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獣人王国編
第281話 ブロックゴーレム
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――アァアアアアアッ!!
デュランダルの衝撃波が広場に拡散した瞬間、凄まじい咆哮が放たれ、咄嗟にレイナは両耳を抑えてしまう。激しい砂煙と共に地面に敷き詰められてたと思われた煉瓦が動き出し、やがて人型の巨大な物体が出現した。
レイナの目の前には大量の煉瓦によって構成された巨人が出現し、その姿はこれまでにレイナが相対したロックゴーレムやサンドゴーレムと酷似していた。人型の生物の顔には人面のような皺が出来上がり、レイナの方に視線を向けて大口を開く。
『ゴガァアアアアッ!!』
「うわぁっ!?」
先ほどの咆哮で意識が乱れた事で隠密と気配遮断の技能が解除されていたらしく、レイナの姿をはっきりと視認した巨大ゴーレムは腕を振り上げると、そのまま拳を振り下ろす。
体長が30メートル近くも存在する巨人の攻撃に対してレイナは逃げる事しか出来ず、瞬動術を発動させて別の建物の屋根の上に避難した。その結果、巨大ゴーレムが振り下ろした拳は先ほどまでレイナが存在した建物に衝突し、粉々に破壊する。
(なんて力だ!?建物を一撃で吹っ飛ばすなんて……)
10メートルは存在した建物を易々と破壊した巨大ゴーレムに対してレイナは即座に「隠密」と「気配遮断」の技能を再発動させ、建物から降りて路地裏に身を隠す。するとレイナを見失った巨大ゴーレムは怒りの声を上げ、無我夢中に近くの建物を破壊し始めた。
『ゴラァアアアアッ!!』
まるで人間のように怒りの声をあげながら廃墟を次々と破壊する光景にレイナは戦慄し、これ以上に近くに留まると自分の身が危ないと判断したレイナは退散する事にした。
(あんなやばい奴がいたなんて……すぐに逃げないと)
路地裏から抜け出したレイナは急いで逃げ出そうとしたとき、不意にレイナの前に人影が現れ、咄嗟に敵が現れたのかとレイナは腰のフラガラッハに手を伸ばす。
「うわっ!?」
「レイナ殿、落ち着いて!!拙者でござるよ!!」
「えっ……ハンちゃん!?」
だが、姿を現したのは茶色のマントを身に付けたハンゾウであり、彼女が現れた事にレイナは驚くが、ハンゾウはそんな彼女の腕を掴んで走り出す。
「こっちに付いて来て欲しいでござる!!」
「えっ!?どうして俺の姿が……」
「ふふふ、拙者の観察眼の技能を舐めないでほしいでござる!!」
現在のレイナは「隠密」と「気配遮断」の技能によって他の存在から気づかれにくいはずなのだが、忍者であるハンゾウもレイナの能力を習得しており、その破り方を知っていた。彼女は「観察眼」という技能を使用してレイナの姿を捉え、迎えに来てくれたらしい。
しばらくは走り続けた後、広場から100メートルほど離れた場所にてレイナとハンゾウは立ち止まり、安全だと判断したのかハンゾウは額の汗を拭って振り返る。
「ふうっ……ここまで逃げれば大丈夫だと思うでござる。それにしてもレイナ殿、無事で何よりでござる」
「ハンちゃんも無事で良かったよ……でも、さっきの奴は何なの?」
お互いの無事を喜びあう暇もなく、レイナは先ほど遭遇した煉瓦製の巨大ゴーレムの事を思い出す。今尚も暴れているのか100メートルも離れたのに巨大ゴーレムが建物を崩壊させる音が響いた。
「あれはブロックゴーレムと呼ばれる恐ろしいゴーレムでござる。恐らく、この第三階層の階層主でござるな」
「階層主……第二階層のキングボアと同じ?」
「キングボアよりも遥かに厄介な相手でござる。それよりもレイナ殿、よくここまで無事に辿り着けたでござるな?他の団員は一緒じゃないのでござるか?」
「うん、一緒だよ。多分、半分ぐらいは合流しているはずだけど……」
「おおっ!!それは良かったでござる!!実は拙者たちも10人近くの団員と共にこの街に隠れていたのでござる」
「という事は……皆無事なの?」
「勿論、ネコミン殿も無事でござるよ」
ハンゾウによると彼女は既にネコミンと合流し、ついでに他の団員と共に既に避難していたという。互いの人数を確認した結果、どうやら転移した際の団員全員の無事が確認され、レイナ達が合流すればこれで全員が勢揃いするという。
皆が生きていたのは朗報ではあるが、ここでレイナが疑問に思ったのはハンゾウ達のこれまでの行動である。いったい今まで彼女たちはどのように生き延びていたのかを問う。
「ハンちゃん達は今までどうしてたの?そもそも、転移した時にどうやって合流したの?」
「拙者たちは全員がこの街の近くに転移したようででござる。だから合流自体はそれほど時間は掛からなかったのでござるが……流石に砂嵐が発生した時は死ぬかと思ったでござる」
ハンゾウ曰く、彼女や合流した団員達は最初からこの街の近くに転移したらしく、全員が合流した直後にあの強烈な砂嵐に襲われ、慌てて全員が建物の中に閉じこもって難を逃れたという。
デュランダルの衝撃波が広場に拡散した瞬間、凄まじい咆哮が放たれ、咄嗟にレイナは両耳を抑えてしまう。激しい砂煙と共に地面に敷き詰められてたと思われた煉瓦が動き出し、やがて人型の巨大な物体が出現した。
レイナの目の前には大量の煉瓦によって構成された巨人が出現し、その姿はこれまでにレイナが相対したロックゴーレムやサンドゴーレムと酷似していた。人型の生物の顔には人面のような皺が出来上がり、レイナの方に視線を向けて大口を開く。
『ゴガァアアアアッ!!』
「うわぁっ!?」
先ほどの咆哮で意識が乱れた事で隠密と気配遮断の技能が解除されていたらしく、レイナの姿をはっきりと視認した巨大ゴーレムは腕を振り上げると、そのまま拳を振り下ろす。
体長が30メートル近くも存在する巨人の攻撃に対してレイナは逃げる事しか出来ず、瞬動術を発動させて別の建物の屋根の上に避難した。その結果、巨大ゴーレムが振り下ろした拳は先ほどまでレイナが存在した建物に衝突し、粉々に破壊する。
(なんて力だ!?建物を一撃で吹っ飛ばすなんて……)
10メートルは存在した建物を易々と破壊した巨大ゴーレムに対してレイナは即座に「隠密」と「気配遮断」の技能を再発動させ、建物から降りて路地裏に身を隠す。するとレイナを見失った巨大ゴーレムは怒りの声を上げ、無我夢中に近くの建物を破壊し始めた。
『ゴラァアアアアッ!!』
まるで人間のように怒りの声をあげながら廃墟を次々と破壊する光景にレイナは戦慄し、これ以上に近くに留まると自分の身が危ないと判断したレイナは退散する事にした。
(あんなやばい奴がいたなんて……すぐに逃げないと)
路地裏から抜け出したレイナは急いで逃げ出そうとしたとき、不意にレイナの前に人影が現れ、咄嗟に敵が現れたのかとレイナは腰のフラガラッハに手を伸ばす。
「うわっ!?」
「レイナ殿、落ち着いて!!拙者でござるよ!!」
「えっ……ハンちゃん!?」
だが、姿を現したのは茶色のマントを身に付けたハンゾウであり、彼女が現れた事にレイナは驚くが、ハンゾウはそんな彼女の腕を掴んで走り出す。
「こっちに付いて来て欲しいでござる!!」
「えっ!?どうして俺の姿が……」
「ふふふ、拙者の観察眼の技能を舐めないでほしいでござる!!」
現在のレイナは「隠密」と「気配遮断」の技能によって他の存在から気づかれにくいはずなのだが、忍者であるハンゾウもレイナの能力を習得しており、その破り方を知っていた。彼女は「観察眼」という技能を使用してレイナの姿を捉え、迎えに来てくれたらしい。
しばらくは走り続けた後、広場から100メートルほど離れた場所にてレイナとハンゾウは立ち止まり、安全だと判断したのかハンゾウは額の汗を拭って振り返る。
「ふうっ……ここまで逃げれば大丈夫だと思うでござる。それにしてもレイナ殿、無事で何よりでござる」
「ハンちゃんも無事で良かったよ……でも、さっきの奴は何なの?」
お互いの無事を喜びあう暇もなく、レイナは先ほど遭遇した煉瓦製の巨大ゴーレムの事を思い出す。今尚も暴れているのか100メートルも離れたのに巨大ゴーレムが建物を崩壊させる音が響いた。
「あれはブロックゴーレムと呼ばれる恐ろしいゴーレムでござる。恐らく、この第三階層の階層主でござるな」
「階層主……第二階層のキングボアと同じ?」
「キングボアよりも遥かに厄介な相手でござる。それよりもレイナ殿、よくここまで無事に辿り着けたでござるな?他の団員は一緒じゃないのでござるか?」
「うん、一緒だよ。多分、半分ぐらいは合流しているはずだけど……」
「おおっ!!それは良かったでござる!!実は拙者たちも10人近くの団員と共にこの街に隠れていたのでござる」
「という事は……皆無事なの?」
「勿論、ネコミン殿も無事でござるよ」
ハンゾウによると彼女は既にネコミンと合流し、ついでに他の団員と共に既に避難していたという。互いの人数を確認した結果、どうやら転移した際の団員全員の無事が確認され、レイナ達が合流すればこれで全員が勢揃いするという。
皆が生きていたのは朗報ではあるが、ここでレイナが疑問に思ったのはハンゾウ達のこれまでの行動である。いったい今まで彼女たちはどのように生き延びていたのかを問う。
「ハンちゃん達は今までどうしてたの?そもそも、転移した時にどうやって合流したの?」
「拙者たちは全員がこの街の近くに転移したようででござる。だから合流自体はそれほど時間は掛からなかったのでござるが……流石に砂嵐が発生した時は死ぬかと思ったでござる」
ハンゾウ曰く、彼女や合流した団員達は最初からこの街の近くに転移したらしく、全員が合流した直後にあの強烈な砂嵐に襲われ、慌てて全員が建物の中に閉じこもって難を逃れたという。
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