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エルフ王国 決戦編
出発!!ルノ探検隊!!
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「ルノ、本当に王子を連れて行くの?」
「王子……え、王子!?こいつが!?」
「ん?さっきから騒がしいと思えば……よく見ればお前はリディアではないか!?あの時の恨み、ここで晴らさせてもらうぞ!!」
「ひいいっ!?ちょ、守りなさい!!」
「シャアアッ!!」
デブリはリディアの存在に気付くと過去に彼女に騙されて国の危機に陥った事を思い出し、怒りを露わにして彼女に組み付こうとしたがガーゴイルがそれを遮る。デブリがガーゴイルがプロレスの手四つを繰り広げている間、ルノはデブリから渡された小袋を確認して悩む。
「う~ん……確かにこれだけあれば旅費は大丈夫だと思うけど、どうしよう」
「……王子も連れて行くなら面倒な事になりそう」
「そういわずにどうか連れて行ってくれ!!こう見えても僕は修行したんだ、それに料理なら得意だぞ!?」
「シャアアッ……!?」
「ちょ、非力な森人族相手に負けそうになってんじゃないわよ!?」
ガーゴイルを押し返しながらデブリは同行を願い、慌ててリディアはルノの背中に隠れる。既に話を聞かれた以上は仕方なくルノは彼の同行を認める代わりに条件を押し付けた。
「じゃあ、同行を認めてもいいけど仲間内で争うのは禁止、目立つ行動も禁止、素性を明かす事も禁止、この三つを守ってください」
「しかしこの女は僕の事を……!!」
「あ、謝るから……もう悪い事はしないと誓うから、近寄らないでよ!!ごめんさい!!」
リディアは徐々に迫りくるデブリに対して必死に謝罪を行うと、少しは溜飲が下がったのかデブリはガーゴイルを解放して頷く。いくら鍛えたとはいえ、魔人族のガーゴイルに力勝ちする辺りデブリの成長も窺え、今の彼ならば十分に戦闘面でも役立つだろう。
結局は4人で行動する事を決め、氷飛行機を浮上させてルノ達はまず帝都へ向かう。地上で手を振るドリアとギリョウに見送られ、氷飛行機は遂に発進した。
「まずは帝都へ向かうよ!!皆、シートベルトをしっかりしてね!!」
「ちょ、だからそんな物ないでしょうがぁあああっ!?」
「はぷっ!?」
「うおおおっ!?」
氷飛行機の高速移動によって機内に強烈なGが襲い掛かり、ルノを除いた3人は座席に押し込まれる形で氷飛行機は帝都へ向けて出発した――
――それから幾日が経過した頃、先に北方領地へ辿り着いたリーリス達は無事にユニコーンの捕獲に成功し、更に王女の能力によって契約獣と化した魔獣達と共に帝都へ向けて帰路についていた。ナオの千里眼と空間魔法の移動方法を利用すれば時間もかけずに帝都へ辿り着けると思われたが、肝心のナオがこれまでの疲労で意識を失い、熱を出して倒れてしまう。
「ううっ……すいません、こんな時に」
「短期間の間に魔法を使い続けたせいで魔力が枯渇してるんですね。しばらくの間は安静にしないといけません」
「だ、大丈夫なのですか?」
「栄養のある物を食べさせる必要があります。ここまでの症状だと無理に魔力回復薬を飲ませるのは逆に身体に毒です。ゆっくりと静養する必要がありますね」
「ヒヒンッ」
「キュロロッ……」
とある森の中に存在する洞窟の中でリーリス達はナオの看病を行い、意識はあるがナオの熱が冷める様子はなく、しばらくの間は身体を休ませなければならない。空間魔法と千里眼の組み合わせは相当に身体に負担を掛けるらしく、今のナオはまともに動くことも出来ない。
彼を心配するように魔獣達が近寄り、看病に必要な材料を運んできてくれるが、リーリスの見立てではナオの完治には時間が掛かると判断した。
「とりあえずは今日一日は様子見します。明日以降も体調の不調が続くようなら街に出向いてしっかりと身体を休ませる必要がありますね」
「リーリス、やはりこのような場所ではなく、ちゃんとした場所で身体を休ませた方が……」
「私達が街に行くとその間に魔獣達の世話は誰が見るんですか?王妃様一人じゃ無理でしょうし、だからといって病人のナオさんだけを街に置いていくわけにもいけませんし……」
「それはそうですが……」
「大丈夫ですジャンヌさん……明日までにはきっと身体を治しますから」
唯一の長距離の移動手段を持つナオが動けない以上はリーリス達に帝都へ戻る手段はなく、流石にナオを担いで運ぶわけにもいかず、ここは彼の身体が完全に回復するまで待つしかなかった。エルフ王国が危機に襲われているのに自分が体調を崩した事にナオは内心落ち込み、せめて周囲の安全を確かめるために寝たきりの状態で千里眼の能力を発動させた。
(身体に無理をしない程度に周囲の安全だけでも確かめないと……何だ?)
ナオの倒れた原因の大部分は空間魔法のため、千里眼の単体で発動させるだけならば身体に大きな負荷は掛からず、皆の安全を守るためにナオは洞窟周辺の探索を行おうとした時、不意に森の奥から見慣れない生物が存在する事に気付く。
※予約投降ミスってました……すいません(;´・ω・)
「王子……え、王子!?こいつが!?」
「ん?さっきから騒がしいと思えば……よく見ればお前はリディアではないか!?あの時の恨み、ここで晴らさせてもらうぞ!!」
「ひいいっ!?ちょ、守りなさい!!」
「シャアアッ!!」
デブリはリディアの存在に気付くと過去に彼女に騙されて国の危機に陥った事を思い出し、怒りを露わにして彼女に組み付こうとしたがガーゴイルがそれを遮る。デブリがガーゴイルがプロレスの手四つを繰り広げている間、ルノはデブリから渡された小袋を確認して悩む。
「う~ん……確かにこれだけあれば旅費は大丈夫だと思うけど、どうしよう」
「……王子も連れて行くなら面倒な事になりそう」
「そういわずにどうか連れて行ってくれ!!こう見えても僕は修行したんだ、それに料理なら得意だぞ!?」
「シャアアッ……!?」
「ちょ、非力な森人族相手に負けそうになってんじゃないわよ!?」
ガーゴイルを押し返しながらデブリは同行を願い、慌ててリディアはルノの背中に隠れる。既に話を聞かれた以上は仕方なくルノは彼の同行を認める代わりに条件を押し付けた。
「じゃあ、同行を認めてもいいけど仲間内で争うのは禁止、目立つ行動も禁止、素性を明かす事も禁止、この三つを守ってください」
「しかしこの女は僕の事を……!!」
「あ、謝るから……もう悪い事はしないと誓うから、近寄らないでよ!!ごめんさい!!」
リディアは徐々に迫りくるデブリに対して必死に謝罪を行うと、少しは溜飲が下がったのかデブリはガーゴイルを解放して頷く。いくら鍛えたとはいえ、魔人族のガーゴイルに力勝ちする辺りデブリの成長も窺え、今の彼ならば十分に戦闘面でも役立つだろう。
結局は4人で行動する事を決め、氷飛行機を浮上させてルノ達はまず帝都へ向かう。地上で手を振るドリアとギリョウに見送られ、氷飛行機は遂に発進した。
「まずは帝都へ向かうよ!!皆、シートベルトをしっかりしてね!!」
「ちょ、だからそんな物ないでしょうがぁあああっ!?」
「はぷっ!?」
「うおおおっ!?」
氷飛行機の高速移動によって機内に強烈なGが襲い掛かり、ルノを除いた3人は座席に押し込まれる形で氷飛行機は帝都へ向けて出発した――
――それから幾日が経過した頃、先に北方領地へ辿り着いたリーリス達は無事にユニコーンの捕獲に成功し、更に王女の能力によって契約獣と化した魔獣達と共に帝都へ向けて帰路についていた。ナオの千里眼と空間魔法の移動方法を利用すれば時間もかけずに帝都へ辿り着けると思われたが、肝心のナオがこれまでの疲労で意識を失い、熱を出して倒れてしまう。
「ううっ……すいません、こんな時に」
「短期間の間に魔法を使い続けたせいで魔力が枯渇してるんですね。しばらくの間は安静にしないといけません」
「だ、大丈夫なのですか?」
「栄養のある物を食べさせる必要があります。ここまでの症状だと無理に魔力回復薬を飲ませるのは逆に身体に毒です。ゆっくりと静養する必要がありますね」
「ヒヒンッ」
「キュロロッ……」
とある森の中に存在する洞窟の中でリーリス達はナオの看病を行い、意識はあるがナオの熱が冷める様子はなく、しばらくの間は身体を休ませなければならない。空間魔法と千里眼の組み合わせは相当に身体に負担を掛けるらしく、今のナオはまともに動くことも出来ない。
彼を心配するように魔獣達が近寄り、看病に必要な材料を運んできてくれるが、リーリスの見立てではナオの完治には時間が掛かると判断した。
「とりあえずは今日一日は様子見します。明日以降も体調の不調が続くようなら街に出向いてしっかりと身体を休ませる必要がありますね」
「リーリス、やはりこのような場所ではなく、ちゃんとした場所で身体を休ませた方が……」
「私達が街に行くとその間に魔獣達の世話は誰が見るんですか?王妃様一人じゃ無理でしょうし、だからといって病人のナオさんだけを街に置いていくわけにもいけませんし……」
「それはそうですが……」
「大丈夫ですジャンヌさん……明日までにはきっと身体を治しますから」
唯一の長距離の移動手段を持つナオが動けない以上はリーリス達に帝都へ戻る手段はなく、流石にナオを担いで運ぶわけにもいかず、ここは彼の身体が完全に回復するまで待つしかなかった。エルフ王国が危機に襲われているのに自分が体調を崩した事にナオは内心落ち込み、せめて周囲の安全を確かめるために寝たきりの状態で千里眼の能力を発動させた。
(身体に無理をしない程度に周囲の安全だけでも確かめないと……何だ?)
ナオの倒れた原因の大部分は空間魔法のため、千里眼の単体で発動させるだけならば身体に大きな負荷は掛からず、皆の安全を守るためにナオは洞窟周辺の探索を行おうとした時、不意に森の奥から見慣れない生物が存在する事に気付く。
※予約投降ミスってました……すいません(;´・ω・)
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