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獣人王国編
第128話 紅血のアルドラ
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『アアアアッ……!!』
「ひいいっ!?ま、まだこんなに……」
「怯えるな!!早く聖水を投げ込め!!」
「くそ、どうなってやがるんだ……なんで魔王軍がこんな場所に!!」
冒険者と兵士は大量のアンデッドの対応に精一杯でアルドラの相手は出来ず、アルドラは余裕のつもりなのかその場を動かない。その様子を見たレイナはアルドラに仕掛けるため、フラガラッハとアスカロンを掲げて向かう。
「はああっ!!」
「ウギィッ!?」
「ギャアッ!?」
「アアッ!?」
「あら……随分と強い子がいるのね」
聖剣を振り翳して城壁を上り詰めたアンデッドを蹴散らし、自分に迫ってくるレイナに気付いたアルドラは驚いた表情を浮かべる。しかし、それでも彼女はその場を動かずに指を鳴らすと、アンデッドをレイナの元へ集中攻撃させた。
「でも、これだけの数の相手は出来ないでしょう?」
『ウアアアッ!!』
「くぅっ!?」
「レイナ君、止まるな!!ここは私達に任せろっ!!」
「はああっ!!」
「ていっ」
大量のアンデッドに取り囲まれそうになったレイナを救ったのはリル達であり、彼女達はアンデッドを切り伏せてレイナを先へ促す。この場は彼女達に任せてレイナはアルドラへ向かうと、シロとクロが先に城壁を駆け抜けてアルドラの元へ向かう。
「「ウォオンッ!!」」
「ちっ……邪魔よ!!」
シロとクロが左右からアルドラに噛みつこうとすると、彼女は煩わしそうに両手を振り払い、シロとクロの牙を両手の爪で弾く。その隙にレイナは距離を詰めると、アスカロンを振りぬく。
「だああっ!!」
「人間如きの武器で私を……!?」
アスカロンを構えたレイナに対してアルドラは右腕を伸ばして掴もうとしたが、寸前で嫌な予感を覚えたアルドラは右腕を止めると、咄嗟に体勢を低くして回避した。結果的にはその判断は功を奏し、振りぬかれたアスカロンの刃は城壁の壁を容易く切り裂く。
途轍もない「切断力」を誇るアスカロンを見てアルドラは焦りの表情を浮かべ、この剣をまともに受けるのはまずいと判断した彼女はレイナに脅威を抱く。その一方でレイナの方もアルドラを逃がさないためにフラガラッハを振りぬく。
「このっ!!」
「くっ!?」
振り落とされたフラガラッハをアルドラは後方に飛んで回避すると、レイナに向き合った彼女は両手をの爪を伸ばす。ここで逃げるのではなく、戦いを挑んだのは人間に対して逃走を行うなど彼女のプライドが許さなかった。
「死ね!!」
「うわっ!?」
1メートル近くも伸びた10本の爪が突き出され、咄嗟にレイナは躱す事には成功したが、爪は城壁の壁を貫通する。その様子を見て並大抵の刃物よりも鋭利な爪である事に気付いたレイナは顔色を青くさせ、もしもまともに攻撃を受けていたらと考えるだけで背筋が凍り付く。
アルドラは両手の爪を振り翳すと、その場で回転しながらレイナに攻撃を仕掛ける。傍から見れば彼女は「舞い」の用に動きながら爪を振りぬき、レイナを追い詰めていく。
「さっさと死になさいっ!!」
「くっ、うっ……!?」
繰り出される爪の連続攻撃に対してレイナはフラガラッハとアスカロンを盾にして防ぐ事しか出来ず、このままでは身体を切り裂かれて殺されてしまう。頼みの文字変換の能力は使い果たし、現在のレイナのレベルと覚えている技能を全て使用しても彼女には通じないだろう。
しかし、ここで諦めるわけにはいかないレイナは最後の賭けに出るため、敢えて後退しながらアスカロンを手放す。戦闘の際中に武器を手放したレイナにアルドラは違和感を抱くが、彼女は爪を突き出す。
「これで終わりよ、人間がっ!!」
「……まだだっ!!」
フラガラッハを握り締めながらもレイナは腰に装着した鞄に手を伸ばし、アルドラの爪が身体に届く前に「エクスカリバー」を引き抜く。その光景を見たアルドラは目を見開き、彼女はエクスカリバーの放つ光を見て背中が凍り付く。
「なっ!?やめっ……」
「喰らえぇっ!!」
レイナは鞄から引き抜くのと同時にエクスカリバーの能力を発動させ、白刃を生み出す。その結果、アルドラの肉体に白刃が衝突した瞬間、彼女は絶叫する。
「があああああっ!?」
『アアアアッ……!?』
エクスカリバーの白刃をアルドラが受けた瞬間、彼女が生み出したアンデッド達も影響を受けたかの様に動きが鈍り、城壁を上り詰めようとしていたアンデッド達は力を失ったように地上へと落下していく。
吸血鬼であるアルドラはアンデッドと同様に聖属性の攻撃が弱点らしく、彼女は切り裂かれた箇所を抑えながら膝を付く。その様子を見てレイナは倒したのかと思ったが、直後に彼女は目を血走らせると全身から赤黒い魔力を放出する。
「ぐ、ううっ……この、人間がぁあああっ!!」
「っ……!?」
アルドラは起き上がると、無我夢中に両腕を振り回してレイナに向かう。気が狂ったかのように攻撃を仕掛けるアルドラに対してレイナは焦りながらもエクスカリバーを構えると、フラガラッハと共に切り裂く。
「ひいいっ!?ま、まだこんなに……」
「怯えるな!!早く聖水を投げ込め!!」
「くそ、どうなってやがるんだ……なんで魔王軍がこんな場所に!!」
冒険者と兵士は大量のアンデッドの対応に精一杯でアルドラの相手は出来ず、アルドラは余裕のつもりなのかその場を動かない。その様子を見たレイナはアルドラに仕掛けるため、フラガラッハとアスカロンを掲げて向かう。
「はああっ!!」
「ウギィッ!?」
「ギャアッ!?」
「アアッ!?」
「あら……随分と強い子がいるのね」
聖剣を振り翳して城壁を上り詰めたアンデッドを蹴散らし、自分に迫ってくるレイナに気付いたアルドラは驚いた表情を浮かべる。しかし、それでも彼女はその場を動かずに指を鳴らすと、アンデッドをレイナの元へ集中攻撃させた。
「でも、これだけの数の相手は出来ないでしょう?」
『ウアアアッ!!』
「くぅっ!?」
「レイナ君、止まるな!!ここは私達に任せろっ!!」
「はああっ!!」
「ていっ」
大量のアンデッドに取り囲まれそうになったレイナを救ったのはリル達であり、彼女達はアンデッドを切り伏せてレイナを先へ促す。この場は彼女達に任せてレイナはアルドラへ向かうと、シロとクロが先に城壁を駆け抜けてアルドラの元へ向かう。
「「ウォオンッ!!」」
「ちっ……邪魔よ!!」
シロとクロが左右からアルドラに噛みつこうとすると、彼女は煩わしそうに両手を振り払い、シロとクロの牙を両手の爪で弾く。その隙にレイナは距離を詰めると、アスカロンを振りぬく。
「だああっ!!」
「人間如きの武器で私を……!?」
アスカロンを構えたレイナに対してアルドラは右腕を伸ばして掴もうとしたが、寸前で嫌な予感を覚えたアルドラは右腕を止めると、咄嗟に体勢を低くして回避した。結果的にはその判断は功を奏し、振りぬかれたアスカロンの刃は城壁の壁を容易く切り裂く。
途轍もない「切断力」を誇るアスカロンを見てアルドラは焦りの表情を浮かべ、この剣をまともに受けるのはまずいと判断した彼女はレイナに脅威を抱く。その一方でレイナの方もアルドラを逃がさないためにフラガラッハを振りぬく。
「このっ!!」
「くっ!?」
振り落とされたフラガラッハをアルドラは後方に飛んで回避すると、レイナに向き合った彼女は両手をの爪を伸ばす。ここで逃げるのではなく、戦いを挑んだのは人間に対して逃走を行うなど彼女のプライドが許さなかった。
「死ね!!」
「うわっ!?」
1メートル近くも伸びた10本の爪が突き出され、咄嗟にレイナは躱す事には成功したが、爪は城壁の壁を貫通する。その様子を見て並大抵の刃物よりも鋭利な爪である事に気付いたレイナは顔色を青くさせ、もしもまともに攻撃を受けていたらと考えるだけで背筋が凍り付く。
アルドラは両手の爪を振り翳すと、その場で回転しながらレイナに攻撃を仕掛ける。傍から見れば彼女は「舞い」の用に動きながら爪を振りぬき、レイナを追い詰めていく。
「さっさと死になさいっ!!」
「くっ、うっ……!?」
繰り出される爪の連続攻撃に対してレイナはフラガラッハとアスカロンを盾にして防ぐ事しか出来ず、このままでは身体を切り裂かれて殺されてしまう。頼みの文字変換の能力は使い果たし、現在のレイナのレベルと覚えている技能を全て使用しても彼女には通じないだろう。
しかし、ここで諦めるわけにはいかないレイナは最後の賭けに出るため、敢えて後退しながらアスカロンを手放す。戦闘の際中に武器を手放したレイナにアルドラは違和感を抱くが、彼女は爪を突き出す。
「これで終わりよ、人間がっ!!」
「……まだだっ!!」
フラガラッハを握り締めながらもレイナは腰に装着した鞄に手を伸ばし、アルドラの爪が身体に届く前に「エクスカリバー」を引き抜く。その光景を見たアルドラは目を見開き、彼女はエクスカリバーの放つ光を見て背中が凍り付く。
「なっ!?やめっ……」
「喰らえぇっ!!」
レイナは鞄から引き抜くのと同時にエクスカリバーの能力を発動させ、白刃を生み出す。その結果、アルドラの肉体に白刃が衝突した瞬間、彼女は絶叫する。
「があああああっ!?」
『アアアアッ……!?』
エクスカリバーの白刃をアルドラが受けた瞬間、彼女が生み出したアンデッド達も影響を受けたかの様に動きが鈍り、城壁を上り詰めようとしていたアンデッド達は力を失ったように地上へと落下していく。
吸血鬼であるアルドラはアンデッドと同様に聖属性の攻撃が弱点らしく、彼女は切り裂かれた箇所を抑えながら膝を付く。その様子を見てレイナは倒したのかと思ったが、直後に彼女は目を血走らせると全身から赤黒い魔力を放出する。
「ぐ、ううっ……この、人間がぁあああっ!!」
「っ……!?」
アルドラは起き上がると、無我夢中に両腕を振り回してレイナに向かう。気が狂ったかのように攻撃を仕掛けるアルドラに対してレイナは焦りながらもエクスカリバーを構えると、フラガラッハと共に切り裂く。
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