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崩壊地球編
壊裂の仕組み
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「けど、どうして数千年前の火竜の先祖が解列から地球に現れたの?」
「そこまでは残念ながら分かりませんが……ですが、とある古文書によると数万年前、この世界は魔物で溢れかえり、人類の先祖は滅びかけたという記録があります。しかし、ある時に空から巨大な炎の塊が降り注ぎ、世界の環境が大きく変化したといいます」
「空から炎の塊?それってまさか……」
「ええ、隕石です。どうやらこの世界でも地球のように過去に巨大隕石が墜落し、星の環境が大きく変化した事で地上に暮らしていた生物の生態系を大き狂わせたようです」
恐竜が地上を支配していた頃の地球に落ちた隕石、それによって環境は大きく変化して恐竜は絶滅したと言われている。どうやらこちらの世界でも過去に同じような事例が起きたらしく、魔物が地上に溢れかえっている頃に隕石が衝突し、その影響で多くの魔物が絶滅したという。
「恐らくルノさんが戦ったのは火竜の「原種」です。そして絶滅したはずの火竜の原種が地球に現れたという事は、恐らくあの壊裂の先の世界は数万年前のこの世界だと思われます!!恐らく、まだ隕石が衝突する前か、あるいは直後の世界の魔物が地球へ訪れているんです!!」
「数万年前の魔物……何か、途方もない話になってきた」
「けど、どうして数万年前の魔物が突然地球へ訪れるようになったんだろう……」
「そこまでは分かりません。ですが、この壊裂はどうやら地球へ送り込まれた魔物が活動している間に規模が広がり、逆に送り込まれた魔物が倒された途端に規模が縮小化しました。詳しい原理は分かりませんが、地球上に存在しない生物が訪れた事で壊裂が発生した可能性はあります」
「なるほど……?」
まだまだ謎は多いが、壊裂から出現する魔物の正体は数万年前の時代の異世界の魔物で間違いなく、さらに出現した魔物が活動を続けている間は壊裂の規模が拡大化される一方、魔物を討伐して経験石を回収すれば壊裂の規模は縮小化される事は判明した。
火竜の原種を倒したことで現在の壊裂は規模が縮小化され、今の所は大きな変化はない。これで危機が去ってくれればいいのだが、試しにリーリスは転移装置を作動して映像を切り替える。
「地球の映像を1年後の世界の映像へ切り替えます。ここでルノさんが火竜の原種を倒した事で未来が変わったかもしれません」
「そうだといいけど……」
儚い希望を抱いて転移装置の画面の映像を切り替えると、そこには数日前に見た世界と同じ風景が広がっており、残念ながら1年後には世界は滅びるという運命は変化していなかった。東京の上空には数キロは存在する壊裂が広がっており、亀裂の隙間から次々と魔物が出現する映像が映し出される。
残念ながらルノが火竜の原種を倒しても未来に大きな変化は見えず、1年後には人類は滅び、魔物に支配されるという運命に変わりはないように思われた。だが、リーリスは崩壊した東京の風景を眺め、ある提案を行う。
「……今から皆でこの世界へ転移して少し調べてみましょうか」
「転移!?この1年後の世界へ!?」
「はい、この時代なら何か手掛かりが掴めるかもしれません。まだ全人類が滅びたとは限りませんし、それに記録が残っていれば回収しておきたいんです」
「記録?」
「例えば新聞とか残っていれば何年の何月に何が起きたのか記載されているはずです。それを確認出来れば次に壊裂に異変が生じる日付と時間帯が把握出来ます。そうしたら私達で何とか対処出来るかもしれません」
「あっ!!そういう事か……それなら探してみよう!!」
「……よく分からないけど、勇者の世界へ行けるの?」
「大丈夫です、こんな時のために転移石は大量に確保してますからね」
リーリスは全員分の腕輪を取り出して装着させると、転移先を東京に存在する適当な図書館へ指定する。比較的に他の建物と比べて崩壊も少なく、大きな図書館を選び、転移を発動させる準備を行う。
「準備はいいですか?もしもの時を考えて1時間後に自動的に戻れるように設定しておきます。絶対に腕輪は無くさないでくださいね」
「分かった」
「もしも他の人間を見つけたらどうする?」
「助けられるのなら助けましょう。けど、この世界へ連れて帰る事は出来ません。私たちがもしも壊裂の原因を突き止め、崩壊する未来を変えた場合、この世界に生き残っている人たちがどうなるのか分かりません。存在が消えてしまうのか、あるいはパラレルワールドとして私達が住む世界とは異なる世界として続くのか……」
「ぱられる……?」
「まあ、色々と考えても仕方ないですね。では、出発しましょう!!あ、おやつは300円までですよ!!バナナはおやつに含まれません!!」
「遠足!?」
「どう見ても遠足で行くような場所じゃないけどね……」
転移装置の設定を変更させ、リーリスは装置を発動させた瞬間、4人は光に飲み込まれて崩壊後の地球へ遂に転移する――
「そこまでは残念ながら分かりませんが……ですが、とある古文書によると数万年前、この世界は魔物で溢れかえり、人類の先祖は滅びかけたという記録があります。しかし、ある時に空から巨大な炎の塊が降り注ぎ、世界の環境が大きく変化したといいます」
「空から炎の塊?それってまさか……」
「ええ、隕石です。どうやらこの世界でも地球のように過去に巨大隕石が墜落し、星の環境が大きく変化した事で地上に暮らしていた生物の生態系を大き狂わせたようです」
恐竜が地上を支配していた頃の地球に落ちた隕石、それによって環境は大きく変化して恐竜は絶滅したと言われている。どうやらこちらの世界でも過去に同じような事例が起きたらしく、魔物が地上に溢れかえっている頃に隕石が衝突し、その影響で多くの魔物が絶滅したという。
「恐らくルノさんが戦ったのは火竜の「原種」です。そして絶滅したはずの火竜の原種が地球に現れたという事は、恐らくあの壊裂の先の世界は数万年前のこの世界だと思われます!!恐らく、まだ隕石が衝突する前か、あるいは直後の世界の魔物が地球へ訪れているんです!!」
「数万年前の魔物……何か、途方もない話になってきた」
「けど、どうして数万年前の魔物が突然地球へ訪れるようになったんだろう……」
「そこまでは分かりません。ですが、この壊裂はどうやら地球へ送り込まれた魔物が活動している間に規模が広がり、逆に送り込まれた魔物が倒された途端に規模が縮小化しました。詳しい原理は分かりませんが、地球上に存在しない生物が訪れた事で壊裂が発生した可能性はあります」
「なるほど……?」
まだまだ謎は多いが、壊裂から出現する魔物の正体は数万年前の時代の異世界の魔物で間違いなく、さらに出現した魔物が活動を続けている間は壊裂の規模が拡大化される一方、魔物を討伐して経験石を回収すれば壊裂の規模は縮小化される事は判明した。
火竜の原種を倒したことで現在の壊裂は規模が縮小化され、今の所は大きな変化はない。これで危機が去ってくれればいいのだが、試しにリーリスは転移装置を作動して映像を切り替える。
「地球の映像を1年後の世界の映像へ切り替えます。ここでルノさんが火竜の原種を倒した事で未来が変わったかもしれません」
「そうだといいけど……」
儚い希望を抱いて転移装置の画面の映像を切り替えると、そこには数日前に見た世界と同じ風景が広がっており、残念ながら1年後には世界は滅びるという運命は変化していなかった。東京の上空には数キロは存在する壊裂が広がっており、亀裂の隙間から次々と魔物が出現する映像が映し出される。
残念ながらルノが火竜の原種を倒しても未来に大きな変化は見えず、1年後には人類は滅び、魔物に支配されるという運命に変わりはないように思われた。だが、リーリスは崩壊した東京の風景を眺め、ある提案を行う。
「……今から皆でこの世界へ転移して少し調べてみましょうか」
「転移!?この1年後の世界へ!?」
「はい、この時代なら何か手掛かりが掴めるかもしれません。まだ全人類が滅びたとは限りませんし、それに記録が残っていれば回収しておきたいんです」
「記録?」
「例えば新聞とか残っていれば何年の何月に何が起きたのか記載されているはずです。それを確認出来れば次に壊裂に異変が生じる日付と時間帯が把握出来ます。そうしたら私達で何とか対処出来るかもしれません」
「あっ!!そういう事か……それなら探してみよう!!」
「……よく分からないけど、勇者の世界へ行けるの?」
「大丈夫です、こんな時のために転移石は大量に確保してますからね」
リーリスは全員分の腕輪を取り出して装着させると、転移先を東京に存在する適当な図書館へ指定する。比較的に他の建物と比べて崩壊も少なく、大きな図書館を選び、転移を発動させる準備を行う。
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「ぱられる……?」
「まあ、色々と考えても仕方ないですね。では、出発しましょう!!あ、おやつは300円までですよ!!バナナはおやつに含まれません!!」
「遠足!?」
「どう見ても遠足で行くような場所じゃないけどね……」
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この子のおかげで作家デビューできました
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