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崩壊地球編
崩壊の予兆
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研究施設へ戻って来たルノ達は転移装置の画面に視線を向けると、まだ崩壊魔の東京の上空に「空間の亀裂」を想像させる現象が起きている事に気付く。但し、崩壊後の東京の上空に存在した物よりは規模が小さく、亀裂の周囲には無数のヘリコプターとドローンが浮かんでいた。
「これを見てください!!あの亀裂で間違いないでしょう?」
「本当だ!!けど、何があったの?」
「……リーリスと交代で私が見ていた時に唐突に空間に亀裂が走った」
コトネも研究施設で待機していたらしく、リーリスと二人で交代しながら地球の様子を観察を行っていたという。コトネによると東京の上空に現れたリーリス達が「壊裂」と名付けた現象は突如として発生したらしく、少し前までは普通の青空が広がっていたらしい。
壊裂が起きる寸前に何らかの予兆があるのかと思われたが、残念ながら何も確認されず、突如として現れた空間の亀裂に東京中の人間は混乱を起こす。テレビ局のヘリコプターや一般市民が飛ばしたと思われるドローン、果てには自衛隊の飛行機まで派遣されていた。
「どうやらまだ魔物は出現していないようですが、人々は混乱に陥っていますね。亀裂の規模はだいたい数百メートル程度でしょうか……」
「この亀裂から魔物が表れて人類は滅ぶのか……リーリス、転移石を使ってこの時代に飛ぶことは出来る?」
「可能です。ですけど、今は様子を伺いましょう。ここで私達が転移して東京を守った場合、この時代の人類に私達の存在が確認されます。そうなると色々と面倒な事になりますよ」
「けど……」
自分達が何もしなければ世界が滅ぶと分かっているため、ルノはこのまま放置するのかと不安を抱くと、リーリスが画面を指差す。
「あ、見てください!!壊裂が徐々に広がっていきます!!映像を拡大化しますね!!」
「まさか、もう魔物が現れるのか?」
「そんなっ……」
「見て、出てくるっ!!」
空間の亀裂が更に広がり、やがて亀裂の内部から火竜と思われる生物が出現した。ルノ達が知っている火竜とは少々姿は異なるが、全身が赤色の鱗に覆われ、額の部分に経験石で構成された角を生やした火竜が亀裂から抜け出し、地上へ向けて落下する。その光景を目撃したルノ達は呆気に取られ、地上へ降り立った火竜と思わしき生物に動揺する。
「これって……もしかして火竜!?」
「けど、普通の火竜と少し違う……頭に角みたいなのが生えてるし、それに翼の形も微妙に違う……」
「この姿……もしかして」
「……リーリス?」
東京に現れた火竜と思われる生物にルノ達は戸惑うが、リーリスだけは何か心当たりがあるのか目つきを鋭くさせる。だが、話している間にも東京へ降り立った火竜は地上のビルに着地した瞬間、あまりの体重に耐え切れずにビルに亀裂が走り、地上の人々は突如として現れた火竜の姿を見て悲鳴を上げながら逃げ惑う。
火竜は周囲を警戒するように首を見渡すと、やがて空を飛ぶヘリコプターの存在に気付き、何を思ったのか翼を広げて浮上する。そして空中を移動するヘリコプターに向けて突進していく。
「危ないっ!?」
「ヘリコプターが……!!」
ルノ達の目の前で火竜はヘリコプターに向けて突進し、墜落させようと首を伸ばす。ヘリコプターに乗っていた人間たちは自分達が狙われている事に気づくと慌てて急旋回を行い、逃走する。
「リーリス!!このままだとヘリの人達が……!!」
「分かってます……仕方ないですね、なら転移装置の実験を早めます!!ルノさん、準備してください!!5分間だけあちらの世界へ戻れるように操作します!!」
「そんな事が出来るの!?」
「この数日の間に装置の使い方を調べつくしましたからね……いいですか、5分ですよ!!5分以内にあの火竜を倒してください!!」
「分かった!!」
転移装置の作動させるためにリーリスは画面に触れるとキーボードのようなタッチパネルが表示され、彼女は材料となる転移装置をルノに手渡すと、腕輪のような装置を渡す。
「この腕輪を装着した状態で転移石を設置してください!!5分後に再びここへ戻ってこられます!!いいですか、腕輪を失くしたら駄目ですよ!!この腕輪がこの世界へ戻るための命綱なんです!!」
「もしも腕輪を失くしたらどうなるの!?」
「恐らく、この世界の他の時代に飛ばされます!!下手をしたら何百年前か、あるいは何千年も経過した世界へ飛ばされる危険性があります!!絶対になくさないでくださいね!!」
「わ、分かった!!」
リーリスに言われるままにルノは腕輪を装着すると、四角形に加工された転移石を装着する。やがて画面のタッチパネルにリーリスはルノを転移させる経緯と緯度を設定すると、転移装置を起動させた。
「転移、発動します!!」
「ルノ君!!頼んだよ!!」
「ルノ、頑張って!!」
「ああ……行ってきます!!」
ルノの足元に最初にこの世界へ飛ばされた時に見かけた「魔法陣」が浮き上がった瞬間、閃光を想像させる光の奔流がルノを飲み込んだ――
「これを見てください!!あの亀裂で間違いないでしょう?」
「本当だ!!けど、何があったの?」
「……リーリスと交代で私が見ていた時に唐突に空間に亀裂が走った」
コトネも研究施設で待機していたらしく、リーリスと二人で交代しながら地球の様子を観察を行っていたという。コトネによると東京の上空に現れたリーリス達が「壊裂」と名付けた現象は突如として発生したらしく、少し前までは普通の青空が広がっていたらしい。
壊裂が起きる寸前に何らかの予兆があるのかと思われたが、残念ながら何も確認されず、突如として現れた空間の亀裂に東京中の人間は混乱を起こす。テレビ局のヘリコプターや一般市民が飛ばしたと思われるドローン、果てには自衛隊の飛行機まで派遣されていた。
「どうやらまだ魔物は出現していないようですが、人々は混乱に陥っていますね。亀裂の規模はだいたい数百メートル程度でしょうか……」
「この亀裂から魔物が表れて人類は滅ぶのか……リーリス、転移石を使ってこの時代に飛ぶことは出来る?」
「可能です。ですけど、今は様子を伺いましょう。ここで私達が転移して東京を守った場合、この時代の人類に私達の存在が確認されます。そうなると色々と面倒な事になりますよ」
「けど……」
自分達が何もしなければ世界が滅ぶと分かっているため、ルノはこのまま放置するのかと不安を抱くと、リーリスが画面を指差す。
「あ、見てください!!壊裂が徐々に広がっていきます!!映像を拡大化しますね!!」
「まさか、もう魔物が現れるのか?」
「そんなっ……」
「見て、出てくるっ!!」
空間の亀裂が更に広がり、やがて亀裂の内部から火竜と思われる生物が出現した。ルノ達が知っている火竜とは少々姿は異なるが、全身が赤色の鱗に覆われ、額の部分に経験石で構成された角を生やした火竜が亀裂から抜け出し、地上へ向けて落下する。その光景を目撃したルノ達は呆気に取られ、地上へ降り立った火竜と思わしき生物に動揺する。
「これって……もしかして火竜!?」
「けど、普通の火竜と少し違う……頭に角みたいなのが生えてるし、それに翼の形も微妙に違う……」
「この姿……もしかして」
「……リーリス?」
東京に現れた火竜と思われる生物にルノ達は戸惑うが、リーリスだけは何か心当たりがあるのか目つきを鋭くさせる。だが、話している間にも東京へ降り立った火竜は地上のビルに着地した瞬間、あまりの体重に耐え切れずにビルに亀裂が走り、地上の人々は突如として現れた火竜の姿を見て悲鳴を上げながら逃げ惑う。
火竜は周囲を警戒するように首を見渡すと、やがて空を飛ぶヘリコプターの存在に気付き、何を思ったのか翼を広げて浮上する。そして空中を移動するヘリコプターに向けて突進していく。
「危ないっ!?」
「ヘリコプターが……!!」
ルノ達の目の前で火竜はヘリコプターに向けて突進し、墜落させようと首を伸ばす。ヘリコプターに乗っていた人間たちは自分達が狙われている事に気づくと慌てて急旋回を行い、逃走する。
「リーリス!!このままだとヘリの人達が……!!」
「分かってます……仕方ないですね、なら転移装置の実験を早めます!!ルノさん、準備してください!!5分間だけあちらの世界へ戻れるように操作します!!」
「そんな事が出来るの!?」
「この数日の間に装置の使い方を調べつくしましたからね……いいですか、5分ですよ!!5分以内にあの火竜を倒してください!!」
「分かった!!」
転移装置の作動させるためにリーリスは画面に触れるとキーボードのようなタッチパネルが表示され、彼女は材料となる転移装置をルノに手渡すと、腕輪のような装置を渡す。
「この腕輪を装着した状態で転移石を設置してください!!5分後に再びここへ戻ってこられます!!いいですか、腕輪を失くしたら駄目ですよ!!この腕輪がこの世界へ戻るための命綱なんです!!」
「もしも腕輪を失くしたらどうなるの!?」
「恐らく、この世界の他の時代に飛ばされます!!下手をしたら何百年前か、あるいは何千年も経過した世界へ飛ばされる危険性があります!!絶対になくさないでくださいね!!」
「わ、分かった!!」
リーリスに言われるままにルノは腕輪を装着すると、四角形に加工された転移石を装着する。やがて画面のタッチパネルにリーリスはルノを転移させる経緯と緯度を設定すると、転移装置を起動させた。
「転移、発動します!!」
「ルノ君!!頼んだよ!!」
「ルノ、頑張って!!」
「ああ……行ってきます!!」
ルノの足元に最初にこの世界へ飛ばされた時に見かけた「魔法陣」が浮き上がった瞬間、閃光を想像させる光の奔流がルノを飲み込んだ――
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