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ゴブリンキング編
聖属性の付与魔法の隠された効果
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ミキとゴンゾウの試合が終了してから数分後、気絶したゴンゾウの前にレナ達が取り囲み、彼の具合を確かめる。意外にもミキの魔法で生じた傷は少なく、最後に頭を強打した事で軽い脳震盪を起こしただけであり、大きな怪我は存在しなかった。
「大丈夫?」
「ううっ……こ、ここは……俺は一体……」
「頭を打ったことでちょっと記憶が混濁しているようですね」
「おい、坊主!!お前はミキさんに負けたんだよ。覚えているかい?」
テンが頭を抑えるゴンゾウに勝負の結果を伝えると、彼は意識を失う前の出来事を思い出したのか頷き、自分が敗北した事を実感した事で悔しそうに拳を握りしめる。そんな彼の姿を見つめながらミキが近付き、回復薬を差し出す。
「これをどうぞ……量が少ないかも知れませんが、それぐらいの傷なら回復するでしょう」
「いや……薬を買える金は持っていない」
「代金はいりませんよ。正直に言えば最初に私の魔法を受けても耐え抜いた時点で貴方の実力は認めていました。ですが、こちらも熱が入り過ぎて止められませんでした。この回復薬はそのお詫びです」
「しかし……」
「素直に受け取ればいいじゃないですか。人の善意を無下にするのも失礼な行為ですよ」
「むうっ……分かった。ありがとう」
アイリィの言葉を聞いてゴンゾウはミキから回復薬を受け取り、指が大きすぎて蓋を開くのに手間取ったが、一気に中身を飲み干して怪我の治療を行う。それを確認したミキは場所を移動し、ゴンゾウのために冒険者ギルドの紹介状を渡す事を告げる。
「貴方の実力ならきっと冒険者としても活躍できるでしょう。ですがこれだけは覚えて置いて下さい。強いだけでは優秀な冒険者にはなれませんよ。仲間を作り、経験を積み、知恵も身に着けた時こそ一流の冒険者になれるのです」
「そう、なのか……?」
「それと貴方の戦闘法は力任せ過ぎます。そのような戦い方では自分よりも力が強い者には勝てません。その事を忘れないで下さい」
「……分かった」
ゴンゾウは深々とミキに頭を下げ、彼女は自分の言葉を素直に聞いてくれる彼に好感を抱き、一方でレナは彼の肘にまだ傷が残っている事に気付いた。
「あれ?ここにまだ傷が残ってるよ」
「ん?」
「あ、本当ですね。やっぱり、巨人族の方の場合だと回復薬の量が少なかったんですかね」
「ちょっと待ってて……すぐに治すから」
『え?』
レナの発言にミキとテンが彼に視線を向けると、レナはゴンゾウの右肘の傷口に掌を構え、無詠唱で聖属性の付与魔法を発動する。熟練度を限界値まで極めると魔法名も告げずに発動が可能であり、ゴンゾウの怪我が時間を巻き戻すように消え去り、その光景にミキとテンは目を見開き、ゴンゾウは傷が消えた事で腕の痛みが治まった事で彼に感謝する。
「おおっ……ありがとう」
「どういたしまして」
「え、いや、あの……ちょっと待ってください!!」
「おい、あんた今何をやったんだい?」
「え?どうしたんですか急に……」
「どうしたも何もなんで男のあんたが回復魔法を扱えるんだい!?」
「貴方も治癒魔導士の職業を身に着けているのですか?いや、でも……男性が治癒魔導士なんて聞いたことが……」
「あれ?言ってませんでした?レナさんは付与魔術師ですよ」
「「付与魔術師!?」」
この世界で回復魔法を扱えるのは治癒魔導士の職業を習得した者だけだが、人間の場合だと治癒魔導士は女性しか習得できない職業であり、人間の男性は治癒魔導士の職業を習得することが出来ない。だが、付与魔術師の職業の人間ならば聖属性の適性が存在すれば付与魔術として回復魔法を扱える。アイリィの発言に2人は驚き、同時に納得したように頷く。
「驚きましたねミキさん……噂には聞いてましたけど、まさか本当に治癒魔導士以外に回復魔法を扱える魔術師の職業があるなんて……」
「ええ……ですが、付与魔術はあまり効果が無いと聞いていましたが、傷の回復速度を見る限りでは我々の回復魔法にも劣っているようには見えませんね……」
「そりゃそうですよ。レノさんは熟練度を限界値まで極めてるんですから。それに魔力を与えられた方も実は魔力も回復するんですよ」
「限界値!?それは本当ですか!?」
「人の秘密を簡単にばらすな」
「あうちっ」
勝手に自身の秘密を話したアイリィにレナはチョップを食らわして黙らせ、そんな2人の反応にミキとテンは嘘を吐いている様子ではない事を悟り、ミキは深刻な面持ちでレナに尋ねる。
「あの……お聞きしたい事があるのですが、レナさんは本当に他者に魔力を送り込む事が出来るのですか?」
「えっと……まあ、聖属性の付与魔法を利用すれば一応は……」
最近に判明した事だが、レナはコトミンとアイリィに聖属性の付与魔法を施し続けてきた影響なのか、あるいは最初から聖属性の付与魔法には他者に魔力を流し込む能力も備わっているのが原因なのが、レナの聖属性の付与魔法は他人に魔力を送り込む事が出来る事が発覚する。
少し前にレナ達が宿泊している黒猫亭で宿屋のバイトをしているエリナが階段から誤って落ちた時に怪我をしてしまい、偶然それを見かけたレナが付与魔法で傷の治療を行った事があった。その時に彼女が傷の治療だけではなく、自分の中に魔力が流れ込んでいる事に気付き、エリナは「エルフ族」であり、魔法に関しては彼女の種族が最も優れた力を持っているため、エリナは自分の体内にレナの魔力が流れ込む感覚に気付く。
今までもレナはアイリィとコトミンに聖属性の魔力を渡していたが、それは彼女達が特別な存在だから自分の魔法を受けた時に魔力を吸収できると思い込んでいたのだが、実際にはレナの聖属性の付与魔法が他の生物に魔力を送り込める能力が存在し、今のゴンゾウの治療の時も微弱ではあるが彼の体内に魔力を送り込んでいた。
彼の話を聞き終えたミキとテンは顔を見合わせ、やがてミキの方がレナの元に近づき、彼の手を握りしめる。そんな彼女の行動に全員が驚くが、ミキは真剣な表情で彼に告げた。
「……レノ様、どうか貴方にお会いして欲しい人が居ます」
「えっ?」
唐突な彼女の願いにレナは戸惑うが、ミキの「声」からは強い意思が感じ取った。
「大丈夫?」
「ううっ……こ、ここは……俺は一体……」
「頭を打ったことでちょっと記憶が混濁しているようですね」
「おい、坊主!!お前はミキさんに負けたんだよ。覚えているかい?」
テンが頭を抑えるゴンゾウに勝負の結果を伝えると、彼は意識を失う前の出来事を思い出したのか頷き、自分が敗北した事を実感した事で悔しそうに拳を握りしめる。そんな彼の姿を見つめながらミキが近付き、回復薬を差し出す。
「これをどうぞ……量が少ないかも知れませんが、それぐらいの傷なら回復するでしょう」
「いや……薬を買える金は持っていない」
「代金はいりませんよ。正直に言えば最初に私の魔法を受けても耐え抜いた時点で貴方の実力は認めていました。ですが、こちらも熱が入り過ぎて止められませんでした。この回復薬はそのお詫びです」
「しかし……」
「素直に受け取ればいいじゃないですか。人の善意を無下にするのも失礼な行為ですよ」
「むうっ……分かった。ありがとう」
アイリィの言葉を聞いてゴンゾウはミキから回復薬を受け取り、指が大きすぎて蓋を開くのに手間取ったが、一気に中身を飲み干して怪我の治療を行う。それを確認したミキは場所を移動し、ゴンゾウのために冒険者ギルドの紹介状を渡す事を告げる。
「貴方の実力ならきっと冒険者としても活躍できるでしょう。ですがこれだけは覚えて置いて下さい。強いだけでは優秀な冒険者にはなれませんよ。仲間を作り、経験を積み、知恵も身に着けた時こそ一流の冒険者になれるのです」
「そう、なのか……?」
「それと貴方の戦闘法は力任せ過ぎます。そのような戦い方では自分よりも力が強い者には勝てません。その事を忘れないで下さい」
「……分かった」
ゴンゾウは深々とミキに頭を下げ、彼女は自分の言葉を素直に聞いてくれる彼に好感を抱き、一方でレナは彼の肘にまだ傷が残っている事に気付いた。
「あれ?ここにまだ傷が残ってるよ」
「ん?」
「あ、本当ですね。やっぱり、巨人族の方の場合だと回復薬の量が少なかったんですかね」
「ちょっと待ってて……すぐに治すから」
『え?』
レナの発言にミキとテンが彼に視線を向けると、レナはゴンゾウの右肘の傷口に掌を構え、無詠唱で聖属性の付与魔法を発動する。熟練度を限界値まで極めると魔法名も告げずに発動が可能であり、ゴンゾウの怪我が時間を巻き戻すように消え去り、その光景にミキとテンは目を見開き、ゴンゾウは傷が消えた事で腕の痛みが治まった事で彼に感謝する。
「おおっ……ありがとう」
「どういたしまして」
「え、いや、あの……ちょっと待ってください!!」
「おい、あんた今何をやったんだい?」
「え?どうしたんですか急に……」
「どうしたも何もなんで男のあんたが回復魔法を扱えるんだい!?」
「貴方も治癒魔導士の職業を身に着けているのですか?いや、でも……男性が治癒魔導士なんて聞いたことが……」
「あれ?言ってませんでした?レナさんは付与魔術師ですよ」
「「付与魔術師!?」」
この世界で回復魔法を扱えるのは治癒魔導士の職業を習得した者だけだが、人間の場合だと治癒魔導士は女性しか習得できない職業であり、人間の男性は治癒魔導士の職業を習得することが出来ない。だが、付与魔術師の職業の人間ならば聖属性の適性が存在すれば付与魔術として回復魔法を扱える。アイリィの発言に2人は驚き、同時に納得したように頷く。
「驚きましたねミキさん……噂には聞いてましたけど、まさか本当に治癒魔導士以外に回復魔法を扱える魔術師の職業があるなんて……」
「ええ……ですが、付与魔術はあまり効果が無いと聞いていましたが、傷の回復速度を見る限りでは我々の回復魔法にも劣っているようには見えませんね……」
「そりゃそうですよ。レノさんは熟練度を限界値まで極めてるんですから。それに魔力を与えられた方も実は魔力も回復するんですよ」
「限界値!?それは本当ですか!?」
「人の秘密を簡単にばらすな」
「あうちっ」
勝手に自身の秘密を話したアイリィにレナはチョップを食らわして黙らせ、そんな2人の反応にミキとテンは嘘を吐いている様子ではない事を悟り、ミキは深刻な面持ちでレナに尋ねる。
「あの……お聞きしたい事があるのですが、レナさんは本当に他者に魔力を送り込む事が出来るのですか?」
「えっと……まあ、聖属性の付与魔法を利用すれば一応は……」
最近に判明した事だが、レナはコトミンとアイリィに聖属性の付与魔法を施し続けてきた影響なのか、あるいは最初から聖属性の付与魔法には他者に魔力を流し込む能力も備わっているのが原因なのが、レナの聖属性の付与魔法は他人に魔力を送り込む事が出来る事が発覚する。
少し前にレナ達が宿泊している黒猫亭で宿屋のバイトをしているエリナが階段から誤って落ちた時に怪我をしてしまい、偶然それを見かけたレナが付与魔法で傷の治療を行った事があった。その時に彼女が傷の治療だけではなく、自分の中に魔力が流れ込んでいる事に気付き、エリナは「エルフ族」であり、魔法に関しては彼女の種族が最も優れた力を持っているため、エリナは自分の体内にレナの魔力が流れ込む感覚に気付く。
今までもレナはアイリィとコトミンに聖属性の魔力を渡していたが、それは彼女達が特別な存在だから自分の魔法を受けた時に魔力を吸収できると思い込んでいたのだが、実際にはレナの聖属性の付与魔法が他の生物に魔力を送り込める能力が存在し、今のゴンゾウの治療の時も微弱ではあるが彼の体内に魔力を送り込んでいた。
彼の話を聞き終えたミキとテンは顔を見合わせ、やがてミキの方がレナの元に近づき、彼の手を握りしめる。そんな彼女の行動に全員が驚くが、ミキは真剣な表情で彼に告げた。
「……レノ様、どうか貴方にお会いして欲しい人が居ます」
「えっ?」
唐突な彼女の願いにレナは戸惑うが、ミキの「声」からは強い意思が感じ取った。
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