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エルフ王国 決戦編
壊滅寸前
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「あの、どうして皆さんがここにいるんですか?まさか、ここまで避難してきたんですか?あれ、でも昨日ここを通った時は誰も見かけなかったのに……」
「ああ、それは事情を説明すると長くなるんだが……実はな」
「ルノ様、貴方にお願いします!!」
「リン!?」
ルノの質問にデブリが答えようとした時、リンが先に前に出てルノの前に跪くと、彼女の行動に周囲の者達が驚愕する。ルノもいきなり自分に縋りついてきたリンに動揺するが、彼女の言葉を聞いて更に驚愕した。
「国王様が……国王様が世界樹と共に心中するつもりです!!どうかあの方をお救い下さい!!」
「何だって!?それはどういう事だリン!?父上が何と言った!?」
「国王様……え、父上?」
リンの言葉にも驚きだが、デブリの父上という言葉にルノは疑問を抱き、よくよく彼の顔つきを確認してデブリの面影がある事を知ると彼がデブリであると気づく。あまりにも以前と出会った時と体型が違い過ぎたために気付くことが出来ず、ルノは混乱してしまう。
「も、もしかしてデブリ王子!?一体何があったらそんなボディビルダーみたいな肉体に……」
「いや、ちょっと色々とあってな……そんな事よりもリン!!父上が心中とはどういう事だ!?」
「じ、実は……」
この場所に送り込まれたデブリと他の子供達は世界樹内に昆虫種が襲撃を受けたという報告は受けておらず、先に避難するように国王から言い渡されていたらしく、国王が世界樹と共に魔王軍の仕掛けた爆発物を利用して昆虫種を道連れに心中しようとした事実を知って3人の子供達は嘆く。
「そ、そんな……父上、どうして!?」
「嘘だ……そんな馬鹿な!!」
「いや……お父様、こんなの酷すぎますわ……!!」
「申し訳ありません……我等の力が及ばず、国王様にこのような判断をさせてしまうなんて……!!」
「…………」
話を聞き終えた3人の子供は膝を崩し、彼等の前でリンは土下座を行う。その様子を見ていた兵士と他の民衆も悲痛の表情を浮かべ、どれほど国王が慕われていた事を思い知らされたルノは拳を握り締める。そんな彼に大勢の兵士が駆けつけ、恥も外聞も捨てて国王の救助を願う。
「帝国の英雄、いえルノ様!!どうか我等の王をお救い下さい!!どうか、何卒……!!」
「お願いします!!」
「どうかお救い下さい……どうか!!」
兵士達に懇願されたルノは彼等の顔を見て黙り込み、だ飲み込んだ者達も流石に自分達が無茶な願い事をしている理解していた。この場所からエルフ王国の王都まで移動するには時間が掛かりすぎるため、いくらルノが氷の船を利用して移動したとしても到着までに時間が掛かりすぎる。
転移した森人族の話を聞く限りでは既に世界樹内には大量の昆虫種が侵入し、最早追い返すことは出来ない状況に陥っていた。それでも未だに一人でも多くの森人族を救うために国王は転移結晶を利用しているらしく、次々と森人族が送り込まれていた。
「……ルノ、いやルノさん……どうか、貴方の力で父上を救ってくれないか!?」
「で、デブリ……お前、何を!?」
「デブリ王子?」
デブリはルノの前に跪き、ゆっくりと両手を地面につけて土下座を行う。一国の王子が他国の人間にそのような行為をするなど誇り高い森人族にとっては恥だが、今のデブリは父親を救うために手段を択ばず、懇願する。
「どうか、頼む……父上を救ってください!!」
「……変わりましたね、デブリ王子」
最初に会った時はどうしようもなく甘えん坊で自分勝手なデブリだったが、今の彼は父親の事を真剣に心配する立派な心優しい青年と化した姿にルノは心を打たれ、ゆっくりと氷の船を要塞内部へ向けて着地させる。そして乗船していた帝国軍の兵士達に声を掛けた。
「すいません、その物資はここの人達に分けてください!!責任は俺が取ります!!」
「えっ!?」
「る、ルノ殿!?これはどういう事じゃ!?」
氷の船には皇帝も乗船しており、ルノの言葉に驚きを隠せないが、今は理由を説明する暇はないのでルノは皇帝へ告げる。
「エルフ王国の救援は俺が向かいます!!なので皇帝さんはここの人達を頼みます!!」
「いや、しかし……」
「お願いします!!」
「う、うむ……分かった」
ルノの強い言葉に皇帝は何も言えず、船の下に集まったエルフ王国の住民達の姿を見て仕方なく帝国軍の補給物資を彼等に分け与える事を誓う。それを確認したルノは上空を見上げ、流れ星のようにこちらへ向けて降り立つ森人族の住民達を見てエルフ王国が存在する方角を確認した。
「エルフ王国はあっちですね?」
「え、ええ……あの、何をする気ですか?」
「勿論、助けに行くんですよ……絶対に国王様を連れ帰ります。それまで待っててください」
「おおっ……頼む、ルノさん!!」
「ルノでいいですよ」
デブリはルノの言葉に号泣し、これ以上に心強い彼の言葉を聞いて自然と他の森人族達も緊張が解けたように膝を崩して涙を流す。そんな彼等の期待に応えるため、ルノは転移される人間が送り込まれてくる方角に視線を向け、飛翔術を発動させた。
「ああ、それは事情を説明すると長くなるんだが……実はな」
「ルノ様、貴方にお願いします!!」
「リン!?」
ルノの質問にデブリが答えようとした時、リンが先に前に出てルノの前に跪くと、彼女の行動に周囲の者達が驚愕する。ルノもいきなり自分に縋りついてきたリンに動揺するが、彼女の言葉を聞いて更に驚愕した。
「国王様が……国王様が世界樹と共に心中するつもりです!!どうかあの方をお救い下さい!!」
「何だって!?それはどういう事だリン!?父上が何と言った!?」
「国王様……え、父上?」
リンの言葉にも驚きだが、デブリの父上という言葉にルノは疑問を抱き、よくよく彼の顔つきを確認してデブリの面影がある事を知ると彼がデブリであると気づく。あまりにも以前と出会った時と体型が違い過ぎたために気付くことが出来ず、ルノは混乱してしまう。
「も、もしかしてデブリ王子!?一体何があったらそんなボディビルダーみたいな肉体に……」
「いや、ちょっと色々とあってな……そんな事よりもリン!!父上が心中とはどういう事だ!?」
「じ、実は……」
この場所に送り込まれたデブリと他の子供達は世界樹内に昆虫種が襲撃を受けたという報告は受けておらず、先に避難するように国王から言い渡されていたらしく、国王が世界樹と共に魔王軍の仕掛けた爆発物を利用して昆虫種を道連れに心中しようとした事実を知って3人の子供達は嘆く。
「そ、そんな……父上、どうして!?」
「嘘だ……そんな馬鹿な!!」
「いや……お父様、こんなの酷すぎますわ……!!」
「申し訳ありません……我等の力が及ばず、国王様にこのような判断をさせてしまうなんて……!!」
「…………」
話を聞き終えた3人の子供は膝を崩し、彼等の前でリンは土下座を行う。その様子を見ていた兵士と他の民衆も悲痛の表情を浮かべ、どれほど国王が慕われていた事を思い知らされたルノは拳を握り締める。そんな彼に大勢の兵士が駆けつけ、恥も外聞も捨てて国王の救助を願う。
「帝国の英雄、いえルノ様!!どうか我等の王をお救い下さい!!どうか、何卒……!!」
「お願いします!!」
「どうかお救い下さい……どうか!!」
兵士達に懇願されたルノは彼等の顔を見て黙り込み、だ飲み込んだ者達も流石に自分達が無茶な願い事をしている理解していた。この場所からエルフ王国の王都まで移動するには時間が掛かりすぎるため、いくらルノが氷の船を利用して移動したとしても到着までに時間が掛かりすぎる。
転移した森人族の話を聞く限りでは既に世界樹内には大量の昆虫種が侵入し、最早追い返すことは出来ない状況に陥っていた。それでも未だに一人でも多くの森人族を救うために国王は転移結晶を利用しているらしく、次々と森人族が送り込まれていた。
「……ルノ、いやルノさん……どうか、貴方の力で父上を救ってくれないか!?」
「で、デブリ……お前、何を!?」
「デブリ王子?」
デブリはルノの前に跪き、ゆっくりと両手を地面につけて土下座を行う。一国の王子が他国の人間にそのような行為をするなど誇り高い森人族にとっては恥だが、今のデブリは父親を救うために手段を択ばず、懇願する。
「どうか、頼む……父上を救ってください!!」
「……変わりましたね、デブリ王子」
最初に会った時はどうしようもなく甘えん坊で自分勝手なデブリだったが、今の彼は父親の事を真剣に心配する立派な心優しい青年と化した姿にルノは心を打たれ、ゆっくりと氷の船を要塞内部へ向けて着地させる。そして乗船していた帝国軍の兵士達に声を掛けた。
「すいません、その物資はここの人達に分けてください!!責任は俺が取ります!!」
「えっ!?」
「る、ルノ殿!?これはどういう事じゃ!?」
氷の船には皇帝も乗船しており、ルノの言葉に驚きを隠せないが、今は理由を説明する暇はないのでルノは皇帝へ告げる。
「エルフ王国の救援は俺が向かいます!!なので皇帝さんはここの人達を頼みます!!」
「いや、しかし……」
「お願いします!!」
「う、うむ……分かった」
ルノの強い言葉に皇帝は何も言えず、船の下に集まったエルフ王国の住民達の姿を見て仕方なく帝国軍の補給物資を彼等に分け与える事を誓う。それを確認したルノは上空を見上げ、流れ星のようにこちらへ向けて降り立つ森人族の住民達を見てエルフ王国が存在する方角を確認した。
「エルフ王国はあっちですね?」
「え、ええ……あの、何をする気ですか?」
「勿論、助けに行くんですよ……絶対に国王様を連れ帰ります。それまで待っててください」
「おおっ……頼む、ルノさん!!」
「ルノでいいですよ」
デブリはルノの言葉に号泣し、これ以上に心強い彼の言葉を聞いて自然と他の森人族達も緊張が解けたように膝を崩して涙を流す。そんな彼等の期待に応えるため、ルノは転移される人間が送り込まれてくる方角に視線を向け、飛翔術を発動させた。
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