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獣人王国編
第287話 罠班
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――ゴラァアアアアアッ!!
まるで人間のような怒声を放ちながら追跡を再開したブロックゴーレムに対してオウソウはサンと並んで必死に地上を駆け抜ける。足の速さだけならば彼は馬よりも早く、持久力にも自信はあった。
だが、流石にブロックゴーレムという脅威を感じながら走り続けるのは精神的にもきつく、早く所定の場所にまで辿り着こうと必死に足を動かす。
「うおおおっ!!ちゃんと付いて来てるか小娘ぇっ!?」
「きゅろっ?(バック走)」
「ぬあっ!?な、何だお前のその身体能力は!?」
自身が全力で走っているのに対して隣を走っているサンは後ろ向きの状態で余裕そうに走っている姿にオウソウは焦るが、その間にもハンゾウを取り逃がして怒りを抱いていたブロックゴーレムは彼等との距離を詰める。既に闘争を開始してからかなりの距離を走っていると思われるが、目的地までまだ距離があった。
このままでは目的地に辿り着く前に追いつかれると判断したオウソウは他の団員に視線を向けるが、彼等の方も逃げるのに必死で地上のオウソウ達に気を配る余裕はない。それを確認したオウソウは全身から汗を流しながらも限界を超えて走り抜ける。
「ゴオオオッ!!」
「くそぉおおおっ!!絶対に生き延びてやるぅっ!!」
「きゅろろっ♪(競争みたいで楽しくなってきた)」
「ぷるぷるっ(振り落とされないようにしっかりとサンにしがみつく)」
どこか余裕があるサンと隣に並んでオウソウは地上を駆け抜け、やがて目的地が見えてきた。作戦開始前に事前に決めていた目的地は「十字路」であり、彼等の役目は十字路にブロックゴーレムを追い込む事だった。
全身から汗を流しながらもオウソウは街道を駆け抜け、遂には目的地から数十メートルという距離まで辿り着く。この調子ならばブロックゴーレムに追いつかれる前に目的地を通り抜ける事が出来たと思われた時、サンが悲鳴を上げる。
「きゅあっ!?」
「ぷるるんっ!?」
「うおっ!?お、おい、大丈夫か!?」
サンが走っている途中に大きな石に躓いて転んでしまい、その際にクロミンも共に地面に倒れてしまう。それを見たオウソウは足を止めてしまい、その隙にブロックゴーレムは一気に距離を詰めて二人を踏みつぶそうとした。
「ゴオオッ!!」
「い、いかんっ!?」
「きゅろろっ!?」
「ぷるぷるっ!!」
オウソウはサンとクロミンをかばうため彼女たちを突き飛ばし、迫りくるブロックゴーレムの右足を見て反射的に瞼を閉じてしまう。しかし、その直後に彼の耳に強烈な衝撃音が響き渡り、驚いた彼は目を開くとそこにはレイナの姿が存在した。
「た、隊長!?」
「ふうっ……間に合ってよかったよ」
「ゴアアッ……!?」
レイナはデュランダルを握りしめた状態でオウソウへと振り返り、彼の前には背中から地面に倒れ込んだブロックゴーレムの姿が存在した。状況的に考えて恐らくレイナはオウソウが踏みつぶされる前に彼の元へ駆けつけ、デュランダルの能力を使用して衝撃波を生み出し、ブロックゴーレムの足元を崩して後ろ向きに倒れさせたとオウソウは理解する。
(あ、あり得ん!?あの巨体を吹き飛ばしたというのか……これが聖剣の力なのか?いや、それよりも俺はまた救われたのか……)
オウソウは自分の前に立つレイナに対して命を救われた事を理解する一方、危険を顧みずに自分たちを助けるために訪れた事を知る。レイナは倒れたサンを抱き起し、彼女を片腕で抱きかかえてオウソウへと振り返って礼を言う。
「サンを助けてくれたんだね、ありがとう」
「ありがとっ、オウソウ!!」
「ぷるるんっ♪」
「い、いや……別にそんなつもりりは」
素直に礼を言われてオウソウは照れたように頬を赤く染めるが、のんびりと話している暇はなく、足元を崩されて倒れたブロックゴーレムは怒りの声を上げて起き上がろうとしていた。
「ゴラァアアアアアッ!!」
「うわ、本気で怒らせたみたい……急いで離れて!!」
「お、おおっ!!」
「きゅろろっ……」
サンとクロミンを抱えた状態でレイナは駆け出すと、オウソウも慌ててその後に続き、二人は十字路の中央部へと急ぐ。その間にブロックゴーレムも起き上がると、二人を捕まえるためにあえて立ち上がらず、身体を前のめりに倒れ込むように身体を動かす。
「ゴオオオオッ!!」
「うおおおっ!?」
「走って!!後ろを振り返らないで!!」
背後から迫ってくる巨大な両腕に対してレイナとオウソウは前に走る事だけに専念して駆け抜け、やがて二人は十字路を通過すると、ブロックゴーレムはちょうどよく十字路の中央部に前のめりに倒れた形となる。その隙を逃さず、十字路の中央部近くの建物の屋上に身を隠していたリリスが姿を現して袋詰めした闇属性の魔石をブロックゴーレムへ向けて放り込む。
まるで人間のような怒声を放ちながら追跡を再開したブロックゴーレムに対してオウソウはサンと並んで必死に地上を駆け抜ける。足の速さだけならば彼は馬よりも早く、持久力にも自信はあった。
だが、流石にブロックゴーレムという脅威を感じながら走り続けるのは精神的にもきつく、早く所定の場所にまで辿り着こうと必死に足を動かす。
「うおおおっ!!ちゃんと付いて来てるか小娘ぇっ!?」
「きゅろっ?(バック走)」
「ぬあっ!?な、何だお前のその身体能力は!?」
自身が全力で走っているのに対して隣を走っているサンは後ろ向きの状態で余裕そうに走っている姿にオウソウは焦るが、その間にもハンゾウを取り逃がして怒りを抱いていたブロックゴーレムは彼等との距離を詰める。既に闘争を開始してからかなりの距離を走っていると思われるが、目的地までまだ距離があった。
このままでは目的地に辿り着く前に追いつかれると判断したオウソウは他の団員に視線を向けるが、彼等の方も逃げるのに必死で地上のオウソウ達に気を配る余裕はない。それを確認したオウソウは全身から汗を流しながらも限界を超えて走り抜ける。
「ゴオオオッ!!」
「くそぉおおおっ!!絶対に生き延びてやるぅっ!!」
「きゅろろっ♪(競争みたいで楽しくなってきた)」
「ぷるぷるっ(振り落とされないようにしっかりとサンにしがみつく)」
どこか余裕があるサンと隣に並んでオウソウは地上を駆け抜け、やがて目的地が見えてきた。作戦開始前に事前に決めていた目的地は「十字路」であり、彼等の役目は十字路にブロックゴーレムを追い込む事だった。
全身から汗を流しながらもオウソウは街道を駆け抜け、遂には目的地から数十メートルという距離まで辿り着く。この調子ならばブロックゴーレムに追いつかれる前に目的地を通り抜ける事が出来たと思われた時、サンが悲鳴を上げる。
「きゅあっ!?」
「ぷるるんっ!?」
「うおっ!?お、おい、大丈夫か!?」
サンが走っている途中に大きな石に躓いて転んでしまい、その際にクロミンも共に地面に倒れてしまう。それを見たオウソウは足を止めてしまい、その隙にブロックゴーレムは一気に距離を詰めて二人を踏みつぶそうとした。
「ゴオオッ!!」
「い、いかんっ!?」
「きゅろろっ!?」
「ぷるぷるっ!!」
オウソウはサンとクロミンをかばうため彼女たちを突き飛ばし、迫りくるブロックゴーレムの右足を見て反射的に瞼を閉じてしまう。しかし、その直後に彼の耳に強烈な衝撃音が響き渡り、驚いた彼は目を開くとそこにはレイナの姿が存在した。
「た、隊長!?」
「ふうっ……間に合ってよかったよ」
「ゴアアッ……!?」
レイナはデュランダルを握りしめた状態でオウソウへと振り返り、彼の前には背中から地面に倒れ込んだブロックゴーレムの姿が存在した。状況的に考えて恐らくレイナはオウソウが踏みつぶされる前に彼の元へ駆けつけ、デュランダルの能力を使用して衝撃波を生み出し、ブロックゴーレムの足元を崩して後ろ向きに倒れさせたとオウソウは理解する。
(あ、あり得ん!?あの巨体を吹き飛ばしたというのか……これが聖剣の力なのか?いや、それよりも俺はまた救われたのか……)
オウソウは自分の前に立つレイナに対して命を救われた事を理解する一方、危険を顧みずに自分たちを助けるために訪れた事を知る。レイナは倒れたサンを抱き起し、彼女を片腕で抱きかかえてオウソウへと振り返って礼を言う。
「サンを助けてくれたんだね、ありがとう」
「ありがとっ、オウソウ!!」
「ぷるるんっ♪」
「い、いや……別にそんなつもりりは」
素直に礼を言われてオウソウは照れたように頬を赤く染めるが、のんびりと話している暇はなく、足元を崩されて倒れたブロックゴーレムは怒りの声を上げて起き上がろうとしていた。
「ゴラァアアアアアッ!!」
「うわ、本気で怒らせたみたい……急いで離れて!!」
「お、おおっ!!」
「きゅろろっ……」
サンとクロミンを抱えた状態でレイナは駆け出すと、オウソウも慌ててその後に続き、二人は十字路の中央部へと急ぐ。その間にブロックゴーレムも起き上がると、二人を捕まえるためにあえて立ち上がらず、身体を前のめりに倒れ込むように身体を動かす。
「ゴオオオオッ!!」
「うおおおっ!?」
「走って!!後ろを振り返らないで!!」
背後から迫ってくる巨大な両腕に対してレイナとオウソウは前に走る事だけに専念して駆け抜け、やがて二人は十字路を通過すると、ブロックゴーレムはちょうどよく十字路の中央部に前のめりに倒れた形となる。その隙を逃さず、十字路の中央部近くの建物の屋上に身を隠していたリリスが姿を現して袋詰めした闇属性の魔石をブロックゴーレムへ向けて放り込む。
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