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エルフ王国 決戦編
爆発物
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「ぐうっ……な、何だ!?」
「こ、ここは……」
「うおっ!?」
「……どうやら全員正気に戻ったようですね」
「ぐぅうっ……!!」
魔法陣に乗り込んだ瞬間に虚ろな瞳をしていた兵士達が意識を取り戻し、イヤンの口を塞いだ状態で抑え込んだリンは安堵の息を吐く。その様子を困惑した表情で国王とヤミンは見つめ、一体何が起きたのかを問う。
「イヤンよ……お主、兵士達に何をしたのだ?」
「いえ、国王様。どうやら彼等を洗脳していたのはイヤン王子ではありません」
「え、どういう事ですの?」
「それは私から説明させてください」
最初に正気を取り戻した兵士が国王とヤミンに自分の身に起きた事を説明し、この世界樹の中に人間のしかも魔王軍の関係者が存在したという話に二人は驚き、同時にイヤンが魔王軍と手を組んだ事に怒りを抱く。
「イヤンよ!!お主、誇り高きエルフ王族でありながら他国の侵略者と手を組んだというか!!何と愚かな事を……!!」
「お兄様、嘘でしょう!?嘘だと言ってくださいまし!!」
「……黙れ、これが最善の方法なんだ!!」
兵士達を正気に取り戻した事で口を塞ぐ必要はないと判断したリンはイヤンの口元だけを解放すると、彼はこの状況にも関わらずに悪態を吐き、自分の判断が間違っていない事を断言する。
「このままではこの国は終わりだ……それならば王族である我等だけでも生き延び、何時の日か王国を再建するのだ!!例え他国に従属する事になろうと我々は王族として生き延びねばならない!!違うのですか父上!?」
「馬鹿者が!!どうして儂に相談せず、そのような判断を下した!?」
「何度も俺はこの話をしました!!ですが、父上は聞く耳を持ってくれなかっただけではないですか!!」
「お、お兄様……本当にどうしたのですの?」
「……イヤン王子、申し訳ありませんが貴方にも魔法陣の上に立ってもらいます」
イヤンの様子がおかしい事に国王たちは戸惑い、いち早く彼の異変が洗脳によるものではないかと考えたリンは王子を魔法陣に近付けさせる。最初は抵抗していたイヤンだったが、魔法陣に踏み込んだ瞬間に嘘のように大人しくなった。
「離せリン!!貴様、この僕を誰だと思って……ぐうっ!?」
「王子、気をしっかり持って下さい!!貴方は騙されていたのです!!」
「そ、そんな事は……何だ、これは……うああっ!?」
「リン!?イヤンが苦しんでいる、早く出せ!!」
他の兵士達は魔法陣に踏み込んだ瞬間に正気を取り戻したが、イヤンの場合は魔法陣に乗り込んだ途端に頭を抑え、苦しみも学。その様子を見て心配した国王がイヤンを出す様に促す、リンは彼を魔法陣に抑えつける。
「イヤン王子!!どうか正気に戻ってください!!」
「うああっ……そ、そうだ。俺は、何でこんな事を……」
「お兄様!?」
イヤンは頭を抱えながらも自分のしてきた行為を思い返して違和感を抱き、自分の行為の過ちに気付いたように膝を崩す。リンは魔法陣からイヤンを引きずり出すと彼の元に国王とヤミンが近寄り、彼の身体を抱きしめる。
「イヤンよ、平気か?身体に異常はないか?」
「お兄様、貴方のヤミンはここにいますわ!!」
「ああっ……父上、妹よ……俺はなんてことを」
「……どうやらイヤン王子も洗脳されていたようですね」
命令を聞くだけの傀儡と化していた兵士と比べればイヤンの洗脳は完全な物ではなかったらしく、現に彼自身は国王や妹を拘束するだけで暴行を加える様子もなく、共に転移結晶を使って脱出しようとしていた。そう考えるとイヤンは心の底まではクズノに屈服していたわけではないらしく、彼は自分の行為に後悔したように二人の身体を抱きしめた。
幸運にも勇者が残した聖遺物のお陰で正気を取り戻したイヤンと兵士達は集まり、彼等から事情を尋ねて魔王軍の目的を考察する。最初の兵士のように他の兵士は最後に残っている記憶は自分達が洗脳された場面しか覚えていなかったが、イヤンの場合は完全には洗脳されていなかった事でクズノが話していた恐るべき計画を話す。
「あ、あいつはこう言っていた。数が増えすぎた昆虫種を一掃するため、この世界樹ごと吹き飛ばすと……その方法は既に準備が出来ていると言っていた気がする」
「世界樹を吹き飛ばす……だと!?」
「そんな事をすればこの国はどうなってしまうのですか!?」
「いえ、それよりもそんな方法が本当にあるのですか!?」
クズノから聞いた計画を語るイヤンの顔色は悪く、彼の表情から察するに本当に世界樹を吹き飛ばす準備が進められていたらしく、昆虫種共々邪魔な存在を消すためにクズノが仕掛けた方法を話す。
「や、奴はこう言っていた……既に世界樹の内部には爆発性の高い高純度の火属性の魔水晶を至る箇所に仕掛けていると……後は火種をやれば各所に設置した魔水晶が連鎖して大爆発を引き起こすと言っていた」
「そんな!!」
「その爆弾の居場所は!?」
「分からない……知らないんだ!!あいつにはもう準備は出来ているから脱出するように俺は言われただけなんだ!?」
イヤンもクズノが仕掛けた爆発物の場所は知らないらしく、これが事実ならば途轍もない大惨事が引き起こされようとしており、このままでは世界樹に集まった大勢の森人族の命が危ない。
※今回の投稿の?秒前
カタナヅキ「あれ、勝手に公開されてる!?」Σ(゚Д゚;)
リーリス「出番ないからこれを押しました」(・ω・)/公開ボタン
「こ、ここは……」
「うおっ!?」
「……どうやら全員正気に戻ったようですね」
「ぐぅうっ……!!」
魔法陣に乗り込んだ瞬間に虚ろな瞳をしていた兵士達が意識を取り戻し、イヤンの口を塞いだ状態で抑え込んだリンは安堵の息を吐く。その様子を困惑した表情で国王とヤミンは見つめ、一体何が起きたのかを問う。
「イヤンよ……お主、兵士達に何をしたのだ?」
「いえ、国王様。どうやら彼等を洗脳していたのはイヤン王子ではありません」
「え、どういう事ですの?」
「それは私から説明させてください」
最初に正気を取り戻した兵士が国王とヤミンに自分の身に起きた事を説明し、この世界樹の中に人間のしかも魔王軍の関係者が存在したという話に二人は驚き、同時にイヤンが魔王軍と手を組んだ事に怒りを抱く。
「イヤンよ!!お主、誇り高きエルフ王族でありながら他国の侵略者と手を組んだというか!!何と愚かな事を……!!」
「お兄様、嘘でしょう!?嘘だと言ってくださいまし!!」
「……黙れ、これが最善の方法なんだ!!」
兵士達を正気に取り戻した事で口を塞ぐ必要はないと判断したリンはイヤンの口元だけを解放すると、彼はこの状況にも関わらずに悪態を吐き、自分の判断が間違っていない事を断言する。
「このままではこの国は終わりだ……それならば王族である我等だけでも生き延び、何時の日か王国を再建するのだ!!例え他国に従属する事になろうと我々は王族として生き延びねばならない!!違うのですか父上!?」
「馬鹿者が!!どうして儂に相談せず、そのような判断を下した!?」
「何度も俺はこの話をしました!!ですが、父上は聞く耳を持ってくれなかっただけではないですか!!」
「お、お兄様……本当にどうしたのですの?」
「……イヤン王子、申し訳ありませんが貴方にも魔法陣の上に立ってもらいます」
イヤンの様子がおかしい事に国王たちは戸惑い、いち早く彼の異変が洗脳によるものではないかと考えたリンは王子を魔法陣に近付けさせる。最初は抵抗していたイヤンだったが、魔法陣に踏み込んだ瞬間に嘘のように大人しくなった。
「離せリン!!貴様、この僕を誰だと思って……ぐうっ!?」
「王子、気をしっかり持って下さい!!貴方は騙されていたのです!!」
「そ、そんな事は……何だ、これは……うああっ!?」
「リン!?イヤンが苦しんでいる、早く出せ!!」
他の兵士達は魔法陣に踏み込んだ瞬間に正気を取り戻したが、イヤンの場合は魔法陣に乗り込んだ途端に頭を抑え、苦しみも学。その様子を見て心配した国王がイヤンを出す様に促す、リンは彼を魔法陣に抑えつける。
「イヤン王子!!どうか正気に戻ってください!!」
「うああっ……そ、そうだ。俺は、何でこんな事を……」
「お兄様!?」
イヤンは頭を抱えながらも自分のしてきた行為を思い返して違和感を抱き、自分の行為の過ちに気付いたように膝を崩す。リンは魔法陣からイヤンを引きずり出すと彼の元に国王とヤミンが近寄り、彼の身体を抱きしめる。
「イヤンよ、平気か?身体に異常はないか?」
「お兄様、貴方のヤミンはここにいますわ!!」
「ああっ……父上、妹よ……俺はなんてことを」
「……どうやらイヤン王子も洗脳されていたようですね」
命令を聞くだけの傀儡と化していた兵士と比べればイヤンの洗脳は完全な物ではなかったらしく、現に彼自身は国王や妹を拘束するだけで暴行を加える様子もなく、共に転移結晶を使って脱出しようとしていた。そう考えるとイヤンは心の底まではクズノに屈服していたわけではないらしく、彼は自分の行為に後悔したように二人の身体を抱きしめた。
幸運にも勇者が残した聖遺物のお陰で正気を取り戻したイヤンと兵士達は集まり、彼等から事情を尋ねて魔王軍の目的を考察する。最初の兵士のように他の兵士は最後に残っている記憶は自分達が洗脳された場面しか覚えていなかったが、イヤンの場合は完全には洗脳されていなかった事でクズノが話していた恐るべき計画を話す。
「あ、あいつはこう言っていた。数が増えすぎた昆虫種を一掃するため、この世界樹ごと吹き飛ばすと……その方法は既に準備が出来ていると言っていた気がする」
「世界樹を吹き飛ばす……だと!?」
「そんな事をすればこの国はどうなってしまうのですか!?」
「いえ、それよりもそんな方法が本当にあるのですか!?」
クズノから聞いた計画を語るイヤンの顔色は悪く、彼の表情から察するに本当に世界樹を吹き飛ばす準備が進められていたらしく、昆虫種共々邪魔な存在を消すためにクズノが仕掛けた方法を話す。
「や、奴はこう言っていた……既に世界樹の内部には爆発性の高い高純度の火属性の魔水晶を至る箇所に仕掛けていると……後は火種をやれば各所に設置した魔水晶が連鎖して大爆発を引き起こすと言っていた」
「そんな!!」
「その爆弾の居場所は!?」
「分からない……知らないんだ!!あいつにはもう準備は出来ているから脱出するように俺は言われただけなんだ!?」
イヤンもクズノが仕掛けた爆発物の場所は知らないらしく、これが事実ならば途轍もない大惨事が引き起こされようとしており、このままでは世界樹に集まった大勢の森人族の命が危ない。
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