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外伝〈転移石を求めて〉
日の国からの贈り物
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「それにしても大迷宮に竜種まで存在するなんて……こいつら、壁を破壊して外へ出てこないのか?」
「大迷宮の壁を構成しているのはアダマンタイトのように硬い煉瓦で構成されている。だから竜種であろうと簡単には破壊出来ないから心配ない」
「アダマンタイトって確か最も硬い魔法金属の事だっけ?前に日の国で見かけたよね」
「あっ……そういえばこれを渡し忘れていた」
日の国を話題を出すとコトネは思い出したように収納石のブレスレットを構え、異空間から漆黒の日本刀を取り出すとルノに渡す。
「これ、日の国から送られてきたルノ専用の刀。前に事件を解決した時に御殿様がお礼として腕利きの鍛冶師に命じて作った」
「御殿様……ああ、日の国の殿様か」
魔王軍が関与した辻切の正体をルノ達が突き止め、犯人が七大魔剣と呼ばれる剣を用いて大きな騒動を引き起こしたが、ルノの力によって事件は解決された。その際に日の国を治める殿様がルノに感謝の印としてアダマンタイトで構成された日本刀を送ったという。
魔術師であるルノに剣士の武器を送りつけるのは不自然に思えるかもしれないが、日の国では侍しか装備が許されない日本刀は特別な存在として扱われ、しかも純粋なアダマンタイトだけで構成された日本刀など滅多に存在しない。世界で最も硬度が高い金属の武器ならばルノが扱っても壊れる可能性は低い。
「使うときは気を付けた方が良い。凄く重いから剣を振る時に力加減を気を付けて?」
「そう?そんなに重くはないと思うけど……」
「……今の言葉は失言だった。忘れて欲しい」
コトネはぷるぷると震えながら重量の重いアダマンタイトの日本刀を渡すが、ルノは片手で受け取ると軽々と振り回し、手元の感触を確かめる。素の身体能力はデブリでさえも上回るルノにとってはアダマンタイト製の武器でさえも重量は苦にならず、むしろ本物の日本刀を手にして興味を抱く。
「これが日の国の刀か……という事は日本刀ならぬ、日国刀とでも呼ばれてたりして」
「他の国では私達の国の刀は「異剣」と呼ばれている。元々、この世界には存在しない技術で作り出された武器だから他国では異世界人が扱う武器として認識されていたりする」
過去に召喚された異世界人、つまりは地球の日本人によって作り出された日の国の「刀」はこの世界の人間には馴染みのない武器のため、他国によっては呼び方が異なる。最も日の国が建国されてから長い時が経過したので日の国以外の場所でも日の国の技術は伝わり、刀を扱う者も少なからず存在するが。
「これ、抜いて見ていい?」
「いい、それはルノの刀」
「なら、遠慮なく……おお、漆黒の刀だ」
ルノは興奮気味に鞘から刀を引き抜くと、漆黒の刃が出現し、独特の波紋が刻まれた刀身を見て感動を覚えた。素材はこの世界の物だが本物の「日本刀」を手にした事に興奮を隠せず、試しにその場で素振りを行って感触を確かめる。
「あ、凄い良い感じ!!手元にしっくりくるというか……とにかくすっごい!!」
「……とりあえず、凄く嬉しい事は伝わった」
初めて貰ったおもちゃを子供の様にはしゃぎながら刀を振り回すルノに対してコトネは口元に笑みを浮かべ、同時に残念ながら最高級の日本刀を手にしたとしてもルノ本人は武器の扱いが素人である事が分かる。但し、素人と言っても普通の人間ではなく、魔術師でありながら肉体方面の能力も世界最高クラスを誇るルノが扱う場合は別の話だが。
「よっ、ほっ……36煩悩斬り!!なんてね」
「その台詞は何故だか知らないけど危険な気がする……そろそろ他の皆と合流した方が良い」
「あ、そうだった!!遊んでいる場合じゃないや!!」
漆黒の日本刀をルノは腰に戻すと、すぐにはぐれた3人を捜索するために異動を再開しようとした時、その前に最後に日本刀の名前を何と呼べばいいのか気になった。
「この刀の名前はないの?ないなら俺が付けていいのかな?」
「……基本的に日の国のアダマンタイト製の刀は鍛冶師が刀身に刻む事が多い。だからルノの刃にも名前が彫られていると思う」
「あ、本当だ。名前は……黒影か。なければ秋〇と名付けようと思ったのに……」
「それは止めた方が良い、絶対に」
黒影と呼ばれる日本刀を手にしたルノは腰に装着すると、本格的に他の仲間の捜索のため、再び氷自動車を生み出してコトネを乗せて移動を行う。飛翔術の場合は他の人間を連れて移動する事は難しく、下手をしたら移動の際に押しかかる負荷に同行人が耐え切れない可能性が高い。
スポーツカー型の氷自動車に乗ったルノ達は高原を隈なく探索し、他の仲間達の姿や手掛かりが残っていないのか探索するが、第五階層に到着してから30分程経過した頃には高原を抜け出し、今度は荒野が広がる場所へ到着する。
「大迷宮の壁を構成しているのはアダマンタイトのように硬い煉瓦で構成されている。だから竜種であろうと簡単には破壊出来ないから心配ない」
「アダマンタイトって確か最も硬い魔法金属の事だっけ?前に日の国で見かけたよね」
「あっ……そういえばこれを渡し忘れていた」
日の国を話題を出すとコトネは思い出したように収納石のブレスレットを構え、異空間から漆黒の日本刀を取り出すとルノに渡す。
「これ、日の国から送られてきたルノ専用の刀。前に事件を解決した時に御殿様がお礼として腕利きの鍛冶師に命じて作った」
「御殿様……ああ、日の国の殿様か」
魔王軍が関与した辻切の正体をルノ達が突き止め、犯人が七大魔剣と呼ばれる剣を用いて大きな騒動を引き起こしたが、ルノの力によって事件は解決された。その際に日の国を治める殿様がルノに感謝の印としてアダマンタイトで構成された日本刀を送ったという。
魔術師であるルノに剣士の武器を送りつけるのは不自然に思えるかもしれないが、日の国では侍しか装備が許されない日本刀は特別な存在として扱われ、しかも純粋なアダマンタイトだけで構成された日本刀など滅多に存在しない。世界で最も硬度が高い金属の武器ならばルノが扱っても壊れる可能性は低い。
「使うときは気を付けた方が良い。凄く重いから剣を振る時に力加減を気を付けて?」
「そう?そんなに重くはないと思うけど……」
「……今の言葉は失言だった。忘れて欲しい」
コトネはぷるぷると震えながら重量の重いアダマンタイトの日本刀を渡すが、ルノは片手で受け取ると軽々と振り回し、手元の感触を確かめる。素の身体能力はデブリでさえも上回るルノにとってはアダマンタイト製の武器でさえも重量は苦にならず、むしろ本物の日本刀を手にして興味を抱く。
「これが日の国の刀か……という事は日本刀ならぬ、日国刀とでも呼ばれてたりして」
「他の国では私達の国の刀は「異剣」と呼ばれている。元々、この世界には存在しない技術で作り出された武器だから他国では異世界人が扱う武器として認識されていたりする」
過去に召喚された異世界人、つまりは地球の日本人によって作り出された日の国の「刀」はこの世界の人間には馴染みのない武器のため、他国によっては呼び方が異なる。最も日の国が建国されてから長い時が経過したので日の国以外の場所でも日の国の技術は伝わり、刀を扱う者も少なからず存在するが。
「これ、抜いて見ていい?」
「いい、それはルノの刀」
「なら、遠慮なく……おお、漆黒の刀だ」
ルノは興奮気味に鞘から刀を引き抜くと、漆黒の刃が出現し、独特の波紋が刻まれた刀身を見て感動を覚えた。素材はこの世界の物だが本物の「日本刀」を手にした事に興奮を隠せず、試しにその場で素振りを行って感触を確かめる。
「あ、凄い良い感じ!!手元にしっくりくるというか……とにかくすっごい!!」
「……とりあえず、凄く嬉しい事は伝わった」
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「よっ、ほっ……36煩悩斬り!!なんてね」
「その台詞は何故だか知らないけど危険な気がする……そろそろ他の皆と合流した方が良い」
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漆黒の日本刀をルノは腰に戻すと、すぐにはぐれた3人を捜索するために異動を再開しようとした時、その前に最後に日本刀の名前を何と呼べばいいのか気になった。
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