最弱職の初級魔術師 初級魔法を極めたらいつの間にか「千の魔術師」と呼ばれていました。

カタナヅキ

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3巻

3-3

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 リーリスとバルトスは兵士達に話を聞いて回り、兵隊長の動向を調べ上げた。
 その結果、兵隊長が武器庫に髑髏形の魔道具を設置していた可能性は高く、火竜を引き寄せた犯人と見て間違いないようだった。
 神妙な面持ちのバルトスがリーリスに向かって言う。

「むうっ……犯人は分かったものの、どうも様子がおかしいのう」
「兵隊長が何者かと入れ替わっていた、そう考えるしかありませんね。性格が変化した、武器庫への入室を突然禁じた、潔癖症けっぺきしょうのように自分の部屋の掃除をするようになった……あまりにも怪しさ満点です」
「それはそうと、兵隊長はいつの間に抜けだしたのじゃ? 我らが訪れたときはいたはずじゃが……」

 火竜が出現する前、兵隊長はリーリス達と会話をしていた。どうやら、どさくさに紛れて逃げだしたようだった。
 リーリスが思いだしたように言う。

「ところでルノさんはまだ戻ってこないんですかね? 無事だといいんですけど……」
「そ、そうじゃった!! ルノ殿は大丈夫なのか?」

 ルノが飛びだしてから三十分近く経っている。まだ戻ってこない彼に、二人が心配しだすと、武器庫の撤去作業を行っていた兵士達が騒ぎ始める。

「あ、あれは……!?」
「た、大変です!!」

 バルトスが兵士達に尋ねる。

「今度はどうした!?」
「りゅ、竜がっ……火竜が近づいています!!」
「ええっ!?」

 兵士の言葉に、リーリスとバルトスは空を見上げる。
 接近する巨大な影があった。その影は、兵士が言ったように先ほどの火竜と瓜二つの容姿をしていたものの、全身が青かった。
 新たな竜の登場に兵士達は慌てふためき、バルトスとリーリスも冷や汗を流す。そのとき、リーリスが気づく。

「あれ、あれって……」
「何をほうけておる!! お主も将軍ならば戦う準備を……」
「いえ、よく見てください。頭の上に乗ってるの……ルノさんじゃないですか?」
「はっ!?」

 バルトスは年老いているとはいえ目は悪くない。接近してくる青い竜に視線を向けると、確かに頭部にルノの姿があった。
 ルノがみんなに声をかける。

「あ、皆さん!! もう大丈夫ですよ!!」
「ルノ殿!?」
「ちょ、何ですかそれ!? 今度は竜まで手懐てなずけたんですか!?」

 バルトスとリーリスが驚いていると、ルノは竜を示しながら言う。

「違う違う!! よく見てよ!!」

 巨大な青い竜に乗ったルノが両手を振り、砦の前に着地した。
 その光景に誰もが呆然としていたが、当のルノは竜の頭部から飛び降りると、バルトスとリーリスのもとに駆け寄った。

「いや、さすがに死ぬかと思いました。今回ばかりはかなりまずかったです」
「あの、その話も詳しく聞きたいところなんですけど……とりあえずは、これのことを説明してくれませんかね?」
「い、いったい……何なんじゃ?」

 リーリスとバルトスは、ルノが騎乗してきた青い竜に視線を向け、どうして彼が竜を従えているのかを問う。
 そこで、リーリスは違和感を抱く。

「あれ? この竜……もしかして……氷?」
「氷じゃとっ!?」
「正解。これ、氷で作りだした竜なんです」

 ルノが乗り物として利用した青い竜の正体は「氷塊」で作りだした竜の氷像であり、内部には火竜の死体が保管されていた。
 ちなみに火竜の頭部は完全に失われていたため、氷で一から作ってある。

「いや、本当に大変だったよ。どうにかここまで持ってきたけど、これはどうしたらいいかな?」
「どうにかって……本当にすごいですね、ルノさんは……」
「か、火竜を氷漬こおりづけじゃと……そんなことができるのか……!?」

 リーリスとバルトスに続いて、兵士達が騒ぎだす。

「ゆ、勇者だ……勇者様が召喚されていたんだ」
「し、信じられない……まさか竜種を倒す人間がいるなんて!!」
「勇者なんておとぎ話だと思ってたよ……」

 リーリスが、ルノの乗ってきた竜に視線を向けながら言う。

「火竜を倒しただけではなく、こんな巨大な氷で包んで持ち帰るなんて……本当にルノさんは規格外ですよ。もうさすがルノさん、さすルノですよ。さすルノ!!」
「何それ? どういう意味?」

 戸惑うルノに、バルトスがため息交じりに尋ねる。

「ま、まあ……無事で良かったのう。その、聞きたいことがあるんじゃが……奴はもう死んでおるのじゃろうな?」
「死んでますよ。やっぱり凍らせないほうが良かったですか?」
「い、いや。そういうわけではないが……」

 あまりにも精巧な氷の竜を見て、バルトスは冷や汗を流した。氷の竜から、今にも動きだしそうな気配を感じたのだ。
 ルノはリーリスに尋ねる。

「これ、どうしたらいいですかね? 帝都に持ち帰りますか?」
「こんなのを帝都に持ち込んだら、大混乱が起きますよ」
「それもそうか……」

 そこへ、バルトスが呆れつつ言う。

「ま、まあ……氷の竜のことは後にして、一度移送部隊に戻らぬか? 他の者も待ちくたびれておるだろう」

 ルノとリーリスは頷き、移送部隊まで引き返すことになった。
 バルトスとリーリスには大型の氷車に乗ってもらい、ルノは氷の竜――氷竜ひょうりゅうに乗ると、氷車を載せて飛んでいった。
 ルノのレベルが上がったことでルノの魔法の力が上昇し、時速三百キロを超える速度で移動することができた。




 2



 時を少しさかのぼり、ルノ、リーリス、バルトスが砦に到着した頃。
 彼らの抜けた移送部隊でもトラブルが起きていた。街に向けて草原を移動している際中、コトネが異変を感じ取った。

「……これは」
「ぷるぷるっ」

 馬車の屋根の上でスライムのスラミンとたわむれていたコトネの声を聞き、帝国四天王の老剣士ギリョウが振り返る。

「む? どうした?」

 コトネは即座に馬車から飛び降り、耳を地面に押しつける。
 そして彼女にしては珍しくけわしい表情を見せた。

「……何か近づいている。大きくて……たぶん、すごくやばいのが……」

 ギリョウ、帝国四天王の魔術師ドリア、スラミンが反応する。

「何じゃと?」
「それは本当ですか?」
「ぷるぷるっ!!」

 探知能力に関しては、コトネの右に出る者はいない。しかし警戒して周囲を見渡しても、コトネが言うような存在は確認できなかった。
 皆が戸惑っていると、コトネがぼそりと言う。

「……地上から近づいてくるんじゃない。地面……地中から接近してる」
「地中? まさか!?」
「いかん!! 馬車から全員離れろっ!!」

 ドリアとギリョウは、接近しているという存在の正体に勘づき、慌てて兵士達に命令した。兵士達は怯えながら馬車から離れていく。
 ギリョウが護送中の森人エルフ族達の乗る馬車に向かう。馬車の扉を乱暴に開くと、森人エルフ族達は皆一様に唖然としていた。

「お主達も出ろ!! 死にたくなければ急ぐのじゃっ!!」

 ギリョウがそう叫んだものの、全身を拘束された王子のデブリは、同じように拘束されているハヅキの膝枕で呑気のんきに眠りこけている。

「……ふがっ!? な、何だ……もう着いたのか?」

 目を覚まして間もないデブリを、ギリョウは強引に抱えた。
 そしてハヅキに告げる。

「外に出ろ!! 足は自由に動かせるじゃろう!!」
「……分かった。おい、皆動けっ!!」

 ハヅキが他の森人エルフ族達に向かって叫んだものの、彼らは何が起きているのか分からずパニックになるばかりだった。

「何なんだいったい……」
「まさかこの場で我らを処刑する気じゃ……」

 なかなか動こうとしない森人エルフ族達を、ギリョウは一喝いっかつする。

「やかましい!! 早くせぬと全員死ぬぞっ!!」

 何とか森人エルフ族達全員を馬車の外に出し終えると、ギリョウはデブリを肩に担いだままロプスに近づく。

「サイクロプスよ!! こいつを儂の代わりに預かってくれんか?」
「キュロ?」
「え、ちょ、待って!? こんな化け物と一緒に……うわぁあああっ!?」

 ロプスが不思議そうな表情を浮かべながらもデブリを受け取る。ギリョウは仕込み杖から刃を引き抜き、馬車に視線を向けた。

「……来る!!」

 そして十数秒後、地面に地震のような振動が走り――


「シャアアアアアアッ!!」


 馬車を吹き飛ばして出現したのは、茶色い鱗に覆われた巨大生物だった。大きな蜥蜴のようなその魔物を目撃した兵士達は悲鳴を上げた。

「うわあああっ!?」
「な、何だ!?」
「これは……オオツチトカゲだ!! 何でこんな場所に……」
「お、おおっ!! こ、こいつは……!!」
「王子、危険です!!」

 混乱を起こす兵士達に反し、デブリはなぜか目を輝かせていた。そしてロプスの手から逃れ、芋虫のように這ってオオツチトカゲに向かっていく。
 止めようとするハヅキの手を払いのけ、デブリは叫ぶ。

「お、おい!! お前には見覚えがあるぞ!! リディアの奴が飼っていたペットだな!! 僕を助けに来て……」
「シャアアッ!!」
「ひいいっ!? な、何でっ!?」
「これ、何をしておるか、馬鹿者がっ!!」

 オオツチトカゲは近寄るデブリに襲いかかったが、ギリョウがデブリを引き寄せ、すんでのところで食われるのをまぬがれた。
 デブリは目を白黒させている。

「な、何で……ぼ、僕を忘れたのか!! ほら、お前の主人の友達のデブリだぞ!? 前にえさもやっただろう!?」
「何を訳の分からんことを言っている!! 早く下がれ!!」
「王子、こちらに!!」
「あ、ああっ……」

 ギリョウはデブリを護衛に向かって突きだす。
 オオツチトカゲにはロプスとルウが対処していた。彼らは前に出ると、威嚇いかくするように鳴き声を上げる。

「ガアアアアアッ!!」
「キュロロロロッ!!」
「シャアアアッ!!」

 自分達よりも巨体のオオツチトカゲに対し、ロプスとルウは一歩も引かない。一方オオツチトカゲもひるむ様子はなかった。
 周囲を黒狼達が取り囲み、魔物達が威嚇し合う光景を見て、ギリョウは息を呑む。

「すごいのう……」
「ギリョウ将軍!! ここは私にお任せくださいっ!!」

 ギリョウに声をかけたのはドリアである。彼は砲撃魔法ほうげきまほうを放つ準備を整えると、オオツチトカゲに向かって氷属性の矢を放った。

「くらえっ!! 『アイスアロー』!!」
「シャアッ!!」
「何っ!?」

 しかしオオツチトカゲは、先ほど出てきた穴に身を隠して回避してしまう。そこへ、ロプスがやって来る。

「キュロォオオオオッ!!」
「ちょ、何をする気じゃ!?」

 馬車の残骸を持ち上げたロプスは、オオツチトカゲがもぐった穴にそれを投げ落とした。
 しばらくの間、静寂が訪れる。

「……出てこんのう」
「仕留めたのでしょうか?」
「グルルルッ……!!」

 ルウが鼻を鳴らしながらゆっくりと穴に接近する。穴を覗き込んだルウは不思議そうに首を傾げた。

「ウォンッ!?」
「ど、どうしたのじゃ?」
「キュロロッ?」

 続いて、ロプスがルウのもとに近づく。ロプスは穴を覗くと、ギリョウのほうに顔を向けて首を横に振った。
 二体の反応がよく分からないので、ギリョウ自ら穴の底を確認する。
 オオツチトカゲの姿は完全に消えていた。その代わりに、底には横に掘り進めたような穴ができている。

「まさかっ……いかん!! 他の馬車が狙われる!!」
「「「「えっ……」」」」

 ギリョウの言葉に、兵士達は馬車のほうに視線を向ける。
 ちょうどそのとき、最後尾の馬車が止まっている辺りの地面が盛り上がり、地中からオオツチトカゲが現れた。そのオオツチトカゲは馬に噛みつく。

「ヒヒィンッ!?」
「アガァアアッ!!」

 オオツチトカゲは馬の頭を噛み千切ると、続けてもう一頭の馬を押し潰した。
 ギリョウは刀を構えて走りだし、オオツチトカゲの頭部に向けて刃を振り下ろす。

「このっ!!」
「シャアッ!!」
「ぬうっ!?」

 しかし刃が頭部に届く寸前に、オオツチトカゲは再び地面に潜ってしまう。そうして素早く地中を移動していく。
 杖を構えたドリアが盛り上がる地面に視線を向けた。

「このっ……『アイシクルランス』!!」

 ドリアの杖から、ルノの「螺旋氷弾」と似た大きな氷の塊が放たれる。

「シャアアアッ!?」
「よくやった、ドリア……ぬんっ!!」

 ドリアの魔法が命中して地上に現れたオオツチトカゲに、ギリョウが接近する。そしてその頭部に向けて刃を突き刺した。

「アガァッ……!?」

 刃はオオツチトカゲの脳に達した。ギリョウが刀を引き抜くのと同時に、オオツチトカゲの巨体が派手に倒れる。
 ギリョウは冷や汗を流しつつ言う。

「ふうっ……何とかなったな」
「お見事です、老将軍!!」
「「「「四天王万歳!!」」」」

 兵士達が歓声を上げてギリョウに駆け寄る。
 その一方で、デブリはなぜか残念そうにしていた。

「あ、ああっ……リディアのオオツチトカゲが……あいつ、きっと悲しむぞ」
「王子、落ち着いてください!! あれはきっと違います」
「違う?」

 デブリとハヅキの会話を耳にしたギリョウはいぶかしみ、睨みつけながら尋ねる。

「お主ら、何か知っておるのか?」
「えっ!? し、知っているわけないだろ!! 馬鹿じゃないのお前っ…」
「王子……」
「分かりやすい奴じゃのう……さあ、隠していることを話せ」

 不審な態度を取るデブリに、ギリョウはため息をつく。すでにデブリの周りは、黒狼が取り囲んでいた。

「ウォンッ!!」
「ガアアッ!!」

 デブリは怯えて声を上げる。

「ひいっ!? わ、分かった!! 言うからその狼達を近づけさせないでくれよ!!」
「黒狼が勝手に動きだしてしまったか……困ったのう。ルノ殿がおらんから言うことを聞いてくれるかどうか。お主ら、少し下がってくれんか?」

 ギリョウは黒狼に向かってそう頼んだが、彼の懸念通り黒狼達は言葉を解さず首を傾げる。

「クゥンッ?」
「キュロロッ」

 そこへロプスが現れ、黒狼達に離れるように指示を出した。黒狼達はそれで分かったようで、素直に従って下がっていった。
 ギリョウがデブリに近づくと、森人エルフ族の護衛がそれをはばむ。

「王子に何をする気だっ!?」
「何もせん。だから邪魔するな」

 ギリョウに掴みかかろうとする森人エルフ族に、今度は帝国の兵士達が集まる。

「将軍から離れろっ!!」
「く、放せっ……!!」
「ひ、ひいいっ……!!」

 混乱しだしたその場に、ハヅキが割って入る。

「ギリョウ殿、待ってくれ、俺が説明する」
「ふむ……良かろう」

 ギリョウは頷き、彼から事情を聞くことにした。だがその前に、デブリを馬車で待たせるように兵士達に指示を出す。

「王子を馬車に移動させろ。丁重にな」
「ま、待てよ!! せめてこの縄をほどいてくれないか!! もう逆らわないから……うわぁっ!?」
「キュロロッ」

 兵士の代わりにロプスがデブリを持ち上げ、馬車に中に放り込んだ。
 ギリョウはため息をつくと、ハヅキと向かい合う。

「……それではハヅキ殿、聞かせてもらおうか」
「あ、ああ。我々の国で最近将軍になったリディアという女性がいる。彼女は魔物使いなんだが、王子はその影響を受けて珍しい魔物を飼うようになったのだ」
「そのリディアとこのオオツチトカゲに、何の関係があるのだ?」
「リディア将軍は、オオツチトカゲを飼っているんだ。王子は将軍が飼っている個体と勘違いし、助けに来てくれたと思っていたようだ」
「なるほどな。確かに、帝国とエルフ王国が王子を引き渡す話を進めておる今、わざわざ奪還するはずもない……」

 そこへ、唐突にルウが唸り声を上げる。

「グルルルッ……!!」

 ギリョウが振り返ると、他の黒狼達も同じように叫びだした。

「ガアアッ!!」
「ウォンッ!!」
「ワォンッ!!」

 騒ぎだした黒狼の群れを見て、兵士達は混乱しだす。ギリョウとドリアは冷静さを保ちながらも危機感を覚えていた。

「な、何だ!?」
「どうしたんだ!?」
「むうっ……!?」

 その場にいた者達が、王子の乗った馬車を中心に集まると、ロプスが上空を指さす。

「キュロロロロッ!!」
「何じゃ!?」

 全員が空を見上げると、上空から影が近づいてきているのが分かった。
 最初は大きな鳥かと思われたが――やがて姿を現したのは、翼を生やした蜥蜴のような生物だった。
 ギリョウとドリアが同時に声を上げる。

「「ワイバーン!?」」


「シャオオオオオオッ!!」


 ワイバーンは火竜と同じ竜種である。彼らの目の前に、巨大な翼を大きく広げた蜥蜴が静かに降り立つ。

「キュロロロロッ!!」
「グルルルッ……!!」

 兵士達が困惑するなか、ロプスとルウが前に出る。
 一方、ギリョウとドリアは無意識に後退していた。
 バルトロス帝国にはワイバーンは棲息していないはずである。火竜よりも下位の竜種だが、それでも脅威であることに間違いない。


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