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スラム編
完全魔法耐性
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「レナさん、この机の上に乗っているのは何処の国の硬貨なんですか?見た事もないんですけど……」
「それは俺が住んでいた国のお金だよ。訓練する時に出しっぱなしだった」
「変わったお金ですね。というより、かなり精巧に作られていますね……どうやって作ったんですか」
アイリィが興味深そうにレナが訓練用に利用している元の世界の硬貨を拾い上げ、毎晩付与魔法の熟練度の向上のために利用している硬貨であり、こちらの世界では金銭としての価値はないが、レナは手放す事が出来ずに常に所持していた。アイリィは不思議そうに硬貨を眺め、そして何かに気付いたように驚いた表情を浮かべる。
「あれ……ちょっと待ってください。これってもしかして完全魔法耐性の金属で出来てるんじゃないですか!?」
「完全……魔法耐性?」
「やっぱり間違いないですよ……実は私「鑑定」のスキルも持っているんですけど、これは間違いなく伝説級の金属で構成された硬貨じゃないですか!!」
「そんな馬鹿な……」
レナは自分の財布から小銭を取り出し、彼女と同じように鑑定のスキルを発動させる。SPを使用して最初に覚えたスキルではあるが、あまり使う機会は無かったので熟練度は低いが、取り出した硬貨の詳細情報がに画面として視界に出現する。
『異世界の硬貨――この世界には存在しない金属で構成されており、完全な魔法耐性を誇る』
アイリィの言葉通り、確かにレナの視界にも「完全魔法耐性」という文字が表示されており、元の世界から持ってきた普通の硬貨のはずなのだが、どういう事なのかこちらの世界では魔法に対して途轍もなく強い耐性を誇る金属として取り扱われている。しかもレナとアイリィの所持している硬貨は価値が違うにも関わらず、同じ金属ではないのにどちらも「完全魔法耐性」の効果が存在した。
「おかしいな……この世界にも普通に鉄や銅の硬貨はあるよね?それならどうして俺の持っている硬貨だけが……」
「いやいや、どうしても何もこれは異世界の硬貨なんですよ!?こちらの世界には存在しないはずの硬貨をどうやって手に入れたんですか?あ、そう言えばさっき自分の国の硬貨って……もしかしてレナさんは異世界人なんですか?」
「……異世界人?」
2人の会話にコトミンも反応し、レナも言われてみれば確かに自分の所有している硬貨はこちらの世界とは違う世界で生み出された代物である事に気付き、もしかしたらこちらの世界ではレナが居た世界の鉄や銅等の金属は魔法耐性の高い素材で構成されているのかもしれない。
それよりも問題なのはレナはアイリィとコトミンに異世界人だと知られた事であり、仕方なく彼は自分の正体を話そうとしたが、アイリィは既に彼よりも異世界の硬貨の方に興味を抱いたらしく、物珍しそうにあらゆる角度から硬貨を覗き込む。
「これは凄いですね……!!完全魔法耐性を持つ金属はオリハルコンやアダマンタイトぐらいですよ。これを溶解させて他の金属と合成させたら凄い代物が出来上がりますよ!!」
「え、そうなの?」
「という事は……物凄いお宝?」
「当たり前じゃないですか!!ちょっと規模は小さいですけど、伝説級の素材ですよ!!下手をしたら聖剣や魔剣も生み出せる代物なんですよ!!」
「へ、へえっ……」
興奮気味に語り掛けるアイリィにレナとコトミンは後退り、それほどこちらでは凄い金属として取り扱われているのならばホノカ辺りに買い取って貰うかと考えたが、レナはある事に気付く。
「あれ……という事は俺の付与魔法を受けても平気だったのはこの硬貨が魔法耐性が高かったから?」
最初の頃に「火属性」の付与魔法を硬貨に施した際、何度も全体に炎を纏わせても硬貨が溶解する事や熱を帯びる事もなかったので付与魔法は金属には負荷を与えないのかとレナは思い込んでいたが、ここで付与魔法の負荷の影響は出なかったのは硬貨の方が特別だった事が判明した。
「あのさ……一つ聞きたいんだけど、もしかして付与魔法って魔法耐性がない物体に魔法を施すと悪い影響はあるの?」
「何を言ってるんですか。そんなのあるに決まってるじゃないですか?そもそも魔法耐性が存在しない物体に付与魔法を掛けたら大変なことになりますよ」
「あ、そうなんだ……」
アイリィの話によると付与魔法を施せるのは「魔法耐性」が存在する物体だけであり、もしも普通の木材に「火属性」や「雷属性」などの魔法を発動したら木材に火種を送り込む事に等しく、下手をしたら全焼させてしまう。だから必ず付与魔術師は付与魔法を行う時は魔法耐性が高い装備を整えているという。レナが所持している「白銀拳」も魔法耐性が高い「白銀」の素材で構成されているからこそ付与魔法を施せる事が発覚する。
「全然知らなかった……あれ、でもその話だと……」
「どうかしました?何か気になる事がありました?」
「いや……本当に魔法耐性が存在しない物体に付与魔法を施せないのかと考えてさ……」
「え?何を言ってるんですか……そんな事は出来ないと説明したばかりじゃないですか」
「う~んっ……そういう意味じゃなくてさ」
レナはアイリィとの会話で思いついた付与魔法の「攻撃法」を話すべきか思い悩み、まずは自分で確かめるために部屋を後にして実験を行う事を決めた。
「それは俺が住んでいた国のお金だよ。訓練する時に出しっぱなしだった」
「変わったお金ですね。というより、かなり精巧に作られていますね……どうやって作ったんですか」
アイリィが興味深そうにレナが訓練用に利用している元の世界の硬貨を拾い上げ、毎晩付与魔法の熟練度の向上のために利用している硬貨であり、こちらの世界では金銭としての価値はないが、レナは手放す事が出来ずに常に所持していた。アイリィは不思議そうに硬貨を眺め、そして何かに気付いたように驚いた表情を浮かべる。
「あれ……ちょっと待ってください。これってもしかして完全魔法耐性の金属で出来てるんじゃないですか!?」
「完全……魔法耐性?」
「やっぱり間違いないですよ……実は私「鑑定」のスキルも持っているんですけど、これは間違いなく伝説級の金属で構成された硬貨じゃないですか!!」
「そんな馬鹿な……」
レナは自分の財布から小銭を取り出し、彼女と同じように鑑定のスキルを発動させる。SPを使用して最初に覚えたスキルではあるが、あまり使う機会は無かったので熟練度は低いが、取り出した硬貨の詳細情報がに画面として視界に出現する。
『異世界の硬貨――この世界には存在しない金属で構成されており、完全な魔法耐性を誇る』
アイリィの言葉通り、確かにレナの視界にも「完全魔法耐性」という文字が表示されており、元の世界から持ってきた普通の硬貨のはずなのだが、どういう事なのかこちらの世界では魔法に対して途轍もなく強い耐性を誇る金属として取り扱われている。しかもレナとアイリィの所持している硬貨は価値が違うにも関わらず、同じ金属ではないのにどちらも「完全魔法耐性」の効果が存在した。
「おかしいな……この世界にも普通に鉄や銅の硬貨はあるよね?それならどうして俺の持っている硬貨だけが……」
「いやいや、どうしても何もこれは異世界の硬貨なんですよ!?こちらの世界には存在しないはずの硬貨をどうやって手に入れたんですか?あ、そう言えばさっき自分の国の硬貨って……もしかしてレナさんは異世界人なんですか?」
「……異世界人?」
2人の会話にコトミンも反応し、レナも言われてみれば確かに自分の所有している硬貨はこちらの世界とは違う世界で生み出された代物である事に気付き、もしかしたらこちらの世界ではレナが居た世界の鉄や銅等の金属は魔法耐性の高い素材で構成されているのかもしれない。
それよりも問題なのはレナはアイリィとコトミンに異世界人だと知られた事であり、仕方なく彼は自分の正体を話そうとしたが、アイリィは既に彼よりも異世界の硬貨の方に興味を抱いたらしく、物珍しそうにあらゆる角度から硬貨を覗き込む。
「これは凄いですね……!!完全魔法耐性を持つ金属はオリハルコンやアダマンタイトぐらいですよ。これを溶解させて他の金属と合成させたら凄い代物が出来上がりますよ!!」
「え、そうなの?」
「という事は……物凄いお宝?」
「当たり前じゃないですか!!ちょっと規模は小さいですけど、伝説級の素材ですよ!!下手をしたら聖剣や魔剣も生み出せる代物なんですよ!!」
「へ、へえっ……」
興奮気味に語り掛けるアイリィにレナとコトミンは後退り、それほどこちらでは凄い金属として取り扱われているのならばホノカ辺りに買い取って貰うかと考えたが、レナはある事に気付く。
「あれ……という事は俺の付与魔法を受けても平気だったのはこの硬貨が魔法耐性が高かったから?」
最初の頃に「火属性」の付与魔法を硬貨に施した際、何度も全体に炎を纏わせても硬貨が溶解する事や熱を帯びる事もなかったので付与魔法は金属には負荷を与えないのかとレナは思い込んでいたが、ここで付与魔法の負荷の影響は出なかったのは硬貨の方が特別だった事が判明した。
「あのさ……一つ聞きたいんだけど、もしかして付与魔法って魔法耐性がない物体に魔法を施すと悪い影響はあるの?」
「何を言ってるんですか。そんなのあるに決まってるじゃないですか?そもそも魔法耐性が存在しない物体に付与魔法を掛けたら大変なことになりますよ」
「あ、そうなんだ……」
アイリィの話によると付与魔法を施せるのは「魔法耐性」が存在する物体だけであり、もしも普通の木材に「火属性」や「雷属性」などの魔法を発動したら木材に火種を送り込む事に等しく、下手をしたら全焼させてしまう。だから必ず付与魔術師は付与魔法を行う時は魔法耐性が高い装備を整えているという。レナが所持している「白銀拳」も魔法耐性が高い「白銀」の素材で構成されているからこそ付与魔法を施せる事が発覚する。
「全然知らなかった……あれ、でもその話だと……」
「どうかしました?何か気になる事がありました?」
「いや……本当に魔法耐性が存在しない物体に付与魔法を施せないのかと考えてさ……」
「え?何を言ってるんですか……そんな事は出来ないと説明したばかりじゃないですか」
「う~んっ……そういう意味じゃなくてさ」
レナはアイリィとの会話で思いついた付与魔法の「攻撃法」を話すべきか思い悩み、まずは自分で確かめるために部屋を後にして実験を行う事を決めた。
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