最弱職の初級魔術師 初級魔法を極めたらいつの間にか「千の魔術師」と呼ばれていました。

エルフ王国 決戦編

閑話 〈その頃の魔王〉

――激闘の末にルノによって宇宙に追放された魔王は宇宙空間を彷徨っていた。自力で戻る事も出来ず、魔力も吸収出来ない環境なので何も出来ない。このまま永久に宇宙を彷徨い続けるのかと考えていた魔王だが、宇宙を飛来していた隕石に巻き込まれる。


『ぬうっ……何だこれは、流れ星か？』


隕石に巻き込まれた魔王はそのまま隕石に張り付いた状態で宇宙を移動する。やがて隕石は見覚えのある星に向けて接近し、天文学的な確率で魔王は自分を追放した星へと帰還する好機に恵まれた。


『おおっ……！！信じられん、戻って来たのか！！』


まさか自分が存在した星に向かっていた隕石に奇跡的に巻き込まれるとは思わなかった魔王は歓喜の声を上げ、同時に自分を宇宙の果てまで吹き飛ばそうとしたルノの事を思い出して怒りを抱く。


『待っていろ人間め……今度こそ決着を付けてやる！！ぬっ……何だ？』


だが、隕石の移動方向に光る物体を発見し、不思議に思った魔王は隕石に張り付いた状態で物体の正体を確かめると、それは星の周囲を旋回する「人工衛星」である事に気づいた。


『何だあれは……ちょっと待て、このまま行くと……！？』


隕石の方向先に人工衛星が存在する事に気付いた魔王は嫌な予感を覚えるが、考えている間にも隕石と人工衛星との距離は縮まり、やがて二つの物体は衝突した瞬間に大爆発を引き起こす。


『ああああああっ――！？』


想像以上の爆発を引き起こした人工衛星によって魔王は再び宇宙の彼方に向けて吹き飛ばされ、粉々に砕け散った隕石と共に消え去った――



※魔王帰還フラグ消滅！！ふうっ……危なかった(;´･ω･)