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獣人王国編
第211話 ガオ王子とギャン宰相の処罰
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「ガオにはもう連絡は送っていますか?」
「いや、まだだが……ライオネル大将軍、悪いがお主の方からガオを連れてきてくれぬか?もしも抵抗するようであるのならば無理やりにでも連れてきて構わん。それと黒狼騎士団に関しては今後は白狼騎士団の団長であるリルルに従う様にと通達しておいてくれ」
「おうっ!!承知した!!」
この国の大将軍であるライオネルならばガオを王都へ連れ出す事を任せられ、仮に抵抗しようものなら彼の武力で強制的に連れ帰す事が出来る。王族と言う身分といっても、今回のガオの悪事は既に捕縛されたギャンによって暴かれているため、もしも従わないようならばライオネルの性格的に相手が王族だろうと容赦なく捕まえてくるだろう。
気がかりがあるとすればガオの祖父であるガーム将軍だが、今回の一件は彼が出る幕はなく、本来は処刑されてもおかしくはない大罪を黒狼騎士団の解散という罰だけで済むのだ。仮にガーム将軍が訪れても国王はガオに罰を与えるのは心に決めており、ライオネルに正式に命じる。
「ライオネル大将軍!!これは王命である、王都の守備軍を3000の獣騎兵を引き連れ、ガオを王都まで連行せよ!!」
「はっ!!」
ライオネルは国王の命令を受けてすぐに行動を起こし、最後にレア達に顔を向けると、口元に笑みを浮かべた。
「王子の事は俺に任せろ……大迷宮の踏破、応援するぞ」
「あ、ありがとうございます」
「……リル王女を頼む」
すれ違い際にレアにライオネルは語り掛けると、彼はすぐに玉座の間を抜け出してガオ王子の捕縛へと向かう。残された者達は国王に顔を向けると、彼は疲れた表情を浮かべながらガオの凶行を嘆く。
「ガオよ……お主の育て方を儂は間違えたのか――」
――数日後、ライオネルは国王の命令通りにガオ王子を引き連れてきた。彼に従う黒狼騎士団も同行し、彼等はまるで罪人のように兵士に取り囲まれた状態で王都へと帰還する。
ガオが戻って来たという話を聞いてするにレア達は呼び出され、玉座の間にて集められる。そこにはライオネルによって縄で縛られた少年が存在し、年齢はレアと大して変わりない人物だった。顔立ちの方は国王と似ており、親子というだけあって非常に似ていた。
「ガオよ……お主はどうして自分がここへ連れて来たのか理解しているか?」
「ち、父上!!これはどういう事ですか!?何故、王子であるこの僕がこんな目に遭わなければならないのですか!?」
「黙れ!!今の貴様は王子であろうと罪人だ!!」
「お、おのれ……ライオネル大将軍!!こんな事をしてただで済むと思うなよ!!そうだ、ギャンの奴は何処にいるのですか!?彼と話をさせてください!!」
「……いいだろう、ギャンの奴もここへ連れてこい」
「はっ!!」
ギャンを出せと言い張るガオに対して国王は兵士に命令すると、すぐに兵士は事前に玉座の間の外に待機していたギャンを連れ出す。そしてガオはギャンの姿を見て凍り付く。
「ギ、ギャン宰相……その姿はどうした!?」
「……王、子……」
「見ての通り、お前の味方だったギャンはもう宰相ではない。ただの罪人だ」
連れ出されたギャンは薄汚れた服に生気のない瞳をした状態で連れ出され、既に意識も半ば失っているかのようにガオを見ても大きな反応を示さない。変わり果てたギャンの姿にガオ王子は戸惑うが、ここでリルを見てガオは騒ぎ立てる。
「姉上!!ギャンをこんな姿にしたのは姉上の仕業か!!功臣に対してこのような仕打ちをして、許されると思うのか!?」
「口を弁えろガキがっ!!許しを請うのは貴様等の方だ!!」
「ひいっ!?」
しかし、自分に噛みついてきたガオに対してリルは激怒すると、彼女はギャンの身に何が起きたのかを話す。
「お前がギャンを利用してケマイヌと警備隊長のビケイを使い、一般人の借金を抱える者達を集めていた事は知っている。彼等に対して借金の返済を条件に黒狼騎士団の恰好をさせて王都周辺の警備を行い、私が戻って来たとに暗殺を企てたな?」
「な、何の話ですか!?僕はそんな事、知りません!!」
「ほう、ガオの奴はこういっているが……どうなんだギャン!?」
「……リル王女様の、おっしゃる通りです。儂はガオ王子の命を受け、貴女様の暗殺計画を立てました……」
「ギャン!?お前、何を言って……」
あっさりと自分が命令した事をばらしたギャンにガオは驚くが、その反応を見て国王は嘆くように頭を抑え、リルでさえも昔は仲の良かった弟に命を狙われたという事実に胸を抑える。だが、王族として人の道から外れた行為をした者を許すわけにはいかない。
ライオネルはガオを立たせるとギャンの元へ赴き、二人を力尽くで国王の前に跪かせる。そんな二人に対して国王は淡々と命じた。
「今日をもってギャンは宰相の位を剥奪し、位も平民に落として全ての財を没収とする!!ガオは王位継承権を剥奪し、黒狼騎士団は解散させ、団員たちは今後は白狼騎士団のリルルの管理下におく!!」
「いや、まだだが……ライオネル大将軍、悪いがお主の方からガオを連れてきてくれぬか?もしも抵抗するようであるのならば無理やりにでも連れてきて構わん。それと黒狼騎士団に関しては今後は白狼騎士団の団長であるリルルに従う様にと通達しておいてくれ」
「おうっ!!承知した!!」
この国の大将軍であるライオネルならばガオを王都へ連れ出す事を任せられ、仮に抵抗しようものなら彼の武力で強制的に連れ帰す事が出来る。王族と言う身分といっても、今回のガオの悪事は既に捕縛されたギャンによって暴かれているため、もしも従わないようならばライオネルの性格的に相手が王族だろうと容赦なく捕まえてくるだろう。
気がかりがあるとすればガオの祖父であるガーム将軍だが、今回の一件は彼が出る幕はなく、本来は処刑されてもおかしくはない大罪を黒狼騎士団の解散という罰だけで済むのだ。仮にガーム将軍が訪れても国王はガオに罰を与えるのは心に決めており、ライオネルに正式に命じる。
「ライオネル大将軍!!これは王命である、王都の守備軍を3000の獣騎兵を引き連れ、ガオを王都まで連行せよ!!」
「はっ!!」
ライオネルは国王の命令を受けてすぐに行動を起こし、最後にレア達に顔を向けると、口元に笑みを浮かべた。
「王子の事は俺に任せろ……大迷宮の踏破、応援するぞ」
「あ、ありがとうございます」
「……リル王女を頼む」
すれ違い際にレアにライオネルは語り掛けると、彼はすぐに玉座の間を抜け出してガオ王子の捕縛へと向かう。残された者達は国王に顔を向けると、彼は疲れた表情を浮かべながらガオの凶行を嘆く。
「ガオよ……お主の育て方を儂は間違えたのか――」
――数日後、ライオネルは国王の命令通りにガオ王子を引き連れてきた。彼に従う黒狼騎士団も同行し、彼等はまるで罪人のように兵士に取り囲まれた状態で王都へと帰還する。
ガオが戻って来たという話を聞いてするにレア達は呼び出され、玉座の間にて集められる。そこにはライオネルによって縄で縛られた少年が存在し、年齢はレアと大して変わりない人物だった。顔立ちの方は国王と似ており、親子というだけあって非常に似ていた。
「ガオよ……お主はどうして自分がここへ連れて来たのか理解しているか?」
「ち、父上!!これはどういう事ですか!?何故、王子であるこの僕がこんな目に遭わなければならないのですか!?」
「黙れ!!今の貴様は王子であろうと罪人だ!!」
「お、おのれ……ライオネル大将軍!!こんな事をしてただで済むと思うなよ!!そうだ、ギャンの奴は何処にいるのですか!?彼と話をさせてください!!」
「……いいだろう、ギャンの奴もここへ連れてこい」
「はっ!!」
ギャンを出せと言い張るガオに対して国王は兵士に命令すると、すぐに兵士は事前に玉座の間の外に待機していたギャンを連れ出す。そしてガオはギャンの姿を見て凍り付く。
「ギ、ギャン宰相……その姿はどうした!?」
「……王、子……」
「見ての通り、お前の味方だったギャンはもう宰相ではない。ただの罪人だ」
連れ出されたギャンは薄汚れた服に生気のない瞳をした状態で連れ出され、既に意識も半ば失っているかのようにガオを見ても大きな反応を示さない。変わり果てたギャンの姿にガオ王子は戸惑うが、ここでリルを見てガオは騒ぎ立てる。
「姉上!!ギャンをこんな姿にしたのは姉上の仕業か!!功臣に対してこのような仕打ちをして、許されると思うのか!?」
「口を弁えろガキがっ!!許しを請うのは貴様等の方だ!!」
「ひいっ!?」
しかし、自分に噛みついてきたガオに対してリルは激怒すると、彼女はギャンの身に何が起きたのかを話す。
「お前がギャンを利用してケマイヌと警備隊長のビケイを使い、一般人の借金を抱える者達を集めていた事は知っている。彼等に対して借金の返済を条件に黒狼騎士団の恰好をさせて王都周辺の警備を行い、私が戻って来たとに暗殺を企てたな?」
「な、何の話ですか!?僕はそんな事、知りません!!」
「ほう、ガオの奴はこういっているが……どうなんだギャン!?」
「……リル王女様の、おっしゃる通りです。儂はガオ王子の命を受け、貴女様の暗殺計画を立てました……」
「ギャン!?お前、何を言って……」
あっさりと自分が命令した事をばらしたギャンにガオは驚くが、その反応を見て国王は嘆くように頭を抑え、リルでさえも昔は仲の良かった弟に命を狙われたという事実に胸を抑える。だが、王族として人の道から外れた行為をした者を許すわけにはいかない。
ライオネルはガオを立たせるとギャンの元へ赴き、二人を力尽くで国王の前に跪かせる。そんな二人に対して国王は淡々と命じた。
「今日をもってギャンは宰相の位を剥奪し、位も平民に落として全ての財を没収とする!!ガオは王位継承権を剥奪し、黒狼騎士団は解散させ、団員たちは今後は白狼騎士団のリルルの管理下におく!!」
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