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崩壊地球編

草原の制圧

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その一方、他の面々も甲殻獣を相手に次々と討伐していく。獣人国の大将軍であるウォン、そしてルノ達と交流があるガオンも部隊を引き連れて甲殻獣を追跡する。


「奴らの弱点は首だ!!生まれた時から硬い頭に守られいるせいでそこだけは強くならなかった!!」
「狙うのならば背後から斜めに首を刺せ、正面からではなく後方から狙うのだ」
『うおおおおっ!!』
『フゴォオオオッ!?』


どちらも将軍としては有能のため、適切な指示を与えて甲殻獣に追撃を行う。獣人族は運動能力は高く、甲殻獣の速度にも追いつき、背中から飛び乗って刃を首元に突き刺す。甲殻獣は正面からの攻撃に対しては頑丈な頭で守られるが、その頭を操作する首の筋肉は柔軟で非常に柔らかく、硬い甲殻獣の肉体の中でも刃が唯一通用する箇所だった。

他の人間も獣人国軍に負けないように動き、特にヨツバ王国の部隊はナオの協力もあって次々と甲殻獣の捕獲に成功していた。ナオの空間魔法によって正面から接近してきた甲殻獣を黒渦に飲み込み、高所に展開していた黒渦から甲殻獣を吐き出して地上へ墜落させていく。


「フゴォオオオッ!!」
「はい、一名様ご案内!!」
「フガァッ!?」


黒渦に甲殻獣が突っ込み、そのまま100メートルほどの高さに設置された黒渦から出現し、自分が走ってきた勢いと重力も加算して地上へと衝突する。頑丈な頭から地面に突っ込んだ甲殻獣は上半身が埋もれ、必死に抜け出そうと暴れる中、森人族の兵士たちが取り囲む。


「ナオ様!!十分な数の甲殻獣を捕獲できました!!一度外部へ引き換えしましょう!!」
「分かった!!ならデブリ王子、ここは任せてもいい?」
「ああ、任せろ!!どすこいっ!!」
「フゴォッ!?」


張り手で正面から迫ってきた甲殻獣を叩きのめし、更に1トンはあるであろう倒れた甲殻獣の肉体を掴んだデブリはそのまま背負い投げを行って他の個体へと叩きつける。


「うおおおっ!!」
『フガォッ!?』
「で、デブリ王子……凄い」
「本当にあれがあのダメダメだったデブリ王子だったのか!?」
「というか、魔法使わずにあれだけの筋力を持つとは……流石は王族の家系、凄まじいな」


兵士達はデブリの活躍を見て圧倒され、今までは駄目王子と認識されていた彼も現在は多くの兵士に頼られ、日々人望を高めていた。デブリは甲殻獣を手放すと兵士達に指示を出す。


「さあ、お前たちも一緒に行くんだ!!ここは僕に任せて先に行け!!」
「お、王子!!」
「遠慮するな、この程度の数の甲殻獣など僕の敵じゃない!!昆虫種の方がまだ歯応えがあったぞ!!」


デブリは嬉々とした表情で甲殻獣の群れに突進し、次々と甲殻獣を叩きのめす。その光景は他の国の将軍も圧倒され、剣を握り締めたサムカと巨人国の四柱将も圧倒される。


「はあっ……ヨツバ王国の筋肉王子の噂は耳にしていたけど、実際に見ると噂以上の猛者だね」
「信じられんのう。あのデブリ王子がここまで変わるとは……」
「我らも負けていられんぞ!!若者に後れを取るな!!」


デブリの行為に他の者たちも負けん気を起こし、甲殻獣の討伐に励む。一方で帝国四天王であると同時に日影の頭領を務めるコトネは部下たちを引き連れ、甲殻獣を誘導する。


「……こっちにおいで、あっかんべえっ」
『フゴォオオオッ!!』
「コトネさん!!もう十分です!!あとは僕たちに任せてください!!」
「ちっ、不動のダンテ様を舐めるなよ!!」


帝国で二番目の魔術師であるドリアが杖を構えると空中に二つの魔法陣を発動させ、同時に砲撃魔法を放つ。その彼を守るようにダンテは盾を構え、魔法から逃れた甲殻獣を追い払う。


「二重魔法!!フレイムランサー!!」
「反動!!」
『フゴォオオオッ!?』


コトネが引き付けた甲殻獣の群れをドリアの砲撃魔法で薙ぎ払い、ダンテが撃ち漏らした個体を盾で弾き飛ばす。戦闘を開始してから既に1時間は経過しており、草原に生息していた甲殻獣の大半が討伐が捕獲に成功する。だが、あまりに騒ぎすぎた事で他の地域の魔物も押し寄せてきた。


「シャアアアアッ!!」
「い、いかん!!竜種だ、竜種が現れたぞ!!」
「黒色の火竜だ!!全員撤退しろ!!」
「ルノ殿に合図を送れ!!」
「僕に任せてください!!フラッシュランス!!」


上空から火竜の亜種が登場し、地上へ向けて接近するのを確認すると、ドリアが上空に砲撃魔法を放ち、閃光が放たれる。それを目撃した火竜が目をくらみ、体勢を崩す。


「シャアッ……!?」
『うおおおおおっ!!』


火竜が目をくらませて体勢を崩した瞬間、何処からか氷竜に乗り込んだルノが出現し、そのまま火竜の首元を食らいつかせて地上へと叩き落とす。


「ギシャアアッ!?」
『おらおらおらおらっ!!』
『ひいいっ!?』


地上へと叩きつけた火竜の亜種に氷竜は容赦なく猛攻を加え、反撃の隙も与えずに仕留める。その様子を見た他の者たちはルノの力を見せつけられ、身体を震わせる。
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