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巨人国 侵攻編
コトネのピンチ
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「かくかくしかじかわふわふ~」
「なるほど……なんか犬の鳴き声見たいな声で説明された気がするけど、つまり巨人国の人達が帝国へ攻め寄せようとしているわけか」
「また、大変な事になってるわね……というか、それって完全に戦争じゃない?」
「はい……ですのでルノ様のお力を借りたいのですが」
「別にいいよ、それで何をすればいいの?」
事情を知ったルノ達は協力する事を承諾すると、とりあえずはエルフ王国の皆が無事だったことを知ったナオ達も安心して巨人国軍とノーズ公爵に集中できる。
「とりあえず、この国には最低でも1万近くの巨人の軍隊が既に侵入しています。それを支援していたのがノーズ公爵である事は判明していますが、このまま突撃して公爵を捕まえて帝都へ引きずり出すだけでは問題は解決しません」
「侵入した奴等も放置出来ないわけね」
「その通りです。それに国境の方面も気になります。とりあえずはコトネさんが情報収集してくるまでここで待機しましょう」
「でも心配だな……ナオ君の能力でコトネが何処に居るのか分からないの?」
「俺の千里眼の能力、正確な相手の位置を把握していないと使いにくいから……」
ナオの千里眼の能力は500キロ圏内の景色の視点を変更させる事であらゆる角度から覗く事は出来るが、その全てを同時に把握する事は出来ない。つまり500キロ圏内に存在する人物でもナオの視点に入らなければ捉えきれず、だからこそ氷飛行機で高速移動を行っていたレナ達に追いつくのに時間が掛かったという。
「でも、屋敷の様子くらいは分かるんじゃないですか?それっぽい建物があったら中の様子を調べてくれません?」
「分かった。ちょっと見て見る」
「それにしても千里眼って……どこの異世界人もとんでもない能力を持ってるのね」
「ふむ……その能力があれば風呂を覗き放題になるのか……(ぼそっ)」
「デブリ王子?今何か言いましたか?」
「い、いや!!何でもないぞ!?」
千里眼を発動させてナオは上空から街の様子を伺い、最も豪勢で大きな屋敷を発見すると、視点を変更させて屋敷の様子を伺う。数多くの帝国の兵士と巨人国の兵士が木箱に物資を詰めている様子を確認し、この屋敷がノーズ公爵の所有する屋敷だと確信したナオは屋敷の内部を伺う。
この能力の大きな利点は千里眼で見られている人間達には感知されない点にあり、屋敷の内部を細かく調査出来る。その最中、ナオは暗闇に覆われた部屋の中でコトネがフードで覆い隠した人物を背中に背負う姿を見かけた。
「あ、コトネさんを見つけた。多分、ノーズ公爵の屋敷の中に既に潜入しています」
「おおっ、流石は帝国四天王だな。もう屋敷の中にまで忍び込んでいたのか」
「ああ見えても日影の頭領ですからね」
「コトネって、あの何考えているかよく分からない女の子?あの子、そんなに優秀なの?」
「でも……一人じゃない。誰かを背負って移動してます」
「一人じゃない?」
街に潜入したのはコトネだけなので彼女が誰かと行動しているという言葉にレナ達は疑問を抱き、それでも彼女が背負って行動しているという点から少なくとも敵に拘束されたとは考えにくく、詳しい様子をナオに解説して貰う。
「どうやら屋敷の外に逃げようとしてますけど、兵士の見回りが多くて部屋の外に出られないみたいです……あっ!!何かを取り出した!!」
「まさか……ダンボール!?」
「なるほど!!ダンボールで逃げれば安全ですね!!」
「そうか!!ダンボールなら安心だね!!」
「だ、だんぼーる?」
「いや、なによそれ……?」
「だんぼーる……?」
この世界にはダンボールは存在しないのでダンボールという言葉にジャンヌ達は戸惑うが、ナオの視点ではコトネは何処からか木箱を取り出し、窓から外へ降りると自分ともう一人を木箱のなかに覆い隠す。
「ダンボールじゃないけど、木箱に隠れて屋敷の外へ抜け出そうとしてます」
「木箱で脱出!?そんなの無謀過ぎる!!」
「そうですよ!!ダンボールじゃないと……!!」
「いや、だから何よそのダンボールというのは?どんだけあんたらはダンボールに期待してんのよ」
「レナ様の世界に存在する隠密の道具なのでしょうか……?」
「いや、ただ荷物を詰めるための箱みたいな物です」
「え、それなら木箱と変わりないのでは……?」
「違いますよ!!ダンボールがあれば世界最高クラスの秘密基地だろうと怪しまれずに忍び込めるんです!!これだからにわかは……」
『…………』
リーリスの発言にジャンヌ達が内心でイラっとしたが、どうやら木箱を利用した作戦は上手く言ったらしく、巨人んお一人が特に疑問を抱かずに地面に落ちていた木箱を拾い上げ、荷車へ運び込む。普通の兵士ならば人間二人が入っている重量の木箱を担げば疑問を抱くかもしれないが、怪力である巨人族は特に他の荷物と変わらずに簡単に木箱を持ち上げ、荷車へ押し込む。
「なるほど……なんか犬の鳴き声見たいな声で説明された気がするけど、つまり巨人国の人達が帝国へ攻め寄せようとしているわけか」
「また、大変な事になってるわね……というか、それって完全に戦争じゃない?」
「はい……ですのでルノ様のお力を借りたいのですが」
「別にいいよ、それで何をすればいいの?」
事情を知ったルノ達は協力する事を承諾すると、とりあえずはエルフ王国の皆が無事だったことを知ったナオ達も安心して巨人国軍とノーズ公爵に集中できる。
「とりあえず、この国には最低でも1万近くの巨人の軍隊が既に侵入しています。それを支援していたのがノーズ公爵である事は判明していますが、このまま突撃して公爵を捕まえて帝都へ引きずり出すだけでは問題は解決しません」
「侵入した奴等も放置出来ないわけね」
「その通りです。それに国境の方面も気になります。とりあえずはコトネさんが情報収集してくるまでここで待機しましょう」
「でも心配だな……ナオ君の能力でコトネが何処に居るのか分からないの?」
「俺の千里眼の能力、正確な相手の位置を把握していないと使いにくいから……」
ナオの千里眼の能力は500キロ圏内の景色の視点を変更させる事であらゆる角度から覗く事は出来るが、その全てを同時に把握する事は出来ない。つまり500キロ圏内に存在する人物でもナオの視点に入らなければ捉えきれず、だからこそ氷飛行機で高速移動を行っていたレナ達に追いつくのに時間が掛かったという。
「でも、屋敷の様子くらいは分かるんじゃないですか?それっぽい建物があったら中の様子を調べてくれません?」
「分かった。ちょっと見て見る」
「それにしても千里眼って……どこの異世界人もとんでもない能力を持ってるのね」
「ふむ……その能力があれば風呂を覗き放題になるのか……(ぼそっ)」
「デブリ王子?今何か言いましたか?」
「い、いや!!何でもないぞ!?」
千里眼を発動させてナオは上空から街の様子を伺い、最も豪勢で大きな屋敷を発見すると、視点を変更させて屋敷の様子を伺う。数多くの帝国の兵士と巨人国の兵士が木箱に物資を詰めている様子を確認し、この屋敷がノーズ公爵の所有する屋敷だと確信したナオは屋敷の内部を伺う。
この能力の大きな利点は千里眼で見られている人間達には感知されない点にあり、屋敷の内部を細かく調査出来る。その最中、ナオは暗闇に覆われた部屋の中でコトネがフードで覆い隠した人物を背中に背負う姿を見かけた。
「あ、コトネさんを見つけた。多分、ノーズ公爵の屋敷の中に既に潜入しています」
「おおっ、流石は帝国四天王だな。もう屋敷の中にまで忍び込んでいたのか」
「ああ見えても日影の頭領ですからね」
「コトネって、あの何考えているかよく分からない女の子?あの子、そんなに優秀なの?」
「でも……一人じゃない。誰かを背負って移動してます」
「一人じゃない?」
街に潜入したのはコトネだけなので彼女が誰かと行動しているという言葉にレナ達は疑問を抱き、それでも彼女が背負って行動しているという点から少なくとも敵に拘束されたとは考えにくく、詳しい様子をナオに解説して貰う。
「どうやら屋敷の外に逃げようとしてますけど、兵士の見回りが多くて部屋の外に出られないみたいです……あっ!!何かを取り出した!!」
「まさか……ダンボール!?」
「なるほど!!ダンボールで逃げれば安全ですね!!」
「そうか!!ダンボールなら安心だね!!」
「だ、だんぼーる?」
「いや、なによそれ……?」
「だんぼーる……?」
この世界にはダンボールは存在しないのでダンボールという言葉にジャンヌ達は戸惑うが、ナオの視点ではコトネは何処からか木箱を取り出し、窓から外へ降りると自分ともう一人を木箱のなかに覆い隠す。
「ダンボールじゃないけど、木箱に隠れて屋敷の外へ抜け出そうとしてます」
「木箱で脱出!?そんなの無謀過ぎる!!」
「そうですよ!!ダンボールじゃないと……!!」
「いや、だから何よそのダンボールというのは?どんだけあんたらはダンボールに期待してんのよ」
「レナ様の世界に存在する隠密の道具なのでしょうか……?」
「いや、ただ荷物を詰めるための箱みたいな物です」
「え、それなら木箱と変わりないのでは……?」
「違いますよ!!ダンボールがあれば世界最高クラスの秘密基地だろうと怪しまれずに忍び込めるんです!!これだからにわかは……」
『…………』
リーリスの発言にジャンヌ達が内心でイラっとしたが、どうやら木箱を利用した作戦は上手く言ったらしく、巨人んお一人が特に疑問を抱かずに地面に落ちていた木箱を拾い上げ、荷車へ運び込む。普通の兵士ならば人間二人が入っている重量の木箱を担げば疑問を抱くかもしれないが、怪力である巨人族は特に他の荷物と変わらずに簡単に木箱を持ち上げ、荷車へ押し込む。
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