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戦姫編
バイコーン
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突如出現したバイコーンに対し、レナ達は進行を止めてしまう。その間にも周囲のオーク達が接近するが、バイコーンの存在に気付いた瞬間に恐怖の表情を浮かべて立ち止まる。
『プギィイイイッ……!?』
『ふん……豚共がっ、我がいない隙に随分と増えたようだな……消え失せろっ!!』
バイコーンがその場で咆哮を放ち、周囲に衝撃波のように振動が広がり、オーク達は悲鳴を上げて逃走を開始する。その様子にレナ達は圧倒され、やがて草原を埋め尽くしていたオークの群れが消え去る。何が起きたのか理解するのに時間は掛かったが、レナはバイコーンがオークを追い払った事に気付く。
「あ、ありがとう……」
『礼には及ばん。そもそもあの豚共の始末は我の役割だったのだが……あの忌まわしき大蛇のせいで役目を果たせず、奴等を森の外に出してしまった……すまない』
「役割……役目?」
「おい、レナ……一人で何をぶつぶつと言ってんだい。まさかあんた馬の言葉が分かるのかい?」
「そ、そうなのかレナ殿?」
「凄いですっ!!お馬さんと話せるんですか!?」
「え、いや……」
『残念ながら他の人間には我の言葉は届いていないぞ。』
レナの脳内にはバイコーンの声が伝わっているが、他の人間は彼がバイコーンに話しかけているようにしか見えず、どうして自分だけがバイコーンの言葉を理解できるのかレナは疑問を抱くと、彼の考えを察したようにバイコーンが話しかけてくる。
『お前だけが我の言葉を理解できるのは闇属性の魔力の持ち主だからだ。我の魔力とお前の魔力の波長を合わせて「念話」を行っている。他の人間に言葉が通じないのは闇属性の魔力を持っていないからだ』
「闇属性の魔力……」
『正直に言えば人間の中に闇属性の使い手など死霊使い程度の輩しか存在しないと思っていたが、どうやらお前は奴等とは違うようだな……だが、今は都合が良い』
「あの……それで俺に何か用ですか?」
最初にバイコーンが現れたのはレナが聖水を利用していた事で聖属性の魔力に反応した事が原因と思われたが、彼が会話を行う限りではバイコーンに攻撃の意思はなく、何らかのか事情がある事を伺い、レナは率直に問い質すとバイコーンは頷く素振りを行う。
『この草原で豚共を狩っている途中、闇属性の魔力を感じ取り、駆け付けた先にお前が居た。一つ頼みたい事がある……お前の魔力を少し分けてくれないか?』
「魔力を分ける?」
『お前は……付与魔術士だろう?人間の中で死霊使い以外に闇属性を扱えるのは付与魔術師と支援魔術師の職業の人間だけだからな……そして先ほどの戦闘でお前が付与魔法の使い手だと分かった』
バイコーンはレナがオークとの戦闘に浮揚魔術を利用した場面も目撃しており、彼を付与魔術師だと見抜くと自分に魔力を分け与えて貰うために追跡を行い、レナを引き留めた。
「魔力を分けるのは別にいいですけど……どうすればいいんですか?」
『別に特別な行為をする必要はない。我の身体に触り、魔力を直接送り込んでくれ……つまり付与魔法を施してくれ』
「ああ、なるほど……」
『おっと、言っておくが闇属性以外の付与魔法を間違っても施すなよ……特に聖属性には気を付けろ。下手に刺激されたら理性を失ってお前達を殺し兼ねんからな』
「物騒な馬だな……」
バイコーンの申し出に対し、仕方なくレナは掌を直接触れて闇属性の付与魔法を施す。時間にそれほど余裕はないので急いで移動する必要があり、彼は一気にバイコーンに魔力を送り込む。
「闇属性」
『おおっ……素晴らしい。これほどの上質な魔力は久しぶりだな……もう少し頼む』
「え、まだ?」
「何をしてるんだい?」
「ふ、触れても大丈夫なのか?」
レナが魔力を送り込むとバイコーンは気持ちよさそうに彼に頭を擦り寄り、その光景の他の人間達が驚愕するが、当のレナ本人はコトミンやアイリィに聖属性の付与魔法を施す要領で魔力を送り込み、やがてバイコーンは満足したかのように全身の体毛を逆立たせ、雄叫びを上げる。
『ふははははっ!!遂に回復を果たしたぞっ!!あの蛇め……今度こそ我の前に跪かせてやる』
「蛇って……そういえばさっき深淵の森の事を……」
『礼を言うぞ名も知らぬ人間の子よ。我の魔力を回復させた礼にお前に力を与えてやろう……利き腕を前に差し出せ』
「利き腕?」
興奮した様子でバイコーンはレナに語り掛けると、彼は右腕を差し出す。するとバイコーンは自分の額に存在する2つの角を差し出し、角の1つを彼の皮膚に軽く突き刺す。
「あいてっ!?」
『すまんな……だが、すぐに痛みは治まる』
「な、何を……」
注射器に突き刺されたような感覚がレナに襲い掛かり、即座にバイコーンは角を引き抜くと、レナの左腕には黒色の「三日月」を想像させる紋様が浮かんでいた。
※この章までは10時と11時に投稿します。
『プギィイイイッ……!?』
『ふん……豚共がっ、我がいない隙に随分と増えたようだな……消え失せろっ!!』
バイコーンがその場で咆哮を放ち、周囲に衝撃波のように振動が広がり、オーク達は悲鳴を上げて逃走を開始する。その様子にレナ達は圧倒され、やがて草原を埋め尽くしていたオークの群れが消え去る。何が起きたのか理解するのに時間は掛かったが、レナはバイコーンがオークを追い払った事に気付く。
「あ、ありがとう……」
『礼には及ばん。そもそもあの豚共の始末は我の役割だったのだが……あの忌まわしき大蛇のせいで役目を果たせず、奴等を森の外に出してしまった……すまない』
「役割……役目?」
「おい、レナ……一人で何をぶつぶつと言ってんだい。まさかあんた馬の言葉が分かるのかい?」
「そ、そうなのかレナ殿?」
「凄いですっ!!お馬さんと話せるんですか!?」
「え、いや……」
『残念ながら他の人間には我の言葉は届いていないぞ。』
レナの脳内にはバイコーンの声が伝わっているが、他の人間は彼がバイコーンに話しかけているようにしか見えず、どうして自分だけがバイコーンの言葉を理解できるのかレナは疑問を抱くと、彼の考えを察したようにバイコーンが話しかけてくる。
『お前だけが我の言葉を理解できるのは闇属性の魔力の持ち主だからだ。我の魔力とお前の魔力の波長を合わせて「念話」を行っている。他の人間に言葉が通じないのは闇属性の魔力を持っていないからだ』
「闇属性の魔力……」
『正直に言えば人間の中に闇属性の使い手など死霊使い程度の輩しか存在しないと思っていたが、どうやらお前は奴等とは違うようだな……だが、今は都合が良い』
「あの……それで俺に何か用ですか?」
最初にバイコーンが現れたのはレナが聖水を利用していた事で聖属性の魔力に反応した事が原因と思われたが、彼が会話を行う限りではバイコーンに攻撃の意思はなく、何らかのか事情がある事を伺い、レナは率直に問い質すとバイコーンは頷く素振りを行う。
『この草原で豚共を狩っている途中、闇属性の魔力を感じ取り、駆け付けた先にお前が居た。一つ頼みたい事がある……お前の魔力を少し分けてくれないか?』
「魔力を分ける?」
『お前は……付与魔術士だろう?人間の中で死霊使い以外に闇属性を扱えるのは付与魔術師と支援魔術師の職業の人間だけだからな……そして先ほどの戦闘でお前が付与魔法の使い手だと分かった』
バイコーンはレナがオークとの戦闘に浮揚魔術を利用した場面も目撃しており、彼を付与魔術師だと見抜くと自分に魔力を分け与えて貰うために追跡を行い、レナを引き留めた。
「魔力を分けるのは別にいいですけど……どうすればいいんですか?」
『別に特別な行為をする必要はない。我の身体に触り、魔力を直接送り込んでくれ……つまり付与魔法を施してくれ』
「ああ、なるほど……」
『おっと、言っておくが闇属性以外の付与魔法を間違っても施すなよ……特に聖属性には気を付けろ。下手に刺激されたら理性を失ってお前達を殺し兼ねんからな』
「物騒な馬だな……」
バイコーンの申し出に対し、仕方なくレナは掌を直接触れて闇属性の付与魔法を施す。時間にそれほど余裕はないので急いで移動する必要があり、彼は一気にバイコーンに魔力を送り込む。
「闇属性」
『おおっ……素晴らしい。これほどの上質な魔力は久しぶりだな……もう少し頼む』
「え、まだ?」
「何をしてるんだい?」
「ふ、触れても大丈夫なのか?」
レナが魔力を送り込むとバイコーンは気持ちよさそうに彼に頭を擦り寄り、その光景の他の人間達が驚愕するが、当のレナ本人はコトミンやアイリィに聖属性の付与魔法を施す要領で魔力を送り込み、やがてバイコーンは満足したかのように全身の体毛を逆立たせ、雄叫びを上げる。
『ふははははっ!!遂に回復を果たしたぞっ!!あの蛇め……今度こそ我の前に跪かせてやる』
「蛇って……そういえばさっき深淵の森の事を……」
『礼を言うぞ名も知らぬ人間の子よ。我の魔力を回復させた礼にお前に力を与えてやろう……利き腕を前に差し出せ』
「利き腕?」
興奮した様子でバイコーンはレナに語り掛けると、彼は右腕を差し出す。するとバイコーンは自分の額に存在する2つの角を差し出し、角の1つを彼の皮膚に軽く突き刺す。
「あいてっ!?」
『すまんな……だが、すぐに痛みは治まる』
「な、何を……」
注射器に突き刺されたような感覚がレナに襲い掛かり、即座にバイコーンは角を引き抜くと、レナの左腕には黒色の「三日月」を想像させる紋様が浮かんでいた。
※この章までは10時と11時に投稿します。
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