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城下町編
第69話 技能「命中」
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「くっ……やっと耳が聞こえるようになってきた。それにしても、今のはいったい……魔法を使ったのか?」
「いえ、地球の武器です。といっても、普通はこんな威力はないんですけど……」
「ともかく、今のはもう二度とやるんじゃないぞ!!もしも爆発で通路が崩れたらどうする?下手をしたら天井が崩れて私達も生き埋めになっていたのかもしれないんだぞ!!」
「あ、そうか……本当にすいませんでした」
「気を付ける……耳が千切れるかと思った」
リル達は通路に起きた大爆発を確認すると、レイナに注意を行う。これほどの爆発を引き起こす武器を所持していたのならば事前に報告しておくこと、そして地下空間でこんな爆発を引き起こせば天井や通路が崩壊する危険性をしっかりと伝え、安易に爆発を引き起こす道具は使わない事を誓わせた。
だが、結果とすれば厄介なゴーレムの3体を倒す事には成功し、これで邪魔者の妨害を受けずに階段が存在する場所まで辿り着けそうだった。しかし、爆発を聞きつけて他の魔物が駆けつける可能性があるため、急いでレイナ達は行動を開始する。
「よし、今の内に通路を進もう。全員、離れるんじゃないぞ」
「あれ、ゴーレムの核を回収しないんですか?」
「そんな暇はない!!そもそもこれだけの爆発だぞ?核も粉々になっているに決まっているだろうが!!」
チイのツッコミにレイナは納得し、今回はゴーレムの核の回収を行わずに4人は通路を駆け抜ける。地図製作の画面を確認し、遂に階段の前まで辿り着こうとした時、通路の前方から人影が姿を現す。
「シャアアッ!!」
「くっ!?」
「またこいつか!!」
「しつこい……!!」
通路を遮ったのは「ガーゴイル」であり、以前に倒した個体よりも体格は小さいが、その分に動作も素早く、真っ先に戦闘を走っていたリルに襲いかかる。彼女は長剣を引き抜いて応戦しようとするが、その前にガーゴイルの爪が放たれ、引き抜こうとした剣を弾かれる。
「しまった!?」
「シャアッ!!」
「させるか!!乱切り!!」
武器を失ったリルにガーゴイルは腕を伸ばそうとするが、その前にチイが短剣を引き抜いてガーゴイルに切りかかる。しかし、頑丈な外殻で覆われているガーゴイルには短剣の刃を弾き返し、逆にチイの短剣の方が刃毀れを起こしてしまう。
純粋な外殻の硬度はゴーレムを上回り、更に素早さや刃物の如く鋭い牙や爪を持つガーゴイルには並大抵の攻撃では損傷を与えられない。しかし、確実にガーゴイルを倒す事が出来る武器をレイナは所持していた。
「二人とも、下がってください!!」
カバンから「マグナム」を取り出したレイナはガーゴイルに構え、発砲の準備を行う。すぐにリルとチイは壁際に移動してガーゴイルから離れると、自分に向けて奇怪な道具を構えるレイナにガーゴイルは戸惑う。
「シャアッ……!?」
「当たれっ!!」
最初にレイナが遭遇したガーゴイルに弾丸を命中させる事が出来たのはただの「偶然」だった。普通に考えれば射撃の訓練も受けた事がない人間が初めて扱う銃で標的を狙い撃つなど不可能に近い。しかし、今現在のレイナはSPを消費した事で覚えた技能が存在する。
『命中――投擲、弓矢、銃などの武器の使用時の命中力の向上』
マグナムを使用する際に念のために覚えておいた技能により、レイナは最初に発砲した時と比べ、自分の心が落ち着いていることを実感する。相手との距離を見計らい、どの角度で弾丸を撃ち込めばよいのかを本能で理解すると、狙いを定めて引き金の指に力を込めた。
「ここだっ!!」
「シャアッ――!?」
迷宮内に発砲音が響き渡り、マグナムから発射された弾丸がガーゴイルの眉間を見事に撃ちぬく。その威力は凄まじく、刃物では傷をつけることが出来なかったガーゴイルの頑丈な外殻を貫通し、天井にまで到達してめり込む。しばらくの間は頭部を撃ちぬかれたガーゴイルは痙攣していたが、やがて力を失ったように倒れ込む。
マグナムを握り締めたレイナに対して、そのあまりの威力に他の3人は呆気に取られ、あれほど厄介なガーゴイルを一撃で倒した事に呆然とする。前にもレイナはガーゴイルを倒した事はあるが、今回の場合は明らかに雰囲気が異なり、彼女が完全にマグナムを使いこなしていた。
「ふうっ……当たって良かった。リルさん、チイさん、無事ですか?」
「あ、ああ……お前のお陰でな」
「助かったよ。ありがとう……しかし、凄い武器だな」
リルはガーゴイルの頭部を撃ちぬいたマグナムに視線を向け、彼女の目にはマグナムから発射された弾丸を捕らえる事が出来ず、発砲音が鳴り響いた瞬間にガーゴイルの眉間がめり込んだようにしか見えなかった。そんな武器を使いこなすレイナを見て、リル達は改めって彼女が「勇者」である事を理解する。
一方でレイナは倒れたガーゴイルに視線を向け、確実に死亡していることを確認するとマグナムをカバンに戻す。この武器は下手に扱えず、ここぞという時にしか使用しないように心掛ける。そして遂にレイナ達は第三階層へと続く階段へとたどり着いた。
「いえ、地球の武器です。といっても、普通はこんな威力はないんですけど……」
「ともかく、今のはもう二度とやるんじゃないぞ!!もしも爆発で通路が崩れたらどうする?下手をしたら天井が崩れて私達も生き埋めになっていたのかもしれないんだぞ!!」
「あ、そうか……本当にすいませんでした」
「気を付ける……耳が千切れるかと思った」
リル達は通路に起きた大爆発を確認すると、レイナに注意を行う。これほどの爆発を引き起こす武器を所持していたのならば事前に報告しておくこと、そして地下空間でこんな爆発を引き起こせば天井や通路が崩壊する危険性をしっかりと伝え、安易に爆発を引き起こす道具は使わない事を誓わせた。
だが、結果とすれば厄介なゴーレムの3体を倒す事には成功し、これで邪魔者の妨害を受けずに階段が存在する場所まで辿り着けそうだった。しかし、爆発を聞きつけて他の魔物が駆けつける可能性があるため、急いでレイナ達は行動を開始する。
「よし、今の内に通路を進もう。全員、離れるんじゃないぞ」
「あれ、ゴーレムの核を回収しないんですか?」
「そんな暇はない!!そもそもこれだけの爆発だぞ?核も粉々になっているに決まっているだろうが!!」
チイのツッコミにレイナは納得し、今回はゴーレムの核の回収を行わずに4人は通路を駆け抜ける。地図製作の画面を確認し、遂に階段の前まで辿り着こうとした時、通路の前方から人影が姿を現す。
「シャアアッ!!」
「くっ!?」
「またこいつか!!」
「しつこい……!!」
通路を遮ったのは「ガーゴイル」であり、以前に倒した個体よりも体格は小さいが、その分に動作も素早く、真っ先に戦闘を走っていたリルに襲いかかる。彼女は長剣を引き抜いて応戦しようとするが、その前にガーゴイルの爪が放たれ、引き抜こうとした剣を弾かれる。
「しまった!?」
「シャアッ!!」
「させるか!!乱切り!!」
武器を失ったリルにガーゴイルは腕を伸ばそうとするが、その前にチイが短剣を引き抜いてガーゴイルに切りかかる。しかし、頑丈な外殻で覆われているガーゴイルには短剣の刃を弾き返し、逆にチイの短剣の方が刃毀れを起こしてしまう。
純粋な外殻の硬度はゴーレムを上回り、更に素早さや刃物の如く鋭い牙や爪を持つガーゴイルには並大抵の攻撃では損傷を与えられない。しかし、確実にガーゴイルを倒す事が出来る武器をレイナは所持していた。
「二人とも、下がってください!!」
カバンから「マグナム」を取り出したレイナはガーゴイルに構え、発砲の準備を行う。すぐにリルとチイは壁際に移動してガーゴイルから離れると、自分に向けて奇怪な道具を構えるレイナにガーゴイルは戸惑う。
「シャアッ……!?」
「当たれっ!!」
最初にレイナが遭遇したガーゴイルに弾丸を命中させる事が出来たのはただの「偶然」だった。普通に考えれば射撃の訓練も受けた事がない人間が初めて扱う銃で標的を狙い撃つなど不可能に近い。しかし、今現在のレイナはSPを消費した事で覚えた技能が存在する。
『命中――投擲、弓矢、銃などの武器の使用時の命中力の向上』
マグナムを使用する際に念のために覚えておいた技能により、レイナは最初に発砲した時と比べ、自分の心が落ち着いていることを実感する。相手との距離を見計らい、どの角度で弾丸を撃ち込めばよいのかを本能で理解すると、狙いを定めて引き金の指に力を込めた。
「ここだっ!!」
「シャアッ――!?」
迷宮内に発砲音が響き渡り、マグナムから発射された弾丸がガーゴイルの眉間を見事に撃ちぬく。その威力は凄まじく、刃物では傷をつけることが出来なかったガーゴイルの頑丈な外殻を貫通し、天井にまで到達してめり込む。しばらくの間は頭部を撃ちぬかれたガーゴイルは痙攣していたが、やがて力を失ったように倒れ込む。
マグナムを握り締めたレイナに対して、そのあまりの威力に他の3人は呆気に取られ、あれほど厄介なガーゴイルを一撃で倒した事に呆然とする。前にもレイナはガーゴイルを倒した事はあるが、今回の場合は明らかに雰囲気が異なり、彼女が完全にマグナムを使いこなしていた。
「ふうっ……当たって良かった。リルさん、チイさん、無事ですか?」
「あ、ああ……お前のお陰でな」
「助かったよ。ありがとう……しかし、凄い武器だな」
リルはガーゴイルの頭部を撃ちぬいたマグナムに視線を向け、彼女の目にはマグナムから発射された弾丸を捕らえる事が出来ず、発砲音が鳴り響いた瞬間にガーゴイルの眉間がめり込んだようにしか見えなかった。そんな武器を使いこなすレイナを見て、リル達は改めって彼女が「勇者」である事を理解する。
一方でレイナは倒れたガーゴイルに視線を向け、確実に死亡していることを確認するとマグナムをカバンに戻す。この武器は下手に扱えず、ここぞという時にしか使用しないように心掛ける。そして遂にレイナ達は第三階層へと続く階段へとたどり着いた。
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