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戦姫編
鍛冶屋に依頼
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「や、やっと読み終えた……」
「お疲れさまでした」
昼食を終え、遂に魔法書を読み終えたレナは机の上に倒れ込み、コウが食器を片付ける。読書中も彼の世話になったのでレナは礼を告げると、自分のステータスを確認する。
――ステータス――
・風属性 熟練度:10(限界値)
・火属性 熟練度:10(限界値)
・水属性 熟練度:10(限界値)
・雷属性 熟練度:10(限界値)
・土属性 熟練度:10(限界値)
・闇属性 熟練度:10(限界値)
・聖属性 熟練度:10(限界値)
全ての熟練度が限界値に到達し、レナは自分の熟練度が全て極めた事に感動を覚え、その一方で耐性の方を確認する。
――ステータス――
・風耐性 熟練度:6
・火耐性 熟練度:7
・水耐性 熟練度:7
・雷耐性 熟練度:6
こちらの方にはあまり変化はなく、アイリィの話によると魔法を使い続ければ熟練度が上昇するらしいが、魔法の熟練度よりも上昇率は低い。レナは身体を伸ばして熟練度を極めた魔法を試そうとした時、新しい画面が視界に表示された。
『全ての魔法の熟練度が限界値に到達しました。これより、強化スキルが解除されます』
新しく表示された画面にレナは首を傾げ、強化スキルという単語は聞き覚えがあり、能力を強化するスキルだとアイリィから伺っているが、特に新しいスキルを習得した様子はなく、未修得スキル一覧に追加されているのかと疑問を抱きながらもレナは魔道具店を退出する。
「じゃあ、早速試してみるか……スパゲティご馳走でした」
「またのお越しをお待ちしています」
レナはコウに別れの挨拶を告げて魔道具店を立ち去り、周囲を伺いながら魔法の訓練を行えそうな場所を探していると、ゴブリンの襲撃を受けて破壊された建物を発見する。現在はドワーフと巨人族の男達が修復作業を行っており、レナは彼等が取り扱っている材料に目を付ける。
「あの、すいません!!その板を1つ頂けませんか?」
「あん?こいつの事か?」
材料の板を運んでいるドワーフにレナは声を掛け、彼は不思議そうな表情を浮かべるが、レナは銀貨を1枚差し出す。
「1枚でいいです。これと交換してくれませんか?」
「おいおい……いいのかよ?こんなもんに銀貨なんて差し出してよ……」
「別にいいじゃねえか!!貰っとけよ!!」
「今日の酒代が浮いたなっ!!」
「まあ、別にいいけどよ……運ぶときは気を付けろよ」
「ありがとうございます」
レナはドワーフから1枚の板を受け取り、彼に銀貨を渡す。その後は収納石に板を回収させ、続いて行き付けの鍛冶屋に向かう。
帝都の中央街に存在するドワーフ族のゴアが経営する鍛冶屋に辿り着き、彼は昼過ぎから店を開くため、レナが到着した時には眠たそうな表情で鉄を打つ彼の姿があり、ゴアはレナに気づいて顔をあげる。
「なんだお前か……どうした?また矢の追加か?」
「それもお願いするけど、今日は武器も注文したい思って……」
「武器だと?おいおい……俺は魔術師の杖なんか作れねえぞ。そういうのはエルフ族に頼みやがれ」
基本的に魔術師が扱う杖や魔法腕輪を製作しているのドワーフ族ではなく、魔法の知識に精通するエルフ族であり、ゴアが腕利きの鍛冶屋であるのは間違いないが流石に魔術師の道具は扱えない。だが、今回レナが欲しいのは杖の類ではなく、もっと別の類の道具だった。
「杖じゃなくて短剣が欲しいんだ。出来れば凄く頑丈な奴が」
「解体用のナイフか?」
「いや、頑丈なら切れ味は鈍くても構わない。出来れば魔法耐性が高い奴が良いんだけど……」
「となると……ミスリルか銀が妥当だな。だが、そんなもんを何に使うんだ?まさか観賞用とか抜かすなよ……」
「実用性のある物です。お金はこれぐらいでいいですか?」
王女から受け取った報酬は有り余っており、レナは金貨が数十枚入った小袋をゴアに手渡すと彼は驚愕の表情を浮かべる。
「おいおい!!これだけの金を何処からかっぱらってきやがった!?お前さんは別に冒険者でもなんでもないんだろ?」
「まあまあ……別に不正な事をして儲けた訳じゃないですから引き受けてください」
「まあ、これだけあれば素材の材料費は問題ないが……どれくらいの数が欲しいんだ?」
「一先ずは20本ぐらい……それと魔石製の矢を属性別に10本ずつお願いします」
「分かったよ。久々の大仕事だ……時間を掛けてゆっくりと作り上げたいぜ」
「お願いします」
レナはゴアに仕事の依頼を頼み、陽光教会に戻る前に彼はもう一度帝都の外に移動する事にした。
「お疲れさまでした」
昼食を終え、遂に魔法書を読み終えたレナは机の上に倒れ込み、コウが食器を片付ける。読書中も彼の世話になったのでレナは礼を告げると、自分のステータスを確認する。
――ステータス――
・風属性 熟練度:10(限界値)
・火属性 熟練度:10(限界値)
・水属性 熟練度:10(限界値)
・雷属性 熟練度:10(限界値)
・土属性 熟練度:10(限界値)
・闇属性 熟練度:10(限界値)
・聖属性 熟練度:10(限界値)
全ての熟練度が限界値に到達し、レナは自分の熟練度が全て極めた事に感動を覚え、その一方で耐性の方を確認する。
――ステータス――
・風耐性 熟練度:6
・火耐性 熟練度:7
・水耐性 熟練度:7
・雷耐性 熟練度:6
こちらの方にはあまり変化はなく、アイリィの話によると魔法を使い続ければ熟練度が上昇するらしいが、魔法の熟練度よりも上昇率は低い。レナは身体を伸ばして熟練度を極めた魔法を試そうとした時、新しい画面が視界に表示された。
『全ての魔法の熟練度が限界値に到達しました。これより、強化スキルが解除されます』
新しく表示された画面にレナは首を傾げ、強化スキルという単語は聞き覚えがあり、能力を強化するスキルだとアイリィから伺っているが、特に新しいスキルを習得した様子はなく、未修得スキル一覧に追加されているのかと疑問を抱きながらもレナは魔道具店を退出する。
「じゃあ、早速試してみるか……スパゲティご馳走でした」
「またのお越しをお待ちしています」
レナはコウに別れの挨拶を告げて魔道具店を立ち去り、周囲を伺いながら魔法の訓練を行えそうな場所を探していると、ゴブリンの襲撃を受けて破壊された建物を発見する。現在はドワーフと巨人族の男達が修復作業を行っており、レナは彼等が取り扱っている材料に目を付ける。
「あの、すいません!!その板を1つ頂けませんか?」
「あん?こいつの事か?」
材料の板を運んでいるドワーフにレナは声を掛け、彼は不思議そうな表情を浮かべるが、レナは銀貨を1枚差し出す。
「1枚でいいです。これと交換してくれませんか?」
「おいおい……いいのかよ?こんなもんに銀貨なんて差し出してよ……」
「別にいいじゃねえか!!貰っとけよ!!」
「今日の酒代が浮いたなっ!!」
「まあ、別にいいけどよ……運ぶときは気を付けろよ」
「ありがとうございます」
レナはドワーフから1枚の板を受け取り、彼に銀貨を渡す。その後は収納石に板を回収させ、続いて行き付けの鍛冶屋に向かう。
帝都の中央街に存在するドワーフ族のゴアが経営する鍛冶屋に辿り着き、彼は昼過ぎから店を開くため、レナが到着した時には眠たそうな表情で鉄を打つ彼の姿があり、ゴアはレナに気づいて顔をあげる。
「なんだお前か……どうした?また矢の追加か?」
「それもお願いするけど、今日は武器も注文したい思って……」
「武器だと?おいおい……俺は魔術師の杖なんか作れねえぞ。そういうのはエルフ族に頼みやがれ」
基本的に魔術師が扱う杖や魔法腕輪を製作しているのドワーフ族ではなく、魔法の知識に精通するエルフ族であり、ゴアが腕利きの鍛冶屋であるのは間違いないが流石に魔術師の道具は扱えない。だが、今回レナが欲しいのは杖の類ではなく、もっと別の類の道具だった。
「杖じゃなくて短剣が欲しいんだ。出来れば凄く頑丈な奴が」
「解体用のナイフか?」
「いや、頑丈なら切れ味は鈍くても構わない。出来れば魔法耐性が高い奴が良いんだけど……」
「となると……ミスリルか銀が妥当だな。だが、そんなもんを何に使うんだ?まさか観賞用とか抜かすなよ……」
「実用性のある物です。お金はこれぐらいでいいですか?」
王女から受け取った報酬は有り余っており、レナは金貨が数十枚入った小袋をゴアに手渡すと彼は驚愕の表情を浮かべる。
「おいおい!!これだけの金を何処からかっぱらってきやがった!?お前さんは別に冒険者でもなんでもないんだろ?」
「まあまあ……別に不正な事をして儲けた訳じゃないですから引き受けてください」
「まあ、これだけあれば素材の材料費は問題ないが……どれくらいの数が欲しいんだ?」
「一先ずは20本ぐらい……それと魔石製の矢を属性別に10本ずつお願いします」
「分かったよ。久々の大仕事だ……時間を掛けてゆっくりと作り上げたいぜ」
「お願いします」
レナはゴアに仕事の依頼を頼み、陽光教会に戻る前に彼はもう一度帝都の外に移動する事にした。
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