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獣人国
閑話 〈ユニコーンの捕獲成功〉
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「ふうっ……どうにか捕獲に成功しましたね」
「捕獲というか、もう既に瀕死の状態なんだけど……」
「だ、大丈夫なのでしょうか?」
倒れたユニコーンは酷い火傷を負っており、その傷跡の具合を見てジャンヌは心配した声を上げるが、リーリスはすぐに額の角を確認して無事である事を確かめる。
「ユニコーンがこれぐらいで死ぬことはありませんよ。時間が経過すれば自力で回復するはずです。その前に額の角を少し削りますよ」
「でも、ユニコーンは額の角が生命の源なんじゃ……」
「ほんの少し貰うだけです。ほら、お二人も手伝ってください」
ヤスリを取り出したリーリスはユニコーンが目覚める前に角の一部を採取するために削り始め、他の二人も慌ててユニコーンが目を覚ます前に角の採取を手伝う。一角兎と同様に経験石で構成されている角は非常に硬いが、それを想定してリーリスも特別製のヤスリを用意していた。
「あれ、ちょっと待って……このヤスリってもしかして土竜の経験石のじゃないんですか!?」
「えっ!?あ、言われ見てれば確かに……」
「生半可の硬さのヤスリじゃユニコーンの角は削り取れないんですよ!!大丈夫、ドルトンさんからはちゃんと許可をもらってますから!!」
角を削る最中にナオとジャンヌはヤスリの刃が土竜の経験石である事に気付くが、一角兎と同様にユニコーンの角の硬度も非常に硬いため、ただの鋼鉄やミスリルの刃では傷一つ付けられない。しかし、ユニコーンの経験石よりも硬度が固い土竜の経験石ならば僅かではあるが削り取る事に成功し、粉末を袋の中に回収する。
「よし、これだけあれば十分です!!すぐに逃げますよ!!」
「あ、待ってください!!ユニコーンの身体が光り輝いてます!!」
「ちょ、もう再生を始めたんですか!?急いで逃げますよ!!」
ユニコーンの身体が光り輝き、全身の火傷していた皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚が誕生する。慌ててリーリスは服をカバンに放り込んで逃げようとしたが、3人が離れる前にユニコーンは目を見開いて立ち上がる。
『ヒヒンッ!!』
「わあっ!?」
「不味い、逃げますよ!!」
「待ってください!!」
立ち上がったユニコーンを見てナオとリーリスは離れようとしたが、ジャンヌだけは起き上がったユニコーンに視線を向け、その瞳に敵意が感じられない事に気付く。
「……二人とも、動かないで下さい。私が話をします」
「は、話って……」
『ヒヒィンッ……』
自分をまっすぐに見つめてくるジャンヌに対してユニコーンは視線を逸らさず、やがて顔を近づけて鼻を引くつかせる。自分の匂いを嗅がれている事にジャンヌは頬を赤く染めるが、彼女は両手を差し出してユニコーンの首を恐る恐る抱きしめた。
「大丈夫です、もう私達は貴方に危害を加えません」
『ブフゥッ……』
「……大人しくなった?」
「ふうっ……魔物使いの能力でお互いの心が通じたんですね」
ジャンヌに優しく抱きしめられたユニコーンは安らかな表情を浮かべ、彼女の頬を舐める。その様子を見てリーリスは安心するが、ナオは警戒を解かずに話しかける。
「あの……確かユニコーンって清らかな乙女だけにしか懐かないと聞いたことがあるんですけど……」
「ええ、まあこの世界のユニコーンもそんな感じです。男のナオさんは迂闊に近づかない方がいいですよ……わあっ!?」
『ヒィンッ!!』
安心したリーリスがジャンヌに近付こうとした瞬間、ユニコーンは不満を露わにしたように鳴き声を上げ、角の先端を向ける。彼女の投げた爆発瓶で自分が大怪我を負ったことを理解しているらしく、敵意を滲ませて睨みつけるとリーリスは不満そうな表情を浮かべる。
「ちょ、何ですかこのユニコーン!!私だって清らかな乙女なのに態度違いすぎません!?」
「まあまあ……攻撃した事を怒ってるんですよ」
「ど、どうか許してくださいユニコーン……彼女は私の命を救うために必死だったんです」
『ブルルルッ……!!』
どうにかジャンヌがユニコーンを宥め、ナオがリーリスを抑えると、とりあえずは襲い掛かる様子もないのでユニコーンはジャンヌに任せてリーリスは薬の調合の準備を行う。
「全く、ルノさんが戻ってきたら馬刺しにして食べちゃいますからね……さあ、今から薬を作るのでその暴れ馬は離してください」
『ヒヒンッ!!』
「り、リーリス!!あまり挑発するようなことは言わないでください!!」
「どうどう……」
懲りずに挑発じみた言葉を呟くリーリスにユニコーンは鼻息を荒くするが、どうにかジャンヌとナオで抑えつける。その間にもリーリスは薬の調合を始め、精霊薬の完成を急ぐ。
※もしもルノが居た場合
ルノ「お~い、ユニコーン捕まえてきたよ」←片手で角を掴んで引きずる
ユニコーン『ヒ、ヒヒンッ……!?』←抵抗できずに引きずられる
リーリス「流石ルノさんですね」(´ω`)
「捕獲というか、もう既に瀕死の状態なんだけど……」
「だ、大丈夫なのでしょうか?」
倒れたユニコーンは酷い火傷を負っており、その傷跡の具合を見てジャンヌは心配した声を上げるが、リーリスはすぐに額の角を確認して無事である事を確かめる。
「ユニコーンがこれぐらいで死ぬことはありませんよ。時間が経過すれば自力で回復するはずです。その前に額の角を少し削りますよ」
「でも、ユニコーンは額の角が生命の源なんじゃ……」
「ほんの少し貰うだけです。ほら、お二人も手伝ってください」
ヤスリを取り出したリーリスはユニコーンが目覚める前に角の一部を採取するために削り始め、他の二人も慌ててユニコーンが目を覚ます前に角の採取を手伝う。一角兎と同様に経験石で構成されている角は非常に硬いが、それを想定してリーリスも特別製のヤスリを用意していた。
「あれ、ちょっと待って……このヤスリってもしかして土竜の経験石のじゃないんですか!?」
「えっ!?あ、言われ見てれば確かに……」
「生半可の硬さのヤスリじゃユニコーンの角は削り取れないんですよ!!大丈夫、ドルトンさんからはちゃんと許可をもらってますから!!」
角を削る最中にナオとジャンヌはヤスリの刃が土竜の経験石である事に気付くが、一角兎と同様にユニコーンの角の硬度も非常に硬いため、ただの鋼鉄やミスリルの刃では傷一つ付けられない。しかし、ユニコーンの経験石よりも硬度が固い土竜の経験石ならば僅かではあるが削り取る事に成功し、粉末を袋の中に回収する。
「よし、これだけあれば十分です!!すぐに逃げますよ!!」
「あ、待ってください!!ユニコーンの身体が光り輝いてます!!」
「ちょ、もう再生を始めたんですか!?急いで逃げますよ!!」
ユニコーンの身体が光り輝き、全身の火傷していた皮膚が剥がれ落ちて新しい皮膚が誕生する。慌ててリーリスは服をカバンに放り込んで逃げようとしたが、3人が離れる前にユニコーンは目を見開いて立ち上がる。
『ヒヒンッ!!』
「わあっ!?」
「不味い、逃げますよ!!」
「待ってください!!」
立ち上がったユニコーンを見てナオとリーリスは離れようとしたが、ジャンヌだけは起き上がったユニコーンに視線を向け、その瞳に敵意が感じられない事に気付く。
「……二人とも、動かないで下さい。私が話をします」
「は、話って……」
『ヒヒィンッ……』
自分をまっすぐに見つめてくるジャンヌに対してユニコーンは視線を逸らさず、やがて顔を近づけて鼻を引くつかせる。自分の匂いを嗅がれている事にジャンヌは頬を赤く染めるが、彼女は両手を差し出してユニコーンの首を恐る恐る抱きしめた。
「大丈夫です、もう私達は貴方に危害を加えません」
『ブフゥッ……』
「……大人しくなった?」
「ふうっ……魔物使いの能力でお互いの心が通じたんですね」
ジャンヌに優しく抱きしめられたユニコーンは安らかな表情を浮かべ、彼女の頬を舐める。その様子を見てリーリスは安心するが、ナオは警戒を解かずに話しかける。
「あの……確かユニコーンって清らかな乙女だけにしか懐かないと聞いたことがあるんですけど……」
「ええ、まあこの世界のユニコーンもそんな感じです。男のナオさんは迂闊に近づかない方がいいですよ……わあっ!?」
『ヒィンッ!!』
安心したリーリスがジャンヌに近付こうとした瞬間、ユニコーンは不満を露わにしたように鳴き声を上げ、角の先端を向ける。彼女の投げた爆発瓶で自分が大怪我を負ったことを理解しているらしく、敵意を滲ませて睨みつけるとリーリスは不満そうな表情を浮かべる。
「ちょ、何ですかこのユニコーン!!私だって清らかな乙女なのに態度違いすぎません!?」
「まあまあ……攻撃した事を怒ってるんですよ」
「ど、どうか許してくださいユニコーン……彼女は私の命を救うために必死だったんです」
『ブルルルッ……!!』
どうにかジャンヌがユニコーンを宥め、ナオがリーリスを抑えると、とりあえずは襲い掛かる様子もないのでユニコーンはジャンヌに任せてリーリスは薬の調合の準備を行う。
「全く、ルノさんが戻ってきたら馬刺しにして食べちゃいますからね……さあ、今から薬を作るのでその暴れ馬は離してください」
『ヒヒンッ!!』
「り、リーリス!!あまり挑発するようなことは言わないでください!!」
「どうどう……」
懲りずに挑発じみた言葉を呟くリーリスにユニコーンは鼻息を荒くするが、どうにかジャンヌとナオで抑えつける。その間にもリーリスは薬の調合を始め、精霊薬の完成を急ぐ。
※もしもルノが居た場合
ルノ「お~い、ユニコーン捕まえてきたよ」←片手で角を掴んで引きずる
ユニコーン『ヒ、ヒヒンッ……!?』←抵抗できずに引きずられる
リーリス「流石ルノさんですね」(´ω`)
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