639 / 657
崩壊地球編
壊裂の仕組み
しおりを挟む
「けど、どうして数千年前の火竜の先祖が解列から地球に現れたの?」
「そこまでは残念ながら分かりませんが……ですが、とある古文書によると数万年前、この世界は魔物で溢れかえり、人類の先祖は滅びかけたという記録があります。しかし、ある時に空から巨大な炎の塊が降り注ぎ、世界の環境が大きく変化したといいます」
「空から炎の塊?それってまさか……」
「ええ、隕石です。どうやらこの世界でも地球のように過去に巨大隕石が墜落し、星の環境が大きく変化した事で地上に暮らしていた生物の生態系を大き狂わせたようです」
恐竜が地上を支配していた頃の地球に落ちた隕石、それによって環境は大きく変化して恐竜は絶滅したと言われている。どうやらこちらの世界でも過去に同じような事例が起きたらしく、魔物が地上に溢れかえっている頃に隕石が衝突し、その影響で多くの魔物が絶滅したという。
「恐らくルノさんが戦ったのは火竜の「原種」です。そして絶滅したはずの火竜の原種が地球に現れたという事は、恐らくあの壊裂の先の世界は数万年前のこの世界だと思われます!!恐らく、まだ隕石が衝突する前か、あるいは直後の世界の魔物が地球へ訪れているんです!!」
「数万年前の魔物……何か、途方もない話になってきた」
「けど、どうして数万年前の魔物が突然地球へ訪れるようになったんだろう……」
「そこまでは分かりません。ですが、この壊裂はどうやら地球へ送り込まれた魔物が活動している間に規模が広がり、逆に送り込まれた魔物が倒された途端に規模が縮小化しました。詳しい原理は分かりませんが、地球上に存在しない生物が訪れた事で壊裂が発生した可能性はあります」
「なるほど……?」
まだまだ謎は多いが、壊裂から出現する魔物の正体は数万年前の時代の異世界の魔物で間違いなく、さらに出現した魔物が活動を続けている間は壊裂の規模が拡大化される一方、魔物を討伐して経験石を回収すれば壊裂の規模は縮小化される事は判明した。
火竜の原種を倒したことで現在の壊裂は規模が縮小化され、今の所は大きな変化はない。これで危機が去ってくれればいいのだが、試しにリーリスは転移装置を作動して映像を切り替える。
「地球の映像を1年後の世界の映像へ切り替えます。ここでルノさんが火竜の原種を倒した事で未来が変わったかもしれません」
「そうだといいけど……」
儚い希望を抱いて転移装置の画面の映像を切り替えると、そこには数日前に見た世界と同じ風景が広がっており、残念ながら1年後には世界は滅びるという運命は変化していなかった。東京の上空には数キロは存在する壊裂が広がっており、亀裂の隙間から次々と魔物が出現する映像が映し出される。
残念ながらルノが火竜の原種を倒しても未来に大きな変化は見えず、1年後には人類は滅び、魔物に支配されるという運命に変わりはないように思われた。だが、リーリスは崩壊した東京の風景を眺め、ある提案を行う。
「……今から皆でこの世界へ転移して少し調べてみましょうか」
「転移!?この1年後の世界へ!?」
「はい、この時代なら何か手掛かりが掴めるかもしれません。まだ全人類が滅びたとは限りませんし、それに記録が残っていれば回収しておきたいんです」
「記録?」
「例えば新聞とか残っていれば何年の何月に何が起きたのか記載されているはずです。それを確認出来れば次に壊裂に異変が生じる日付と時間帯が把握出来ます。そうしたら私達で何とか対処出来るかもしれません」
「あっ!!そういう事か……それなら探してみよう!!」
「……よく分からないけど、勇者の世界へ行けるの?」
「大丈夫です、こんな時のために転移石は大量に確保してますからね」
リーリスは全員分の腕輪を取り出して装着させると、転移先を東京に存在する適当な図書館へ指定する。比較的に他の建物と比べて崩壊も少なく、大きな図書館を選び、転移を発動させる準備を行う。
「準備はいいですか?もしもの時を考えて1時間後に自動的に戻れるように設定しておきます。絶対に腕輪は無くさないでくださいね」
「分かった」
「もしも他の人間を見つけたらどうする?」
「助けられるのなら助けましょう。けど、この世界へ連れて帰る事は出来ません。私たちがもしも壊裂の原因を突き止め、崩壊する未来を変えた場合、この世界に生き残っている人たちがどうなるのか分かりません。存在が消えてしまうのか、あるいはパラレルワールドとして私達が住む世界とは異なる世界として続くのか……」
「ぱられる……?」
「まあ、色々と考えても仕方ないですね。では、出発しましょう!!あ、おやつは300円までですよ!!バナナはおやつに含まれません!!」
「遠足!?」
「どう見ても遠足で行くような場所じゃないけどね……」
転移装置の設定を変更させ、リーリスは装置を発動させた瞬間、4人は光に飲み込まれて崩壊後の地球へ遂に転移する――
「そこまでは残念ながら分かりませんが……ですが、とある古文書によると数万年前、この世界は魔物で溢れかえり、人類の先祖は滅びかけたという記録があります。しかし、ある時に空から巨大な炎の塊が降り注ぎ、世界の環境が大きく変化したといいます」
「空から炎の塊?それってまさか……」
「ええ、隕石です。どうやらこの世界でも地球のように過去に巨大隕石が墜落し、星の環境が大きく変化した事で地上に暮らしていた生物の生態系を大き狂わせたようです」
恐竜が地上を支配していた頃の地球に落ちた隕石、それによって環境は大きく変化して恐竜は絶滅したと言われている。どうやらこちらの世界でも過去に同じような事例が起きたらしく、魔物が地上に溢れかえっている頃に隕石が衝突し、その影響で多くの魔物が絶滅したという。
「恐らくルノさんが戦ったのは火竜の「原種」です。そして絶滅したはずの火竜の原種が地球に現れたという事は、恐らくあの壊裂の先の世界は数万年前のこの世界だと思われます!!恐らく、まだ隕石が衝突する前か、あるいは直後の世界の魔物が地球へ訪れているんです!!」
「数万年前の魔物……何か、途方もない話になってきた」
「けど、どうして数万年前の魔物が突然地球へ訪れるようになったんだろう……」
「そこまでは分かりません。ですが、この壊裂はどうやら地球へ送り込まれた魔物が活動している間に規模が広がり、逆に送り込まれた魔物が倒された途端に規模が縮小化しました。詳しい原理は分かりませんが、地球上に存在しない生物が訪れた事で壊裂が発生した可能性はあります」
「なるほど……?」
まだまだ謎は多いが、壊裂から出現する魔物の正体は数万年前の時代の異世界の魔物で間違いなく、さらに出現した魔物が活動を続けている間は壊裂の規模が拡大化される一方、魔物を討伐して経験石を回収すれば壊裂の規模は縮小化される事は判明した。
火竜の原種を倒したことで現在の壊裂は規模が縮小化され、今の所は大きな変化はない。これで危機が去ってくれればいいのだが、試しにリーリスは転移装置を作動して映像を切り替える。
「地球の映像を1年後の世界の映像へ切り替えます。ここでルノさんが火竜の原種を倒した事で未来が変わったかもしれません」
「そうだといいけど……」
儚い希望を抱いて転移装置の画面の映像を切り替えると、そこには数日前に見た世界と同じ風景が広がっており、残念ながら1年後には世界は滅びるという運命は変化していなかった。東京の上空には数キロは存在する壊裂が広がっており、亀裂の隙間から次々と魔物が出現する映像が映し出される。
残念ながらルノが火竜の原種を倒しても未来に大きな変化は見えず、1年後には人類は滅び、魔物に支配されるという運命に変わりはないように思われた。だが、リーリスは崩壊した東京の風景を眺め、ある提案を行う。
「……今から皆でこの世界へ転移して少し調べてみましょうか」
「転移!?この1年後の世界へ!?」
「はい、この時代なら何か手掛かりが掴めるかもしれません。まだ全人類が滅びたとは限りませんし、それに記録が残っていれば回収しておきたいんです」
「記録?」
「例えば新聞とか残っていれば何年の何月に何が起きたのか記載されているはずです。それを確認出来れば次に壊裂に異変が生じる日付と時間帯が把握出来ます。そうしたら私達で何とか対処出来るかもしれません」
「あっ!!そういう事か……それなら探してみよう!!」
「……よく分からないけど、勇者の世界へ行けるの?」
「大丈夫です、こんな時のために転移石は大量に確保してますからね」
リーリスは全員分の腕輪を取り出して装着させると、転移先を東京に存在する適当な図書館へ指定する。比較的に他の建物と比べて崩壊も少なく、大きな図書館を選び、転移を発動させる準備を行う。
「準備はいいですか?もしもの時を考えて1時間後に自動的に戻れるように設定しておきます。絶対に腕輪は無くさないでくださいね」
「分かった」
「もしも他の人間を見つけたらどうする?」
「助けられるのなら助けましょう。けど、この世界へ連れて帰る事は出来ません。私たちがもしも壊裂の原因を突き止め、崩壊する未来を変えた場合、この世界に生き残っている人たちがどうなるのか分かりません。存在が消えてしまうのか、あるいはパラレルワールドとして私達が住む世界とは異なる世界として続くのか……」
「ぱられる……?」
「まあ、色々と考えても仕方ないですね。では、出発しましょう!!あ、おやつは300円までですよ!!バナナはおやつに含まれません!!」
「遠足!?」
「どう見ても遠足で行くような場所じゃないけどね……」
転移装置の設定を変更させ、リーリスは装置を発動させた瞬間、4人は光に飲み込まれて崩壊後の地球へ遂に転移する――
0
お気に入りに追加
11,310
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。


友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【書籍化進行中、完結】私だけが知らない
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
ファンタジー
書籍化進行中です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。