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戦姫編
弓魔術
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「この射撃のスキルは技能だけど熟練度があるんだね」
「普通の弓以外だとクロスボウでも効果を発揮するスキルですからね。私も早く覚えたいですね」
「……アイリィは弓矢には向いていないと思う」
「失礼なっ!!こう見えても腕は上がったんですよ!!」
現在のレナは弓矢の訓練を行う際に新しいスキルを身に着ける事に成功し、彼が習得したのは「射撃」と呼ばれるスキルであり、このスキルの効果は弓矢等の武器を使用する際に矢の威力や速度が上昇するスキルであり、この際に彼は弓矢の戦法を身に着けるために新しいスキルをSPを使用して覚えた。
レナが習得したのは弓の戦技の「強射撃」と技能スキルの「速射」であり、前者は弓の威力を単発限定で強化させる戦技であり、後者のスキルは弓から矢を放つ動作を高速化させる能力であり、アイリィからも職業スキルの「射手」を習得する事を勧められ、弓矢を扱う時だけ副職の項目を射手に切り替える。
「よし……今度は付与魔法も組み合わせてみるか」
「おっ、やっと付与魔術師の本領が発揮できますね」
「……時々、レナが付与魔術師というのを忘れる」
「忘れるなっ……雷属性」
腰の矢筒から矢を取り出し、魔弓に構えた状態で雷属性の付与魔法を発動させ、矢に電流が迸る。普通の弓矢ならば迸る電流に耐え切れずに燃えてしまうが、ホノカの用意した魔弓は魔法耐性も備わっており、狙いを定めてレナは矢を放つ。
「行けっ!!」
「「おおっ」」
アイリィとコトミンの視界では魔弓から放たれた矢が電流によって発火を引き起こし、火炎の槍の様に変化して解き放たれる。レナが火属性の吸魔石を利用して生み出す「火炎槍」と比べると規模は小さいが、20メートル離れた的を正確に射抜き、木造の的を焼き尽くす。
「ふうっ……」
「中々凄いんじゃないですか?例の魔石の力を利用した「魔力砲撃」という攻撃法よりは威力は劣るかも知れませんが、飛距離は伸びましたよ」
「……格好良かった」
魔力砲撃とは吸魔石を利用して偶然にも生み出した攻撃法であり、名前が無いと不便なので仮称としてレナが名付けたが、こちらの場合は吸魔石の魔力を一気に消耗するので威力は凄まじいが、射程範囲が非常に短く、7~8メートルの距離の相手にしか使用できない。その点では魔力砲撃と比べると弓矢の方が射程範囲が長く、更に消費するのは矢だけなので吸魔石を消費せずに済む。
また、先ほどの射撃はレナの魔力だけで付与魔法を発動したが、魔法腕輪を発動させれば更に威力の強化が期待できる。他にもミキの助言通りに魔石を鏃の形状に加工させて矢に取り付ければ更に威力を増加させる事が可能であり、レナは魔弓の攻撃法を「弓魔術」と名付ける事にした。
「あっ……そう言えばホノカさんがいないなら魔道具店はどうなるのかな?閉店?」
「魔石なら別に市場でも買えますよ。もしくは冒険者ギルドに訪れれば魔石を販売していますから冒険者じゃなくとも購入できますよ」
「そっか……そう言えばゴンちゃんは元気かな?」
「ゴンゾウさんは確かこの間の事件の功績で階級が上がりましたからね。きっと今頃は他の冒険者が勧誘合戦を行っていますよ」
ゴブリンロードの討伐にはゴンゾウも協力しており、レナはミキに頼んで彼の功績を冒険者ギルドに伝えるように頼み込む。また、道中で遭遇したレッドゴブリンを多数倒していたゴンゾウの姿は一般人も目撃しており、彼に命を助けられた人間も多く、冒険者ギルド側も彼の功績を認め、特別に冒険者の階級を「Dランク」に昇格させる。彼の実力を考えればもっとの上の階吸でも可笑しくはないのだが、短期間で階級を上昇させ過ぎると他の冒険者から反感を買う恐れがあり、Dランクに収まった。
「ところでレナさん……これからもずっと陽光教会の人のお世話になるんですか?」
「いや……流石に別の街に行こうかと考えてる」
ゴブリンロードの一件以来、レナは顔と名前を大勢の人間に知られてしまい、毎日のように帝国の人間が陽光教会に訪れては彼を訪ねようとするが、ゴブリンロードの討伐の際にレナは大怪我を負い、現在は治療院で入院中であり、面会謝絶の状態だと教会側が宣言している。実際の彼は普通に病気も怪我も負っていないのだが、レナ自身が帝国の人間との接触は避けたい事を伝え、表向きはレナは陽光教会が保護という形で身柄を預かっている。
しかし、レナ自身も何時までも陽光教会に迷惑を掛ける気はなく、この際に他の都市に向う事を決める。まだ行先は決めていないが、新しい身分証を手に入れた以上は帝都に長居する気はなく、自分が元の世界に戻る方法を探すために旅に出る決意を抱く。
「普通の弓以外だとクロスボウでも効果を発揮するスキルですからね。私も早く覚えたいですね」
「……アイリィは弓矢には向いていないと思う」
「失礼なっ!!こう見えても腕は上がったんですよ!!」
現在のレナは弓矢の訓練を行う際に新しいスキルを身に着ける事に成功し、彼が習得したのは「射撃」と呼ばれるスキルであり、このスキルの効果は弓矢等の武器を使用する際に矢の威力や速度が上昇するスキルであり、この際に彼は弓矢の戦法を身に着けるために新しいスキルをSPを使用して覚えた。
レナが習得したのは弓の戦技の「強射撃」と技能スキルの「速射」であり、前者は弓の威力を単発限定で強化させる戦技であり、後者のスキルは弓から矢を放つ動作を高速化させる能力であり、アイリィからも職業スキルの「射手」を習得する事を勧められ、弓矢を扱う時だけ副職の項目を射手に切り替える。
「よし……今度は付与魔法も組み合わせてみるか」
「おっ、やっと付与魔術師の本領が発揮できますね」
「……時々、レナが付与魔術師というのを忘れる」
「忘れるなっ……雷属性」
腰の矢筒から矢を取り出し、魔弓に構えた状態で雷属性の付与魔法を発動させ、矢に電流が迸る。普通の弓矢ならば迸る電流に耐え切れずに燃えてしまうが、ホノカの用意した魔弓は魔法耐性も備わっており、狙いを定めてレナは矢を放つ。
「行けっ!!」
「「おおっ」」
アイリィとコトミンの視界では魔弓から放たれた矢が電流によって発火を引き起こし、火炎の槍の様に変化して解き放たれる。レナが火属性の吸魔石を利用して生み出す「火炎槍」と比べると規模は小さいが、20メートル離れた的を正確に射抜き、木造の的を焼き尽くす。
「ふうっ……」
「中々凄いんじゃないですか?例の魔石の力を利用した「魔力砲撃」という攻撃法よりは威力は劣るかも知れませんが、飛距離は伸びましたよ」
「……格好良かった」
魔力砲撃とは吸魔石を利用して偶然にも生み出した攻撃法であり、名前が無いと不便なので仮称としてレナが名付けたが、こちらの場合は吸魔石の魔力を一気に消耗するので威力は凄まじいが、射程範囲が非常に短く、7~8メートルの距離の相手にしか使用できない。その点では魔力砲撃と比べると弓矢の方が射程範囲が長く、更に消費するのは矢だけなので吸魔石を消費せずに済む。
また、先ほどの射撃はレナの魔力だけで付与魔法を発動したが、魔法腕輪を発動させれば更に威力の強化が期待できる。他にもミキの助言通りに魔石を鏃の形状に加工させて矢に取り付ければ更に威力を増加させる事が可能であり、レナは魔弓の攻撃法を「弓魔術」と名付ける事にした。
「あっ……そう言えばホノカさんがいないなら魔道具店はどうなるのかな?閉店?」
「魔石なら別に市場でも買えますよ。もしくは冒険者ギルドに訪れれば魔石を販売していますから冒険者じゃなくとも購入できますよ」
「そっか……そう言えばゴンちゃんは元気かな?」
「ゴンゾウさんは確かこの間の事件の功績で階級が上がりましたからね。きっと今頃は他の冒険者が勧誘合戦を行っていますよ」
ゴブリンロードの討伐にはゴンゾウも協力しており、レナはミキに頼んで彼の功績を冒険者ギルドに伝えるように頼み込む。また、道中で遭遇したレッドゴブリンを多数倒していたゴンゾウの姿は一般人も目撃しており、彼に命を助けられた人間も多く、冒険者ギルド側も彼の功績を認め、特別に冒険者の階級を「Dランク」に昇格させる。彼の実力を考えればもっとの上の階吸でも可笑しくはないのだが、短期間で階級を上昇させ過ぎると他の冒険者から反感を買う恐れがあり、Dランクに収まった。
「ところでレナさん……これからもずっと陽光教会の人のお世話になるんですか?」
「いや……流石に別の街に行こうかと考えてる」
ゴブリンロードの一件以来、レナは顔と名前を大勢の人間に知られてしまい、毎日のように帝国の人間が陽光教会に訪れては彼を訪ねようとするが、ゴブリンロードの討伐の際にレナは大怪我を負い、現在は治療院で入院中であり、面会謝絶の状態だと教会側が宣言している。実際の彼は普通に病気も怪我も負っていないのだが、レナ自身が帝国の人間との接触は避けたい事を伝え、表向きはレナは陽光教会が保護という形で身柄を預かっている。
しかし、レナ自身も何時までも陽光教会に迷惑を掛ける気はなく、この際に他の都市に向う事を決める。まだ行先は決めていないが、新しい身分証を手に入れた以上は帝都に長居する気はなく、自分が元の世界に戻る方法を探すために旅に出る決意を抱く。
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