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巨人国 侵攻編
事情説明
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「おお、そこにいるのはナオか!?久しぶりではないか!!」
「えっ……まさかデブリ王子ですか!?」
「ん?何を言っている?お前、友達の顔を忘れたのか?」
デブリの姿を見たナオは驚愕の表情を浮かべ、彼の変わりように動揺を隠せない。まだナオがエルフ王国から脱出する前と比べ、今現在のデブリの変わり様にナオは冷や汗を流す。
「デブリ王子……どうしてそんなに筋肉が小さくなっちゃったんですか!!あんなにムキムキだったのにこんなにガリガリになっちゃって……」
『ガリガリ!?』
「いや、最近は碌な物を食べれなくてな……」
「ああ……あんなにお相撲さんみたいに立派だったデブリ王子がこんな姿になるなんて……」
ナオの言葉を聞いてデブリは恥ずかしそうに自分の身体を抱きしめ、その姿を見てナオは痛々しい表情を浮かべる。彼が脱出する前のデブリはもっと身体が大きく、まるで力士のように立派な体格をしていた。だが、現在のデブリは食事を碌に行わず、身体を動かし続けていたせいで余分な脂肪が消耗してしまったらしい。
「そ、それはともかく……どうしてここにデブリ王子が?エルフ王国に居たはずじゃ……」
「うむ、その事についてだがな……」
「あ、それは俺の方から話しますよ」
ルノはこれまでに何が起きたのかをリーリス達に伝え、まずはエルフ王国は残念ながら救援が間に合わずに世界樹と王都が崩壊してしまった事、転移結晶と呼ばれる神器のお陰で国民と兵士達は無事に脱出出来た事、そして現在は白原にて帝国の支援を受け乍ら暮らしている事を伝える。
リーリス達は自分達が動く前に既にエルフ王国が崩壊していた事に驚いたが、それでも人民は無事で会った事は不幸中の幸いであり、民は家を失ってしまったが命は助かったという話を聞いて安堵した。
「ごめんなさい……俺がもっと早く帝国にたどり着いて救援を求めていたら……」
「何を言っているんだナオ?お前は最善を尽くした。それにお前のお陰で帝国軍が動いたのだ。お前は何も悪くない」
「デブリ王子……」
「……あの、あれ本当に王子なんですか?何か前に会った時と比べると外見も中身も全然違うんですけど……」
「信じられません……」
「その、色々とあったんだよ……多分」
「何が合ったらあんなに変われるのよ……」
落ち込むナオに対してデブリは朗らかな笑みを浮かべて彼を慰め、ナオは最善の行動を尽くした事を伝える。実際にナオがもっと早くエルフ王国にたどり着いていたとしても状況が大きく変わるとは思えず、ルノが帰還しなければどちらにしろ昆虫種の大群によって帝国軍も壊滅していただろう。
ルノが大方の事情を伝えると、今度はリーリス達の方が自分達の行動を説明し、無事にユニコーンを捕獲した事で王妃の病を完全に治した事を説明する。
「それじゃあ、王女様はもう病気は大丈夫なんですか?」
「ええ、もう身体は平気です。問題なく動けます……これもナオ様とリーリスのお陰です」
「そういわれると照れますね。まあ、元々はルノさんが見つけてくれた調合本のお陰なんですけどね」
「魔獣君たちも頑張ってくれたよ」
「ぷるぷるっ♪」
「ウォンッ!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォッ!!」
「うわっとと……皆も頑張ってくれたんだな、偉い偉い!!」
群がって来た魔獣達にルノは優しく抱きしめると、久しぶりに主人と再会した魔獣達は歓喜の表情を浮かべる。その中でミノタウロスはデブリと向き合い、元主人である彼に対して近づく。
「ブモォッ……」
「む、お前は……どうだ?僕も成長しただろう?」
「ブフゥッ!!」
デブリは自慢げに筋肉を見せつけると、ミノタウロスも負けずに力こぶを作り、それを見たデブリは更にポージングを行うと、やがてお互いに理解したように握手を行う。
「ふっ……今のお前となら分かり合える気がする」
「ブモォオッ……」
「なんか、あっちで変な男の友情を築いているんですけど……」
「無視しなさい。それが一番よ」
「そ、そうですね……」
女性陣はデブリとミノタウロスのやり取りに引き気味ではあるが、あのデブリ王子がミノタウロスと和解するほどに成長したという事実に変わりはなく、ルノはナオに質問する。
「ねえ、ナオ君……デブリ王子の話しだと、ナオ君の作った「ぷろていーん」という薬を飲み続けたらああなったとか言ってたけど、何を作ったの?」
「えっ!?いや、王子がダイエットを頑張っていたから力になれないかなと思って薬師のスキルを習得したんだけど、正直あれほど効果がある薬が出来るとは思わなかったよ……」
ナオもデブリの変貌は予想外だったらしく、まさかこれほどまでに彼が立派に成長するとは思わず、余程薬の効果が凄かったのか、それともデブリ自身に才能があったのかは不明である。それはさておき、無事に再開したルノ達はお互いの状況を理解すると、今度はリーリス達が発見して交戦したという巨人国軍の軍隊と彼等を手引きしたノーズ公爵の話に戻る。
「えっ……まさかデブリ王子ですか!?」
「ん?何を言っている?お前、友達の顔を忘れたのか?」
デブリの姿を見たナオは驚愕の表情を浮かべ、彼の変わりように動揺を隠せない。まだナオがエルフ王国から脱出する前と比べ、今現在のデブリの変わり様にナオは冷や汗を流す。
「デブリ王子……どうしてそんなに筋肉が小さくなっちゃったんですか!!あんなにムキムキだったのにこんなにガリガリになっちゃって……」
『ガリガリ!?』
「いや、最近は碌な物を食べれなくてな……」
「ああ……あんなにお相撲さんみたいに立派だったデブリ王子がこんな姿になるなんて……」
ナオの言葉を聞いてデブリは恥ずかしそうに自分の身体を抱きしめ、その姿を見てナオは痛々しい表情を浮かべる。彼が脱出する前のデブリはもっと身体が大きく、まるで力士のように立派な体格をしていた。だが、現在のデブリは食事を碌に行わず、身体を動かし続けていたせいで余分な脂肪が消耗してしまったらしい。
「そ、それはともかく……どうしてここにデブリ王子が?エルフ王国に居たはずじゃ……」
「うむ、その事についてだがな……」
「あ、それは俺の方から話しますよ」
ルノはこれまでに何が起きたのかをリーリス達に伝え、まずはエルフ王国は残念ながら救援が間に合わずに世界樹と王都が崩壊してしまった事、転移結晶と呼ばれる神器のお陰で国民と兵士達は無事に脱出出来た事、そして現在は白原にて帝国の支援を受け乍ら暮らしている事を伝える。
リーリス達は自分達が動く前に既にエルフ王国が崩壊していた事に驚いたが、それでも人民は無事で会った事は不幸中の幸いであり、民は家を失ってしまったが命は助かったという話を聞いて安堵した。
「ごめんなさい……俺がもっと早く帝国にたどり着いて救援を求めていたら……」
「何を言っているんだナオ?お前は最善を尽くした。それにお前のお陰で帝国軍が動いたのだ。お前は何も悪くない」
「デブリ王子……」
「……あの、あれ本当に王子なんですか?何か前に会った時と比べると外見も中身も全然違うんですけど……」
「信じられません……」
「その、色々とあったんだよ……多分」
「何が合ったらあんなに変われるのよ……」
落ち込むナオに対してデブリは朗らかな笑みを浮かべて彼を慰め、ナオは最善の行動を尽くした事を伝える。実際にナオがもっと早くエルフ王国にたどり着いていたとしても状況が大きく変わるとは思えず、ルノが帰還しなければどちらにしろ昆虫種の大群によって帝国軍も壊滅していただろう。
ルノが大方の事情を伝えると、今度はリーリス達の方が自分達の行動を説明し、無事にユニコーンを捕獲した事で王妃の病を完全に治した事を説明する。
「それじゃあ、王女様はもう病気は大丈夫なんですか?」
「ええ、もう身体は平気です。問題なく動けます……これもナオ様とリーリスのお陰です」
「そういわれると照れますね。まあ、元々はルノさんが見つけてくれた調合本のお陰なんですけどね」
「魔獣君たちも頑張ってくれたよ」
「ぷるぷるっ♪」
「ウォンッ!!」
「キュロロロッ!!」
「ブモォッ!!」
「うわっとと……皆も頑張ってくれたんだな、偉い偉い!!」
群がって来た魔獣達にルノは優しく抱きしめると、久しぶりに主人と再会した魔獣達は歓喜の表情を浮かべる。その中でミノタウロスはデブリと向き合い、元主人である彼に対して近づく。
「ブモォッ……」
「む、お前は……どうだ?僕も成長しただろう?」
「ブフゥッ!!」
デブリは自慢げに筋肉を見せつけると、ミノタウロスも負けずに力こぶを作り、それを見たデブリは更にポージングを行うと、やがてお互いに理解したように握手を行う。
「ふっ……今のお前となら分かり合える気がする」
「ブモォオッ……」
「なんか、あっちで変な男の友情を築いているんですけど……」
「無視しなさい。それが一番よ」
「そ、そうですね……」
女性陣はデブリとミノタウロスのやり取りに引き気味ではあるが、あのデブリ王子がミノタウロスと和解するほどに成長したという事実に変わりはなく、ルノはナオに質問する。
「ねえ、ナオ君……デブリ王子の話しだと、ナオ君の作った「ぷろていーん」という薬を飲み続けたらああなったとか言ってたけど、何を作ったの?」
「えっ!?いや、王子がダイエットを頑張っていたから力になれないかなと思って薬師のスキルを習得したんだけど、正直あれほど効果がある薬が出来るとは思わなかったよ……」
ナオもデブリの変貌は予想外だったらしく、まさかこれほどまでに彼が立派に成長するとは思わず、余程薬の効果が凄かったのか、それともデブリ自身に才能があったのかは不明である。それはさておき、無事に再開したルノ達はお互いの状況を理解すると、今度はリーリス達が発見して交戦したという巨人国軍の軍隊と彼等を手引きしたノーズ公爵の話に戻る。
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