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獣人王国編
第125話 増援
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「お、おい!!何してんだお前等!!早く上がって来い!!」
「聖水なんてすぐに切れちまうぞ!!囲まれる前に逃げ……いや、何だあいつら!?」
「つ、強い!?」
地上に降りたレイナ達に城壁の兵士と冒険者達は避難するように声を掛けるが、4人がアンデッドを圧倒する光景を見て驚愕する。攻撃さえ通じればアンデッドなど大迷宮の魔物と比べれば強敵と呼べるほどでもなく、次々と打倒す。
「はああっ!!」
『ギャアッ!?』
特にフラガラッハとアスカロンを所有するレイナの攻撃はアンデッドに大して絶大な効果を生み、一振りするだけでアンデッドが灰と化す。切断力に特化したアスカロン、攻撃力を強化するフラガラッハの相性は良く、剣を振り払うだけで数体のアンデッドを浄化させる。
リル達の方もレイナのお陰で強化された聖水の効果により、アンデッドに対して聖剣程ではないが損傷を与えられた。特に魔爪術を扱うネコミンは魔力の爪を伸ばす事も可能らしく、鎖を取りつけたネイルリングを上手く利用していた。
「発射」
「あうっ!?」
「があっ!?」
「はぐっ!?」
「うあっ!?」
「え、そんな事も出来るの!?」
ネコミンは腕を伸ばすと指先に取りつけられた4つのネイルリングが放たれ、4対のアンデッドの胸元を突き差す。どうやら右手に覆う魔力を利用して操作しているらしく、彼女は腕を振るうとネイルリングに覆いこんだ魔力が変形して鎌のように切り裂く。
レイナ達の奮闘によって地上のアンデッドの大多数を倒した頃、城壁の上で悲鳴が上がる。何事かとレイナは顔を向けると、城壁の人間達はレイナ達に戻ってくるように促す。
「ま、まずい!!新手が来たぞ!!」
「しかも今度は人間じゃない、もっとやばいのがきたぞ!!」
「もっとやばいの……?」
城壁の人間達が示す方向にレイナは顔を向けると、そこには暗闇の中で紅色に光り輝く巨大な目を発見し、やがてオークの集団が出現した。こんな時に魔物が襲ってきたのかとレイナは驚いたが、オークの身体は半ば腐っており、すぐにレイナ達はアンデッドだと見抜く。
『フギィイイッ……!!』
「魔物のアンデッド!?」
「気を付けろ、今度の奴等は厄介だぞ!!」
30体近くのオークのアンデッドが出現した事にリルは警戒するように注意すると、レイナはフラガラッハとアスカロンを構えて迎え撃つ。まさか魔物もアンデッドになるなど初めて知ったが、冷静に対処すれば問題はないと判断し、オークの集団に突っ込む。
「このっ!!」
「ヒギィッ!?」
試しにオークに切りかかると人間のアンデッドと同様に身体が灰と化して崩れ去り、別に魔物がアンデッドになったからといって聖属性の攻撃が弱点である事に変わりはないらしい。むしろ人間よりも鈍重なので戦いやすく、次々とレイナは聖剣を振り翳してオークを葬ると、リル達も加勢して援護を行う。
「レイナ君!!そろそろ戻る準備をしろ、休憩を挟まないと流石にこの数はきつい!!」
「すんすん……また新しいのが近づいている」
「くそ、何体いるんだ!?」
「はああっ!!」
リル達と連携してレイナはオークの集団を一掃すると、ネコミンの鼻が新たなアンデッドが接近している事に気付き、今度は何が来るのかとレイナ達は待ち構える。すると前方の方角から大きな足音が鳴り響く。
まるで巨大な生物が高速で接近してくるような足音を耳にしたレイナ達は目を見開き、信じられない事にこの足音には全員が聞き覚えがあった。しかし、接近してくる足音を耳にしてもレイナ達は信じられず、どうしてこの場所にあの魔物が現れたのかと動揺を示す。
「この足音は……まさか!?」
「全員、城壁に避難しろ!!ここは撤退するんだ!!」
「は、はい!!」
「レイナ、こっち」
「わっ!?」
ネコミンに腕を引かれてレイナ達は慌てて城壁まで下がると、すぐに城壁の人間達が梯子を下ろしてレイナ達を引き上げてくれた。無茶をした彼女達に怒る者がいる一方、彼女達のお陰でアンデッドの大半が一層した事に感謝する者も居た。
「おい、お前等無茶をし過ぎだぞ!!」
「けど、これでアンデッドも粗方片付いたな……」
「だけど、なんだこの音は……アンデッドの大群がまた近付いているのか?」
「そんな生易しい相手じゃない!!来るぞ、衝撃に備えるんだ!!」
『えっ?』
リルの警告の城壁の兵士は戸惑うが、直後に彼等も草原の方から聞こえてきた魔物の咆哮を耳にして震え上がる。
――アガァアアアッ!!
数体の牙竜の咆哮が草原の方角から鳴り響き、派手な土煙を舞い上げながら街の方角に目掛けて接近してくる光景が城壁の上からでも確認すると、兵士と冒険者達は悲鳴を上げる事も出来ずに呆然と立ち尽くす事しか出来ない。
「聖水なんてすぐに切れちまうぞ!!囲まれる前に逃げ……いや、何だあいつら!?」
「つ、強い!?」
地上に降りたレイナ達に城壁の兵士と冒険者達は避難するように声を掛けるが、4人がアンデッドを圧倒する光景を見て驚愕する。攻撃さえ通じればアンデッドなど大迷宮の魔物と比べれば強敵と呼べるほどでもなく、次々と打倒す。
「はああっ!!」
『ギャアッ!?』
特にフラガラッハとアスカロンを所有するレイナの攻撃はアンデッドに大して絶大な効果を生み、一振りするだけでアンデッドが灰と化す。切断力に特化したアスカロン、攻撃力を強化するフラガラッハの相性は良く、剣を振り払うだけで数体のアンデッドを浄化させる。
リル達の方もレイナのお陰で強化された聖水の効果により、アンデッドに対して聖剣程ではないが損傷を与えられた。特に魔爪術を扱うネコミンは魔力の爪を伸ばす事も可能らしく、鎖を取りつけたネイルリングを上手く利用していた。
「発射」
「あうっ!?」
「があっ!?」
「はぐっ!?」
「うあっ!?」
「え、そんな事も出来るの!?」
ネコミンは腕を伸ばすと指先に取りつけられた4つのネイルリングが放たれ、4対のアンデッドの胸元を突き差す。どうやら右手に覆う魔力を利用して操作しているらしく、彼女は腕を振るうとネイルリングに覆いこんだ魔力が変形して鎌のように切り裂く。
レイナ達の奮闘によって地上のアンデッドの大多数を倒した頃、城壁の上で悲鳴が上がる。何事かとレイナは顔を向けると、城壁の人間達はレイナ達に戻ってくるように促す。
「ま、まずい!!新手が来たぞ!!」
「しかも今度は人間じゃない、もっとやばいのがきたぞ!!」
「もっとやばいの……?」
城壁の人間達が示す方向にレイナは顔を向けると、そこには暗闇の中で紅色に光り輝く巨大な目を発見し、やがてオークの集団が出現した。こんな時に魔物が襲ってきたのかとレイナは驚いたが、オークの身体は半ば腐っており、すぐにレイナ達はアンデッドだと見抜く。
『フギィイイッ……!!』
「魔物のアンデッド!?」
「気を付けろ、今度の奴等は厄介だぞ!!」
30体近くのオークのアンデッドが出現した事にリルは警戒するように注意すると、レイナはフラガラッハとアスカロンを構えて迎え撃つ。まさか魔物もアンデッドになるなど初めて知ったが、冷静に対処すれば問題はないと判断し、オークの集団に突っ込む。
「このっ!!」
「ヒギィッ!?」
試しにオークに切りかかると人間のアンデッドと同様に身体が灰と化して崩れ去り、別に魔物がアンデッドになったからといって聖属性の攻撃が弱点である事に変わりはないらしい。むしろ人間よりも鈍重なので戦いやすく、次々とレイナは聖剣を振り翳してオークを葬ると、リル達も加勢して援護を行う。
「レイナ君!!そろそろ戻る準備をしろ、休憩を挟まないと流石にこの数はきつい!!」
「すんすん……また新しいのが近づいている」
「くそ、何体いるんだ!?」
「はああっ!!」
リル達と連携してレイナはオークの集団を一掃すると、ネコミンの鼻が新たなアンデッドが接近している事に気付き、今度は何が来るのかとレイナ達は待ち構える。すると前方の方角から大きな足音が鳴り響く。
まるで巨大な生物が高速で接近してくるような足音を耳にしたレイナ達は目を見開き、信じられない事にこの足音には全員が聞き覚えがあった。しかし、接近してくる足音を耳にしてもレイナ達は信じられず、どうしてこの場所にあの魔物が現れたのかと動揺を示す。
「この足音は……まさか!?」
「全員、城壁に避難しろ!!ここは撤退するんだ!!」
「は、はい!!」
「レイナ、こっち」
「わっ!?」
ネコミンに腕を引かれてレイナ達は慌てて城壁まで下がると、すぐに城壁の人間達が梯子を下ろしてレイナ達を引き上げてくれた。無茶をした彼女達に怒る者がいる一方、彼女達のお陰でアンデッドの大半が一層した事に感謝する者も居た。
「おい、お前等無茶をし過ぎだぞ!!」
「けど、これでアンデッドも粗方片付いたな……」
「だけど、なんだこの音は……アンデッドの大群がまた近付いているのか?」
「そんな生易しい相手じゃない!!来るぞ、衝撃に備えるんだ!!」
『えっ?』
リルの警告の城壁の兵士は戸惑うが、直後に彼等も草原の方から聞こえてきた魔物の咆哮を耳にして震え上がる。
――アガァアアアッ!!
数体の牙竜の咆哮が草原の方角から鳴り響き、派手な土煙を舞い上げながら街の方角に目掛けて接近してくる光景が城壁の上からでも確認すると、兵士と冒険者達は悲鳴を上げる事も出来ずに呆然と立ち尽くす事しか出来ない。
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