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巨人国 侵攻編
魔王軍とは?
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「さて、まずは何処から話すべきでしょうかね……では、魔王軍という存在自体をどうして結成したのかを教えてあげましょう。そもそも貴方達は大きな勘違いをしているのかもしれませんが、私の作り出した魔王軍は私だけのために作り出した存在なんですよ」
「はあ?どういう事よ、あんた私を誘った時にこう言ったじゃない!?魔王様を再興させるために戦えって……」
「勿論、その言葉は嘘ではありませんよ。但し、魔王という存在はあくまでも私の手段であって主人ではない」
クズノの言葉にリディアは戸惑い、彼女は魔王という存在を中心に魔王軍が結成されたと考えていた。実際にこれまでの幹部が忠誠を誓っていたのは「魔王」という存在なのだが、クズノによれば魔王ではなく自分こそが魔王軍の主人だと告げる。レナとコトネ以外の人物は話しに付いて行けないが、国王を人質に取られている以上は動けず、黙って話を聞く。
「リディア、貴女は魔王という存在をどう思っているいたのですか?」
「どうって……魔王というぐらいなんだから、恐ろしい奴だと思っていたけど」
「そう、魔王軍を結成した理由の一つとしては恐怖を煽る存在として魔王という言葉が適任だったからです。数百年前、世界大国が同盟を築き、さらに異界から勇者を召喚する事で討伐を果たす事が出来た魔王……その存在は未だに我々の時代にも伝わる程に恐れられています」
「まあ、確かにあたしでも知ってるぐらいだからね」
「……魔王は恐怖の象徴」
魔王という存在は数百年前に実在した世界規模の犯罪者集団を纏めた人物が語った名前であり、その強大な力は各国を恐怖に陥れ、異世界の勇者が魔王を討伐するまでの間は人々は魔王という存在に震えながら暮らすしかなかった。クズノによればその魔王の威光を利用し、自分が作り出した組織に「魔王軍」という名前を付けたという。
「私が魔王軍の名前を語った理由の一つは魔王という存在を世間に知らしめて注目を浴びる事、それと同時に私が見つけ出した兵器が関係しています」
「兵器……?」
「実際に私の兵器と戦ったことがある貴方なら知っているはずでしょう?白原にて貴方が戦った「魔王」あれは私が最初に作り出した実験体ですよ」
クズノはルノに対して先ほど魔法を吸収した「吸収結晶」を見せつけると、ルノの脳裏に自分が宇宙にまで吹き飛ばした「魔王」の存在を思い出す。ここでルノは魔王が自分の存在の事を「今世の魔王」や「魔王軍の黒幕ではない」と語っていたという言葉の意味を理解する。
「まさか……あの魔王は偽物、いや作り出した生物なのか!?」
「その通り、中々理解力がありますね。流石は実験体1号を倒した英雄……貴方のお陰で私の計画は順調に進みましたよ」
「どういう意味よ!?こいつの活躍のせいで魔王軍はもう解体寸前じゃない!!幹部は私以外は全員死んだか、捕まったんでしょう!?」
「確かに魔王軍はもう組織としては機能出来ない程に深手を負いましたが十分に役目を果たしました。貴方達が私の配下と争っている間、こちらは裏で動く事が出来た。エルフ王国、獣人国、巨人国、日の国、そしてバルトロス帝国……これらの国々から十分すぎる程の実験材料を入手する事が出来ましたからね」
「実験材料だと……!?」
リディアの言葉に対してクズノは高笑いすると、彼は自分が装着していた吸収結晶を玉座に構える。
「さあ、姿を現しなさい!!そしてお前の姿を見せつけてやるのです!!」
『……了解』
「な、何だ!?」
巨人族用に設計された巨大な玉座の後方から体長が2メートルを超える鎧武者が現れ、その外見を見たルノ達は驚きの声を上げる。それはかつて帝国にてデキンが装着し、現在は保管されているはずの「鬼武者」と呼ばれる鎧型の神器と瓜二つの外見をした鎧武者が現れた。
鎧武者は玉座から姿を現すと、クズノはその背後に隠れ、右手に装着する吸収結晶を背中に押し付ける。その瞬間、吸収結晶に蓄積されていた魔力が鎧武者に流れ込み、全身に白色の雷を纏う。鎧武者は電流を帯びた状態で背中に装着していた大太刀を引き抜き、ルノ達と向かい合う。
「どうです?これが私が実験の上で作り出した新たな金属生命体……「魔王二式」です」
「二式……!?」
「あ、あんた……一体何を作り出したのよ!?」
「な、何がどうなっている!?一体そ奴は何者だ!?」
魔王ニ式と呼ばれた鎧武者は自分の身体の感覚を確かめるかの様に手足を動かし、やがて右手に握りしめた大太刀に視線を向けると、クズノの命令を待つように首元の部分だけを動かす。背後に存在するクズノと視線を合わせるために頭を動かすが、その際に首が180度曲がってしまい、傍から見れば首が反対方向に曲げたようにしか見えない。
『主人、命令を』
「ぎゃあっ!?く、首が曲がった!?」
「な、なんと面妖な……中に存在する人間はどうなっておるのじゃ?」
「いや、多分ですけど……あの中に人はいません」
「ど、どういう意味よ?誰も入っていないのなら誰が動かしてるのよ!?」
「……でも、確かに鎧の中から気配は感じない」
鎧武者の中が空洞だと悟ったルノの言葉にリディア達は戸惑うが、ルノの予測が正しければ魔王ニ式と呼ばれる個体はルノが宇宙の果てに吹き飛ばした「魔王」と同じ存在だとした場合、あの姿は仮初で本当はスライムのような生物と金属が合わさったような生命体で間違いない。
「はあ?どういう事よ、あんた私を誘った時にこう言ったじゃない!?魔王様を再興させるために戦えって……」
「勿論、その言葉は嘘ではありませんよ。但し、魔王という存在はあくまでも私の手段であって主人ではない」
クズノの言葉にリディアは戸惑い、彼女は魔王という存在を中心に魔王軍が結成されたと考えていた。実際にこれまでの幹部が忠誠を誓っていたのは「魔王」という存在なのだが、クズノによれば魔王ではなく自分こそが魔王軍の主人だと告げる。レナとコトネ以外の人物は話しに付いて行けないが、国王を人質に取られている以上は動けず、黙って話を聞く。
「リディア、貴女は魔王という存在をどう思っているいたのですか?」
「どうって……魔王というぐらいなんだから、恐ろしい奴だと思っていたけど」
「そう、魔王軍を結成した理由の一つとしては恐怖を煽る存在として魔王という言葉が適任だったからです。数百年前、世界大国が同盟を築き、さらに異界から勇者を召喚する事で討伐を果たす事が出来た魔王……その存在は未だに我々の時代にも伝わる程に恐れられています」
「まあ、確かにあたしでも知ってるぐらいだからね」
「……魔王は恐怖の象徴」
魔王という存在は数百年前に実在した世界規模の犯罪者集団を纏めた人物が語った名前であり、その強大な力は各国を恐怖に陥れ、異世界の勇者が魔王を討伐するまでの間は人々は魔王という存在に震えながら暮らすしかなかった。クズノによればその魔王の威光を利用し、自分が作り出した組織に「魔王軍」という名前を付けたという。
「私が魔王軍の名前を語った理由の一つは魔王という存在を世間に知らしめて注目を浴びる事、それと同時に私が見つけ出した兵器が関係しています」
「兵器……?」
「実際に私の兵器と戦ったことがある貴方なら知っているはずでしょう?白原にて貴方が戦った「魔王」あれは私が最初に作り出した実験体ですよ」
クズノはルノに対して先ほど魔法を吸収した「吸収結晶」を見せつけると、ルノの脳裏に自分が宇宙にまで吹き飛ばした「魔王」の存在を思い出す。ここでルノは魔王が自分の存在の事を「今世の魔王」や「魔王軍の黒幕ではない」と語っていたという言葉の意味を理解する。
「まさか……あの魔王は偽物、いや作り出した生物なのか!?」
「その通り、中々理解力がありますね。流石は実験体1号を倒した英雄……貴方のお陰で私の計画は順調に進みましたよ」
「どういう意味よ!?こいつの活躍のせいで魔王軍はもう解体寸前じゃない!!幹部は私以外は全員死んだか、捕まったんでしょう!?」
「確かに魔王軍はもう組織としては機能出来ない程に深手を負いましたが十分に役目を果たしました。貴方達が私の配下と争っている間、こちらは裏で動く事が出来た。エルフ王国、獣人国、巨人国、日の国、そしてバルトロス帝国……これらの国々から十分すぎる程の実験材料を入手する事が出来ましたからね」
「実験材料だと……!?」
リディアの言葉に対してクズノは高笑いすると、彼は自分が装着していた吸収結晶を玉座に構える。
「さあ、姿を現しなさい!!そしてお前の姿を見せつけてやるのです!!」
『……了解』
「な、何だ!?」
巨人族用に設計された巨大な玉座の後方から体長が2メートルを超える鎧武者が現れ、その外見を見たルノ達は驚きの声を上げる。それはかつて帝国にてデキンが装着し、現在は保管されているはずの「鬼武者」と呼ばれる鎧型の神器と瓜二つの外見をした鎧武者が現れた。
鎧武者は玉座から姿を現すと、クズノはその背後に隠れ、右手に装着する吸収結晶を背中に押し付ける。その瞬間、吸収結晶に蓄積されていた魔力が鎧武者に流れ込み、全身に白色の雷を纏う。鎧武者は電流を帯びた状態で背中に装着していた大太刀を引き抜き、ルノ達と向かい合う。
「どうです?これが私が実験の上で作り出した新たな金属生命体……「魔王二式」です」
「二式……!?」
「あ、あんた……一体何を作り出したのよ!?」
「な、何がどうなっている!?一体そ奴は何者だ!?」
魔王ニ式と呼ばれた鎧武者は自分の身体の感覚を確かめるかの様に手足を動かし、やがて右手に握りしめた大太刀に視線を向けると、クズノの命令を待つように首元の部分だけを動かす。背後に存在するクズノと視線を合わせるために頭を動かすが、その際に首が180度曲がってしまい、傍から見れば首が反対方向に曲げたようにしか見えない。
『主人、命令を』
「ぎゃあっ!?く、首が曲がった!?」
「な、なんと面妖な……中に存在する人間はどうなっておるのじゃ?」
「いや、多分ですけど……あの中に人はいません」
「ど、どういう意味よ?誰も入っていないのなら誰が動かしてるのよ!?」
「……でも、確かに鎧の中から気配は感じない」
鎧武者の中が空洞だと悟ったルノの言葉にリディア達は戸惑うが、ルノの予測が正しければ魔王ニ式と呼ばれる個体はルノが宇宙の果てに吹き飛ばした「魔王」と同じ存在だとした場合、あの姿は仮初で本当はスライムのような生物と金属が合わさったような生命体で間違いない。
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