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ゴブリンキング編
閑話 〈佐藤の怒り〉
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――子供のころから佐藤は野球というスポーツに憧れを抱いていた。彼の父親はプロ野球選手であり、投手として所属する球団の誰よりも活躍する姿に彼も幼い頃から父親の背中を追いかけて野球選手を目指す。毎日野球の練習を行い、中学時代は一年生でありながら野球部のエースに選ばれ、中学最後の年には全国大会にも出場を果たす。彼が白鐘学園に入学を決めた理由も甲子園の常連校として有名だからであり、一年生でありながらレギュラーに選ばれ、野球部の監督やコーチからは大きな期待を受ける。
しかし、異世界に召喚されてから佐藤の輝かしい野球人生が崩れ始め、レベルという概念の影響を受けた事で彼の運動能力は格段に落ちてしまう。それだけではなく、彼が元から持っていた「命中」という能力を失ってしまい、野球部のピッチャーとして次期エースと期待されていた彼にとっては命中の能力の消失は致命的な結果となる。
命中の能力は「命中力を高める効果」を発揮するスキルだったが、この力を失った事で佐藤はボールを的に当てる事も出来ず、初めてボールを投げた時の子供の頃の自分よりも命中率が落ちてしまい、父親のような投手のプロ野球選手として活躍する夢が崩れ去った。そして元の世界から戻ってきた佐藤の様子の異変に幼馴染たちは疑問を抱き、彼が戻ってきた翌日の学校の屋上で何が起きたのかを訪ねる。
「野球が出来ない!?」
「ああっ……僕はとんでもない事をしたんだ」
「どういう事だよ?なんで戻ってきたと思ったら野球が出来ない話に繋がるんだよ!!」
佐藤の説明に加藤が理由を問い質すと、彼はあちらの世界で起きた出来事を全て説明する。自分が元の世界に早く戻るために不用意に異能の「発動条件」を変更した事により、野球の投手としては最も重要な能力を失った事を告げた。
彼の事を小さい頃から知っている3人は佐藤がどどれほど野球に人生を捧げているのか知っており、打撃のセンスが無かった彼は投手として人一倍努力を積み重ねていたが、ボールを真面に投げる事は出来なければ投手どころか野手として活躍する事もできず、彼のプロ野球選手になるという夢は完全に閉ざされた事になる。
「もう僕は……野球が出来ないんだ」
「ま、待ってよ!!少し落ち着きなさいよ……そのSPというのを手に入れれば同じスキルを覚えられるんじゃない?レベルを上げればSPは手に入るんでしょ?」
「その方法は僕だって考えたさ……だから昨日から南京錠の鍵を何度も「開錠」のスキルで開いて熟練度を上昇させようとした。だけど結果は熟練度だけが上がっただけでレベルは上がらなかったんだよ!!」
佐藤はも必死に失った能力を取り戻すため、レベルを上昇させてSPを入手しようと頑張った。だが、施錠の熟練度を上昇させた事で経験値を入手してレベルを上昇させてSPを獲得しようとしたが、結局は何度スキルを発動させようと熟練度は一向に上がらず、レベルに変化はなかった。こちらの世界では経験値が入手できない仕組みがあるのではないかと佐藤は考えたが、もしも彼の推測が正しければこちらの世界では二度と佐藤はレベルが上がらず、SPを獲得して命中のスキルを取り返す事ができない。
「お、落ち着けよ……野球が出来なくなっただけだろ?そんなに……」
「野球が出来なくなっただけだと……!?」
「さ、聡君?」
加藤の迂闊な発言に佐藤は身体を起き上げ、幼馴染の三人にも見せた事が無い怒りの表情を抱き、拳を握りしめて彼の身体を掴み上げる。
「ふざけるなよ!!僕が……僕がどれだけ覚悟を決めていたのか知らないのか!!」
「さ、佐藤……!?」
「お、落ち着きなさいよ!!」
「どうしたの聡君!?」
「うるさい!!」
怒りが頂点に達した佐藤は拳を握りしめ、加藤の頬を殴りつける。レベル1の彼とレベル2での佐藤にはステータスに差が存在し、加藤は口元を切って倒れこむ。
「げほっ……くそっ!!」
「止めてっ!!」
加藤の方も頭に血が上り、佐藤に殴りつけようとするが彼は後ろに下がって躱すと、逆に加藤の身体を掴んで押し倒す。
「お前に!!何が分かるんだ!!」
「ぐはっ!!げほっ!?」
「止めて!!止めなさいよ!!」
「聡君!!」
馬乗りになって佐藤は加藤を殴り付け、他の2人が止めようとしたが彼は無理やり振り払い、加藤が鼻血を出しても殴り続けた。
「不良の、お前に、何が分かるんだ!!」
「ぐはぁっ!?」
「いい加減にしなさい!!」
鈴木が見ていられずに佐藤の頬に掌を叩き付けると、彼はやっと冷静さを取り戻し、自分の仕出かした行為に呆然とする。拳には加藤の血が媚びり付いており、彼は地面に倒れたまま動かない。
「か、加藤……」
「退きなさいよ!!」
佐藤は慌てて加藤から離れると鈴木が傷の具合を確認し、佐藤を睨み付ける。
「最低!!」
「うっ……す、すまない」
「誰に謝ってんのよ!!こんなになるまで殴るなんて……!!」
「聡君……」
「は、陽菜……」
女子二人は加藤に駆け寄り、冷たい視線を佐藤に向ける。彼は冷静さを取り戻し、自分の仕出かした行動に身体が震え、幼馴染の顔を殴りつけた感触が手元に残っていた。
「僕は……」
彼は三人に謝罪の言葉を掛けようとした時、視界にステータス画面が表示された。
『レベルが上昇しました。スキル「連打」を入手しました』
その文章を確認した瞬間、佐藤は目を見開き、すぐに自分のステータスを確認する。そこには「レベル3」と表示された自分のステータスが表示され、彼の待望の「SP」が蓄積されていた。
しかし、異世界に召喚されてから佐藤の輝かしい野球人生が崩れ始め、レベルという概念の影響を受けた事で彼の運動能力は格段に落ちてしまう。それだけではなく、彼が元から持っていた「命中」という能力を失ってしまい、野球部のピッチャーとして次期エースと期待されていた彼にとっては命中の能力の消失は致命的な結果となる。
命中の能力は「命中力を高める効果」を発揮するスキルだったが、この力を失った事で佐藤はボールを的に当てる事も出来ず、初めてボールを投げた時の子供の頃の自分よりも命中率が落ちてしまい、父親のような投手のプロ野球選手として活躍する夢が崩れ去った。そして元の世界から戻ってきた佐藤の様子の異変に幼馴染たちは疑問を抱き、彼が戻ってきた翌日の学校の屋上で何が起きたのかを訪ねる。
「野球が出来ない!?」
「ああっ……僕はとんでもない事をしたんだ」
「どういう事だよ?なんで戻ってきたと思ったら野球が出来ない話に繋がるんだよ!!」
佐藤の説明に加藤が理由を問い質すと、彼はあちらの世界で起きた出来事を全て説明する。自分が元の世界に早く戻るために不用意に異能の「発動条件」を変更した事により、野球の投手としては最も重要な能力を失った事を告げた。
彼の事を小さい頃から知っている3人は佐藤がどどれほど野球に人生を捧げているのか知っており、打撃のセンスが無かった彼は投手として人一倍努力を積み重ねていたが、ボールを真面に投げる事は出来なければ投手どころか野手として活躍する事もできず、彼のプロ野球選手になるという夢は完全に閉ざされた事になる。
「もう僕は……野球が出来ないんだ」
「ま、待ってよ!!少し落ち着きなさいよ……そのSPというのを手に入れれば同じスキルを覚えられるんじゃない?レベルを上げればSPは手に入るんでしょ?」
「その方法は僕だって考えたさ……だから昨日から南京錠の鍵を何度も「開錠」のスキルで開いて熟練度を上昇させようとした。だけど結果は熟練度だけが上がっただけでレベルは上がらなかったんだよ!!」
佐藤はも必死に失った能力を取り戻すため、レベルを上昇させてSPを入手しようと頑張った。だが、施錠の熟練度を上昇させた事で経験値を入手してレベルを上昇させてSPを獲得しようとしたが、結局は何度スキルを発動させようと熟練度は一向に上がらず、レベルに変化はなかった。こちらの世界では経験値が入手できない仕組みがあるのではないかと佐藤は考えたが、もしも彼の推測が正しければこちらの世界では二度と佐藤はレベルが上がらず、SPを獲得して命中のスキルを取り返す事ができない。
「お、落ち着けよ……野球が出来なくなっただけだろ?そんなに……」
「野球が出来なくなっただけだと……!?」
「さ、聡君?」
加藤の迂闊な発言に佐藤は身体を起き上げ、幼馴染の三人にも見せた事が無い怒りの表情を抱き、拳を握りしめて彼の身体を掴み上げる。
「ふざけるなよ!!僕が……僕がどれだけ覚悟を決めていたのか知らないのか!!」
「さ、佐藤……!?」
「お、落ち着きなさいよ!!」
「どうしたの聡君!?」
「うるさい!!」
怒りが頂点に達した佐藤は拳を握りしめ、加藤の頬を殴りつける。レベル1の彼とレベル2での佐藤にはステータスに差が存在し、加藤は口元を切って倒れこむ。
「げほっ……くそっ!!」
「止めてっ!!」
加藤の方も頭に血が上り、佐藤に殴りつけようとするが彼は後ろに下がって躱すと、逆に加藤の身体を掴んで押し倒す。
「お前に!!何が分かるんだ!!」
「ぐはっ!!げほっ!?」
「止めて!!止めなさいよ!!」
「聡君!!」
馬乗りになって佐藤は加藤を殴り付け、他の2人が止めようとしたが彼は無理やり振り払い、加藤が鼻血を出しても殴り続けた。
「不良の、お前に、何が分かるんだ!!」
「ぐはぁっ!?」
「いい加減にしなさい!!」
鈴木が見ていられずに佐藤の頬に掌を叩き付けると、彼はやっと冷静さを取り戻し、自分の仕出かした行為に呆然とする。拳には加藤の血が媚びり付いており、彼は地面に倒れたまま動かない。
「か、加藤……」
「退きなさいよ!!」
佐藤は慌てて加藤から離れると鈴木が傷の具合を確認し、佐藤を睨み付ける。
「最低!!」
「うっ……す、すまない」
「誰に謝ってんのよ!!こんなになるまで殴るなんて……!!」
「聡君……」
「は、陽菜……」
女子二人は加藤に駆け寄り、冷たい視線を佐藤に向ける。彼は冷静さを取り戻し、自分の仕出かした行動に身体が震え、幼馴染の顔を殴りつけた感触が手元に残っていた。
「僕は……」
彼は三人に謝罪の言葉を掛けようとした時、視界にステータス画面が表示された。
『レベルが上昇しました。スキル「連打」を入手しました』
その文章を確認した瞬間、佐藤は目を見開き、すぐに自分のステータスを確認する。そこには「レベル3」と表示された自分のステータスが表示され、彼の待望の「SP」が蓄積されていた。
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