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獣人王国編
第230話 解析で犯人捜し
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――それからしばらく経過した後、レイナは文字変換で元の姿に戻ると変装したハンゾウを連れて犯人捜しの作業を開始する。犯人捜しといっても単純に白狼騎士団の全員を一人ずつ解析するだけの作業のため、まずは無事だった幕舎に騎士達を迎え入れる。
手順としては騎士達を5名ずつに分けて順番に幕舎の中に招き、解析の能力を発動させて質問を行う。単純な作業だが、人数が300人も存在する事を考えると結構な時間が掛かった。
「では、今から俺の質問に答えてもらいます。貴方達の中で放火を行った人はいますか?」
「私はやっていません!!」
「俺もそんな事していません!!」
「信じてください!!」
「……とりあえず、全員は嘘を吐いてません」
「そうか、分かった。君達は外で指定された場所に待機していろ」
『えっ……?』
5名の騎士を並べるとレアは即座に解析を発動させ、詳細画面を開く。この際に確認するのは「特徴」の項目であり、レアの質問にもしも誰かが虚言を吐けば特徴に表示されている説明文に変化が起きる。だが、変化が起きない場合は彼等は嘘を吐いていない事が証明され、あっさりとリルは5名の騎士達を外へと待機させた。
取り調べが開始されてから既に10分近くが経過しているが、予想以上に取り調べのペースは早く、もう50人近くは終えていた。たった一言の質問だけで自分達の無実が証明された騎士達は戸惑うばかりだが、一方でリル達の方もこの方法で本当に上手くいくのか不安に思う。
「レア殿、本当に彼等は無実なのでござるか?一度の質問だけで本当に犯人が分かるのでござるか」
「大丈夫、前にも同じことがあったけど嘘を吐いている人間が居たら見抜くことが出来る。それが俺の解析の能力だからね」
「解析……鑑定士の鑑定とは少々異なるとは思っていたが、まさか人の虚実を見抜く力も備わっていたとは……」
「レアは凄い、流石は勇者」
「レア、偉いっ!!きゅろっ!!」
「ぷるる~んっ(流石だぜ)」
レアが褒められてサンとクロミンは嬉しそうにその場を跳ねると、次の騎士達が入って来た。その中にはオウソウの姿も存在し、彼は憮然とした態度でレアと向かい合う。
「ふん、勇者か……お前、今まで何処にいたんだ?火事が起きた時、どうして姿を現さなかった?」
「それは……」
「余計な質問は辞めろ、お前はいつから勇者殿にため口を利ける立場になった?」
「ちっ……勇者の女だからといって調子に乗りおって」
「それ以上の言葉の狼藉は許せん、切り捨てるぞ!!」
オウソウがレアを見て胡散臭そうな態度を取ると、チイが彼を庇う。だが、そんなチイにオウソウは挑発紛いの行動を取ると、チイは激高して剣を抜こうとした。しかし、その前にリリスがオウソウの背後に近寄って注射器のような道具を取り出し、首筋に打ち込む。
「ほぁたぁっ!!」
「はぐぅっ!?」
「リリス!?何してんのっ!?」
「え?いや、うるさいから静かにさせようと麻酔を打っただけですけど……あ、ちなみにこれは私の作り出した医療器具です。勇者が使っていた注射器という物を参考に作りました」
「それ、本物の注射器なの!?」
リリスが取りだしたのは本物の注射器を参考にして作り出した彼女の注射器らしく、麻酔を撃ち込まれたオウソウはその場で倒れ込み、身体を痙攣させる。その様子を見て本当に麻酔を撃ち込んだのかとレアは不安を抱くが、他の4名の騎士は慌てふためく。
「ひいっ!?ま、待ってください!!俺達は本当に何もしてませんって……だから許してください!!」
「そ、そうです!!俺は勇者様とチイ様はお似合いだと思ってますよ!!」
「な、何の話をしてる!?いいから早く並べっ!!」
騎士の言葉にチイは頬を赤く染めて横一列に並ぶように促し、騎士達は注射器を抱えたリリスに怯えながらも行動する。一方でリリスの麻酔で麻痺状態に陥ったオウソウは動く事も出来ずに倒れ伏すが、耳が聞こえる状態ならば問題ないのでレアは尋問を開始した。
(解析……ん?こいつは……)
5人分の詳細画面を同時に開いたレアは流し読みで各5人の特徴を確認すると、不審な文章を確認した。その人物にレアは視線を向けると、一応は質問を行う。
「……俺の質問に嘘偽りなく答えてください。貴方達の中で火事を引き起こしましたか?」
「いいえ、誓ってやっていません!!」
「私はそのような事はしていません!!」
「火事など知りません!!」
「信じてください!!」
質問された5名の内、性格には麻痺で動けないオウソウを除く4名は否定するが、その人物の中でレアの視界に表示されている詳細画面に変化が起きる。それを確認したレアは放火魔の犯人の一人だと推察し、目つきを鋭くさせてその人物を確認した。
レアが視線を向けた相手は男性の騎士だった。名前は「アサシ」と表示されていたが、この人物だけが騎士団に所属する人間の中で確認されていない称号を所持しており、しかもレアの質問に対して誤魔化すような返答を行っていた。
手順としては騎士達を5名ずつに分けて順番に幕舎の中に招き、解析の能力を発動させて質問を行う。単純な作業だが、人数が300人も存在する事を考えると結構な時間が掛かった。
「では、今から俺の質問に答えてもらいます。貴方達の中で放火を行った人はいますか?」
「私はやっていません!!」
「俺もそんな事していません!!」
「信じてください!!」
「……とりあえず、全員は嘘を吐いてません」
「そうか、分かった。君達は外で指定された場所に待機していろ」
『えっ……?』
5名の騎士を並べるとレアは即座に解析を発動させ、詳細画面を開く。この際に確認するのは「特徴」の項目であり、レアの質問にもしも誰かが虚言を吐けば特徴に表示されている説明文に変化が起きる。だが、変化が起きない場合は彼等は嘘を吐いていない事が証明され、あっさりとリルは5名の騎士達を外へと待機させた。
取り調べが開始されてから既に10分近くが経過しているが、予想以上に取り調べのペースは早く、もう50人近くは終えていた。たった一言の質問だけで自分達の無実が証明された騎士達は戸惑うばかりだが、一方でリル達の方もこの方法で本当に上手くいくのか不安に思う。
「レア殿、本当に彼等は無実なのでござるか?一度の質問だけで本当に犯人が分かるのでござるか」
「大丈夫、前にも同じことがあったけど嘘を吐いている人間が居たら見抜くことが出来る。それが俺の解析の能力だからね」
「解析……鑑定士の鑑定とは少々異なるとは思っていたが、まさか人の虚実を見抜く力も備わっていたとは……」
「レアは凄い、流石は勇者」
「レア、偉いっ!!きゅろっ!!」
「ぷるる~んっ(流石だぜ)」
レアが褒められてサンとクロミンは嬉しそうにその場を跳ねると、次の騎士達が入って来た。その中にはオウソウの姿も存在し、彼は憮然とした態度でレアと向かい合う。
「ふん、勇者か……お前、今まで何処にいたんだ?火事が起きた時、どうして姿を現さなかった?」
「それは……」
「余計な質問は辞めろ、お前はいつから勇者殿にため口を利ける立場になった?」
「ちっ……勇者の女だからといって調子に乗りおって」
「それ以上の言葉の狼藉は許せん、切り捨てるぞ!!」
オウソウがレアを見て胡散臭そうな態度を取ると、チイが彼を庇う。だが、そんなチイにオウソウは挑発紛いの行動を取ると、チイは激高して剣を抜こうとした。しかし、その前にリリスがオウソウの背後に近寄って注射器のような道具を取り出し、首筋に打ち込む。
「ほぁたぁっ!!」
「はぐぅっ!?」
「リリス!?何してんのっ!?」
「え?いや、うるさいから静かにさせようと麻酔を打っただけですけど……あ、ちなみにこれは私の作り出した医療器具です。勇者が使っていた注射器という物を参考に作りました」
「それ、本物の注射器なの!?」
リリスが取りだしたのは本物の注射器を参考にして作り出した彼女の注射器らしく、麻酔を撃ち込まれたオウソウはその場で倒れ込み、身体を痙攣させる。その様子を見て本当に麻酔を撃ち込んだのかとレアは不安を抱くが、他の4名の騎士は慌てふためく。
「ひいっ!?ま、待ってください!!俺達は本当に何もしてませんって……だから許してください!!」
「そ、そうです!!俺は勇者様とチイ様はお似合いだと思ってますよ!!」
「な、何の話をしてる!?いいから早く並べっ!!」
騎士の言葉にチイは頬を赤く染めて横一列に並ぶように促し、騎士達は注射器を抱えたリリスに怯えながらも行動する。一方でリリスの麻酔で麻痺状態に陥ったオウソウは動く事も出来ずに倒れ伏すが、耳が聞こえる状態ならば問題ないのでレアは尋問を開始した。
(解析……ん?こいつは……)
5人分の詳細画面を同時に開いたレアは流し読みで各5人の特徴を確認すると、不審な文章を確認した。その人物にレアは視線を向けると、一応は質問を行う。
「……俺の質問に嘘偽りなく答えてください。貴方達の中で火事を引き起こしましたか?」
「いいえ、誓ってやっていません!!」
「私はそのような事はしていません!!」
「火事など知りません!!」
「信じてください!!」
質問された5名の内、性格には麻痺で動けないオウソウを除く4名は否定するが、その人物の中でレアの視界に表示されている詳細画面に変化が起きる。それを確認したレアは放火魔の犯人の一人だと推察し、目つきを鋭くさせてその人物を確認した。
レアが視線を向けた相手は男性の騎士だった。名前は「アサシ」と表示されていたが、この人物だけが騎士団に所属する人間の中で確認されていない称号を所持しており、しかもレアの質問に対して誤魔化すような返答を行っていた。
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