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最終章 〈魔王と初級魔術師〉
魔王軍の復活
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――クズノが鉱山に潜ってから数日を費やし、遂に彼は鉱山の最深部にて父親が買い取った魔石の鉱脈を見つけた。彼は大量の魔石を確保すると、名前を「吸収石」と名付けて研究を繰り返す。色々と調べた結果、この魔石は他の金属と組み合わせる事で効果を発揮する事が判明する。
通常の魔石は収納石を除けば魔法の力を強化する事が出来るが、この吸収石の場合は真逆の性質を誇り、あらゆる属性の魔石を吸収する事が判明した。しかし、実験の結果では他の金属と組み合わせるとその「魔法吸収」の能力が制限化されてしまう事が判明した。
例えば一般的に出回っているミスリルなどの魔法金属と吸収石を組み合わせた場合、吸収する魔力の容量は限界があるが全ての属性の魔法を吸収する事が判明した。しかし、希少金属であるアダマンタイトと組み合わせた場合は火属性や雷属性あるいは聖属性の魔法は吸収する事が判明したが、他の属性の魔力は吸収できない事が発覚した。
一番相性が良く、それでいながら硬度も硬く扱いやすい金属は「オリハルコン」だと判明し、クズノは吸収石とオリハルコンを組み合わせて新たな金属を生み出す。それが「ネオ・オリハルコン」であり、クズノが生み出した最高傑作の金属だった。
だが、クズノはネオ・オリハルコンを完成させたのと同時期に彼の元に父親から送り込まれた私兵が訪れる。兵士達はクズノの父親から彼を捕縛するように命じられ、クズノは捕まってしまう。彼は父親に弁明して自分が作り出した金属を世間に知らしめれば歴史に名前を刻む事も出来ると訴えたが、父親は聞き入れずにクズノを監禁してしまう。
このまま死ぬまで牢獄に閉じ込められるのかとクズノが絶望した時、ある時に一人の老婆が彼が閉じ込められている牢屋に現れた。彼女は手元に漆黒の水晶玉を手にしながらクズノに問い質す。
『お前の金属にこの御方が非常に強い興味を抱いた。もしもお前が我々に従うというのであればここから出してやろう』
『あ、貴女は……?』
『私の事はどうでもいい。さあ、手を出せ……この御方から力を受け取るがいい』
クズノは牢屋に現れた老婆が差しだした水晶玉に触れた瞬間、言いようのない感覚が全身に走り、水晶玉から心臓のような鼓動が聞こえている事に気付く。そして何処からともなく声が聞こえてきた。
『お前に我の力を一部を与えてやろう……その対価としてお前は我の肉体を作り出すのだ。生物を超越した存在へと我を進化させろ』
『こ、この声は……』
『我が名は魔王……さあ、忠誠を誓え』
この時にクズノが遭遇したのはルノが白原にて遭遇した「魔王」であり、この時の彼は水晶玉に身を宿すだけで自由自在に動く事も出来なかった。しかし、後に魔王はクズノが作り出した「ネオ・オリハルコン」を利用して金属の肉体を手に入れる事に成功する――
――牢屋から抜け出した後、クズノは早速自分を牢獄に閉じ込めた父親の商会を襲撃した。この時点では魔王軍はクズノともう一人の最高幹部と数名の幹部しか存在しなかったが、魔王によって力を与えられた二人は真っ先に屋敷の商会主であるクズノの父親を殺害し、その莫大な資産を奪う。
『や、止めろクズノ!!私はお前の父親だぞ!?』
『あんなに面倒を見てやったのに!!恩を仇で返すつもり!?』
『クズノ、お前如きがどうしてこれほどの力を……!?』
『安心してください、楽には殺しませんよ……この私を侮辱した罪を償いなさい!!』
泣き叫ぶ父親、義母、そして異母兄弟達を燃え盛る屋敷の中に閉じ込めた状態でクズノは立ち去り、大量の資金を入手した後は魔王軍という組織の改革を行う。
『魔王軍の運営はお前に任せる。私は魔王様をお前の作り出した金属に憑依させる事に集中するからな』
『お任せください、きっと魔王様もお喜びになるでしょう』
魔王軍の組織を管理していたのはクズノを救い出した老婆だったが、彼女は魔王の魂が宿った水晶玉からクズノが用意したネオ・オリハルコン製の金属の肉体に魔王の魂を憑依させる作業に集中し、魔王軍の管理をクズノに任せた。その結果、魔王軍は急速的に規模を拡大化させ、有能な人材を次々と取り入れる。
『魔王軍の目的は魔王様の復活です。そのためには莫大な資金と各国が保管している勇者の聖遺物を奪取しましょう』
『いいだろう、お前に任せたぞクズノよ』
『……ええ、お任せください』
クズノは魔王軍の方針を水晶玉に憑依した魔王に伝えた後、彼は幹部達を各国に忍び込ませ、勇者が残した神器を回収するために動く。しかし、クズノの真の目的は魔王を復活させる事ではなく、魔王という存在を超える兵器を生み出すために表向きは魔王に忠誠を誓いながらもクズノはネオ・オリハルコンを利用した兵器の開発に勤しむ。
『私が魔王を超える存在を作り出したとき、きっと私はこう呼ばれる事になるでしょう……破滅の創造主だと!!』
最早、魔王軍の存在などクズノにとってはどうでもいい事であり、彼はルノによって宇宙に放逐された魔王の肉体を生み出したときに得た情報を生かし、金属兵器「魔王」の開発を進める――
通常の魔石は収納石を除けば魔法の力を強化する事が出来るが、この吸収石の場合は真逆の性質を誇り、あらゆる属性の魔石を吸収する事が判明した。しかし、実験の結果では他の金属と組み合わせるとその「魔法吸収」の能力が制限化されてしまう事が判明した。
例えば一般的に出回っているミスリルなどの魔法金属と吸収石を組み合わせた場合、吸収する魔力の容量は限界があるが全ての属性の魔法を吸収する事が判明した。しかし、希少金属であるアダマンタイトと組み合わせた場合は火属性や雷属性あるいは聖属性の魔法は吸収する事が判明したが、他の属性の魔力は吸収できない事が発覚した。
一番相性が良く、それでいながら硬度も硬く扱いやすい金属は「オリハルコン」だと判明し、クズノは吸収石とオリハルコンを組み合わせて新たな金属を生み出す。それが「ネオ・オリハルコン」であり、クズノが生み出した最高傑作の金属だった。
だが、クズノはネオ・オリハルコンを完成させたのと同時期に彼の元に父親から送り込まれた私兵が訪れる。兵士達はクズノの父親から彼を捕縛するように命じられ、クズノは捕まってしまう。彼は父親に弁明して自分が作り出した金属を世間に知らしめれば歴史に名前を刻む事も出来ると訴えたが、父親は聞き入れずにクズノを監禁してしまう。
このまま死ぬまで牢獄に閉じ込められるのかとクズノが絶望した時、ある時に一人の老婆が彼が閉じ込められている牢屋に現れた。彼女は手元に漆黒の水晶玉を手にしながらクズノに問い質す。
『お前の金属にこの御方が非常に強い興味を抱いた。もしもお前が我々に従うというのであればここから出してやろう』
『あ、貴女は……?』
『私の事はどうでもいい。さあ、手を出せ……この御方から力を受け取るがいい』
クズノは牢屋に現れた老婆が差しだした水晶玉に触れた瞬間、言いようのない感覚が全身に走り、水晶玉から心臓のような鼓動が聞こえている事に気付く。そして何処からともなく声が聞こえてきた。
『お前に我の力を一部を与えてやろう……その対価としてお前は我の肉体を作り出すのだ。生物を超越した存在へと我を進化させろ』
『こ、この声は……』
『我が名は魔王……さあ、忠誠を誓え』
この時にクズノが遭遇したのはルノが白原にて遭遇した「魔王」であり、この時の彼は水晶玉に身を宿すだけで自由自在に動く事も出来なかった。しかし、後に魔王はクズノが作り出した「ネオ・オリハルコン」を利用して金属の肉体を手に入れる事に成功する――
――牢屋から抜け出した後、クズノは早速自分を牢獄に閉じ込めた父親の商会を襲撃した。この時点では魔王軍はクズノともう一人の最高幹部と数名の幹部しか存在しなかったが、魔王によって力を与えられた二人は真っ先に屋敷の商会主であるクズノの父親を殺害し、その莫大な資産を奪う。
『や、止めろクズノ!!私はお前の父親だぞ!?』
『あんなに面倒を見てやったのに!!恩を仇で返すつもり!?』
『クズノ、お前如きがどうしてこれほどの力を……!?』
『安心してください、楽には殺しませんよ……この私を侮辱した罪を償いなさい!!』
泣き叫ぶ父親、義母、そして異母兄弟達を燃え盛る屋敷の中に閉じ込めた状態でクズノは立ち去り、大量の資金を入手した後は魔王軍という組織の改革を行う。
『魔王軍の運営はお前に任せる。私は魔王様をお前の作り出した金属に憑依させる事に集中するからな』
『お任せください、きっと魔王様もお喜びになるでしょう』
魔王軍の組織を管理していたのはクズノを救い出した老婆だったが、彼女は魔王の魂が宿った水晶玉からクズノが用意したネオ・オリハルコン製の金属の肉体に魔王の魂を憑依させる作業に集中し、魔王軍の管理をクズノに任せた。その結果、魔王軍は急速的に規模を拡大化させ、有能な人材を次々と取り入れる。
『魔王軍の目的は魔王様の復活です。そのためには莫大な資金と各国が保管している勇者の聖遺物を奪取しましょう』
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クズノは魔王軍の方針を水晶玉に憑依した魔王に伝えた後、彼は幹部達を各国に忍び込ませ、勇者が残した神器を回収するために動く。しかし、クズノの真の目的は魔王を復活させる事ではなく、魔王という存在を超える兵器を生み出すために表向きは魔王に忠誠を誓いながらもクズノはネオ・オリハルコンを利用した兵器の開発に勤しむ。
『私が魔王を超える存在を作り出したとき、きっと私はこう呼ばれる事になるでしょう……破滅の創造主だと!!』
最早、魔王軍の存在などクズノにとってはどうでもいい事であり、彼はルノによって宇宙に放逐された魔王の肉体を生み出したときに得た情報を生かし、金属兵器「魔王」の開発を進める――
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