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獣人王国編
第309話 火竜の住処
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「……おかしいな、こんなに見晴らしがいいのに魔物の1匹も見えない。どうしてだろう?」
「それは当たり前だと思う。わざわざ火竜の縄張りに近寄る魔物なんているはずがない……余程の命知らずを除けば」
「なるほど、言われてみれば確かに」
「クゥ~ンッ(僕達、命知らずなの?)」
火山の麓を歩き回りながらレイナは密林から魔物が出てくる様子がない事に気づき、ネコミンによると火竜の縄張りに近付く魔物などいるはずがないという。地図製作を確認しながらレイナはリル達の反応を探すが、二人は残念ながらレイナがこれまでに通った場所には存在しないらしく、結局は火山の周囲を一周しても反応はなかった。
レイナ達が火山に到着してからそれなりの時間は経過したが、二人の反応が現れない事にレイナは不安を抱き、何かあったのか心配する。一方で火山の周囲には本当に魔物の反応も現れる事はなく、あれほど執拗に追いかけてきたファングの大群も現れる様子がない。
「大分移動したけど、リルさんたちの反応がないな……」
「もしかしたら先に火山に登ってたりして……」
「そんなまさか……いや、でもその可能性もあるのかな?」
もしかしたらリル達は先に火山に辿り着き、レイナ達を見つけられずに仕方なく火山に進んだという可能性もある。レイナとチイの地図製作の画面は共有化されてはおらず、互いの位置を掴めなければ先に調査を行った後に合流を考える可能性もあった。
(もしかしたら調査の途中で俺達の反応を見つけられるかもしれないと思って先に登ったのかな……どうすればいいんだろう)
火山の周辺は地図製作の領域に取り入れたので、仮にリル達が密林を抜け出すのに時間が掛かって訪れたとしても反応は確認できる。そう考えたレイナは時間の事を考えても自分たちが先に進むべきかを考える。
(火竜が現れたとしてもクロミンやサンの時のように仲間に出来るかもしれないし、万が一の場合は状態を変化させて倒せばいい……よし、進もう)
危険を承知でレイナはネコミンとシロに頷き、火山の調査を行う事にした。ここか先は歩いていくことを決め、シロが無駄な体力を消耗しないように配慮して麓から頂上へ向けて歩む。
火山地帯というだけはあって熱気が強く、更に慣れない登山でレイナの体力は消耗していく。人間よりも運動能力が高く、体力もあるネコミンでさえも歩いている最中に疲れた表情を浮かべ、ケモノ耳と尻尾が元気なさそうに垂れてしまう。
「暑い……もう駄目、休憩したい」
「そうだね、流石にこの暑さはきつい……ここで休もうか」
「ワフッ……」
あまりの暑さにレイナ達も限界を迎え、二人は水筒を取り出して水分補給を行い、シロにも水を与える。出発前に十分な用意を整えてはいた事は幸いし、大量の水筒を用意していた。
水を飲みながらもレイナは地図製作の画面を開き、反応を探す。だが、残念ながらリル達らしき反応は見つからず、それどころか魔物の反応さえもない。麓からかなりの距離を登ってきたのだが、未だに火竜と思われる反応はない。
(おかしいな、結構時間が経過してるのに何も反応が見つからないなんて……)
地図製作の画面に不調でも訪れたのかとレイナは不安を抱いたが、反応が見当たらないのはあくまでも火山の周辺のみで密林の方に関しては無数の魔物反応が確認できた。となると火山の周辺のみが魔物が近づく様子はなく、やはり火竜の存在を恐れているのか、それとも火山の噴火を警戒して魔物が近寄ってこないのか、どちらにしろ不気味な光景だった。
魔物が現れない事はレイナ達にとっては都合がいいが、それでも魔物が1匹も現れないことが逆に不安感を煽り、レイナは周囲の様子を伺う。何時何処で火竜が現れるのかと警戒するが、そんなレイナに安心させるようにネコミンが口を挟む。
「大丈夫、周りには魔物の臭いがしない。だから急に襲われる事なんてありえないから安心して」
「あ、そうなんだ……それは良かったよ」
「ウォンッ」
ネコミンの言葉を聞いてレイナは安堵し、相変わらず彼女の鋭い嗅覚には感心する。ネコミンの優れた鼻は近寄ってくる魔物を確実に捕らえ、更には人間が嘘をついたとしても臭いで嗅ぎ分ける事が出来る。獣人族の中でも特に嗅覚に優れたネコミンの言葉を信用してレイナは身体を休ませると、ここで地図製作の画面に変化が起きた。
「えと!?これは……」
「どうしたの?」
「何かが近づいてくる……これは、敵だ!!」
「ウォンッ!?」
地図製作の画面上に密林の方角から凄まじい速度で火山に接近する反応を見つけ、その反応は瞬く間に火山の麓にまで辿り着くと、そのまま火山に向けて接近する。画面を確認したレイナは慌てて方角を確認すると、そこには空を飛ぶ赤色の何かを発見する。
「まさか……」
「火竜……!?」
「グルルルッ……!!」
レイナ達は視界に火竜と思われる生物を捉えると、慌てて近くに大きな岩に身を隠す。そしてレイナは「遠視」と「観察眼」の技能を発動させ、空から近づいてくる生物の姿を確認した。
「それは当たり前だと思う。わざわざ火竜の縄張りに近寄る魔物なんているはずがない……余程の命知らずを除けば」
「なるほど、言われてみれば確かに」
「クゥ~ンッ(僕達、命知らずなの?)」
火山の麓を歩き回りながらレイナは密林から魔物が出てくる様子がない事に気づき、ネコミンによると火竜の縄張りに近付く魔物などいるはずがないという。地図製作を確認しながらレイナはリル達の反応を探すが、二人は残念ながらレイナがこれまでに通った場所には存在しないらしく、結局は火山の周囲を一周しても反応はなかった。
レイナ達が火山に到着してからそれなりの時間は経過したが、二人の反応が現れない事にレイナは不安を抱き、何かあったのか心配する。一方で火山の周囲には本当に魔物の反応も現れる事はなく、あれほど執拗に追いかけてきたファングの大群も現れる様子がない。
「大分移動したけど、リルさんたちの反応がないな……」
「もしかしたら先に火山に登ってたりして……」
「そんなまさか……いや、でもその可能性もあるのかな?」
もしかしたらリル達は先に火山に辿り着き、レイナ達を見つけられずに仕方なく火山に進んだという可能性もある。レイナとチイの地図製作の画面は共有化されてはおらず、互いの位置を掴めなければ先に調査を行った後に合流を考える可能性もあった。
(もしかしたら調査の途中で俺達の反応を見つけられるかもしれないと思って先に登ったのかな……どうすればいいんだろう)
火山の周辺は地図製作の領域に取り入れたので、仮にリル達が密林を抜け出すのに時間が掛かって訪れたとしても反応は確認できる。そう考えたレイナは時間の事を考えても自分たちが先に進むべきかを考える。
(火竜が現れたとしてもクロミンやサンの時のように仲間に出来るかもしれないし、万が一の場合は状態を変化させて倒せばいい……よし、進もう)
危険を承知でレイナはネコミンとシロに頷き、火山の調査を行う事にした。ここか先は歩いていくことを決め、シロが無駄な体力を消耗しないように配慮して麓から頂上へ向けて歩む。
火山地帯というだけはあって熱気が強く、更に慣れない登山でレイナの体力は消耗していく。人間よりも運動能力が高く、体力もあるネコミンでさえも歩いている最中に疲れた表情を浮かべ、ケモノ耳と尻尾が元気なさそうに垂れてしまう。
「暑い……もう駄目、休憩したい」
「そうだね、流石にこの暑さはきつい……ここで休もうか」
「ワフッ……」
あまりの暑さにレイナ達も限界を迎え、二人は水筒を取り出して水分補給を行い、シロにも水を与える。出発前に十分な用意を整えてはいた事は幸いし、大量の水筒を用意していた。
水を飲みながらもレイナは地図製作の画面を開き、反応を探す。だが、残念ながらリル達らしき反応は見つからず、それどころか魔物の反応さえもない。麓からかなりの距離を登ってきたのだが、未だに火竜と思われる反応はない。
(おかしいな、結構時間が経過してるのに何も反応が見つからないなんて……)
地図製作の画面に不調でも訪れたのかとレイナは不安を抱いたが、反応が見当たらないのはあくまでも火山の周辺のみで密林の方に関しては無数の魔物反応が確認できた。となると火山の周辺のみが魔物が近づく様子はなく、やはり火竜の存在を恐れているのか、それとも火山の噴火を警戒して魔物が近寄ってこないのか、どちらにしろ不気味な光景だった。
魔物が現れない事はレイナ達にとっては都合がいいが、それでも魔物が1匹も現れないことが逆に不安感を煽り、レイナは周囲の様子を伺う。何時何処で火竜が現れるのかと警戒するが、そんなレイナに安心させるようにネコミンが口を挟む。
「大丈夫、周りには魔物の臭いがしない。だから急に襲われる事なんてありえないから安心して」
「あ、そうなんだ……それは良かったよ」
「ウォンッ」
ネコミンの言葉を聞いてレイナは安堵し、相変わらず彼女の鋭い嗅覚には感心する。ネコミンの優れた鼻は近寄ってくる魔物を確実に捕らえ、更には人間が嘘をついたとしても臭いで嗅ぎ分ける事が出来る。獣人族の中でも特に嗅覚に優れたネコミンの言葉を信用してレイナは身体を休ませると、ここで地図製作の画面に変化が起きた。
「えと!?これは……」
「どうしたの?」
「何かが近づいてくる……これは、敵だ!!」
「ウォンッ!?」
地図製作の画面上に密林の方角から凄まじい速度で火山に接近する反応を見つけ、その反応は瞬く間に火山の麓にまで辿り着くと、そのまま火山に向けて接近する。画面を確認したレイナは慌てて方角を確認すると、そこには空を飛ぶ赤色の何かを発見する。
「まさか……」
「火竜……!?」
「グルルルッ……!!」
レイナ達は視界に火竜と思われる生物を捉えると、慌てて近くに大きな岩に身を隠す。そしてレイナは「遠視」と「観察眼」の技能を発動させ、空から近づいてくる生物の姿を確認した。
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