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スラム編
吸魔石
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市場を移動中、レナは最初の頃に立ち寄っていた串焼き屋を思い出し、久しぶりに顔を見せようかとぁkレが考えていると途中で年若い女性に話し掛けられる。
「ちょっとそこの可愛い兄ちゃん!!うちの魔石を買っていかないかい?」
「呼ばれてますよレノさん」
「え、俺?」
アイリィの言葉にレナは振り替えると、そこには宝石のように煌めく様々な魔石を販売している露店商が存在し、販売しているのはエルフ族と思われる金髪の女性だった。
「その美人さん二人も見てきなよ。うちの魔石は良質揃いだよ」
「魔石か……確かに予備は持っておきたいですね。もしもレノさんから離れる機会があったら魔力補給も出来ませんし」
「そうだな……コトミンの好物は水属性の魔石だったよね」
「……最近なら聖属性も食べられる」
「えっ……?よ、よく分からないけど買ってくれるの?」
レナ達の会話に女性は首を傾げるが、3人はこの際に先ほど稼いだばかりの銀貨を使用して幾つかの魔石を購入する。レナはアイリィに聖属性の魔石を5個程購入させ、コトミンにも水属性を5個程購入し、万が一の場合の時を考えて2人に常備させる。自分がいない場合は魔石を利用して身体の体力や魔力を魔石を使用させて回復させるためであり、一方でレナの方は魔石を使用しても魔法の強化や媒介も行えないのだが、それでもヴァンパイアとの戦闘の時のように火属性の魔石を付与魔法で暴発させる手段もあるので念のために幾つか購入して置く。
「あれ……この透明な石はなんですか?」
「それは吸魔石さ。希少品なんだけど、買い取り手がいなくて売れ残ってるの」
「へえ……それは珍しいですね」
「……綺麗」
並べられている魔石の中にはガラス玉のような魔石が存在し、使い方を尋ねると従来の魔石と違い、この「吸魔石」と呼ばれる魔石は事前に使用者の魔力を吸い上げさせる必要がある。
「普通の魔石は使用する時は杖や腕輪等に装着して魔法の強化や媒介を行えるんですけど、この吸魔石は事前に使用者の魔力を吸い上げて使用するんです。利点は吸収させた吸魔石はどの属性の魔法の強化も媒介も行えますし、使用回数に制限がありません。逆に弱点は一度使用すると魔力が抜けきってまた魔力を封じ込めないといけません」
「く、詳しいねお嬢ちゃん……それで買ってく?普通の魔石よりは頑丈だから壊れる心配もないけど……」
「どうします?レナさんなら簡単に魔法を封じ込める事が出来ますよ」
「なるほど……じゃあ、1つだけ」
吸魔石を1つだけ購入し、レナは試しに掌で握りしめたまま聖属性の付与魔法を発動させる。すると吸魔石の中心部が白色に光り輝き、無事に魔力を封じ込める事に成功した事を示す。
「こんな感じかな……何かに使えるかな」
「どうですかね……あ、ついでにこれも下さい。こんなに買ってるんだからすこしおまけして下さいよ」
「しょうがないわね……一つだけよ」
アイリィは魔石と一緒に販売されているイヤリングを購入し、すぐにレナは鑑定を発動させると自身の魔力を強化させる魔道具らしく、彼女は自分の耳に装着する。その後はアイリィの要望通りに彼女専用の調合器具を購入し、更に回復薬用の大量の硝子瓶を購入し、黒猫亭に引き返す――
――その後のレナ達の生活は朝はアイリィに起こされて回復薬の調合を手伝い、コトミンが回復液を生みだし、彼女が疲れたらレナが付与魔法で彼女を回復させ、生成された回復液をアイリィが直々に試飲して効果を確認し、その後は飲料水を一定の割合で混ぜ合わせて硝子瓶に詰める。
生み出した回復薬は市場の回復薬を取り扱っている数人の露天商に売却を行い、手に入れた路銀は三人で分け合う。コトミンは金銭を受け取る事を拒否したため、レナが代わりに彼女の分を預かる事にする。一方でアイリィは手に入れた路銀で様々な器具を購入し、より効率良く回復薬を生産する方法を見出す。
常にコトミンの肉体から回復液を抽出し、その原液を飲料水と混ぜ合わせるだけではなく、彼女は試しにコトミンに水属性と聖属性の魔石を吸収させる。その結果、面白い事に回復液の生み出せる量が大幅に増量し、更に薬の効果も向上したのである。このお蔭で回復薬の大量生産が可能となり、しかも魔石を吸収すればコトミンも回復するのでレナの聖属性の付与魔法も施す機会も少なくなった。
実質的に回復薬の生産はアイリィとコトミンだけで十分となり、レナは1人で過ごす時間が多くなった。一応は手伝いを行う事も出来るが、別に回復薬を硝子瓶に詰める作業はアイリィだけでも十分だった。そのため、レナは魔石を利用した訓練法を独自に行う事にする。
「う~んっ……やっぱり、攻撃手段は持っておきたいよな」
黒猫亭の裏庭にてレナは自分の装備品を眺め、今後の事を考えて戦闘手段を身に着ける方法を考えていた。ヴァンパイアとの戦闘では偶然にも火属性の魔石に付与魔法を発動させ、魔石を暴発させる事で手榴弾のように扱えたが、試しに他の魔石ではどのよな結果になるのかを試す事にした。
「ちょっとそこの可愛い兄ちゃん!!うちの魔石を買っていかないかい?」
「呼ばれてますよレノさん」
「え、俺?」
アイリィの言葉にレナは振り替えると、そこには宝石のように煌めく様々な魔石を販売している露店商が存在し、販売しているのはエルフ族と思われる金髪の女性だった。
「その美人さん二人も見てきなよ。うちの魔石は良質揃いだよ」
「魔石か……確かに予備は持っておきたいですね。もしもレノさんから離れる機会があったら魔力補給も出来ませんし」
「そうだな……コトミンの好物は水属性の魔石だったよね」
「……最近なら聖属性も食べられる」
「えっ……?よ、よく分からないけど買ってくれるの?」
レナ達の会話に女性は首を傾げるが、3人はこの際に先ほど稼いだばかりの銀貨を使用して幾つかの魔石を購入する。レナはアイリィに聖属性の魔石を5個程購入させ、コトミンにも水属性を5個程購入し、万が一の場合の時を考えて2人に常備させる。自分がいない場合は魔石を利用して身体の体力や魔力を魔石を使用させて回復させるためであり、一方でレナの方は魔石を使用しても魔法の強化や媒介も行えないのだが、それでもヴァンパイアとの戦闘の時のように火属性の魔石を付与魔法で暴発させる手段もあるので念のために幾つか購入して置く。
「あれ……この透明な石はなんですか?」
「それは吸魔石さ。希少品なんだけど、買い取り手がいなくて売れ残ってるの」
「へえ……それは珍しいですね」
「……綺麗」
並べられている魔石の中にはガラス玉のような魔石が存在し、使い方を尋ねると従来の魔石と違い、この「吸魔石」と呼ばれる魔石は事前に使用者の魔力を吸い上げさせる必要がある。
「普通の魔石は使用する時は杖や腕輪等に装着して魔法の強化や媒介を行えるんですけど、この吸魔石は事前に使用者の魔力を吸い上げて使用するんです。利点は吸収させた吸魔石はどの属性の魔法の強化も媒介も行えますし、使用回数に制限がありません。逆に弱点は一度使用すると魔力が抜けきってまた魔力を封じ込めないといけません」
「く、詳しいねお嬢ちゃん……それで買ってく?普通の魔石よりは頑丈だから壊れる心配もないけど……」
「どうします?レナさんなら簡単に魔法を封じ込める事が出来ますよ」
「なるほど……じゃあ、1つだけ」
吸魔石を1つだけ購入し、レナは試しに掌で握りしめたまま聖属性の付与魔法を発動させる。すると吸魔石の中心部が白色に光り輝き、無事に魔力を封じ込める事に成功した事を示す。
「こんな感じかな……何かに使えるかな」
「どうですかね……あ、ついでにこれも下さい。こんなに買ってるんだからすこしおまけして下さいよ」
「しょうがないわね……一つだけよ」
アイリィは魔石と一緒に販売されているイヤリングを購入し、すぐにレナは鑑定を発動させると自身の魔力を強化させる魔道具らしく、彼女は自分の耳に装着する。その後はアイリィの要望通りに彼女専用の調合器具を購入し、更に回復薬用の大量の硝子瓶を購入し、黒猫亭に引き返す――
――その後のレナ達の生活は朝はアイリィに起こされて回復薬の調合を手伝い、コトミンが回復液を生みだし、彼女が疲れたらレナが付与魔法で彼女を回復させ、生成された回復液をアイリィが直々に試飲して効果を確認し、その後は飲料水を一定の割合で混ぜ合わせて硝子瓶に詰める。
生み出した回復薬は市場の回復薬を取り扱っている数人の露天商に売却を行い、手に入れた路銀は三人で分け合う。コトミンは金銭を受け取る事を拒否したため、レナが代わりに彼女の分を預かる事にする。一方でアイリィは手に入れた路銀で様々な器具を購入し、より効率良く回復薬を生産する方法を見出す。
常にコトミンの肉体から回復液を抽出し、その原液を飲料水と混ぜ合わせるだけではなく、彼女は試しにコトミンに水属性と聖属性の魔石を吸収させる。その結果、面白い事に回復液の生み出せる量が大幅に増量し、更に薬の効果も向上したのである。このお蔭で回復薬の大量生産が可能となり、しかも魔石を吸収すればコトミンも回復するのでレナの聖属性の付与魔法も施す機会も少なくなった。
実質的に回復薬の生産はアイリィとコトミンだけで十分となり、レナは1人で過ごす時間が多くなった。一応は手伝いを行う事も出来るが、別に回復薬を硝子瓶に詰める作業はアイリィだけでも十分だった。そのため、レナは魔石を利用した訓練法を独自に行う事にする。
「う~んっ……やっぱり、攻撃手段は持っておきたいよな」
黒猫亭の裏庭にてレナは自分の装備品を眺め、今後の事を考えて戦闘手段を身に着ける方法を考えていた。ヴァンパイアとの戦闘では偶然にも火属性の魔石に付与魔法を発動させ、魔石を暴発させる事で手榴弾のように扱えたが、試しに他の魔石ではどのよな結果になるのかを試す事にした。
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