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バルトロス帝国編
王女
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レナは彼女に助けを求めようと話しかけようとするが、すぐにデキンが口を開く。
「こ、この人物は勇者様の召喚に巻き込まれた一般人なのです!!ですから勇者としての力は何一つ持っていません!!」
「一般人……!?どういう事ですか?」
「実は先ほどこの場所で勇者様全員に儀式を行ったのですが、この男だけが特別な力を持っていない事が判明し、しかも覚えている職業は付与魔術師等だけだったのです!!」
「付与魔術師……?」
「あの不遇職の……」
王女はデキンの言葉に驚愕し、隣にいた黒髪の女騎士も驚いた表情を浮かべる。彼女達はレナに対して同情した視線を向け、一方でデキンは先ほどまでの高圧的な態度はどうしたのか、レナに対してわざとらしく気遣うように言葉を掛ける。
「彼が一般人だった事は残念ではありますが、我等としても戦力に期待できない人間をこの王城に置いておくことは出来ません。そこで彼には城外で暮らして貰う様に話を行っていたのですが……」
「本当ですか?私には兵士を使って彼を追い出そうとしていたように見えましたが……」
「そ、そんな事はありませんっ!!」
「……そこの御方、名前は何というのですか?」
「え、あ、霧咲レナです……」
唐突に王女から名前を尋ねられ、レナは正直に答えると彼女は彼を安心させるように微笑み掛け、掌を握り締める。
「私の名前はジャンヌ・バルトロスと申します。一つお聞きしたいのですが、こちらの大臣の言葉に嘘偽りはありませんか?もしも彼が嘘を吐いて誤魔化そうとしているのならば後で罰を与えなければなりませんが……」
「お、王女様!!そのような男の話など……」
「貴公は黙っていてもらおう。それとも、まさか王女様に異議を申し立てるつもりか?」
デキンが慌ててレナと王女の間に割って入ろうとするが、それを傍に居た女騎士が腰の長剣に手を伸ばして彼を停める。その彼女の行動にデキンは忌々し気に睨み付けるが、邪魔は出来ないのか悔し気に歯を食い縛る。レナは目の前の王女に助けを求めれば彼女は答えてくれるのではないかと考え、デキンの起こした行動を口にしようとした時、唐突に手を握りしめていた王女は口元を抑える。
「うっ……げほっ、かはっ……!!」
「えっ!?」
「王女様!?」
「また胸元の傷が痛むのですかっ!?」
「へ、平気です……くぅっ……」
どういう事なのか王女は胸元を唐突に抑えて跪き、そんな彼女に女騎士が駆け寄り、すぐに肩を貸す。彼女は意識を失いかけており、女騎士がデキンを睨み付ける。
「……私は王女様を病室に運びます。デキン大臣!!先ほどの話が本当ならばそこの御方を城外へ案内し、当面の生活を賄える資金を渡すはずですよね!?」
「くっ……!!わ、分かっておる!!」
「それを聞いて安心しました。さあ、王女様はこちらへ……」
「も、申し訳ありません……」
黒髪の女騎士は王女を引き連れて広間を立ち去り、取り残されたレナは呆然と彼女達を見つめるが、すぐにデキンが自分を睨み付けている事に気付き、彼に振り返るとデキンが懐に手を伸ばす場面を診てしまう。咄嗟にレナはデキンの行動に身構えてしまったが、取り出されたのは予想に反して革製の小袋であり、彼は忌々し気に舌打ち行いながらも小袋を地面に放り投げ、レナが戸惑った表情で小袋に視線を向けると苦々しく答える。
「さっさと拾えっ!!……王女様のご厚意に感謝しろ。少なくともそれだけあれば数日は遊んで過ごせるだろう。その間に仕事でも探して生き残る術でも探せっ!!」
「えっ?」
「ちぃっ……さっさと出ていけ!!ここを真っ直ぐ進めば正門に出る。そこから先は城下町が広がっているから自由に生きろ。但し、二度とこの城に戻ってくるんじゃないぞ!!」
自分の言いたい事だけを全て告げるとデキンは不機嫌な表情を浮かべたまま立ち去り、取り残されたレナは唖然と地面に落ちた小袋に視線を向け、恐る恐る拾い上げると中身を開く。袋の中にはこの世界の通貨と思われる銀貨と銅貨が入っており、先ほどの女騎士の言葉通りならばレナは城の外で生活しなければならない。
「一体何なんだ……」
レナは異世界に訪れたかと思ったら強制的に奇妙な儀式を受けさせられ、しかも儀式の結果で能力が低いと判断された瞬間に城の人間の態度が急変し、危うく城から追い出されかけたが、偶然にも訪れた王女のお蔭で当面の生活費が収められた小袋だけを渡され、自ら出ていくように指示された事になる。短い間に色々な出来事を迎えてしまい、レナは混乱してしまう。それでもこの場所に残り続ける事は出来ないと判断し、仕方なく小袋を受け取ってくデキンの言葉通りに城内の正門に向かう事にした。
「これ……幾らぐらいなんだろう」
彼は小袋の中身を確認しながら移動を行い、渡された袋の中身は銀貨が数枚と銅貨が十数枚だけであり、こちらの世界の通貨の単位が分からない以上は日本円に換算するとどの程度の価値なのか判断できない。それ以前に城を抜け出して城下町に出たとしても、この世界の事を何も知らないレナが生きていけるのか不明だった。デキンは最後に城の外で仕事を見つけ出せと言ったが、元の世界では普通の高校生だった彼がこちらの世界の職を見つける事が出来るのかは不明である。
「だけど……」
周囲を見渡し、レナは自分の後方から明らかに尾行している兵士に気付く。兵士はこちらの様子を伺っており、恐らくはデキンの指示でレナが本当に城を抜け出すのかを観察している様子であり、これでは他の人間に助けを求める事もできない。最初に見かけた人の良さそうな雰囲気の国王か、あるいは先ほど助けてくれた王女に出会えれば城に残して貰えるかも知れないが、兵士に監視されている状態では迂闊に城内を歩き回る事は出来ない。
結局、色々と考えている間にもレナは王城の城門の前にまで移動してしまい、左右には見張り役の兵士が存在した。事前に報告を受けていたのか彼等はレナの存在に気付いても何も語らず、首だけを動かして城門の外に移動するように指示を行う。そんな彼等の行動にレナは眉を顰めるが、ここで彼等に文句を言ったところでどうしようもない。
「はあっ……」
小袋を片手にレナは正門を潜り抜けると、後方から扉が閉じる音が聞こえる。どうやら本当に彼が戻ってきたとしても受け入れるつもりはないらしく、レナは一度だけ振り返ったが結局その場に残っても無駄だと悟り、城から立ち去る事にした――
「こ、この人物は勇者様の召喚に巻き込まれた一般人なのです!!ですから勇者としての力は何一つ持っていません!!」
「一般人……!?どういう事ですか?」
「実は先ほどこの場所で勇者様全員に儀式を行ったのですが、この男だけが特別な力を持っていない事が判明し、しかも覚えている職業は付与魔術師等だけだったのです!!」
「付与魔術師……?」
「あの不遇職の……」
王女はデキンの言葉に驚愕し、隣にいた黒髪の女騎士も驚いた表情を浮かべる。彼女達はレナに対して同情した視線を向け、一方でデキンは先ほどまでの高圧的な態度はどうしたのか、レナに対してわざとらしく気遣うように言葉を掛ける。
「彼が一般人だった事は残念ではありますが、我等としても戦力に期待できない人間をこの王城に置いておくことは出来ません。そこで彼には城外で暮らして貰う様に話を行っていたのですが……」
「本当ですか?私には兵士を使って彼を追い出そうとしていたように見えましたが……」
「そ、そんな事はありませんっ!!」
「……そこの御方、名前は何というのですか?」
「え、あ、霧咲レナです……」
唐突に王女から名前を尋ねられ、レナは正直に答えると彼女は彼を安心させるように微笑み掛け、掌を握り締める。
「私の名前はジャンヌ・バルトロスと申します。一つお聞きしたいのですが、こちらの大臣の言葉に嘘偽りはありませんか?もしも彼が嘘を吐いて誤魔化そうとしているのならば後で罰を与えなければなりませんが……」
「お、王女様!!そのような男の話など……」
「貴公は黙っていてもらおう。それとも、まさか王女様に異議を申し立てるつもりか?」
デキンが慌ててレナと王女の間に割って入ろうとするが、それを傍に居た女騎士が腰の長剣に手を伸ばして彼を停める。その彼女の行動にデキンは忌々し気に睨み付けるが、邪魔は出来ないのか悔し気に歯を食い縛る。レナは目の前の王女に助けを求めれば彼女は答えてくれるのではないかと考え、デキンの起こした行動を口にしようとした時、唐突に手を握りしめていた王女は口元を抑える。
「うっ……げほっ、かはっ……!!」
「えっ!?」
「王女様!?」
「また胸元の傷が痛むのですかっ!?」
「へ、平気です……くぅっ……」
どういう事なのか王女は胸元を唐突に抑えて跪き、そんな彼女に女騎士が駆け寄り、すぐに肩を貸す。彼女は意識を失いかけており、女騎士がデキンを睨み付ける。
「……私は王女様を病室に運びます。デキン大臣!!先ほどの話が本当ならばそこの御方を城外へ案内し、当面の生活を賄える資金を渡すはずですよね!?」
「くっ……!!わ、分かっておる!!」
「それを聞いて安心しました。さあ、王女様はこちらへ……」
「も、申し訳ありません……」
黒髪の女騎士は王女を引き連れて広間を立ち去り、取り残されたレナは呆然と彼女達を見つめるが、すぐにデキンが自分を睨み付けている事に気付き、彼に振り返るとデキンが懐に手を伸ばす場面を診てしまう。咄嗟にレナはデキンの行動に身構えてしまったが、取り出されたのは予想に反して革製の小袋であり、彼は忌々し気に舌打ち行いながらも小袋を地面に放り投げ、レナが戸惑った表情で小袋に視線を向けると苦々しく答える。
「さっさと拾えっ!!……王女様のご厚意に感謝しろ。少なくともそれだけあれば数日は遊んで過ごせるだろう。その間に仕事でも探して生き残る術でも探せっ!!」
「えっ?」
「ちぃっ……さっさと出ていけ!!ここを真っ直ぐ進めば正門に出る。そこから先は城下町が広がっているから自由に生きろ。但し、二度とこの城に戻ってくるんじゃないぞ!!」
自分の言いたい事だけを全て告げるとデキンは不機嫌な表情を浮かべたまま立ち去り、取り残されたレナは唖然と地面に落ちた小袋に視線を向け、恐る恐る拾い上げると中身を開く。袋の中にはこの世界の通貨と思われる銀貨と銅貨が入っており、先ほどの女騎士の言葉通りならばレナは城の外で生活しなければならない。
「一体何なんだ……」
レナは異世界に訪れたかと思ったら強制的に奇妙な儀式を受けさせられ、しかも儀式の結果で能力が低いと判断された瞬間に城の人間の態度が急変し、危うく城から追い出されかけたが、偶然にも訪れた王女のお蔭で当面の生活費が収められた小袋だけを渡され、自ら出ていくように指示された事になる。短い間に色々な出来事を迎えてしまい、レナは混乱してしまう。それでもこの場所に残り続ける事は出来ないと判断し、仕方なく小袋を受け取ってくデキンの言葉通りに城内の正門に向かう事にした。
「これ……幾らぐらいなんだろう」
彼は小袋の中身を確認しながら移動を行い、渡された袋の中身は銀貨が数枚と銅貨が十数枚だけであり、こちらの世界の通貨の単位が分からない以上は日本円に換算するとどの程度の価値なのか判断できない。それ以前に城を抜け出して城下町に出たとしても、この世界の事を何も知らないレナが生きていけるのか不明だった。デキンは最後に城の外で仕事を見つけ出せと言ったが、元の世界では普通の高校生だった彼がこちらの世界の職を見つける事が出来るのかは不明である。
「だけど……」
周囲を見渡し、レナは自分の後方から明らかに尾行している兵士に気付く。兵士はこちらの様子を伺っており、恐らくはデキンの指示でレナが本当に城を抜け出すのかを観察している様子であり、これでは他の人間に助けを求める事もできない。最初に見かけた人の良さそうな雰囲気の国王か、あるいは先ほど助けてくれた王女に出会えれば城に残して貰えるかも知れないが、兵士に監視されている状態では迂闊に城内を歩き回る事は出来ない。
結局、色々と考えている間にもレナは王城の城門の前にまで移動してしまい、左右には見張り役の兵士が存在した。事前に報告を受けていたのか彼等はレナの存在に気付いても何も語らず、首だけを動かして城門の外に移動するように指示を行う。そんな彼等の行動にレナは眉を顰めるが、ここで彼等に文句を言ったところでどうしようもない。
「はあっ……」
小袋を片手にレナは正門を潜り抜けると、後方から扉が閉じる音が聞こえる。どうやら本当に彼が戻ってきたとしても受け入れるつもりはないらしく、レナは一度だけ振り返ったが結局その場に残っても無駄だと悟り、城から立ち去る事にした――
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