532 / 657
巨人国 侵攻編
玉座で待ち受けていた者
しおりを挟む
「おい、あんた!!これはどういう事だい!?何で帝国へ向かったはずのあんたが戻ってきてるんだよ!!」
「落ち着くのじゃチウよ。その事を詳しく説明する前に儂は国王様と面会せねばならん。国王様は何処におられる?」
「国王様なら玉座の間だよ。今頃は書類の整理をしているはず……あ、こら!!勝手に行くんじゃないよ!!」
玉座の間に国王が存在すると聞いたコウは早速移動を開始するが、慌ててその後をチウも追いかけ、ルノ達も続く。玉座の間に向かうまでの道中、コウはチウに事情を説明する。
「チウよ、我々は騙されていたのかもしれん。此度の戦の発案は国王様ではなく、側近のクズノである事は知っておるな?奴が全ての黒幕だと儂等は確信しておる」
「クズノ!?あの男が裏切ったというのかい?」
「その可能性が高いというだけじゃ。明確な証拠はないが……だが、儂もギルスもパワードも奴が裏切り者だと確信しておる」
「やっぱりね!!あんな胡散臭い男を信用する方がおかしいとずっと思ってたよ!!なのにあんたらと来たら人の話も聞かないであんな奴の言う事に従って……」
「……痴話喧嘩は後にしてほしい。どうやら相手も異変に気付いたみたい」
通路を進む途中、前方の方から大勢の兵士が現れ、その様子を確認したコトネは武器を構える。兵士達はコウの姿を見ても驚いた様子はなく、虚ろな瞳で武器を構えたまま通路を塞ぐ。
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「そこを退け!!儂は国王様と謁見せねばならん!!」
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「おい、話を聞いてたのかい?早くそこを退きな!!」
「お下がりください、ここから先は……」
コウとチウの命令を受けても兵士達は引きさがる様子はなく、武器を構えた状態で動く気配ない。それを見たルノ達は頷き合い、彼等が既に洗脳された状態である事に気付く。恐らくは玉座の間に通さないように命令されたらしく、強行突破を試みるしかなさそうだった。
「はっ!!こうなったら力ずくで通してもらうしかなさそうだね!!」
「うむ、仕方ないの……だが、出来れば殺さないでくれ。彼等も操られているだけに過ぎん」
「全く、次から次へと訳が分からないね……とりあえず、この馬鹿達を蹴散らして国王様の元へ向かえばいいんだね!!」
「……ルノさん、リディさん、やっておしまいなさい」
「誰がリディさんよ!?」
「殺さないように手加減しないと……」
ルノ達も兵士達を突破して玉座の間に向かうために戦闘体勢に入ると、兵士達は敵意を感じ取ったのか無言のまま動き出す。数十人の兵士が一斉に動き出し、ルノ達も正面から向かう。
「おらぁっ!!その程度かい!?」
「ぐふぅっ!?」
「がはぁっ!?」
最初に特攻を仕掛けたサムカは上空に跳躍すると兵士達の顔面に蹴りを叩きつけ、そのまま兵士の頭を足場代わりにして跳躍を繰り返し、上空から攻撃を仕掛ける。驚異的な脚力を誇り、彼女に蹴りを叩きつけられた兵士は次々と脳震盪を起こして地面に倒れ込む。
サムカは普段から足場の悪い雪山で過ごしているため、足腰の筋肉が異様に発達していた。雪の中でも彼女は敵と戦うために驚異的な脚力を身に着け、さらに自分よりも体格の勝る巨人族に対抗するため、彼女は空を舞うように攻撃を行う武術を極める。
「輪脚演舞!!」
「うがぁっ!?」
「ぐはぁっ!?」
「あぐぅっ!?」
顔面を叩きつけて両足を崩した兵士の頭を掴んだ状態でサムカは逆立ちの状態から両足を振り回し、周囲の兵士を吹き飛ばす。その見事な戦いぶりに敵でありながらもコウとチウは感心した声を上げる。
「ほうっ……見事な技だ!!相当に鍛錬を積んでおるな!!」
「その容姿にその足技……思い出した、あんたが帝国の白鬼と呼ばれているサムカだね!?」
「誰が鬼だい!!こっちだって女なんだからそんな呼び方は傷つくんだよ!?」
両手で兵士達の頭を抑えながら話しかけてきたコウとチウにサムカは怒鳴りつけ、その間にルノ達も動き、コトネはクナイを構えて兵士の首筋に強い衝撃を与えて怯ませていた。
「……峰打ち」
「ぐあっ!?」
「あぐっ!?」
コトネの腕力では兵士を気絶に追い込むまでにはいかないが、それでも体勢を崩して怯ませる間に先に進み、彼女の後に続いたルノとリディアが兵士を倒す。
「すいません!!そこ通してください!!」
「ぐああっ!?」
「邪魔よあんた!!」
「げふっ!?」
ルノっが掌底を食らわせると兵士は吹き飛び、リディアは容赦なく股間の方に目掛けて杖の先端を突きつける。巨人族顔負けの腕力で吹き飛ばされた兵士は壁際まで叩きつけられて気絶し、急所を狙われた兵士は床の上を転がり回り悶絶する。
戦闘が開始されてから30秒も経過しない内にルノ達の邪魔をする兵士達は全員が床に倒れ込み、6人は玉座の間を目指す。だが、玉座の間に接近するほどに新手の兵士が出現し、ルノ達の行く手を阻む。
「落ち着くのじゃチウよ。その事を詳しく説明する前に儂は国王様と面会せねばならん。国王様は何処におられる?」
「国王様なら玉座の間だよ。今頃は書類の整理をしているはず……あ、こら!!勝手に行くんじゃないよ!!」
玉座の間に国王が存在すると聞いたコウは早速移動を開始するが、慌ててその後をチウも追いかけ、ルノ達も続く。玉座の間に向かうまでの道中、コウはチウに事情を説明する。
「チウよ、我々は騙されていたのかもしれん。此度の戦の発案は国王様ではなく、側近のクズノである事は知っておるな?奴が全ての黒幕だと儂等は確信しておる」
「クズノ!?あの男が裏切ったというのかい?」
「その可能性が高いというだけじゃ。明確な証拠はないが……だが、儂もギルスもパワードも奴が裏切り者だと確信しておる」
「やっぱりね!!あんな胡散臭い男を信用する方がおかしいとずっと思ってたよ!!なのにあんたらと来たら人の話も聞かないであんな奴の言う事に従って……」
「……痴話喧嘩は後にしてほしい。どうやら相手も異変に気付いたみたい」
通路を進む途中、前方の方から大勢の兵士が現れ、その様子を確認したコトネは武器を構える。兵士達はコウの姿を見ても驚いた様子はなく、虚ろな瞳で武器を構えたまま通路を塞ぐ。
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「そこを退け!!儂は国王様と謁見せねばならん!!」
「お下がりください、ここから先は通す事は出来ません」
「おい、話を聞いてたのかい?早くそこを退きな!!」
「お下がりください、ここから先は……」
コウとチウの命令を受けても兵士達は引きさがる様子はなく、武器を構えた状態で動く気配ない。それを見たルノ達は頷き合い、彼等が既に洗脳された状態である事に気付く。恐らくは玉座の間に通さないように命令されたらしく、強行突破を試みるしかなさそうだった。
「はっ!!こうなったら力ずくで通してもらうしかなさそうだね!!」
「うむ、仕方ないの……だが、出来れば殺さないでくれ。彼等も操られているだけに過ぎん」
「全く、次から次へと訳が分からないね……とりあえず、この馬鹿達を蹴散らして国王様の元へ向かえばいいんだね!!」
「……ルノさん、リディさん、やっておしまいなさい」
「誰がリディさんよ!?」
「殺さないように手加減しないと……」
ルノ達も兵士達を突破して玉座の間に向かうために戦闘体勢に入ると、兵士達は敵意を感じ取ったのか無言のまま動き出す。数十人の兵士が一斉に動き出し、ルノ達も正面から向かう。
「おらぁっ!!その程度かい!?」
「ぐふぅっ!?」
「がはぁっ!?」
最初に特攻を仕掛けたサムカは上空に跳躍すると兵士達の顔面に蹴りを叩きつけ、そのまま兵士の頭を足場代わりにして跳躍を繰り返し、上空から攻撃を仕掛ける。驚異的な脚力を誇り、彼女に蹴りを叩きつけられた兵士は次々と脳震盪を起こして地面に倒れ込む。
サムカは普段から足場の悪い雪山で過ごしているため、足腰の筋肉が異様に発達していた。雪の中でも彼女は敵と戦うために驚異的な脚力を身に着け、さらに自分よりも体格の勝る巨人族に対抗するため、彼女は空を舞うように攻撃を行う武術を極める。
「輪脚演舞!!」
「うがぁっ!?」
「ぐはぁっ!?」
「あぐぅっ!?」
顔面を叩きつけて両足を崩した兵士の頭を掴んだ状態でサムカは逆立ちの状態から両足を振り回し、周囲の兵士を吹き飛ばす。その見事な戦いぶりに敵でありながらもコウとチウは感心した声を上げる。
「ほうっ……見事な技だ!!相当に鍛錬を積んでおるな!!」
「その容姿にその足技……思い出した、あんたが帝国の白鬼と呼ばれているサムカだね!?」
「誰が鬼だい!!こっちだって女なんだからそんな呼び方は傷つくんだよ!?」
両手で兵士達の頭を抑えながら話しかけてきたコウとチウにサムカは怒鳴りつけ、その間にルノ達も動き、コトネはクナイを構えて兵士の首筋に強い衝撃を与えて怯ませていた。
「……峰打ち」
「ぐあっ!?」
「あぐっ!?」
コトネの腕力では兵士を気絶に追い込むまでにはいかないが、それでも体勢を崩して怯ませる間に先に進み、彼女の後に続いたルノとリディアが兵士を倒す。
「すいません!!そこ通してください!!」
「ぐああっ!?」
「邪魔よあんた!!」
「げふっ!?」
ルノっが掌底を食らわせると兵士は吹き飛び、リディアは容赦なく股間の方に目掛けて杖の先端を突きつける。巨人族顔負けの腕力で吹き飛ばされた兵士は壁際まで叩きつけられて気絶し、急所を狙われた兵士は床の上を転がり回り悶絶する。
戦闘が開始されてから30秒も経過しない内にルノ達の邪魔をする兵士達は全員が床に倒れ込み、6人は玉座の間を目指す。だが、玉座の間に接近するほどに新手の兵士が出現し、ルノ達の行く手を阻む。
1
お気に入りに追加
11,306
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

「君を愛するつもりはない」と言ったら、泣いて喜ばれた
菱田もな
恋愛
完璧令嬢と名高い公爵家の一人娘シャーロットとの婚約が決まった第二皇子オズワルド。しかし、これは政略結婚で、婚約にもシャーロット自身にも全く興味がない。初めての顔合わせの場で「悪いが、君を愛するつもりはない」とはっきり告げたオズワルドに、シャーロットはなぜか歓喜の涙を浮かべて…?
※他サイトでも掲載中しております。

「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……


【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。