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崩壊地球編
最終決戦 〈地球〉
しおりを挟む「――では、皆さん準備はいいですね」
「いいよ」
「うん、問題ない」
「……どんとこい」
「どすこいっ!!」
「緊張しますね……」
「ていうか、本当にこいつらも連れて行けるの?」
研究施設にはルノ、ナオ、コトネ、デブリ、ジャンヌ、リディア、そしてギリョウ、ダンテ、ドリア、最後にリーリスを加えれば10名の人間が存在した。更に今回はユニコと牙竜も同行するために呼び寄せており、ルウやロプス、ミノやスラミンなども準備を整えている。
「本当に魔獣達も連れて行けるんでしょうね?」
「ええ、そこは問題ありません。クオを移送するときに使用した特製の檻があります。これを使えば転移装置の腕輪がなくとも魔獣達をあちらの世界へ送り込める事が出来ます」
「ぷるぷるっ……」
「こうしてみると悪い事をして捕まったようにしか見えないんだけど……」
それぞれのサイズに合わせた檻が用意され、ご丁寧にもスライム用の檻の中に閉じ込められたスラミンが儚げな表情を浮かべる。クオの移送用に作り出された転移機能付きの檻だが、残念ながら人間を送り込むには少々不具合があるらしく、地球へ転移できる人間は腕輪の数しか移送できない。
「ていうかこの戦力で本当に大丈夫なの?もっと戦力になる奴等がいるんじゃないの?」
「おい、何で俺を見て言うんだ!?」
「確かにS級の冒険者の方々に頼もうかと考えましたが、バランス的にはこれが一番です。ギリョウさんもナノマシンの技術で腰も治りましたし、これで現役完全復活ですね」
「あの妙な注射か……いきなり腰に注射器を打ち込まれた時は驚いたが、確かに身体が若返ったように軽いのう」
「リーリスさん、もう自分が治癒魔導士という事を忘れてるよね」
「……何を今更」
「ナオ様……お気を付けてください」
「デブリ、無茶をするのではないぞ!!」
見送りのためにナオの恋人のリンやデブリの父親のヨツバ国王も存在し、皇帝や先帝の姿も存在した。そしてルノの元にはドルトンがパイアを引き連れて現れ、挨拶を行う。
「ルノ様、まさか最初に会った時に貴方が英雄と呼ばれる程の御方になるとは思いもしませんでした……どうかお気を付けて」
「あんたとは色々とあったけど、まあ今は嫌いじゃないわよ」
「ありがとうドルトンさん、パイアさん……もしも帰る事が出来たらあっちの世界の品物も色々と持ってきます」
「おお、それは楽しみにしています!!」
ルノはドルトンと握手を行い、パイアにウィンクをされた後、リーリスに頷く。彼女は時間を確認し、予定よりも少々早いが地球の東京へ転移する事にした。
「では、行きますよ。世界の平和を守るために戦いましょう!!」
「……リーリスが言うと違和感を感じる」
「なんか、ガラじゃないよね」
「確かにのう」
「そこ、うるさいですよ!!私の実験台になりたいんですか!?」
「いてっ!?お、俺は何も言ってないだろうが!?」
ダンテに向けて空の薬瓶を投げつけた後、リーリスは転移装置を作動させる。往復分の転移石はこれで使い切る予定であり、戻って来たとしてもしばらくの間はこの世界へ残る事になるが、それでも地球の未来を救うために全員が力を合わせて転移を行う――
――新聞に記載された壊裂の発生時刻から1時間前にルノ達は転移を行い、既に東京の方では住民の避難活動を追え、自衛隊の軍隊や東京特殊部隊が戦闘準備を整えていた。高層ビルには壊裂に備えてミサイルや光学兵器が設置され、空中には無数の戦闘機が飛んでいた。
「リーリス殿!!戦闘準備は既に整っています!!いつでも壊裂を迎え撃てる用意は出来ています!!」
「分かりました。では、私達が合図を行ったら攻撃を開始してください。今回の壊裂から出現する相手は世界を滅ぼしかねません!!なんとしても私達の手で食い止めましょう!!」
「はっ!!」
総理大臣を拉致してからリーリス達は自衛隊と東京特殊部隊と協力関係を築き、最初の頃は総理大臣を誘拐したテロ組織と警戒されていたが、幾度も壊裂から出現する魔物達を討伐した事で彼等も信用するようになり、現在ではリーリス達の指示によく従っていた。
実際の所は壊裂の現象が収まり次第に宇宙人を自称するリーリスが日本のみに宇宙船の技術を提供するという密約を交わしてから対応が変化した。勿論、リーリスに宇宙船の技術など知るはずがなく、当然だが壊裂が収まれば彼女は逃げる算段だった。
(リーリス、こいつら本当に信用していいの?さっきから私達の事を警戒した目で見てくるんだけど?)
(一体何故でしょうか?私達が何か気の触る事をしましたか?)
(いや、この世界には魔物はいないんですからそれは警戒しますよ)
牙竜に乗り込んだリディアと、ユニコーンに乗り込んだジャンヌに対して隊員達は一定の距離を保ち、銃器を握り締めた状態で冷や汗を流して観察を行う。その一方でロプスやミノに傍にいるスラミンを抱えたルノに隊員の何名かが近づき、写真撮影を依頼する人間もいた。
「いいよ」
「うん、問題ない」
「……どんとこい」
「どすこいっ!!」
「緊張しますね……」
「ていうか、本当にこいつらも連れて行けるの?」
研究施設にはルノ、ナオ、コトネ、デブリ、ジャンヌ、リディア、そしてギリョウ、ダンテ、ドリア、最後にリーリスを加えれば10名の人間が存在した。更に今回はユニコと牙竜も同行するために呼び寄せており、ルウやロプス、ミノやスラミンなども準備を整えている。
「本当に魔獣達も連れて行けるんでしょうね?」
「ええ、そこは問題ありません。クオを移送するときに使用した特製の檻があります。これを使えば転移装置の腕輪がなくとも魔獣達をあちらの世界へ送り込める事が出来ます」
「ぷるぷるっ……」
「こうしてみると悪い事をして捕まったようにしか見えないんだけど……」
それぞれのサイズに合わせた檻が用意され、ご丁寧にもスライム用の檻の中に閉じ込められたスラミンが儚げな表情を浮かべる。クオの移送用に作り出された転移機能付きの檻だが、残念ながら人間を送り込むには少々不具合があるらしく、地球へ転移できる人間は腕輪の数しか移送できない。
「ていうかこの戦力で本当に大丈夫なの?もっと戦力になる奴等がいるんじゃないの?」
「おい、何で俺を見て言うんだ!?」
「確かにS級の冒険者の方々に頼もうかと考えましたが、バランス的にはこれが一番です。ギリョウさんもナノマシンの技術で腰も治りましたし、これで現役完全復活ですね」
「あの妙な注射か……いきなり腰に注射器を打ち込まれた時は驚いたが、確かに身体が若返ったように軽いのう」
「リーリスさん、もう自分が治癒魔導士という事を忘れてるよね」
「……何を今更」
「ナオ様……お気を付けてください」
「デブリ、無茶をするのではないぞ!!」
見送りのためにナオの恋人のリンやデブリの父親のヨツバ国王も存在し、皇帝や先帝の姿も存在した。そしてルノの元にはドルトンがパイアを引き連れて現れ、挨拶を行う。
「ルノ様、まさか最初に会った時に貴方が英雄と呼ばれる程の御方になるとは思いもしませんでした……どうかお気を付けて」
「あんたとは色々とあったけど、まあ今は嫌いじゃないわよ」
「ありがとうドルトンさん、パイアさん……もしも帰る事が出来たらあっちの世界の品物も色々と持ってきます」
「おお、それは楽しみにしています!!」
ルノはドルトンと握手を行い、パイアにウィンクをされた後、リーリスに頷く。彼女は時間を確認し、予定よりも少々早いが地球の東京へ転移する事にした。
「では、行きますよ。世界の平和を守るために戦いましょう!!」
「……リーリスが言うと違和感を感じる」
「なんか、ガラじゃないよね」
「確かにのう」
「そこ、うるさいですよ!!私の実験台になりたいんですか!?」
「いてっ!?お、俺は何も言ってないだろうが!?」
ダンテに向けて空の薬瓶を投げつけた後、リーリスは転移装置を作動させる。往復分の転移石はこれで使い切る予定であり、戻って来たとしてもしばらくの間はこの世界へ残る事になるが、それでも地球の未来を救うために全員が力を合わせて転移を行う――
――新聞に記載された壊裂の発生時刻から1時間前にルノ達は転移を行い、既に東京の方では住民の避難活動を追え、自衛隊の軍隊や東京特殊部隊が戦闘準備を整えていた。高層ビルには壊裂に備えてミサイルや光学兵器が設置され、空中には無数の戦闘機が飛んでいた。
「リーリス殿!!戦闘準備は既に整っています!!いつでも壊裂を迎え撃てる用意は出来ています!!」
「分かりました。では、私達が合図を行ったら攻撃を開始してください。今回の壊裂から出現する相手は世界を滅ぼしかねません!!なんとしても私達の手で食い止めましょう!!」
「はっ!!」
総理大臣を拉致してからリーリス達は自衛隊と東京特殊部隊と協力関係を築き、最初の頃は総理大臣を誘拐したテロ組織と警戒されていたが、幾度も壊裂から出現する魔物達を討伐した事で彼等も信用するようになり、現在ではリーリス達の指示によく従っていた。
実際の所は壊裂の現象が収まり次第に宇宙人を自称するリーリスが日本のみに宇宙船の技術を提供するという密約を交わしてから対応が変化した。勿論、リーリスに宇宙船の技術など知るはずがなく、当然だが壊裂が収まれば彼女は逃げる算段だった。
(リーリス、こいつら本当に信用していいの?さっきから私達の事を警戒した目で見てくるんだけど?)
(一体何故でしょうか?私達が何か気の触る事をしましたか?)
(いや、この世界には魔物はいないんですからそれは警戒しますよ)
牙竜に乗り込んだリディアと、ユニコーンに乗り込んだジャンヌに対して隊員達は一定の距離を保ち、銃器を握り締めた状態で冷や汗を流して観察を行う。その一方でロプスやミノに傍にいるスラミンを抱えたルノに隊員の何名かが近づき、写真撮影を依頼する人間もいた。
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