの態度を浮かべながらレイナを睨みつけた。
「ガァアッ!!」
「くっ……やっぱり、こうなるのか!!」
火竜との戦闘を避けられないと判断したレイナは解析の能力を発動させ、即座に詳細画面を開いて文字変換の能力を発動しようとした。だが、火竜はそんなレイナに対して両腕を振りかざし、鉤爪を振り下ろす。
詳細画面を改竄する前に攻撃を仕掛けてきた火竜に対してレイナは咄嗟にデュランダルを構えると、強烈な衝撃に襲われて吹き飛ばされる。この世界に訪れてから一番の衝撃がレナの身体に襲い掛かり、吹き飛ばされる途中でレイナは殴りつけられたと気づいた。
(なんて力……!?)
今までにも相当な数の魔物と戦ったレイナだが、火竜の一撃はデュランダルで防いでも耐え切れず、そのまま10メートル近くも吹き飛ばされてしまう。気絶せずに済んだのは事前にレイナの元にシロが駆け込み、地面に叩きつけられる前にシロが彼の身体を受け止める。
「キャインッ!?」
「うわっ……!?」
「レイナ、シロ!!」
シロのお陰で地面への直撃は避けられたレイナだが、どちらも地面に倒れ込み、そのまま苦痛の表情を浮かべて横たわる。その姿を見てネコミンは駆け出すが、一方で火竜の方は自分の子供の元へ向かい、舌を出す。
「ガアッ……」
「シャアアッ」
子供の方は親が現れた事で嬉しそうに擦り寄り、その様子を見て火竜は子供の無事を確かめると安心したように子供を下がらせ、レイナの元へ顔を向ける。子供の安全を確認したとはいえ、自分の子供の「餌場」に現れた人間たちを見て激しい怒りを抱く。
「にゃうっ……!?」
「くっ、なんて声を……!?」
奇声とも取れる鳴き声を放つ火竜の幼体に対してレイナとネコミンは耳を塞ぎ、シロも苦痛の表情を浮かべる。だが、問題なのは火竜が奇声を発した直後に出入口の方向に向けて駆け出し、そのまま逃げ出してしまう。
走り去っていく火竜の幼体を見てレイナ達は戸惑うが、その直後に洞穴に振動が走り、外の方角から凄まじい鳴き声が響く。それを聞いたレイナ達は先ほどの火竜の幼体の行動の意図を察する。
「まさか、今の鳴き声で親を呼んだ!?」
「レイナ、すぐに外に出る!!」
「ウォンッ!!」
シロは自分に乗り込めとばかりに体勢を低くすると、レイナとネコミンはその背中に乗り込み、シロは出入口に向けて駆け出す。その際に振動は徐々に強まっていき、洞穴の天井に亀裂が走った。
「まずい!?崩壊する!?」
「シロ、頑張って!!」
「ウォオオンッ!!」
全速力で洞穴の外へとシロは駆け出すが、その前に天井が崩壊して落盤が襲い掛かり、レイナ達の背後から無数の瓦礫が落ちていく。このままでは脱出する前に瓦礫に潰されると思ったレイナは鞄に手を伸ばすと、前方から落ちてきた巨大な瓦礫にデュランダルを振り抜く。
「砕けろっ!!」
「おおっ」
「ウォンッ!?」
前方の通路を塞ごうとした瓦礫をデュランダルの放つ衝撃波によって粉々に破壊すると、そのままシロは洞穴の外に飛び出して転倒してしまう。レイナとネコミンは地面に叩きつけられてしまうが、痛みに耐えながらも起き上がる。
シロの全力疾走のお陰でどうにか潰されずには済んだが、洞穴は崩壊してしまい、完全に瓦礫で塞がれてしまう。これではもう火属性の魔石の回収は出来なくなってしまったが、今はそんな事を構っている暇はなく、どうにか起き上がったレイナはネコミンに手を貸す。
「ネコミン、大丈夫?」
「ううっ……お尻を打った」
「シロ君も平気?」
「クゥンッ……」
ネコミンもシロも派手に転んだ割には大きな怪我はないらしく、どうにか起き上がるとレイナは周辺の様子を伺う。すると少し離れた場所に先ほど遭遇した火竜の幼体が存在し、こちらを警戒するように睨みつけていた。
「シャウッ……!!」
「グルルルッ……!!」
「火竜の子供……さっきの鳴き声、私達に対する威嚇というより、他の火竜に助けを求めていたように見えた」
「という事は……ここに火竜が来る?」
目の前に立つ火竜の幼体の行動を知ってレイナはここに留まるのは危険だと判断すると、すつに退散するためにシロに乗り込もうとした。しかし、時はすでに遅く、レイナ達の足元が大きな影に覆われ、上空から巨大な火竜が姿を現した。
「ガァアアアアッ!!」
「火竜……!?」
「まずい、こっちに来る!?」
「ウォンッ!?」
幼体の火竜の親が現れたのか、先ほどレイナ達が見かけた火竜と同一個体と思われる火竜が襲い掛かり、咄嗟にレイナ達はその場を飛んで回避する。結果としては上空から降りてきた火竜の鉤爪が地面をえぐり込み、派手に土煙が舞い上がる。
回避行動が間に合っていなければレイナ達は確実に死んでいたのは間違いなく、地面に倒れ込んだレイナはすぐに起き上がると、火竜と向かい合う。火竜は怒りの態度を浮かべながらレイナを睨みつけた。
「ガァアッ!!」
「くっ……やっぱり、こうなるのか!!」
火竜との戦闘を避けられないと判断したレイナは解析の能力を発動させ、即座に詳細画面を開いて文字変換の能力を発動しようとした。だが、火竜はそんなレイナに対して両腕を振りかざし、鉤爪を振り下ろす。
詳細画面を改竄する前に攻撃を仕掛けてきた火竜に対してレイナは咄嗟にデュランダルを構えると、強烈な衝撃に襲われて吹き飛ばされる。この世界に訪れてから一番の衝撃がレナの身体に襲い掛かり、吹き飛ばされる途中でレイナは殴りつけられたと気づいた。
(なんて力……!?)
今までにも相当な数の魔物と戦ったレイナだが、火竜の一撃はデュランダルで防いでも耐え切れず、そのまま10メートル近くも吹き飛ばされてしまう。気絶せずに済んだのは事前にレイナの元にシロが駆け込み、地面に叩きつけられる前にシロが彼の身体を受け止める。
「キャインッ!?」
「うわっ……!?」
「レイナ、シロ!!」
シロのお陰で地面への直撃は避けられたレイナだが、どちらも地面に倒れ込み、そのまま苦痛の表情を浮かべて横たわる。その姿を見てネコミンは駆け出すが、一方で火竜の方は自分の子供の元へ向かい、舌を出す。
「ガアッ……」
「シャアアッ」
子供の方は親が現れた事で嬉しそうに擦り寄り、その様子を見て火竜は子供の無事を確かめると安心したように子供を下がらせ、レイナの元へ顔を向ける。子供の安全を確認したとはいえ、自分の子供の「餌場」に現れた人間たちを見て激しい怒りを抱く。
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