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獣人王国編
第167話 ケマイヌの自白
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「さあ、答えてもらうぞ。私達を捕えてどうするつもりだった?そもそも、何故お前達がここにいる。答えろっ!!」
「ひいっ!?は、話します……話しますのでどうかお許しください!!」
「隊長……」
「……格好悪い」
涙目でリルに許しを請うケマイヌの様子を見て武装を解除した兵士達は呆れるが、そんな彼等に対してもリルは注意を行う。
「お前達もこの男の話をよく聞いておけ!!もしもこの男が虚言を吐けばすぐに私に報告しろ!!」
「は、はい!!分かりました王女様!!」
「よし、では色々と答えてもらうぞ!!」
「ひいいっ……!!」
配下の兵士達からも見捨てられたケマイヌは涙目で頷くと、まずはどうしてリル達を発見できたのかを話す。
「わ、我々はガオ様の命令を受けて、この近辺の見回りを行っていたのは本当なんです……嘘ではありません!!」
「そうなのか?」
「はい、確かに我々はガオ様から直々に命令を受けました」
「それはいつの話だ?」
「二週間ほど前の話ですが……」
兵士達の証言もあってケマイヌの話が事実だと判断したリルは疑問を抱き、どうして弟が王都の近辺に兵士を見回りさせていたのか疑問を抱く。リルの命を狙って兵士を配置させていたとしても、リルが本来戻ってくる日程は今から一か月近くも先の話である。
レイナのお陰でリル達は驚異的な速さで王都へ帰還する事が出来たが、彼女が連れていた使者たちは未だにキタノ山脈を越えてもいないだろう。それにも関わらずにガオが兵士を配置させていた事に疑問を抱いたリルは理由を問い質す。
「どうしてガオの奴はお前達に王都周辺の見回りを命じていた!!答えろっ!!」
「そ、それは……ガオ様が王女様は警戒心が高く、予定通りに戻ってくるとは限らない……だから、事前に兵士を配置させていたのです!!」
「ほう、つまりあいつは私を恐れてお前達を配置していたという事か……だが、それで私達を捕まえてどうするつもりだった?まさか、辱めるつもりだったとは言わないな?」
「ひいっ!?ち、違います……我々は捕まえるようにと命じられただけで……!!」
ケマイヌはリルの言葉を聞いて顔色を真っ青にして答えると、他の兵士達も頷く。戻ってきたリルを捕縛するように命じられていたというのは本当の話らしく、リルは予想以上にガオが自分の存在を恐れている事を見ぬく。
ガオがリルが帰還する一か月も前に自分の配下の兵士を伏せていた事、それに殺さずにあくまでも捕縛するように命じていた事からガオの考えを読む。
「大方、私達を殺さずに捕らえるように命じたのは自分の目で私が死ぬのを確認したかったのだろう?ガオに命じられた時、お前は何と言われた?」
「ひっ……お、お許しください!!」
「いいから答えろっ!!答えなければお前の尻尾から斬り落とすぞ!!」
「尻尾を斬るだと!?」
「な、何て残酷な……獣人のする行いじゃない!!」
「恐ろしい御方だ……!!」
リルがケマイヌの尻尾を掴んで刃を押し当てると、彼は半狂乱に陥り、必死に尻尾を斬る事だけはやめるように願う。その様子を見ていたレイナはどのように反応すればいいのか分からず、戸惑う。
(獣人族にとって尻尾はそんなに大事なのか……まあ、身体の一部なんだから当然なんだろうけど、なんだかな……)
意外とふさふさの尻尾を生やしていたケマイヌに対してリルは刃を向けると、彼は涙声で命令された時の言葉を告げる。
「が、ガオ王子はこのようにおっしゃいました!!王女を捕まえた後は、辱めてもいいから自分の元へ連れてこい!!従者の女騎士達はお前の好きにしていいと……!!」
「そ、それは本当ですか!?」
「王女様!!我々は何も聞いていません!!本当です!!」
兵士達もガオがケマイヌに与えていた命令の内容を聞いたのは初めてだったのか、顔を青く染めて必死に自分達は無関係である事を示す。何しろ内容が王女と従者を辱めてでも捕まえろという話のため、流石にチイとネコミンも怒りを抑えきれない。
「わ、我々を辱めるだと……おのれ、あのクソ王子め!!」
「……獣人のクズ、絶対に許せない」
「きゅろろっ……(←辱めるの意味が分からない)」
「ぷるるんっ……(なんて奴だ)」
「うわぁっ……」
自分の姉でもあるリルを辱めて構わないと命令したガオに対してレイナも流石にドン引きするが、一方でリルの方はため息を吐きながらもケマイヌの尻尾を解放する。尻尾が無事な事にケマイヌは涙を流すが、そんな彼に尋問がまだ終わっていない事をリルは告げた。
「答えろ、ガオは今は何処にいる?」
「が、ガオ王子様は王都を離れています……ギャン宰相の助言を受けて他の地方を巡回し、他の領主と友好的な関係を築くために出向いています」
「なるほど、ではガオが王都から離れているというあの噂は本当だったわけか」
別に疑っていたわけではないが、リルは先日に会った領主の話を思い出し、ガオが今は王都を離れているという話が事実だった事を確認する。これはリルにとっては都合がよく、王都へ戻る絶好の好機だった。
「ひいっ!?は、話します……話しますのでどうかお許しください!!」
「隊長……」
「……格好悪い」
涙目でリルに許しを請うケマイヌの様子を見て武装を解除した兵士達は呆れるが、そんな彼等に対してもリルは注意を行う。
「お前達もこの男の話をよく聞いておけ!!もしもこの男が虚言を吐けばすぐに私に報告しろ!!」
「は、はい!!分かりました王女様!!」
「よし、では色々と答えてもらうぞ!!」
「ひいいっ……!!」
配下の兵士達からも見捨てられたケマイヌは涙目で頷くと、まずはどうしてリル達を発見できたのかを話す。
「わ、我々はガオ様の命令を受けて、この近辺の見回りを行っていたのは本当なんです……嘘ではありません!!」
「そうなのか?」
「はい、確かに我々はガオ様から直々に命令を受けました」
「それはいつの話だ?」
「二週間ほど前の話ですが……」
兵士達の証言もあってケマイヌの話が事実だと判断したリルは疑問を抱き、どうして弟が王都の近辺に兵士を見回りさせていたのか疑問を抱く。リルの命を狙って兵士を配置させていたとしても、リルが本来戻ってくる日程は今から一か月近くも先の話である。
レイナのお陰でリル達は驚異的な速さで王都へ帰還する事が出来たが、彼女が連れていた使者たちは未だにキタノ山脈を越えてもいないだろう。それにも関わらずにガオが兵士を配置させていた事に疑問を抱いたリルは理由を問い質す。
「どうしてガオの奴はお前達に王都周辺の見回りを命じていた!!答えろっ!!」
「そ、それは……ガオ様が王女様は警戒心が高く、予定通りに戻ってくるとは限らない……だから、事前に兵士を配置させていたのです!!」
「ほう、つまりあいつは私を恐れてお前達を配置していたという事か……だが、それで私達を捕まえてどうするつもりだった?まさか、辱めるつもりだったとは言わないな?」
「ひいっ!?ち、違います……我々は捕まえるようにと命じられただけで……!!」
ケマイヌはリルの言葉を聞いて顔色を真っ青にして答えると、他の兵士達も頷く。戻ってきたリルを捕縛するように命じられていたというのは本当の話らしく、リルは予想以上にガオが自分の存在を恐れている事を見ぬく。
ガオがリルが帰還する一か月も前に自分の配下の兵士を伏せていた事、それに殺さずにあくまでも捕縛するように命じていた事からガオの考えを読む。
「大方、私達を殺さずに捕らえるように命じたのは自分の目で私が死ぬのを確認したかったのだろう?ガオに命じられた時、お前は何と言われた?」
「ひっ……お、お許しください!!」
「いいから答えろっ!!答えなければお前の尻尾から斬り落とすぞ!!」
「尻尾を斬るだと!?」
「な、何て残酷な……獣人のする行いじゃない!!」
「恐ろしい御方だ……!!」
リルがケマイヌの尻尾を掴んで刃を押し当てると、彼は半狂乱に陥り、必死に尻尾を斬る事だけはやめるように願う。その様子を見ていたレイナはどのように反応すればいいのか分からず、戸惑う。
(獣人族にとって尻尾はそんなに大事なのか……まあ、身体の一部なんだから当然なんだろうけど、なんだかな……)
意外とふさふさの尻尾を生やしていたケマイヌに対してリルは刃を向けると、彼は涙声で命令された時の言葉を告げる。
「が、ガオ王子はこのようにおっしゃいました!!王女を捕まえた後は、辱めてもいいから自分の元へ連れてこい!!従者の女騎士達はお前の好きにしていいと……!!」
「そ、それは本当ですか!?」
「王女様!!我々は何も聞いていません!!本当です!!」
兵士達もガオがケマイヌに与えていた命令の内容を聞いたのは初めてだったのか、顔を青く染めて必死に自分達は無関係である事を示す。何しろ内容が王女と従者を辱めてでも捕まえろという話のため、流石にチイとネコミンも怒りを抑えきれない。
「わ、我々を辱めるだと……おのれ、あのクソ王子め!!」
「……獣人のクズ、絶対に許せない」
「きゅろろっ……(←辱めるの意味が分からない)」
「ぷるるんっ……(なんて奴だ)」
「うわぁっ……」
自分の姉でもあるリルを辱めて構わないと命令したガオに対してレイナも流石にドン引きするが、一方でリルの方はため息を吐きながらもケマイヌの尻尾を解放する。尻尾が無事な事にケマイヌは涙を流すが、そんな彼に尋問がまだ終わっていない事をリルは告げた。
「答えろ、ガオは今は何処にいる?」
「が、ガオ王子様は王都を離れています……ギャン宰相の助言を受けて他の地方を巡回し、他の領主と友好的な関係を築くために出向いています」
「なるほど、ではガオが王都から離れているというあの噂は本当だったわけか」
別に疑っていたわけではないが、リルは先日に会った領主の話を思い出し、ガオが今は王都を離れているという話が事実だった事を確認する。これはリルにとっては都合がよく、王都へ戻る絶好の好機だった。
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