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獣人国
ガルル王子の災難
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『な、何だ!?一体何が起きている!?』
『王子!!外に出ては行けません!!』
「お?」
馬車の内部から声が響き渡り、氷盾で全方位からの魔法攻撃を防ぎながらルノは馬車に視線を向けると、窓の部分が開いて王子と思われる青年が顔を出す。彼は窓の外の光景に目を見開き、一体何が起きているのか理解出来なかった。
「な、何だこれは……氷?何故こんな物が……うわっ!?」
雪の結晶の形状をした氷の盾を見て王子は戸惑うと、氷盾の正面の方向から魔術師が魔法を放ち、氷盾の外側で爆発が生じた。目の前で盾越しに爆炎が広がる光景を目にした王子は驚きの声を窓から離れ、馬車の中に存在した護衛の騎士に怒鳴り付ける
「お、おい!!何なのだこれは!?何が起きているんだ!!」
「わ、我々にも何が何だか……」
「この役立たず共めっ!!」
「うぐっ!?」
馬車の中に同乗していた騎士達も外で何が起きているのか理解できず、第一王子のガルルは憤りを抑えきれずに騎士の一人を蹴りつけた。だが、そんな王子の背後からこの状況を引き起こした張本人であるルノが開け放たれた窓から顔を出す。
「あの~すいません、貴方がガルル王子ですか?」
「うおおっ!?な、何者だお前は!?」
「あ、どうも。えっと……通りすがりの一般人です」
「嘘を付けぇっ!!」
唐突に現れたルノにガルルは慌てて騎士を盾にして質問を行うと、正体を明かせないルノが適当な答えを返す。ガルルはルノの返答を聞いて怒鳴り返すが、状況的に考えても彼がこの異常事態を引き起こした人間だと判断し、ガルルは再び質問を行う。
「も、もう一度だけ聞くぞ……お前は誰だ?まさか、弟の送り込んだ刺客か!!」
「いえ、別にそういうのじゃなくて……俺は話を聞いてもらいたくてここに来ました」
「話だと?一体何の話だ?」
「王子様!!このような輩の言葉など耳にしないでください!!ここは我々が!!」
「下がれ!!」
話をしたいというルノの言葉にガルルは反応すると、彼の傍に存在した騎士達が先に動き、腰に差していた長剣を窓から顔を出すルノに向けて突き刺す。
「死ね!!この賊がっ!!」
「うわっと」
自分の顔面に目掛けて刃を突き刺してくる騎士に対してルノは顔を窓から離すと、相手はそのまま扉を蹴飛ばして外へ抜け出してきた。しかし、外に出た所で馬車の周囲は氷盾で塞がれているので逃げる事も出来ず、むしろ外の状況を理解したガルルと護衛達は自分達の異様な状況を理解して混乱する。
「な、何だこれは……氷の壁?」
「一体何が起きている!?」
「ど、どうなっているんだこれは……」
馬車を取り囲むように形成された氷盾にガルル達は混乱を隠しきれず、頭の中の理解が追い付かない。しかし、その間にもルノは地面に降り立つと数人の騎士とガルルと向かい合い、溜息を吐きながら交渉を試みた。
「あの、まずは最後まで話を聞いてくれませんか?俺がここに来たのは……」
「そうか、この奇妙な氷は貴様が作り出した物だな!!お前達、あの男を捕らえろ!!」
「だから、人の話は最後まで聞いて下さいよ!?」
ガルルが話も聞かずにルノの捕縛を命じると騎士達に命じると、まだ混乱が抜けきったわけではないが騎士達は王子の命令を受けて仕方なく剣を構え、ルノを取り囲む。周囲を騎士達に囲まれたルノは面倒臭そうに彼等を見渡し、戦力を分析する。
(……この人達だけ他の兵士と比べると装備が煌びやかだな。だけど、随分と重たそうな鎧を身に着けているな)
基本的に獣人族の兵士は軽装であり、帝国兵のように金属製の鎧や兜ではなく、軽くて頑丈な革製の鎧や兜を装備している。しかし、ルノを取り囲んだ騎士達の殆どは金属製の武器と鎧を身に着けており、しかも中には魔術師も存在したのか魔石が取り付けられた杖を持つ獣人も居た。
(とりあえず、話し合いは無理そうだな。なら、いつも通りに暴れますか!!)
自分を取り囲んだ騎士達を見てルノは両手を広げると、対人戦のために考え抜いた新しい魔法を発動する。
「氷腕」
「な、何だと!?」
「氷の……腕!?」
全身を氷塊で覆いこむ「氷鎧」の応用版であり、腕の部分だけ氷塊の魔法で作り出した「氷腕」を作り出す。氷を身に纏うと言ってもあくまでも肘から先の部分だけに限定し、肩は自由に動かせるようにするとルノは騎士達に目掛けて駆け出す。
「いただきっ!!」
「うわぁっ!?離せ、この……ああっ!?」
騎士の一人が構えていた長剣をルノは氷を纏った右手で掴み取ると、本当ならば武器を奪い取るつもりだったのだが予想外に握力が強すぎたのか刃が砕けてしまう。その光景を目にした騎士達は目を見開き、一方でルノも力加減を誤れば鋼鉄製の剣の刃だろうと簡単に砕いてしまう事を知る。
(しまった、ちょっと力を入れすぎたかな……なら、軽く弾くぐらいでいいか)
武器を奪うのは難しいと判断したルノは今度からは刃を掴むのではなく、相手の武器を弾くことに集中して次の獲物を狙う。
※公開文字の100万文字達成!!そして「最弱職の初級魔術師」が遂に……!!詳しくは今日の10時に発表されます!!(今日は本編更新はありませんので申し訳ありません(´・ω・))
『王子!!外に出ては行けません!!』
「お?」
馬車の内部から声が響き渡り、氷盾で全方位からの魔法攻撃を防ぎながらルノは馬車に視線を向けると、窓の部分が開いて王子と思われる青年が顔を出す。彼は窓の外の光景に目を見開き、一体何が起きているのか理解出来なかった。
「な、何だこれは……氷?何故こんな物が……うわっ!?」
雪の結晶の形状をした氷の盾を見て王子は戸惑うと、氷盾の正面の方向から魔術師が魔法を放ち、氷盾の外側で爆発が生じた。目の前で盾越しに爆炎が広がる光景を目にした王子は驚きの声を窓から離れ、馬車の中に存在した護衛の騎士に怒鳴り付ける
「お、おい!!何なのだこれは!?何が起きているんだ!!」
「わ、我々にも何が何だか……」
「この役立たず共めっ!!」
「うぐっ!?」
馬車の中に同乗していた騎士達も外で何が起きているのか理解できず、第一王子のガルルは憤りを抑えきれずに騎士の一人を蹴りつけた。だが、そんな王子の背後からこの状況を引き起こした張本人であるルノが開け放たれた窓から顔を出す。
「あの~すいません、貴方がガルル王子ですか?」
「うおおっ!?な、何者だお前は!?」
「あ、どうも。えっと……通りすがりの一般人です」
「嘘を付けぇっ!!」
唐突に現れたルノにガルルは慌てて騎士を盾にして質問を行うと、正体を明かせないルノが適当な答えを返す。ガルルはルノの返答を聞いて怒鳴り返すが、状況的に考えても彼がこの異常事態を引き起こした人間だと判断し、ガルルは再び質問を行う。
「も、もう一度だけ聞くぞ……お前は誰だ?まさか、弟の送り込んだ刺客か!!」
「いえ、別にそういうのじゃなくて……俺は話を聞いてもらいたくてここに来ました」
「話だと?一体何の話だ?」
「王子様!!このような輩の言葉など耳にしないでください!!ここは我々が!!」
「下がれ!!」
話をしたいというルノの言葉にガルルは反応すると、彼の傍に存在した騎士達が先に動き、腰に差していた長剣を窓から顔を出すルノに向けて突き刺す。
「死ね!!この賊がっ!!」
「うわっと」
自分の顔面に目掛けて刃を突き刺してくる騎士に対してルノは顔を窓から離すと、相手はそのまま扉を蹴飛ばして外へ抜け出してきた。しかし、外に出た所で馬車の周囲は氷盾で塞がれているので逃げる事も出来ず、むしろ外の状況を理解したガルルと護衛達は自分達の異様な状況を理解して混乱する。
「な、何だこれは……氷の壁?」
「一体何が起きている!?」
「ど、どうなっているんだこれは……」
馬車を取り囲むように形成された氷盾にガルル達は混乱を隠しきれず、頭の中の理解が追い付かない。しかし、その間にもルノは地面に降り立つと数人の騎士とガルルと向かい合い、溜息を吐きながら交渉を試みた。
「あの、まずは最後まで話を聞いてくれませんか?俺がここに来たのは……」
「そうか、この奇妙な氷は貴様が作り出した物だな!!お前達、あの男を捕らえろ!!」
「だから、人の話は最後まで聞いて下さいよ!?」
ガルルが話も聞かずにルノの捕縛を命じると騎士達に命じると、まだ混乱が抜けきったわけではないが騎士達は王子の命令を受けて仕方なく剣を構え、ルノを取り囲む。周囲を騎士達に囲まれたルノは面倒臭そうに彼等を見渡し、戦力を分析する。
(……この人達だけ他の兵士と比べると装備が煌びやかだな。だけど、随分と重たそうな鎧を身に着けているな)
基本的に獣人族の兵士は軽装であり、帝国兵のように金属製の鎧や兜ではなく、軽くて頑丈な革製の鎧や兜を装備している。しかし、ルノを取り囲んだ騎士達の殆どは金属製の武器と鎧を身に着けており、しかも中には魔術師も存在したのか魔石が取り付けられた杖を持つ獣人も居た。
(とりあえず、話し合いは無理そうだな。なら、いつも通りに暴れますか!!)
自分を取り囲んだ騎士達を見てルノは両手を広げると、対人戦のために考え抜いた新しい魔法を発動する。
「氷腕」
「な、何だと!?」
「氷の……腕!?」
全身を氷塊で覆いこむ「氷鎧」の応用版であり、腕の部分だけ氷塊の魔法で作り出した「氷腕」を作り出す。氷を身に纏うと言ってもあくまでも肘から先の部分だけに限定し、肩は自由に動かせるようにするとルノは騎士達に目掛けて駆け出す。
「いただきっ!!」
「うわぁっ!?離せ、この……ああっ!?」
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(しまった、ちょっと力を入れすぎたかな……なら、軽く弾くぐらいでいいか)
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※公開文字の100万文字達成!!そして「最弱職の初級魔術師」が遂に……!!詳しくは今日の10時に発表されます!!(今日は本編更新はありませんので申し訳ありません(´・ω・))
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