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外伝〈転移石を求めて〉
大迷宮
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――帝都からルノ達が出発してから数時間後、途中で休憩を挟みながらも昼前には目的地へ辿り着ける予定だった。さらに移動の最中、偶然にもこの世界にルノが最初に訪れた時に見かけた「白銀龍」の姿を発見した。
「あ、見てくださいよルノさん!!白銀龍が飛んでますよ!!今日は良い事があるかもしれませんね!!」
「え、あ、本当だ!?」
「な、何あの大きな竜……始めてみたよ」
「おおっ……あれが伝説の白銀龍なのか!!」
「……やっぱり、他の竜種と比べると綺麗で神々しい」
氷自動車の窓ガラス越しにルノ達は白銀龍の姿を確認し、北の方角へ向けて移動する白銀龍を見送る。改めて確認するとやはり火竜とは比べ物にならない大きさを誇り、下手をすれば蛇竜や海竜よりも大きな巨体が空を飛ぶ光景は圧巻だった。
――オオオオオオオンッ……!!
咆哮を放ちながら白銀龍は氷自動車さえも上回る速度で移動を行い、やがて視界に捉えきれない距離にまで離れる。その姿を見送ったリーリスは白銀龍に関するある所説を話す。
「白銀龍はこの世の全ての生物の頂点に立つ竜種だと言われています。正確は温厚で滅多に危害を与える事はありませんが、過去に白銀龍の子供である白竜がある国家の軍隊に捕縛された時、怒り狂った白銀龍はその国の王都を光の吐息で消し去ったと言われる程です。下手をしたらルノさんでも敵わない存在かも知れませんよ」
「そんなに凄い竜種なのか……怒らせないように気を付けなくちゃ」
「……日の国にも白銀龍の伝説が伝わっている。過去に日の国の鍛冶師が白銀龍の鱗を持ち帰って白銀に輝く刀を作った後、それをお殿様に献上して召し抱えられた。実際にその刀は今でも国宝として保管されているみたい」
「へえ……ならヨツバ王国でも白銀龍の伝説とかは伝わってるのかな?」
「むうっ……僕の記憶限りではありませんな。そもそも白銀龍自体が滅多にアトラス大森林に訪れないので……」
白銀龍の伝説は諸国に伝わっているらしく、一般の間でも白銀龍を見れた者は幸運が訪れるとさえ信じられている。基本的に竜種という存在は災害の象徴のように恐れられているが、この白銀龍に関してはどちからというと崇拝する存在として扱われていた。
ルノも今までに幾度も竜種を倒してきたが、白銀龍に関しては見て居るだけで壮大で力を付けた自分でも敵う存在ではないと思い知らされ、万が一にも戦う場面が訪れないように祈る。
(……そういえば前に海で大きな生き物をみたけど、あれは何だったんだろう?)
最初に対峙した魔王を宇宙へ放逐した後、ルノは帰還した際に巨大な生物を海中から発見した事を思い出す。あの時は驚いて確認する暇もなかったが、白銀龍と同様に得体の知れない威圧感を放ち、ルノも逃げる事しか出来なかった。
(この星にはまだまだ色々な生物が住んでそうだな……)
レベル99を超え、初級魔法を極めたルノでさえも敵わない存在が複数存在するかもしれず、ルノは自分の力を驕らず、これからも精進していく事を考えていると窓の外を見ていたナオが声を掛ける。
「あっ!!もしかしてあれが塔の大迷宮じゃないの?」
「あれって……うわ、凄い!!」
「へえ……これが大迷宮ですか。私も訪れるのは初めてですね」
ナオが指差した方向には荒野に囲まれた巨大な塔型の建築物が存在し、全長が分からない程に巨大な建築物だった。世界樹にも匹敵する大きさを誇る巨大な建築物にルノ達は圧倒され、一先ずは地上へ下降して塔の出入口を探す。
「これが塔の大迷宮か……何階層まであるんだろう」
「確認されている限りでは五階層まで……もしかしたらもっと上があるかもしれない」
「でも、中に入れそうな場所は見当たりませんね……どうやって入るんですか?」
「あそこ」
過去に塔の大迷宮に挑んだ事があるコトネの案内の元、ルノ達は氷自動車を降りて塔の大迷宮に近付くと、彼女は閉ざされた門の前に案内する。
「ここから中に入る」
「中に入るって……この扉を開くの?でも、これどうやって開くの?」
「扉だけでも何トンもありそうですね……試〇の門ですかね?」
「リーリスさんもあの漫画知ってるんだ……」
「師匠ここは僕にお任せを!!ぬおおおおっ!!」
巨大な出入口の扉にデブリは両手を押し付けて無理やりに開こうとしたが、どれほどの力を込めようとびくともせず、しばらくすると全身から汗を流しながらデブリは倒れ込む。
「はあっ……はあっ……び、びくともしないなんて、まだ僕の鍛え方が足りなかったというのか……!?」
「……違う、そもそもこの扉は開かない。よく見ると扉のように模したただの壁」
「あ、本当ですね。これ、ただの模様ですよ」
コトネの言葉にリーリスが覗き込むと、門と思われていた箇所は色が塗りこまれているだけの壁だと発覚し、いくら力で押し開けようとしても開かないはずである。ではどうやって中に入ればいいのかとルノ達は不思議に思うと、コトネは壁に嵌め込まれている5つの水晶を指差す。
「あ、見てくださいよルノさん!!白銀龍が飛んでますよ!!今日は良い事があるかもしれませんね!!」
「え、あ、本当だ!?」
「な、何あの大きな竜……始めてみたよ」
「おおっ……あれが伝説の白銀龍なのか!!」
「……やっぱり、他の竜種と比べると綺麗で神々しい」
氷自動車の窓ガラス越しにルノ達は白銀龍の姿を確認し、北の方角へ向けて移動する白銀龍を見送る。改めて確認するとやはり火竜とは比べ物にならない大きさを誇り、下手をすれば蛇竜や海竜よりも大きな巨体が空を飛ぶ光景は圧巻だった。
――オオオオオオオンッ……!!
咆哮を放ちながら白銀龍は氷自動車さえも上回る速度で移動を行い、やがて視界に捉えきれない距離にまで離れる。その姿を見送ったリーリスは白銀龍に関するある所説を話す。
「白銀龍はこの世の全ての生物の頂点に立つ竜種だと言われています。正確は温厚で滅多に危害を与える事はありませんが、過去に白銀龍の子供である白竜がある国家の軍隊に捕縛された時、怒り狂った白銀龍はその国の王都を光の吐息で消し去ったと言われる程です。下手をしたらルノさんでも敵わない存在かも知れませんよ」
「そんなに凄い竜種なのか……怒らせないように気を付けなくちゃ」
「……日の国にも白銀龍の伝説が伝わっている。過去に日の国の鍛冶師が白銀龍の鱗を持ち帰って白銀に輝く刀を作った後、それをお殿様に献上して召し抱えられた。実際にその刀は今でも国宝として保管されているみたい」
「へえ……ならヨツバ王国でも白銀龍の伝説とかは伝わってるのかな?」
「むうっ……僕の記憶限りではありませんな。そもそも白銀龍自体が滅多にアトラス大森林に訪れないので……」
白銀龍の伝説は諸国に伝わっているらしく、一般の間でも白銀龍を見れた者は幸運が訪れるとさえ信じられている。基本的に竜種という存在は災害の象徴のように恐れられているが、この白銀龍に関してはどちからというと崇拝する存在として扱われていた。
ルノも今までに幾度も竜種を倒してきたが、白銀龍に関しては見て居るだけで壮大で力を付けた自分でも敵う存在ではないと思い知らされ、万が一にも戦う場面が訪れないように祈る。
(……そういえば前に海で大きな生き物をみたけど、あれは何だったんだろう?)
最初に対峙した魔王を宇宙へ放逐した後、ルノは帰還した際に巨大な生物を海中から発見した事を思い出す。あの時は驚いて確認する暇もなかったが、白銀龍と同様に得体の知れない威圧感を放ち、ルノも逃げる事しか出来なかった。
(この星にはまだまだ色々な生物が住んでそうだな……)
レベル99を超え、初級魔法を極めたルノでさえも敵わない存在が複数存在するかもしれず、ルノは自分の力を驕らず、これからも精進していく事を考えていると窓の外を見ていたナオが声を掛ける。
「あっ!!もしかしてあれが塔の大迷宮じゃないの?」
「あれって……うわ、凄い!!」
「へえ……これが大迷宮ですか。私も訪れるのは初めてですね」
ナオが指差した方向には荒野に囲まれた巨大な塔型の建築物が存在し、全長が分からない程に巨大な建築物だった。世界樹にも匹敵する大きさを誇る巨大な建築物にルノ達は圧倒され、一先ずは地上へ下降して塔の出入口を探す。
「これが塔の大迷宮か……何階層まであるんだろう」
「確認されている限りでは五階層まで……もしかしたらもっと上があるかもしれない」
「でも、中に入れそうな場所は見当たりませんね……どうやって入るんですか?」
「あそこ」
過去に塔の大迷宮に挑んだ事があるコトネの案内の元、ルノ達は氷自動車を降りて塔の大迷宮に近付くと、彼女は閉ざされた門の前に案内する。
「ここから中に入る」
「中に入るって……この扉を開くの?でも、これどうやって開くの?」
「扉だけでも何トンもありそうですね……試〇の門ですかね?」
「リーリスさんもあの漫画知ってるんだ……」
「師匠ここは僕にお任せを!!ぬおおおおっ!!」
巨大な出入口の扉にデブリは両手を押し付けて無理やりに開こうとしたが、どれほどの力を込めようとびくともせず、しばらくすると全身から汗を流しながらデブリは倒れ込む。
「はあっ……はあっ……び、びくともしないなんて、まだ僕の鍛え方が足りなかったというのか……!?」
「……違う、そもそもこの扉は開かない。よく見ると扉のように模したただの壁」
「あ、本当ですね。これ、ただの模様ですよ」
コトネの言葉にリーリスが覗き込むと、門と思われていた箇所は色が塗りこまれているだけの壁だと発覚し、いくら力で押し開けようとしても開かないはずである。ではどうやって中に入ればいいのかとルノ達は不思議に思うと、コトネは壁に嵌め込まれている5つの水晶を指差す。
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