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スラム編
狂言にしか聞こえぬ真実
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――この世界にレナが召喚されてから一週間が経過し、最初に召喚された時と比べると彼のレベルと魔法の熟練度も随分と上昇していた。ヴァンパイアを倒した事で大量の経験値が入り、レナのレベルは既に「15」を迎える。このレベルは現在の彼の年齢を考えると妥当な数値であり、ホノカから受け取った付与魔法の魔法書を読み続けていた効果もあり、各属性の付与魔法の熟練度も高まっていた。
レナはどういう事なのか魔法書の類を数分程度で読み解くことが可能であり、彼本人は普通に時間を掛けて呼んでいるつもりなのだが、読み終えた時には常に数分程度の時間しか経過していない。ヴァンパイアとの戦闘でも感じた「遅行化現象」の能力の件も気にかかり、レナは自分の所有しているステータスの中に表示されている「異能」の影響だと判断する。
彼の所有する「思考加速」は文字通りに思考を加速させる事で周囲の状況を減速化したかのように感じるが、実際はレナ自身の思考が加速化しているのだ。だからこそ相手だけではなく自分の動作も遅行化されてしまうのだが、この能力のお蔭で格上のヴァンパイアを相手に冷静に対処して戦える事が出来た。
この思考加速の能力の使い方はレナ自身も完全には把握しておらず、何かに意識を集中したときに無意識に発動しているように感じられた。この能力のお蔭でレナはホノカから受け取った魔法書を全て読み終える事に成功し、各属性の熟練度は以下のように上昇する。
――付与魔法――
・風属性 熟練度:4
・火属性 熟練度:8
・水属性 熟練度:8
・雷属性 熟練度:3
・土属性 熟練度:2
・闇属性 熟練度:3
・聖属性 熟練度:10(限界値)
魔法書は読み終えた時点で必ず熟練度が向上するというわけでもないらしく、結局は聖属性以外は限界値にまでは達しなかったが、ここから先は地道に魔法の訓練で熟練度を上昇させれば特に問題ない。ホノカのお蔭で金銭的にも余裕が出来たため、レナは装備を整えるために彼女にお勧めの武器屋に向かう。
「当たり前と言えば当たり前かもしれないけど、この世界には普通に武器屋や防具屋があるんだな……本当にゲームの世界に入り込んだ気分になりそうだ」
「……げえむ?」
「何でもない。それよりコトミン……姿を変えられるならもっと早く言ってよ」
街道を移動するレナはコトミンに振り返り、彼女は髪の毛の色を白色に染め、肌の方も褐色肌に変異させている。自称スライムの彼女は肉体の外見をどんな物にでも変化させる事が可能であり、この姿ならばコトミンを捕まえた盗賊と遭遇しても彼女だと気付かれる可能性は低い。レナの方も現在は元の世界の衣服は目立ちすぎる為、この世界の冒険者が愛用する服装に着替えており、いざという時のために戦闘を行えるようにホノカの店に存在した「白銀拳」を身に着けていた。
――こちらの武器はホノカの店の中でも一番の値段を誇る商品なのだがが、彼女がレナに命を助けてくれたお礼として彼に渡してくれた。レナは最初は断ろうとしたが、商売人である彼女は自分の命の対価となる物はこれだけしかないと告げ、結局は彼も根負けして受け取ってしまう。
この世界で白銀というのは非常に価値が高く、本来ならばレナが受け取った腕鉄甲は日本円に換算すると1000万円程の値段で売買される代物であり、その性能は非常に優れている。こちらの世界の白銀は元の世界の物よりも遥かに頑丈な金属であり、さらに聖属性の付与魔法とは相性が良く、幾ら弱っていたとはいえ、魔人族であるヴァンパイアを低レベルのレナが一撃で倒せたのはこの白銀拳の力が大きい。
レナとしては魔術師らしく杖を装備するべきではないのかと考えたが、ホノカの話によると魔術師の中には武闘派と呼ばれる派閥も存在し、彼等は魔術師にも関わらずに肉弾戦に備えて身体を鍛える事は珍しくはない。魔術師は基本的に相手と距離を取ってから攻撃魔法を仕掛けるのが当たり前なのだが、レナのように遠距離攻撃を出来ない付与魔術師は必然的に接近戦の心得を習得しなければならない。
それと普通の魔術師は魔石を利用して魔法の強化を行う事が出来るが、レナのように直接物体に魔法の力を付与させる付与魔術師の場合は同じ真似はできない。それでもヴァンパイア戦では火属性の魔石に付与魔法を施し、魔石を暴発させる事で結果的に相手に大きな損傷を与えたのは事実であり、決して付与魔術師が魔石を扱えないという訳ではない。
「俺の欲しい物が売ってるかな……」
「魔法腕輪?」
「そう」
ホノカの話によると魔法腕輪と呼ばれる装飾品ならばレナのような付与魔術師の人間が扱う「付与魔法」の強化が可能になるらしく、魔法を発動時にいちいち魔石を消費しないで済むという。但し、非常に希少な魔道具なのでホノカの店でも取り扱っておらず、この帝都の武器屋ならば販売している可能性もあると聞いたレナは朝早くに帝都の武器屋を回る事にしたが、問題なのは今現在の金銭だけで購入できるか保証がない。
「当面の生活費は問題ないけど、やっぱり仕事を探さないとな……例の回復屋を始めてみるかな」
「むうっ……私以外に回復魔法を施すのは複雑……じぇらしぃ」
「だからどこでそういう言葉を覚えて……何だ?」
コトミンと雑談を行いながら移動していると、前の方で騒ぎが起きている事に気付き、どうやら見回りを行っている警備兵に男性が怒鳴り散らしていた。
「だから本当だって言ってんだろ!!俺は見たんだよ!!スラム街にスケルトンを見たんだよ!!」
「くだらない嘘を吐くな!!スケルトンが街中に居るはずがないだろうが!!」
「本当だって言ってんだろ!!嘘だと思うなら付いて来いよ!!」
「やかましい!!これ以上、邪魔をするようなら切り捨てるぞ!!」
「く、くそっ……嘘じゃねえっ!!俺は見たんだぁっ!!」
警備兵に男性が連行され、周囲の人々は困惑した表情を浮かべる。スケルトンというのはこの世界に存在する魔物であり、白骨化した人間の死体に悪霊が憑りついて肉も皮も内蔵ないのに生きた屍のように動き出す魔物だった。レナは連れ去られる男性の言葉に耳を通し、どういう訳なのか彼の言葉が「真実」である事に気付く。
レナはどういう事なのか魔法書の類を数分程度で読み解くことが可能であり、彼本人は普通に時間を掛けて呼んでいるつもりなのだが、読み終えた時には常に数分程度の時間しか経過していない。ヴァンパイアとの戦闘でも感じた「遅行化現象」の能力の件も気にかかり、レナは自分の所有しているステータスの中に表示されている「異能」の影響だと判断する。
彼の所有する「思考加速」は文字通りに思考を加速させる事で周囲の状況を減速化したかのように感じるが、実際はレナ自身の思考が加速化しているのだ。だからこそ相手だけではなく自分の動作も遅行化されてしまうのだが、この能力のお蔭で格上のヴァンパイアを相手に冷静に対処して戦える事が出来た。
この思考加速の能力の使い方はレナ自身も完全には把握しておらず、何かに意識を集中したときに無意識に発動しているように感じられた。この能力のお蔭でレナはホノカから受け取った魔法書を全て読み終える事に成功し、各属性の熟練度は以下のように上昇する。
――付与魔法――
・風属性 熟練度:4
・火属性 熟練度:8
・水属性 熟練度:8
・雷属性 熟練度:3
・土属性 熟練度:2
・闇属性 熟練度:3
・聖属性 熟練度:10(限界値)
魔法書は読み終えた時点で必ず熟練度が向上するというわけでもないらしく、結局は聖属性以外は限界値にまでは達しなかったが、ここから先は地道に魔法の訓練で熟練度を上昇させれば特に問題ない。ホノカのお蔭で金銭的にも余裕が出来たため、レナは装備を整えるために彼女にお勧めの武器屋に向かう。
「当たり前と言えば当たり前かもしれないけど、この世界には普通に武器屋や防具屋があるんだな……本当にゲームの世界に入り込んだ気分になりそうだ」
「……げえむ?」
「何でもない。それよりコトミン……姿を変えられるならもっと早く言ってよ」
街道を移動するレナはコトミンに振り返り、彼女は髪の毛の色を白色に染め、肌の方も褐色肌に変異させている。自称スライムの彼女は肉体の外見をどんな物にでも変化させる事が可能であり、この姿ならばコトミンを捕まえた盗賊と遭遇しても彼女だと気付かれる可能性は低い。レナの方も現在は元の世界の衣服は目立ちすぎる為、この世界の冒険者が愛用する服装に着替えており、いざという時のために戦闘を行えるようにホノカの店に存在した「白銀拳」を身に着けていた。
――こちらの武器はホノカの店の中でも一番の値段を誇る商品なのだがが、彼女がレナに命を助けてくれたお礼として彼に渡してくれた。レナは最初は断ろうとしたが、商売人である彼女は自分の命の対価となる物はこれだけしかないと告げ、結局は彼も根負けして受け取ってしまう。
この世界で白銀というのは非常に価値が高く、本来ならばレナが受け取った腕鉄甲は日本円に換算すると1000万円程の値段で売買される代物であり、その性能は非常に優れている。こちらの世界の白銀は元の世界の物よりも遥かに頑丈な金属であり、さらに聖属性の付与魔法とは相性が良く、幾ら弱っていたとはいえ、魔人族であるヴァンパイアを低レベルのレナが一撃で倒せたのはこの白銀拳の力が大きい。
レナとしては魔術師らしく杖を装備するべきではないのかと考えたが、ホノカの話によると魔術師の中には武闘派と呼ばれる派閥も存在し、彼等は魔術師にも関わらずに肉弾戦に備えて身体を鍛える事は珍しくはない。魔術師は基本的に相手と距離を取ってから攻撃魔法を仕掛けるのが当たり前なのだが、レナのように遠距離攻撃を出来ない付与魔術師は必然的に接近戦の心得を習得しなければならない。
それと普通の魔術師は魔石を利用して魔法の強化を行う事が出来るが、レナのように直接物体に魔法の力を付与させる付与魔術師の場合は同じ真似はできない。それでもヴァンパイア戦では火属性の魔石に付与魔法を施し、魔石を暴発させる事で結果的に相手に大きな損傷を与えたのは事実であり、決して付与魔術師が魔石を扱えないという訳ではない。
「俺の欲しい物が売ってるかな……」
「魔法腕輪?」
「そう」
ホノカの話によると魔法腕輪と呼ばれる装飾品ならばレナのような付与魔術師の人間が扱う「付与魔法」の強化が可能になるらしく、魔法を発動時にいちいち魔石を消費しないで済むという。但し、非常に希少な魔道具なのでホノカの店でも取り扱っておらず、この帝都の武器屋ならば販売している可能性もあると聞いたレナは朝早くに帝都の武器屋を回る事にしたが、問題なのは今現在の金銭だけで購入できるか保証がない。
「当面の生活費は問題ないけど、やっぱり仕事を探さないとな……例の回復屋を始めてみるかな」
「むうっ……私以外に回復魔法を施すのは複雑……じぇらしぃ」
「だからどこでそういう言葉を覚えて……何だ?」
コトミンと雑談を行いながら移動していると、前の方で騒ぎが起きている事に気付き、どうやら見回りを行っている警備兵に男性が怒鳴り散らしていた。
「だから本当だって言ってんだろ!!俺は見たんだよ!!スラム街にスケルトンを見たんだよ!!」
「くだらない嘘を吐くな!!スケルトンが街中に居るはずがないだろうが!!」
「本当だって言ってんだろ!!嘘だと思うなら付いて来いよ!!」
「やかましい!!これ以上、邪魔をするようなら切り捨てるぞ!!」
「く、くそっ……嘘じゃねえっ!!俺は見たんだぁっ!!」
警備兵に男性が連行され、周囲の人々は困惑した表情を浮かべる。スケルトンというのはこの世界に存在する魔物であり、白骨化した人間の死体に悪霊が憑りついて肉も皮も内蔵ないのに生きた屍のように動き出す魔物だった。レナは連れ去られる男性の言葉に耳を通し、どういう訳なのか彼の言葉が「真実」である事に気付く。
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