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エルフ王国 決戦編
押し寄せる災害 〈来ちゃったbyルノ&リディア〉
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「王子!!王子は何処にいる!?くそ、こんな時に……」
ガルファンは嗅覚を頼りにガルルの臭いを探し出そうとしたが、陣内の至る場所で火災が起きているせいで鼻も利かず、そもそも人の数が多すぎて臭いを嗅ぎ分ける事も難しい。
「このままでは不味い……王子は何処だ!!あの馬鹿者が……!!」
「が、ガルファン将軍!!」
馬で陣内を移動するガルファンの元に一人の兵士が駆けつけ、顔色を青くしながら将軍の足に縋りつく。
「どうした!?何事だ!?」
「お、王子が……日影に攫われました!!既に奴等は陣を抜け出して敵兵と合流した模様です!!」
「何だと!?」
兵士の言葉にガルファンは目を見開き、既にガルルが敵の手に落ちたのならばどうしようも出来ず、歯を食いしばりながら兵士の腕を振り払って兵糧庫の方角を目指す。
「くそがっ!!」
「しょ、将軍!?どちらへ!?」
「やかましい!!」
自分の前に群がる兵士達を振り払い、兵糧庫へ到着したガルファンは既に荷台に運び込まれた食料の袋を奪い取ると駆け出す。その様子を見た兵士達は驚きの声を上げ、慌てて彼を引き留めようとした。
「お待ちください将軍!!一体何処へ……!?」
「うるさい!!貴様等とはここまでだ!!」
ガルルを誘拐された以上は兵士と共に脱出を図ったところで後々に捕まる事は目に見えており、それならば獣人国に戻ったところで処刑されるぐらいならば他国へ逃走する事を決めたガルファンは前線で日の国の軍隊と交戦している部隊の元へ向かう。
戦場を駆け抜けるのは危険な行為に思われるが、伊達にガルファンも将軍の職に就いておらず、敵と味方の動きを把握して安全に突破する方法を探す。最悪の場合は馬や身に着けている装備品を脱ぎ捨てでも逃げ切る自信はあるため、ガルファンは戦場へ向けて駆け出す。
「退け退け!!貴様等邪魔だ!!」
「将軍!?どうしてここに……」
「やかましい!!」
交戦中の兵士達はガルファンの到来に驚愕の声を上げるが、彼等を無視してガルファンは剣を振り回しながら死地を避けて軍隊を抜ける。当然ながらに日の国の軍隊も彼に気付いて攻撃を仕掛けてくるが、歴戦の将軍として彼等の攻撃を回避しながらガルファンは駆け抜ける。
「居たぞ!!あれが敵の大将だ!!」
「奴を討て!!」
「邪魔だ!!退けっ!!」
「いかん、将軍を守れ!!」
迫りくる敵兵を蹴散らしながらガルファンは突破しようとした時、後方に存在する陣から轟音が響き渡る。何事かと敵味方全員が獣人国軍の陣に視線を向けると、そこには火災が発生している場所に巨大な氷柱が撃ち込まれていた。
「な、何だあれは……!?」
「魔法なのか!?」
「馬鹿な、獣人国軍の魔術師部隊はいないはずだぞ!!」
「あ、あれは……」
上空から次々と氷柱が撃ち込まれ、陣内に発生した火炎を掻き消す光景に兵士達は呆気に取られるが、その光景を見たガルファンは全身から冷や汗を流す。これほどの魔法を扱える人間など一人しか心当たりがなく、急いで逃げ出そうとした。
「退け!!貴様等退くのだ!!」
「うわっ!?」
「こ、こいつ……どうしたんだ!?」
混乱したように無茶苦茶に剣を振り回しながら馬を走らせるガルファンに日の国の兵士達は戸惑いながらも交戦しようとした時、戦場に凄まじい咆哮が響き渡る。
――ウガアアアアアアッ!!
戦場の兵士達の鼓膜を破りかねない声量の咆哮が放たれ、何事かと全員が振り返ると、そこには大勢の兵士を蹴散らしながら戦場を駆け巡る牙竜とその背中にしがみつくリディアの姿が存在した。
「殺しちゃ駄目よ!!後で面倒な事になるから……あ、見つけたわよ!!この馬鹿将軍!!」
「ガアアッ!!」
「ぎゃあああああっ!?」
牙竜は鋭い嗅覚でガルファンの臭いを探って居場所を突き留めると、恐るべき速さで追跡を行う。牙竜が出現した事に戦場の兵士達は大混乱を引き起こし、慌てて逃走を開始する。その一方でガルファンは馬を走らせて逃げようとしたが、先ほどの咆哮で馬は混乱して言う事を聞かず、仕方なくガルファンは馬を下りて駆け出す。
走る最中に食料を詰めた袋を落とし、走行の妨げとなる兜や鎧を脱ぎ捨てながら駆け抜けるガルファンの姿に兵士達は呆然とするが、最終的には靴まで脱いで下着姿で駆け抜ける。
「こら!!逃げるんじゃないわよ!!大人しく捕まりなさいこの馬鹿!!」
「ガアッ!!」
「うおおおおっ!!」
無様に恥を晒そうと生き残るためにガルファンは走り抜ける姿に兵士達は滑稽を通り過ぎて逆に感心さえ抱き、牙竜から逃げ延びようとするガルファンに日の国の兵士達でさえも道を開いてしまう。
「ちょ、嘘でしょ!?どんだけあし早いのよこいつ……」
「ぬおおおおっ!!」
追跡を行うリディアでさえもガルファンのなりふり構わない逃走に驚き、遂には下着まで脱ぎ捨てて全裸で駆け抜けるガルファンに戦場の兵士達は見るに堪えず、目を逸らして彼等のやり取りを見逃してしまう――
ガルファンは嗅覚を頼りにガルルの臭いを探し出そうとしたが、陣内の至る場所で火災が起きているせいで鼻も利かず、そもそも人の数が多すぎて臭いを嗅ぎ分ける事も難しい。
「このままでは不味い……王子は何処だ!!あの馬鹿者が……!!」
「が、ガルファン将軍!!」
馬で陣内を移動するガルファンの元に一人の兵士が駆けつけ、顔色を青くしながら将軍の足に縋りつく。
「どうした!?何事だ!?」
「お、王子が……日影に攫われました!!既に奴等は陣を抜け出して敵兵と合流した模様です!!」
「何だと!?」
兵士の言葉にガルファンは目を見開き、既にガルルが敵の手に落ちたのならばどうしようも出来ず、歯を食いしばりながら兵士の腕を振り払って兵糧庫の方角を目指す。
「くそがっ!!」
「しょ、将軍!?どちらへ!?」
「やかましい!!」
自分の前に群がる兵士達を振り払い、兵糧庫へ到着したガルファンは既に荷台に運び込まれた食料の袋を奪い取ると駆け出す。その様子を見た兵士達は驚きの声を上げ、慌てて彼を引き留めようとした。
「お待ちください将軍!!一体何処へ……!?」
「うるさい!!貴様等とはここまでだ!!」
ガルルを誘拐された以上は兵士と共に脱出を図ったところで後々に捕まる事は目に見えており、それならば獣人国に戻ったところで処刑されるぐらいならば他国へ逃走する事を決めたガルファンは前線で日の国の軍隊と交戦している部隊の元へ向かう。
戦場を駆け抜けるのは危険な行為に思われるが、伊達にガルファンも将軍の職に就いておらず、敵と味方の動きを把握して安全に突破する方法を探す。最悪の場合は馬や身に着けている装備品を脱ぎ捨てでも逃げ切る自信はあるため、ガルファンは戦場へ向けて駆け出す。
「退け退け!!貴様等邪魔だ!!」
「将軍!?どうしてここに……」
「やかましい!!」
交戦中の兵士達はガルファンの到来に驚愕の声を上げるが、彼等を無視してガルファンは剣を振り回しながら死地を避けて軍隊を抜ける。当然ながらに日の国の軍隊も彼に気付いて攻撃を仕掛けてくるが、歴戦の将軍として彼等の攻撃を回避しながらガルファンは駆け抜ける。
「居たぞ!!あれが敵の大将だ!!」
「奴を討て!!」
「邪魔だ!!退けっ!!」
「いかん、将軍を守れ!!」
迫りくる敵兵を蹴散らしながらガルファンは突破しようとした時、後方に存在する陣から轟音が響き渡る。何事かと敵味方全員が獣人国軍の陣に視線を向けると、そこには火災が発生している場所に巨大な氷柱が撃ち込まれていた。
「な、何だあれは……!?」
「魔法なのか!?」
「馬鹿な、獣人国軍の魔術師部隊はいないはずだぞ!!」
「あ、あれは……」
上空から次々と氷柱が撃ち込まれ、陣内に発生した火炎を掻き消す光景に兵士達は呆気に取られるが、その光景を見たガルファンは全身から冷や汗を流す。これほどの魔法を扱える人間など一人しか心当たりがなく、急いで逃げ出そうとした。
「退け!!貴様等退くのだ!!」
「うわっ!?」
「こ、こいつ……どうしたんだ!?」
混乱したように無茶苦茶に剣を振り回しながら馬を走らせるガルファンに日の国の兵士達は戸惑いながらも交戦しようとした時、戦場に凄まじい咆哮が響き渡る。
――ウガアアアアアアッ!!
戦場の兵士達の鼓膜を破りかねない声量の咆哮が放たれ、何事かと全員が振り返ると、そこには大勢の兵士を蹴散らしながら戦場を駆け巡る牙竜とその背中にしがみつくリディアの姿が存在した。
「殺しちゃ駄目よ!!後で面倒な事になるから……あ、見つけたわよ!!この馬鹿将軍!!」
「ガアアッ!!」
「ぎゃあああああっ!?」
牙竜は鋭い嗅覚でガルファンの臭いを探って居場所を突き留めると、恐るべき速さで追跡を行う。牙竜が出現した事に戦場の兵士達は大混乱を引き起こし、慌てて逃走を開始する。その一方でガルファンは馬を走らせて逃げようとしたが、先ほどの咆哮で馬は混乱して言う事を聞かず、仕方なくガルファンは馬を下りて駆け出す。
走る最中に食料を詰めた袋を落とし、走行の妨げとなる兜や鎧を脱ぎ捨てながら駆け抜けるガルファンの姿に兵士達は呆然とするが、最終的には靴まで脱いで下着姿で駆け抜ける。
「こら!!逃げるんじゃないわよ!!大人しく捕まりなさいこの馬鹿!!」
「ガアッ!!」
「うおおおおっ!!」
無様に恥を晒そうと生き残るためにガルファンは走り抜ける姿に兵士達は滑稽を通り過ぎて逆に感心さえ抱き、牙竜から逃げ延びようとするガルファンに日の国の兵士達でさえも道を開いてしまう。
「ちょ、嘘でしょ!?どんだけあし早いのよこいつ……」
「ぬおおおおっ!!」
追跡を行うリディアでさえもガルファンのなりふり構わない逃走に驚き、遂には下着まで脱ぎ捨てて全裸で駆け抜けるガルファンに戦場の兵士達は見るに堪えず、目を逸らして彼等のやり取りを見逃してしまう――
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