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最終章 〈魔王と初級魔術師〉
自白剤(リーリス作)
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――クズノが王城内にて聖剣デュランダルを発見した頃、リーリスは城内に侵入してきた男を尋問するため、通路の真ん中で薬瓶を振り回しながら怒鳴りつけた。
「さあ、早く吐きなさい!!この城に侵入してきたときに他に仲間を連れて来たんでしょう!?目的は一体何なんですか!!」
「いでででっ!?ひ、髭を引っ張るな!!」
「ちょっ、リーリス様落ち着いて下さい!!」
「おい、誰か早く別の将軍を呼んで来い!!でないとこの男がまた何かの実験台にされるぞ!!」
「どういう意味ですかそれは!!私を何だと思ってるんです!?」
男の髭を引きちぎる勢いで掴みながら薬瓶を振り回すリーリスを兵士達が宥め、男は怯えた表情を浮かべながらも言い返す。
「ふ、ふん……俺がここに来たのは忘れ物を取りに来ただけだ。昔、ここで働いていた時に失くした物を探しに来ただけだ」
「言い訳をするならもっとマシな言い訳を考えてきたらどうですか?そんな物を取りに来るだけならわざわざ大騒ぎして城の中に入り込む必要もないでしょうが!!」
「う、うるさい!!いいから離せ、俺はもう帰るんだ!!」
「帰れると思ってるんですか?城内への侵入者は問答無用で牢獄送りですよ。軽く10年は出られないでしょうね」
「な、何だと!?」
リーリスの言葉に男は顔色を変え、城に仕えていたにも関わらずに侵入者の対応手順も知らなかったのか自分が牢獄に送り込まれると知って焦りの表情を抱く。そんな彼の態度を見てリーリスは取引を持ち掛ける。
「ですが、私の権限を使って見逃してあげてもいいです」
「ほ、本当か!?」
「リーリス様!?本気ですか?」
「貴方達は黙っていてください。どうします?取引に応じますか?」
「……な、内容は?」
「勿論、貴方がこの城に乗り込んだ本当の理由を教えて貰います」
男が取引の内容を尋ねると、当然ながらリーリスは同じ質問を行う。ミリアの話が確かならばこの城内の何処かにクズノが既に侵入しているため、同時期に場内で騒いでいた侵入者の男が無関係であるとは思えない。
リーリスは男が城に仕えていたという言葉を聞いてこの城の兵士である事を確信し、恐らくは内部の人間しか知らない抜け道を利用してクズノと共に忍び込んだ事は間違いない。男が捕まったのはわざと騒いで城内の人間の注意を引くためだと気づいているが、肝心のクズノの姿が見えない事にリーリスは大きな不安を抱いていた。
「さあ、答えなさい!!真実を話さないとこのまま牢獄で30年は過ごしてもらいますよ!!」
「おい、何で20年も増えてるんだ!?」
「いいから答えなさい!!もっと年数を増やしますよ!!」
「ぐううっ……!!」
男はリーリスの言葉に冷や汗を流し、事前にクズノと打ち合わせしていたとはいえ、まさかこうも早くに将軍職の人間と接触するとは思えずに焦る。クズノが彼に与えた役割は出来るだけ目立ち、注意を引くように命じられていたが、牢獄送りという言葉を聞いて男は焦燥感を抱く。
(く、くそっ……何で俺がこんな目に!!)
冷静に考えれば男はどうしてクズノのような怪しい風貌の人物の誘いに乗ってしまったのかと後悔し、クズノと相対した時に彼の「声」を聴いている内に男は無意識にクズノの命令には逆らえないようになっていた。だが、クズノと離れて兵士に捕まった時点でだんだんと頭の中が冷静になり、どうして自分がこんな場所で兵士に捕まっているのか疑問を抱き始めた。
(そもそも俺は何故、あんな奴の言いなりになっていた?成功すれば生涯困らない金を渡してやるとは言われたような気はするが……ここで捕まったら何の意味もないではないか!!)
全身から汗を流しながら男は自分の行動の危険性を今更ながらに理解するが、時は既に遅く、何も喋ろうとしない男の姿を見てリーリスは瞳を怪しく光り輝かせながら手元に握りしめていた薬瓶の蓋を開く。
「だんまりですか……仕方ないですね、そこまで話したくないというのならば最終手段です」
「な、何をする気だっ!?」
「り、リーリス様!?一体何を……」
「安心してください、この薬は毒薬ではありませんよ……昔、ある禿頭大臣のパワハラに耐えかねた私が嫌がらせ目的のために下剤を作ろうとした時、実験過程で偶然に生み出した自白剤です。これを飲めば口の堅い森人族だろうと一発で白状する優れ物です」
『ひいいいっ!?』
怪しい色合いの液体が入った薬瓶を握り締めながら口元に笑みを浮かべるリーリスに兵士達は悲鳴をあげ、お互いに抱き合う。そんな彼等の反応を目にした男は顔色を真っ青にして腰が抜けてしまう。
「ま、待て!!話す、全部話すから許してくれ!!」
「ふふふっ……あまりにもあれなので今まで使う機会がありませんでしたが、この際に効果を調べるのも悪くないですね」
「や、止めろぉおおおっ!!」
男の顎を掴んだリーリスは薬瓶の中身を流し込むために口を開かせ、情け容赦なく液体を流し込む。無理やりに薬を飲まされた男は白目を剥き、身体を痙攣させて地面に倒れ込む。
※ミリア「あううっ(このお姉さん怖い)(;´・ω・)プルプルッ」
カタナヅキ「あ、悪魔め……(; ゚Д゚)ガクガクブルブル」
「さあ、早く吐きなさい!!この城に侵入してきたときに他に仲間を連れて来たんでしょう!?目的は一体何なんですか!!」
「いでででっ!?ひ、髭を引っ張るな!!」
「ちょっ、リーリス様落ち着いて下さい!!」
「おい、誰か早く別の将軍を呼んで来い!!でないとこの男がまた何かの実験台にされるぞ!!」
「どういう意味ですかそれは!!私を何だと思ってるんです!?」
男の髭を引きちぎる勢いで掴みながら薬瓶を振り回すリーリスを兵士達が宥め、男は怯えた表情を浮かべながらも言い返す。
「ふ、ふん……俺がここに来たのは忘れ物を取りに来ただけだ。昔、ここで働いていた時に失くした物を探しに来ただけだ」
「言い訳をするならもっとマシな言い訳を考えてきたらどうですか?そんな物を取りに来るだけならわざわざ大騒ぎして城の中に入り込む必要もないでしょうが!!」
「う、うるさい!!いいから離せ、俺はもう帰るんだ!!」
「帰れると思ってるんですか?城内への侵入者は問答無用で牢獄送りですよ。軽く10年は出られないでしょうね」
「な、何だと!?」
リーリスの言葉に男は顔色を変え、城に仕えていたにも関わらずに侵入者の対応手順も知らなかったのか自分が牢獄に送り込まれると知って焦りの表情を抱く。そんな彼の態度を見てリーリスは取引を持ち掛ける。
「ですが、私の権限を使って見逃してあげてもいいです」
「ほ、本当か!?」
「リーリス様!?本気ですか?」
「貴方達は黙っていてください。どうします?取引に応じますか?」
「……な、内容は?」
「勿論、貴方がこの城に乗り込んだ本当の理由を教えて貰います」
男が取引の内容を尋ねると、当然ながらリーリスは同じ質問を行う。ミリアの話が確かならばこの城内の何処かにクズノが既に侵入しているため、同時期に場内で騒いでいた侵入者の男が無関係であるとは思えない。
リーリスは男が城に仕えていたという言葉を聞いてこの城の兵士である事を確信し、恐らくは内部の人間しか知らない抜け道を利用してクズノと共に忍び込んだ事は間違いない。男が捕まったのはわざと騒いで城内の人間の注意を引くためだと気づいているが、肝心のクズノの姿が見えない事にリーリスは大きな不安を抱いていた。
「さあ、答えなさい!!真実を話さないとこのまま牢獄で30年は過ごしてもらいますよ!!」
「おい、何で20年も増えてるんだ!?」
「いいから答えなさい!!もっと年数を増やしますよ!!」
「ぐううっ……!!」
男はリーリスの言葉に冷や汗を流し、事前にクズノと打ち合わせしていたとはいえ、まさかこうも早くに将軍職の人間と接触するとは思えずに焦る。クズノが彼に与えた役割は出来るだけ目立ち、注意を引くように命じられていたが、牢獄送りという言葉を聞いて男は焦燥感を抱く。
(く、くそっ……何で俺がこんな目に!!)
冷静に考えれば男はどうしてクズノのような怪しい風貌の人物の誘いに乗ってしまったのかと後悔し、クズノと相対した時に彼の「声」を聴いている内に男は無意識にクズノの命令には逆らえないようになっていた。だが、クズノと離れて兵士に捕まった時点でだんだんと頭の中が冷静になり、どうして自分がこんな場所で兵士に捕まっているのか疑問を抱き始めた。
(そもそも俺は何故、あんな奴の言いなりになっていた?成功すれば生涯困らない金を渡してやるとは言われたような気はするが……ここで捕まったら何の意味もないではないか!!)
全身から汗を流しながら男は自分の行動の危険性を今更ながらに理解するが、時は既に遅く、何も喋ろうとしない男の姿を見てリーリスは瞳を怪しく光り輝かせながら手元に握りしめていた薬瓶の蓋を開く。
「だんまりですか……仕方ないですね、そこまで話したくないというのならば最終手段です」
「な、何をする気だっ!?」
「り、リーリス様!?一体何を……」
「安心してください、この薬は毒薬ではありませんよ……昔、ある禿頭大臣のパワハラに耐えかねた私が嫌がらせ目的のために下剤を作ろうとした時、実験過程で偶然に生み出した自白剤です。これを飲めば口の堅い森人族だろうと一発で白状する優れ物です」
『ひいいいっ!?』
怪しい色合いの液体が入った薬瓶を握り締めながら口元に笑みを浮かべるリーリスに兵士達は悲鳴をあげ、お互いに抱き合う。そんな彼等の反応を目にした男は顔色を真っ青にして腰が抜けてしまう。
「ま、待て!!話す、全部話すから許してくれ!!」
「ふふふっ……あまりにもあれなので今まで使う機会がありませんでしたが、この際に効果を調べるのも悪くないですね」
「や、止めろぉおおおっ!!」
男の顎を掴んだリーリスは薬瓶の中身を流し込むために口を開かせ、情け容赦なく液体を流し込む。無理やりに薬を飲まされた男は白目を剥き、身体を痙攣させて地面に倒れ込む。
※ミリア「あううっ(このお姉さん怖い)(;´・ω・)プルプルッ」
カタナヅキ「あ、悪魔め……(; ゚Д゚)ガクガクブルブル」
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