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バルトロス帝国編
デキンの誤算
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――その一方、レナが王城から立ち去るのと同時刻、帝国の「防衛大臣」を勤めているデキンは不機嫌を隠さずに自室で酒を喰らっていた。本来ならば職務はまだ終わっていない時間帯なのだが、この王城内に彼に文句を言える人間は黒糖と王女以外には存在せず、堂々と昼間から酒を飲んでいた。
「くそっ……とんだ外れを引いてしまった」
彼が不機嫌な理由は「勇者召喚」と呼ばれる特別な儀式で呼び出した「異世界」の人間が原因であり、この帝国では古くから国家の危機に直面した時、この世界とは異なる世界の人間を呼び出す儀式が行われる。この儀式で召喚された人間は何らかの特別な能力を所持しており、実際に過去に召喚された人間のお蔭で帝国は何度も国家存亡の危機を乗り越えていた。
今回儀式を行った理由は最近になって頻繁に現れている「魔王軍」という存在が原因であり、この謎の組織は帝国領土を頻繁に暴れ回り、多くの民衆が被害に遭っている。帝国も何度も討伐隊を編成して魔王軍の討伐を試みたが、結果としては送り込んだ全ての部隊が返り討ちに遭い、悔しい事に相手との戦力差があまりにも大きすぎた。現在の帝国は領地の規模は世界でも1、2を争うが、肝心の兵力の方は長年の平和によって格段に兵士の質が落ちており、魔王軍には対抗できない。
そのため、今回の召喚の儀式では異界から「戦闘向け」の人間を召喚する予定だったが、貴重な「召喚石」と呼ばれる魔石を使用したにも関わらずに召喚された人数が「5人」だけだったのはデキンも想定外の出来事だった。伝承によれば今までに異世界から召喚される人間の数は基本的に数十人単位だったのだが、今回は何故か5人しか召喚されず、しかもその内の一人がこの世界では不遇職として取り扱われている「付与魔術師」であり、戦闘方面で最も役に立たないと言われている職業の人間が召喚された事に彼は落胆した。
「ちぃっ……あの場で王女が姿を現さなければ……いや、それ以前に異世界人を殺すと災いが起きるなどという伝承さえなければあんな小僧!!」
帝国に伝わる異世界人の逸話は数多く存在し、その中には異世界人を殺した人間は悲惨な末路を必ず迎えるという文献も残っていた。実際に前に召喚された異世界人が他国の暗殺者に殺された際、殺害を行った人間がその場で心臓麻痺を起こして死亡した事実が存在した。他にも魔物に襲われて殺された勇者の場合は魔物が唐突に苦しみもがき、その場で自分の爪を喉元に突き刺して自殺したという。これ等の情報からデキンは幾ら気に喰わなくい相手であろうと異世界人である「レナ」を殺害するわけにもいかず、だからと言って何の役にも立たない人間を城内に残したところで意味はない。もしも彼が精神的に追い詰められて自殺した場合、その場合は彼を自殺に追い込んだ人間に被害が生まれる可能性もある。
「吾輩とした事が冷静さを失っていたか……くそっ!!」
王女の命令なので当面の生活費を手渡して城外に追い出したが、もしも彼が城の外で死亡した場合、デキンは最初に召喚を提案した自分の立場が危うくなるかと考えたが、だからといって何の戦力にも期待できない「無能」を王城に残す事は彼には出来なかった。現在の帝国は度重なる魔王軍の襲撃によって国力が削られており、しかも召喚の儀式を開くために必要な貴重な召喚石の生成に莫大な資金を費やした。その結果が5人の人間しか召喚出来なかったのは想定外であり、しかもその内の1人は不遇職の人間だったのはデキンにも予想外だった。
デキンの性格ならば役に立たない人間など即座に始末するべきだと考えるのだが、相手が自分が提案して呼び出した異世界人である以上、伝承に描かれいてる情報が確かならば迂闊に手を出せない。部下に始末を命じる事も最初は考えたが、殺害の命令を下しただけでも被害がこちらに及ぶ可能性は否定できない。それ程までに異世界人というのはこの世界では特別な存在であり、実際に成長を果たした彼等は絶大な能力に芽生える可能性もある。
「やはり連れ戻すべきか……いや、今の帝国にそんな余裕はない。無能は要らん」
防衛大臣であるデキンは有力な人材だけを重視する性格であり、逆に言えば無能と判断した人間には容赦のない扱い方を行う。それでも彼が大臣という立場に居続けられるのは政治面では非常に優れており、実際に現在の帝国は国王よりも彼という存在のお蔭で成り立っている。
勘違いされやすいが、彼はあくまでも帝国に忠誠を尽くす家臣の1人であり、間違っても自分の欲望のためだけに動いている訳ではない。今回の召喚の儀式も何度も他の家臣と口論を交えた上での判断であり、帝国のために彼は働いているのだ。
「ふうっ……おい、誰かいるかっ!!」
「はっ!!どうかしましましたか?」
「あの男……いや、キリサキレナの様子を伺ってこい。万が一にも他国に奴の存在を知られるわけにはいかん……場合によっては連れ戻す必要がある。すぐに「暗殺者(アサシン)」の職業の人間を送り込め」
「分かりました!!失礼します!!」
兵士に指令を送り、デキンはやっと冷静さを取り戻し、自分の迂闊な行動に溜息を吐く。昔から激昂すると後先考えずに行動してしまう悪い癖であり、もしも異世界人である「キリサキレナ」の身に何か起きたら他の勇者の反感を買ってしまう可能性もあり、彼は大きな溜息を吐きだす。
「……やはり、連れ戻すべきか」
幾ら多少の金銭を渡したとはいえ、この世界の事を何も知らない人間が簡単に生きていけるとはデキンも思ってはいない。下手をしたら金銭の単位も理解していない可能性が高く、最悪の場合は今頃は金目当ての暴漢に襲われて命を落としている可能性もある。
「ちぃっ……付与魔術師でなければ残したのだが……」
レナが付与魔術師という不遇職でなければデキンも彼の対応を改めた可能性はあったが、今更後悔しても遅い。仮に今からレナを連れ戻しても彼のデキンに対する心象は最悪のままであり、ならば今はレナの行動を見張る事で様子を伺い、まずは「暗殺者」の職業の兵士の報告をデキンは待つ事にした。。
「……ん?なんだこれは……」
不意にデキンは自分の右腕に「髑髏」を想像させるブレスレットが巻き付いている事に気付き、何時の間に自分がこのような不気味な装飾品を取り付けていた事に疑問を抱きながらも取り外そうとすると、ブレスレットは腕に張り付た蛇のように引き剥がせない事に気付く。
「くっ……な、何だこれは!?」
身に覚えのない装飾品が取り付けられた事に動揺を隠せず、デキンは混乱していると外側から兵士の声が届いた。
『デキン様!!大変です!!勇者様方が……!!』
「な、何だと!?」
兵士の報告にデキンは取り外そうとしたブレスレットを手放し、部屋の中に入り込んで来た兵士の報告に驚愕した――
「くそっ……とんだ外れを引いてしまった」
彼が不機嫌な理由は「勇者召喚」と呼ばれる特別な儀式で呼び出した「異世界」の人間が原因であり、この帝国では古くから国家の危機に直面した時、この世界とは異なる世界の人間を呼び出す儀式が行われる。この儀式で召喚された人間は何らかの特別な能力を所持しており、実際に過去に召喚された人間のお蔭で帝国は何度も国家存亡の危機を乗り越えていた。
今回儀式を行った理由は最近になって頻繁に現れている「魔王軍」という存在が原因であり、この謎の組織は帝国領土を頻繁に暴れ回り、多くの民衆が被害に遭っている。帝国も何度も討伐隊を編成して魔王軍の討伐を試みたが、結果としては送り込んだ全ての部隊が返り討ちに遭い、悔しい事に相手との戦力差があまりにも大きすぎた。現在の帝国は領地の規模は世界でも1、2を争うが、肝心の兵力の方は長年の平和によって格段に兵士の質が落ちており、魔王軍には対抗できない。
そのため、今回の召喚の儀式では異界から「戦闘向け」の人間を召喚する予定だったが、貴重な「召喚石」と呼ばれる魔石を使用したにも関わらずに召喚された人数が「5人」だけだったのはデキンも想定外の出来事だった。伝承によれば今までに異世界から召喚される人間の数は基本的に数十人単位だったのだが、今回は何故か5人しか召喚されず、しかもその内の一人がこの世界では不遇職として取り扱われている「付与魔術師」であり、戦闘方面で最も役に立たないと言われている職業の人間が召喚された事に彼は落胆した。
「ちぃっ……あの場で王女が姿を現さなければ……いや、それ以前に異世界人を殺すと災いが起きるなどという伝承さえなければあんな小僧!!」
帝国に伝わる異世界人の逸話は数多く存在し、その中には異世界人を殺した人間は悲惨な末路を必ず迎えるという文献も残っていた。実際に前に召喚された異世界人が他国の暗殺者に殺された際、殺害を行った人間がその場で心臓麻痺を起こして死亡した事実が存在した。他にも魔物に襲われて殺された勇者の場合は魔物が唐突に苦しみもがき、その場で自分の爪を喉元に突き刺して自殺したという。これ等の情報からデキンは幾ら気に喰わなくい相手であろうと異世界人である「レナ」を殺害するわけにもいかず、だからと言って何の役にも立たない人間を城内に残したところで意味はない。もしも彼が精神的に追い詰められて自殺した場合、その場合は彼を自殺に追い込んだ人間に被害が生まれる可能性もある。
「吾輩とした事が冷静さを失っていたか……くそっ!!」
王女の命令なので当面の生活費を手渡して城外に追い出したが、もしも彼が城の外で死亡した場合、デキンは最初に召喚を提案した自分の立場が危うくなるかと考えたが、だからといって何の戦力にも期待できない「無能」を王城に残す事は彼には出来なかった。現在の帝国は度重なる魔王軍の襲撃によって国力が削られており、しかも召喚の儀式を開くために必要な貴重な召喚石の生成に莫大な資金を費やした。その結果が5人の人間しか召喚出来なかったのは想定外であり、しかもその内の1人は不遇職の人間だったのはデキンにも予想外だった。
デキンの性格ならば役に立たない人間など即座に始末するべきだと考えるのだが、相手が自分が提案して呼び出した異世界人である以上、伝承に描かれいてる情報が確かならば迂闊に手を出せない。部下に始末を命じる事も最初は考えたが、殺害の命令を下しただけでも被害がこちらに及ぶ可能性は否定できない。それ程までに異世界人というのはこの世界では特別な存在であり、実際に成長を果たした彼等は絶大な能力に芽生える可能性もある。
「やはり連れ戻すべきか……いや、今の帝国にそんな余裕はない。無能は要らん」
防衛大臣であるデキンは有力な人材だけを重視する性格であり、逆に言えば無能と判断した人間には容赦のない扱い方を行う。それでも彼が大臣という立場に居続けられるのは政治面では非常に優れており、実際に現在の帝国は国王よりも彼という存在のお蔭で成り立っている。
勘違いされやすいが、彼はあくまでも帝国に忠誠を尽くす家臣の1人であり、間違っても自分の欲望のためだけに動いている訳ではない。今回の召喚の儀式も何度も他の家臣と口論を交えた上での判断であり、帝国のために彼は働いているのだ。
「ふうっ……おい、誰かいるかっ!!」
「はっ!!どうかしましましたか?」
「あの男……いや、キリサキレナの様子を伺ってこい。万が一にも他国に奴の存在を知られるわけにはいかん……場合によっては連れ戻す必要がある。すぐに「暗殺者(アサシン)」の職業の人間を送り込め」
「分かりました!!失礼します!!」
兵士に指令を送り、デキンはやっと冷静さを取り戻し、自分の迂闊な行動に溜息を吐く。昔から激昂すると後先考えずに行動してしまう悪い癖であり、もしも異世界人である「キリサキレナ」の身に何か起きたら他の勇者の反感を買ってしまう可能性もあり、彼は大きな溜息を吐きだす。
「……やはり、連れ戻すべきか」
幾ら多少の金銭を渡したとはいえ、この世界の事を何も知らない人間が簡単に生きていけるとはデキンも思ってはいない。下手をしたら金銭の単位も理解していない可能性が高く、最悪の場合は今頃は金目当ての暴漢に襲われて命を落としている可能性もある。
「ちぃっ……付与魔術師でなければ残したのだが……」
レナが付与魔術師という不遇職でなければデキンも彼の対応を改めた可能性はあったが、今更後悔しても遅い。仮に今からレナを連れ戻しても彼のデキンに対する心象は最悪のままであり、ならば今はレナの行動を見張る事で様子を伺い、まずは「暗殺者」の職業の兵士の報告をデキンは待つ事にした。。
「……ん?なんだこれは……」
不意にデキンは自分の右腕に「髑髏」を想像させるブレスレットが巻き付いている事に気付き、何時の間に自分がこのような不気味な装飾品を取り付けていた事に疑問を抱きながらも取り外そうとすると、ブレスレットは腕に張り付た蛇のように引き剥がせない事に気付く。
「くっ……な、何だこれは!?」
身に覚えのない装飾品が取り付けられた事に動揺を隠せず、デキンは混乱していると外側から兵士の声が届いた。
『デキン様!!大変です!!勇者様方が……!!』
「な、何だと!?」
兵士の報告にデキンは取り外そうとしたブレスレットを手放し、部屋の中に入り込んで来た兵士の報告に驚愕した――
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