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巨人国 侵攻編
玉座で待ち受けていた者
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「おい、あんた!!これはどういう事だい!?何で帝国へ向かったはずのあんたが戻ってきてるんだよ!!」
「落ち着くのじゃチウよ。その事を詳しく説明する前に儂は国王様と面会せねばならん。国王様は何処におられる?」
「国王様なら玉座の間だよ。今頃は書類の整理をしているはず……あ、こら!!勝手に行くんじゃないよ!!」
玉座の間に国王が存在すると聞いたコウは早速移動を開始するが、慌ててその後をチウも追いかけ、ルノ達も続く。玉座の間に向かうまでの道中、コウはチウに事情を説明する。
「チウよ、我々は騙されていたのかもしれん。此度の戦の発案は国王様ではなく、側近のクズノである事は知っておるな?奴が全ての黒幕だと儂等は確信しておる」
「クズノ!?あの男が裏切ったというのかい?」
「その可能性が高いというだけじゃ。明確な証拠はないが……だが、儂もギルスもパワードも奴が裏切り者だと確信しておる」
「やっぱりね!!あんな胡散臭い男を信用する方がおかしいとずっと思ってたよ!!なのにあんたらと来たら人の話も聞かないであんな奴の言う事に従って……」
「……痴話喧嘩は後にしてほしい。どうやら相手も異変に気付いたみたい」
通路を進む途中、前方の方から大勢の兵士が現れ、その様子を確認したコトネは武器を構える。兵士達はコウの姿を見ても驚いた様子はなく、虚ろな瞳で武器を構えたまま通路を塞ぐ。
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「そこを退け!!儂は国王様と謁見せねばならん!!」
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「おい、話を聞いてたのかい?早くそこを退きな!!」
「お下がりください、ここから先は……」
コウとチウの命令を受けても兵士達は引きさがる様子はなく、武器を構えた状態で動く気配ない。それを見たルノ達は頷き合い、彼等が既に洗脳された状態である事に気付く。恐らくは玉座の間に通さないように命令されたらしく、強行突破を試みるしかなさそうだった。
「はっ!!こうなったら力ずくで通してもらうしかなさそうだね!!」
「うむ、仕方ないの……だが、出来れば殺さないでくれ。彼等も操られているだけに過ぎん」
「全く、次から次へと訳が分からないね……とりあえず、この馬鹿達を蹴散らして国王様の元へ向かえばいいんだね!!」
「……ルノさん、リディさん、やっておしまいなさい」
「誰がリディさんよ!?」
「殺さないように手加減しないと……」
ルノ達も兵士達を突破して玉座の間に向かうために戦闘体勢に入ると、兵士達は敵意を感じ取ったのか無言のまま動き出す。数十人の兵士が一斉に動き出し、ルノ達も正面から向かう。
「おらぁっ!!その程度かい!?」
「ぐふぅっ!?」
「がはぁっ!?」
最初に特攻を仕掛けたサムカは上空に跳躍すると兵士達の顔面に蹴りを叩きつけ、そのまま兵士の頭を足場代わりにして跳躍を繰り返し、上空から攻撃を仕掛ける。驚異的な脚力を誇り、彼女に蹴りを叩きつけられた兵士は次々と脳震盪を起こして地面に倒れ込む。
サムカは普段から足場の悪い雪山で過ごしているため、足腰の筋肉が異様に発達していた。雪の中でも彼女は敵と戦うために驚異的な脚力を身に着け、さらに自分よりも体格の勝る巨人族に対抗するため、彼女は空を舞うように攻撃を行う武術を極める。
「輪脚演舞!!」
「うがぁっ!?」
「ぐはぁっ!?」
「あぐぅっ!?」
顔面を叩きつけて両足を崩した兵士の頭を掴んだ状態でサムカは逆立ちの状態から両足を振り回し、周囲の兵士を吹き飛ばす。その見事な戦いぶりに敵でありながらもコウとチウは感心した声を上げる。
「ほうっ……見事な技だ!!相当に鍛錬を積んでおるな!!」
「その容姿にその足技……思い出した、あんたが帝国の白鬼と呼ばれているサムカだね!?」
「誰が鬼だい!!こっちだって女なんだからそんな呼び方は傷つくんだよ!?」
両手で兵士達の頭を抑えながら話しかけてきたコウとチウにサムカは怒鳴りつけ、その間にルノ達も動き、コトネはクナイを構えて兵士の首筋に強い衝撃を与えて怯ませていた。
「……峰打ち」
「ぐあっ!?」
「あぐっ!?」
コトネの腕力では兵士を気絶に追い込むまでにはいかないが、それでも体勢を崩して怯ませる間に先に進み、彼女の後に続いたルノとリディアが兵士を倒す。
「すいません!!そこ通してください!!」
「ぐああっ!?」
「邪魔よあんた!!」
「げふっ!?」
ルノっが掌底を食らわせると兵士は吹き飛び、リディアは容赦なく股間の方に目掛けて杖の先端を突きつける。巨人族顔負けの腕力で吹き飛ばされた兵士は壁際まで叩きつけられて気絶し、急所を狙われた兵士は床の上を転がり回り悶絶する。
戦闘が開始されてから30秒も経過しない内にルノ達の邪魔をする兵士達は全員が床に倒れ込み、6人は玉座の間を目指す。だが、玉座の間に接近するほどに新手の兵士が出現し、ルノ達の行く手を阻む。
「落ち着くのじゃチウよ。その事を詳しく説明する前に儂は国王様と面会せねばならん。国王様は何処におられる?」
「国王様なら玉座の間だよ。今頃は書類の整理をしているはず……あ、こら!!勝手に行くんじゃないよ!!」
玉座の間に国王が存在すると聞いたコウは早速移動を開始するが、慌ててその後をチウも追いかけ、ルノ達も続く。玉座の間に向かうまでの道中、コウはチウに事情を説明する。
「チウよ、我々は騙されていたのかもしれん。此度の戦の発案は国王様ではなく、側近のクズノである事は知っておるな?奴が全ての黒幕だと儂等は確信しておる」
「クズノ!?あの男が裏切ったというのかい?」
「その可能性が高いというだけじゃ。明確な証拠はないが……だが、儂もギルスもパワードも奴が裏切り者だと確信しておる」
「やっぱりね!!あんな胡散臭い男を信用する方がおかしいとずっと思ってたよ!!なのにあんたらと来たら人の話も聞かないであんな奴の言う事に従って……」
「……痴話喧嘩は後にしてほしい。どうやら相手も異変に気付いたみたい」
通路を進む途中、前方の方から大勢の兵士が現れ、その様子を確認したコトネは武器を構える。兵士達はコウの姿を見ても驚いた様子はなく、虚ろな瞳で武器を構えたまま通路を塞ぐ。
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「そこを退け!!儂は国王様と謁見せねばならん!!」
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「おい、話を聞いてたのかい?早くそこを退きな!!」
「お下がりください、ここから先は……」
コウとチウの命令を受けても兵士達は引きさがる様子はなく、武器を構えた状態で動く気配ない。それを見たルノ達は頷き合い、彼等が既に洗脳された状態である事に気付く。恐らくは玉座の間に通さないように命令されたらしく、強行突破を試みるしかなさそうだった。
「はっ!!こうなったら力ずくで通してもらうしかなさそうだね!!」
「うむ、仕方ないの……だが、出来れば殺さないでくれ。彼等も操られているだけに過ぎん」
「全く、次から次へと訳が分からないね……とりあえず、この馬鹿達を蹴散らして国王様の元へ向かえばいいんだね!!」
「……ルノさん、リディさん、やっておしまいなさい」
「誰がリディさんよ!?」
「殺さないように手加減しないと……」
ルノ達も兵士達を突破して玉座の間に向かうために戦闘体勢に入ると、兵士達は敵意を感じ取ったのか無言のまま動き出す。数十人の兵士が一斉に動き出し、ルノ達も正面から向かう。
「おらぁっ!!その程度かい!?」
「ぐふぅっ!?」
「がはぁっ!?」
最初に特攻を仕掛けたサムカは上空に跳躍すると兵士達の顔面に蹴りを叩きつけ、そのまま兵士の頭を足場代わりにして跳躍を繰り返し、上空から攻撃を仕掛ける。驚異的な脚力を誇り、彼女に蹴りを叩きつけられた兵士は次々と脳震盪を起こして地面に倒れ込む。
サムカは普段から足場の悪い雪山で過ごしているため、足腰の筋肉が異様に発達していた。雪の中でも彼女は敵と戦うために驚異的な脚力を身に着け、さらに自分よりも体格の勝る巨人族に対抗するため、彼女は空を舞うように攻撃を行う武術を極める。
「輪脚演舞!!」
「うがぁっ!?」
「ぐはぁっ!?」
「あぐぅっ!?」
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戦闘が開始されてから30秒も経過しない内にルノ達の邪魔をする兵士達は全員が床に倒れ込み、6人は玉座の間を目指す。だが、玉座の間に接近するほどに新手の兵士が出現し、ルノ達の行く手を阻む。
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